2020/10/09 のログ
■ラピス > ぷかぷか。紅茶の香りがする紫煙を燻らせながら、へっぽこ教師も一服タイム。
甘めの味わいと好きな匂いで、頭の中がしゃっきりする。覚醒作用も織り込み済みだ。
そう言えば、彼女の魔力もこの煙草で多少励起されるのだったか。なんて、ふと思い出す。
「ん、ご明察ですね。よくお勉強してて、偉い子ですねぇ、華奈ちゃんは。
精霊の力の一部を宝石化して、魔力の変換効率を向上させてる感じですね。
ブーストもしてくれる想定だったのですが、そっちはちょっぴり増えるくらいでした」
それでも、変換効率が格段に向上することで、魔力の使用に無駄がなくなる。
それはすなわち、継戦能力や余分な魔力を注ぎ込んでの威力向上を可能にする。
ブーストまで出来たらそれこそ一級品。へっぽこ教師も、まだその領域には至っていないらしい。
「ん、いえいえ。友の幸せは、願っておかなければ。
もし、万が一仕事で疲れたり怪我したりしたら、保健室までどうぞです。
体も心も、ケアするのが生活委員たる先生の役割ですから、遠慮はなしですよ?」
或いは健康でも、彼女ならばお茶を共にするのも大歓迎だ。
ふふ、と笑みを浮かべると、頭上のこにゃんこはたしたしと肉球で額を叩く。
目の前の彼女ばかり構ってずるいぞ、という嫉妬の意思表示なのかもしれない。
「それじゃ、来週の予定を空けておきますかね。場所は保健室でもいいですか?
華奈ちゃんの個人情報っぽい感じでしょうから、人払いできる場所のほうが良いかと」
保健室であれば、診療中ということにして他者の出入りを封じられる。
へっぽこ教師の勝手知ったる場所だから、盗撮や盗聴も防げるはずだ。
「ん、それはぜひ聞いておきましょう――フレーバー系ですか。
スパイス系……なるほど。それでは良いのを見繕っておきましょうか。
ちなみにですが、スパイスっぽいのの変化球でチョコレートっぽいのもありますが」
どうですかね?とへっぽこ教師が首を傾げる。頭上の猫は、僅かにずれて不機嫌そうに頭をてしてし。
そこはクロのための場所ではないのだけれど、と苦笑を浮かべてから、ふと思い出したかのように。
「あぁ、そう言えば、華奈ちゃんは猫、飼えたりします?
友人が拾った猫、まだ貰い手が居ない子がいるらしいのです。
もしよければ、こにゃんこ一匹、如何でしょう。可愛いですよ?」
頭上のこにゃんこの兄弟姉妹の話を放り投げてみる。
先程から、ちらちらと猫に視線を向けていたのは確認済みだ。むふり。
■鞘師華奈 > 普通の煙草、というのにそろそろ飽きが来ているので、ここらで何か独特の煙草を味わいたいもの。
彼女にオリジナル煙草の作成を頼んだのも、そういう事情があったりする訳で。
紅茶の香り――ああ、そういえば友人もそんな香りのする煙草を吸っていたなぁ、と思いつつ。
「私は初級程度だけど精霊魔術を一応は覚えたから…まぁ、書物でだけど。
一応、微弱だけど精霊の力を凝縮した魔石?を普段から持ち歩いているよ。」
とはいえ、彼女の杖に備わっている七色の宝石に比べれば遥かに格は落ちるのだが。
魔導杖への興味は彼女の説明を聞くごとに高まっていくのだが、まずは自身の魔力体質の把握が優先だ。
基本、適性の高い魔術を伸ばし、不得手なものはアイテムで補おうと考えている。
魔術に関しては彼女を始めとして先達が多いので、まだまだ学ぶ事は多くありそうだ。
「あー…うん、遠慮はしない…つもりなんだけど。
…どうも私は変に我慢したりする所があるみたいだから、そこは直さないとね。」
出来る限りは自分で何とかしたい。前向きになったのはいいが、少々無茶をする気質もあり怪我の心配などは常にあるといってもいい。
少しずつ、友人や喫煙仲間が増えていく――その有り難みを感じるほど、3年間の怠惰な時間を勿体無いな、と感じてしまうのだけど。
(おや、嫉妬かな?)
