2020/09/28 のログ
日下 葵 > 「ふふ、意地悪をすると意地悪で帰ってくるんですよ」

自己紹介をされて彼女が嫌そうな顔を見せると、どこか楽しそうに笑った。
反応が大袈裟な子も虐めていて楽しいものである。

「……さすがに彼の名前は誰でも知っているんですかねえ?
 先日まで入院していましたよ。
 確か今はもう退院して現場に戻ったはずですけど」

単機で大火力と言われれば確かに彼くらいなものなのかもしれない。
それでも、落第街で名が売れるというのはいかがなものかと思う。

「フレイヤが私の話を?
 ――それはつまり、嫉妬で私を嫌っているってことです?」

私がいないところでそんなに私の話をしているのか……
バレたらなかなか面倒な関係ではあるのだけれど……
悩みの種が一つ増えそうな気がした。

「なるほど……鈴音さんはフレイヤとどうなりたいんです?
 あるいは、私とフレイヤがどうなってほしいんです?」>

刀々斬 鈴音 > 「りー様戻ってるのか……へー。」

彼が退院してるんだったら、裏に帰ってもいいかもしれない。
違法部活もあまり派手に動けなくなるはずだ。

「……そう!」

嫉妬であると認める。
自分でもこれが嫉妬であると自覚している。

「鈴音はフレイヤ様と一緒にいれたらそれでいいよ。
 
 ……アナタはいなくなるとフレイヤ様多分泣いちゃうから。
 鈴音は嫌だけど……鈴音は嫌だけど………。」

二回言う。二回言うほどの事。

「……でも、前言ってたみたいな事はあんまり良くないと思う。
 そんな事続けてたらフレイヤ様、普通じゃいられなくなっちゃうよ。」

 死ぬことを含めたあらゆる苦痛を与えること。
 それが以前、聞いた内容。

日下 葵 > 「りー様?」

誰のことだろう。いや、話の流れからして間違いなく神代君のことだろうけど。
りー様?

「神代君を知っている、というより、知り合いだったり?」

もし仮に知り合いだったとして、神代君とどんな関係なのだろうか。
いや、”そんなこと”はあり得ないとは思うが、
神代君、彼女が居ながらまさか……ねえ?

「一緒にいられればそれでいい、ですか。
 立派なものですね。

 その点はまぁ……どうなんでしょうか。
 私はフレイヤがどうして痛めつけてほしいと
 お願いしてくるのかわかりません。
 すでにフレイヤは普通じゃないのかもしれませんし」

