2020/09/30 のログ
ご案内:「大時計塔」に水無月 沙羅さんが現れました。
■水無月 沙羅 >
家族と大切な話をして、数日が過ぎた。
今は瞳も元の色に戻り、体調も快方に向かいつつある。
それでも、自分の心の中は少々複雑なことになっていた。
先の『ディープブルー』の事件から始まった自分の不安な気持ちがすべて払拭されたわけではない。
少なくとも、かぎりや椎苗は私を独りにする事は無い、傍に居てくれると約束してくれた。
だが、肝心な人物についての気になる情報が、自分の脳内を今は埋め尽くしている。
『風紀委員会特務広報部』
神代理央がそのトップに立っている風紀委員の下部組織。
広報部と言えば聞こえはいいが、そのじつ、行っているのは落第街やスラムなどへの示威行為を目的とした武力行使だ。
在籍しているのも、トップである彼一人。
誰がどう見ても、風紀委員へのヘイトを一点に集まるために設立されたデコイでしかない。
その存在を、『水無月沙羅』としては許容できない。
何も話してこない彼にもだが、そんな場所を作り上げた風紀委員の一部の人間にも、怒りの感情が沸き上がっていた。
夕日もくれはじめ、一番星が光り始める時間。
美しく輝く紅い空を、何処かぼんやりと見上げている。
その横顔は、哀愁に満ちているのだろうか。
■水無月 沙羅 >
そろそろ暗くなる。
また家で待っているあの子が心配しないうちに早めに帰ろうか。
そう思い立って踵を返した。
今日は星を見上げる事はなかった。
そういう気分ではないというのもあるが、こんなぐちゃぐちゃな気持ちで眺めていたら、あの星空さえも汚してしまいそうな気がしたから。
せめて大好きな星を見上げている時は、静かな心で居たいと思う。
どんな時でも見守ってくれている、というその役割は、今は本当の家族がしてくれているのだから。
けれど、もし願うとしたら。
どうかあの人の元に災いが起きませんように。
そう願わずにはいられない。
ご案内:「大時計塔」から水無月 沙羅さんが去りました。