望まれているからやっている、といえば言い訳っぽいだろうか。
私とフレイヤの関係は利害関係の一致による部分が大きい。

「逆に、どうしてフレイヤが痛みを欲しているのか、
 聞いたりしてないんですか?
 私は何も知らないんですよね。

 だたまぁ……そうですね。
 彼女が嫌がることはやらないようにはしていますが」

以前フレイヤを泣かせてしまったときのことを思い出す。
何だかもやもやした気持ちになって、表情が曇って>

刀々斬 鈴音 >  
「し、知らないよ鈴音そんな人、知らない。
 す、鈴音は知り合いじゃないし?」

嘘があまりにも下手。
だが、風紀委員に二人の関係がばれるのはあまり良くない。
彼が滅茶苦茶に怒られかねない。

「……フレイヤ様。」

鈴音は痛いのは嫌いだ。
だから、弱い相手を虐めて倒す方がいい。

痛いのが嫌なのが生き物としての普通。

ならば確かに普通ではないのかもしれない。

「鈴音も知らない……マモルも知らないの……?」

主人であってもペットであっても所詮はこの島に来てからの付き合い。
それ以前の事は分からない。彼女の内面は分からない。

「……これからも嫌がることはしないであげてね………。

 鈴音はフレイヤ様にやれって言われても多分、斬れないから。」

二人の関係を、利害が一致しているその関係を認める。
……鈴音では彼女を満たせない。
彼女の歪んだ嗜好を満たすことは出来ない。

日下 葵 > 「……知らないんですね。
 まぁ、彼のことですから、
 現場でいいように動いてくれるコマが欲しかったんでしょう」

彼が考えそうな事ではある。
そしてこの鈴音という学生、嘘が下手すぎる。
下手すぎて揶揄う気が薄らいでしまうくらいには下手。

「私も知りません。聞いてみようと思ったこともないですし。
 あんなことしといてなんですがまぁ、
 知られたくないこともあるんじゃあないですか?」

もし、打ち明けたくなったらいつか話してくれるだろう。
それまでは、聞かないでおこう。
心のどこかで、そう決めていた節はあった。

「ええ、気をつけます。
 逆に私はフレイヤに優しくというか、
 そういう気の利いたことができませんから」

精々彼女のことをペットとして”可愛がる”くらいのことしかできない。
だから、フレイヤが望むものを与えてやろう。
そう思ったときには、私は痛みを、鈴音さんは温もりを。
そういう分担は必要なんだと思っていたり>

刀々斬 鈴音 > 「………。」

余計なことを言わないように何も言わない。
……沈黙はゴールド。
でも、首は左右に揺れて否定の意志を伝えている。

「そうだね……。
 話したくなったら話してくれるよね。」

それを抱えていて辛いのならば話してくれる……。
話してくれるだろうか?
鈴音の主人は残念な事に強い姿を見せようとする。
特に自分のペットに対しては……。

「……難しいね。鈴音こんなに他の人の事考えたの生まれて初めてだよ。」

鈴音は一緒にいるだけしか出来ない。
鈴音にはそれが求められている。
必要な時に都合よくそばにいる存在。まさにペットの立ち位置。

日下 葵 > 「まぁ、彼のことですから相応に対価は支払ってはいるんでしょうけど。
 私は適当な人間ですからいいですけど、
 あまり他の人に口外しないでくださいね」

かの鉄火の支配者様が女の子をコマに使っているなんて知れたら笑いものだ。
面倒が増える未来しか見えない。

「そうですねえ。
 いつか話してくれた時に、
 受け止めてあげる準備でもしておくのが良いんじゃないですかね」

難しいね、という言葉にうなずきはしないものの、
表情は同意の色を浮かべる。
どう接するのがいいのか、その距離感だったり、接し方だったり。
人が嫌がることばかりしてきた人間には、手に余る疑問だった>

刀々斬 鈴音 > 「……。」

無言でうなずく。
口外して鈴音に得はない……。
というか口外はしてない?してないね?しなくてもばれるのなら仕方ない…。

「鈴音はフレイヤ様が何を言っても受け入れられるよ!!」

きっと、それくらいで関係は変わらない。
鈴音の全てを受け入れてもらえたように鈴音も全てを受け入れられる。
そう出来たらきっと一番いい。

「……くしゅん……ここ、寒くない?」

この高所で涼しい風が吹いている。
そう、実際に寒い。未だ夏仕様の制服を着た鈴音にとってはとても寒い。

日下 葵 > 「良い子、というより単純な子なんですかね、鈴音さんは」

よく言えば素直というのだろうか。
この性格でよく落第街で生きてこれたものである。

「いいですねえ、私もそれくらい、忠誠を誓える相手が欲しいものです」

なんて言って見せるが、これは皮肉だ。
私に限って誰かに無条件の受け入れや、忠誠や、愛なんてことはありえない。
フレイヤでさえ、今は利害の一致という関係だ。
所有している感覚に近い。
フレイヤは私の所有物だから、大切にしている。そんな感じ。
だから、彼女の様に無条件で受け入れられると豪語できる人間を見ると、
理解しがたいと思うし、羨ましいとお思う。

「寒いですね。
 寒くていい感じです」

いつか、公園で誰かに似たような話をした気がする。

『時々こういう蒸し暑さに身体を晒して不快感を楽しんでおかないと、
 感覚がどんどん鈍くなるから』

自分はそういう目的でここにきている。


「……これ、着てください。
 風邪をひいて”頼まれごと”ができないのでは神代君が困るでしょうから」

よく見れば彼女の制服は夏服だった。
見ているだけで寒そうな服装。
そんな恰好でこんな高所に来るとは、私も大概だが、彼女も大概だと思う。
そんな姿を見かねて、パーカーを脱ぐと彼女に差し出した。

「そのうち返してくださいね」

まだ受け取ってもらえてもいないのに、
返すように釘を刺して彼女が受け取るのを待つ。>

刀々斬 鈴音 > 「馬鹿にされてる?もしかしなくても馬鹿にしてる?」

刀に手を持っていくが……流石に離す。

鈴音が生き残ってこれたのは幸運であったことが大きい。
そして、鈴音は単純ではあっても聡くないわけではない……。
だが、やはり運は大きい。

「…アナタも誰かのペットになりたいの?…じゃあ、その人は私にとってご主人のご主人のご主人みたいな事になるの?
 とんでもない関係だね……。」

忠誠の形がおかしくなっている。おそらくペットになりたいわけではない。
鈴音にとっては主人は初めての自分を認めてくれる相手、その感情は忠誠よりも信仰に近い。

「……返すときにボロボロになってても文句は聞かないから。」

そう言いながらパーカーを受け取って着れば。

「タバコ臭い…。」

日下 葵 > 「馬鹿にしているのが6割、
 それで生き残ってきたという諸々の強さへの驚きが4割です」

結局馬鹿にしている割合の方が大きいが、それはデフォルトである。
運の強さ、武術の強さ、諸々の強さは間違いなく持ち合わせているだろう。
神代君に遣われているというのも、なんだかんだ運がいい。

「ペットになりたいというのとも少し違いますが、何て言うんですかね。
 こう、打算的な感情を抜きにして、
 相手に尽くせるって感情を抱けることへの羨望でしょうか」

他人に無償で尽くすというのは難しい。
少なくとも自分には今のところできない。
そんな難しいことを、簡単にやってのける彼女の強さがうらやましいのだ。

「できればそのまま返してください。お気に入りなので」

とはいうものの、異能の都合で服がダメになることなんて日常茶飯事だ。
別に服がダメになることを今更気にしたりすることはないのだけれど。

「煙草臭いのは我慢してくださいよ。
 その匂いを私の匂いだって言って喜ぶ人もいるんですから」>

刀々斬 鈴音 > 「半分以上馬鹿にしてる……。
 やっぱり、アナタ嫌い!」

評価されてる部分も確かにあるのだろうけども…。
それはそれとして気に食わない。

「鈴音も始めは叩かれたくない…とかお金持ちでいい生活できる!とか…
 そんな感じでペットやってたから……そのうち出来るよ!」

初めは完全に打算だった。
いずれ寝首をかいてやろうくらいに思っていたのだけども受け入れられてしまって……。
あとは余計な過去がないことが幸いしたのだろう。

「……その時になってみないと分かんない。」

お気に入りと言われても特に特別大事するつもりはなさそうに見える。
流石に、狙ってボロボロにするようなこともないが。

「えー、こんな臭いを……?」

 そういいながら臭いを嗅ぐ、やっぱいタバコの匂いが一番強くて本人の匂いなんてあまりしない。

日下 葵 > 「人を馬鹿にして虐めるのが半ば趣味みたいなものですから」

鈴音さんに限ったことではないですよ。
そう付け加えるが、結局馬鹿にしていることが変わることはなかった。

「へえ、最初は意外と打算的なものだったんですねえ?
 そのうち、ですか……そうですね。そのうち。
 案外、そういうものなのかもしれませんねえ」

確かに、私も恩師に対しては最初は訓練をしたくないとか、
そういう感情しかなかった。
最終的にはもっと親しくなりたいと思って、
煙草をまねてみたりもするようになってしまった。
なるほど、彼女の言う通りなのかもしれない。

「馬鹿にしているとは言いましたが、
 案外鈴音さんから気付かされることも多いのかもしれませんねえ。

 別にボロボロにされたからって怒ることもありませんけど、
 可能なら丁寧に着てださい。
 ええ、こんな臭いを。
 私もはじめは煙草の匂いなんて嫌いでした。
 不思議なものですよ、それこそ”そのうち”に好きになってしまいました」>

刀々斬 鈴音 > 「ろくでもない趣味……。」

……人の事を全く言えない。
人を斬り、弱らせて虐めて楽しむ。
実害がある分こちらの方が質が悪い。

「……始めっから何もないのに全部言う事聞いてたら怖いよ。」

打算、打算、打算。
自分への益を求めてのもの。
好意を求めてるとか、いい人と思ってもらいたいという事ですら打算。

生き物は自分に益がなければ普通は動けない。動かない。

「………分かった。」

流石にここまで繰り返されれば分かった返事をする。
……よほどお気に入りなのだろう。

「鈴音は意外と賢いってよく言われるからね!」

そう、意外と賢い。
あくまで意外とレベル。

「……フレイヤ様にはタバコは吸わないように言っとかないと。
 せめてハタチまでは……。」

この学園でも酒、煙草は20歳からなのか?
……どちらにせよ、12歳の少女が吸うにはあまりいいものではない。

日下 葵 > 「よく言われます。
 でも、こんな趣味を持っている人間を、使おうとする人もいるんです。
 案外、役に立たない人間の方が珍しいかもしれないわけですから、
 その辺は、ね?」

事実、彼女だって都合がいいから使われているわけである。
そういう部分はお互い似ているのかもしれない。

「それは確かにそうですねえ。
 鈴音さんが意外と賢いっていうのも、
 あながち間違っていないのかもしれませんよ?」

ちょっと小馬鹿にするように言って見せるが、
意外と本心からの感想だったりする。

「ボロボロになるような危ない場所には行かないで欲しいというのもあります。
 それこそ、フレイヤが悲しい顔をしますから。
 どうでしょうか。私から煙草を勧めるということはまずありえませんけど。
 もし吸ってみたいと言われたら……わかりません」

その時は彼女が上手くストッパーになってくれるだろう。
虐めて壊すのが私の役目なら、優しく支えてあげるのが彼女の役目だろうから。

「さて、冷えてきました。
 私はそろそろお暇しますね」

すっかり燃え尽きた吸い殻をポケット灰皿に放り込むと、
立ち上がって階段へ向かう。

何はともあれ、今後もよろしくお願いしますね。
なんていえば、そのまま時計塔から降りていくのだった>

刀々斬 鈴音 > 「……風紀委員も大丈夫じゃなさそうだね。」

失礼な事を言う。
逆に彼女が風紀委員以外でいたら最悪鈴音と似たような事をしていたかもしれない。

「あってるもん!鈴音は賢いよ!本当アナタのそういうとこ嫌い!!」

勉強が出来るタイプではないかもしれないが…。
賢くないわけではない。

「……じゃあ、これ返すくらいまでは表にいるよ。
 
 …もう、風紀委員なのにちゃんと止めてよね。」

主人の名前を出されてしまえば何も言えない。
いつ返せるかは分からないけどそのころには落第街も今より落ち着いているだろう。

一度、動き始めたものを止めるのは動き初めに止めるよりも力がいる。
止まらなければストッパーにはなるつもりではあるが…。

「……ふん。」

挨拶を返さずに当初の目的通りに景色を見始める。
最後まで嫌いである事を隠そうともしない態度で……。

……小さく、聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で

「……パーカー貸してくれてありがとうね。」

鈴音なりの返事だった。

ご案内:「大時計塔」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から刀々斬 鈴音さんが去りました。