黒猫の仕草に微笑ましく笑いつつ、彼女や黒猫に煙が行かないようにしつつ紫煙を燻らせて。
「あー…そこはあまり深く考えてなかったけど、ラピスさんがそう提案してくれるなら乗らせて貰うさ」
魔力体質、も個人情報だろうし出来る限りは秘匿はしておきたい気持ちもある。
鑑定してくれる彼女には知られても問題無いが、それ以外の周囲への情報は出来る限り遮断しておきたい。
――けど、ラピスさんは保健室の常連なんだろうか?と、そんな事も漠然と疑問に思うが。
「チョコレート…と、いうか厳密にはカカオかな?そういうのも私は歓迎だよ。
こう、普通の煙草の味に正直そろそろ飽きてきているから、変り種とかは大歓迎さ」
彼女の仕草と、それに不満そうな黒猫の行動に笑みが漏れ易い。可愛いなぁ…。
「…って、私かい?寮暮らしだけど大丈夫かな。【堅磐寮】って所なんだけど…。
一応、寮の方で大丈夫なら私が引き取っても構わないけど…。」
とはいうが、ペットを飼った経験が皆無なのでどうしたものやら。そういう本を買っておく必要があるだろうか?
ともあれ、引き取り手には立候補は一応しておこうかと。
(…あと、ラピスさんこれ絶対に私の視線に気付いてたな)
どうやら、ちらちらと黒猫の仕草にほっこりしていたのがバレバレらしい。私もまだまだだ。
■ラピス > 彼女の好むフレーバーは分かった。あとは色々試行錯誤して好みを模索するのみ。
スパイス系。カカオなんかも良いらしい。それなら最初はチョコレート系を作ろう。
「ん、まずは少しずつ知識と実技を経験するのが良いでしょう。
それから、精霊となかよしになることです。契約まで行かずとも、役に立ちます」
精霊と仲良くなれば、彼らから力を借りるコストが減る。
コストが減れば、その分共に戦う、冒険する機会も自ずと多くなる。
ともすると、接する機会が多くなって、更に仲良しになれる――はずだ。
無論、精霊魔法にも種類があるし、彼女の体質や魔力、素養などもあるから一概には言えないが。
少なくとも、へっぽこ教師が会得した精霊魔術は、その様な遍歴の末のものである
「ん、まぁ、なんともなくても来ていいですから、そこは問題なく。
我慢してたら見抜いてあげます。友として、先生として、ちゃんと見てますから」
彼女は自分の長所と短所を正確に見極めているらしい。
それは、何をする上でも重要なことだろうから、良いことだと思う。
そして、常に向上心を持ち、前を向く彼女だから、周りに人も増えていくのだろう。
「ん、それじゃ、そんな感じで行きましょう。ついでにお茶も用意しておきますね?
折角の機会ですから、華奈ちゃんとは煙草以外の交友も深めておきたいところですから」
保健室当番をよく仰せつかるへっぽこ生活委員の教師は、むふーと自慢気に胸を張る。
実際職権乱用じゃね?という雰囲気もあるが、まぁ支障はなさそうだし、怒られてないから良し。
お茶の時間を介して悩みとかケアしてるんですよ多分きっと。そういうことにしとく。言い訳。
「ですです。それじゃ、変わり種を用意して――っと。
それじゃ、今度写真を持ってきましょう。見てもらって、決めてもらえばと。
或いは、先生の友人ごと紹介しちゃうのも手ですが……まぁ、そこは追々。
華奈ちゃんなら、にゃんこに酷いことする人じゃないと信じられますから!」
こにゃんこを見る目は、可愛らしいという好意的な雰囲気だった。
だから大丈夫だろう、なんて思う。根拠はないけれど、確信だ。
頭上のこにゃんこも、兄弟姉妹がまた一人、飼い主を得られそうな状況に、小さな尻尾を緩く振る。
喜んでいるらしいこにゃんこを尻目に、ぷかりぷかり。ふかせば煙草も吸い終わる頃合いで。
「――っと、そろそろ一服もおしまいですね。華奈ちゃんはこの後どうします?
もしよければ、先生と一緒に仲良しこよしで帰りませんか、なんて。お送りしますよ」
明日の大事なお仕事のため、万が一があったらまずいものね、なんて提案を投げかけて。
その後の二人の行く先は、二人と空の月と星のみ、知っていることになるだろう――。
■鞘師華奈 > 彼女の自作の煙草は以前拝見しているし、どんな物が出来上がるか楽しみだ。
いい感じだったら定期的に作って貰おう…勿論お金はきちんと払うつもりだ。
「そうだね…契約、までは今の時点では考えてないかな。私としては一先ず、力をある程度借りれればそれで十分だし」
契約、というのは一方通行ではなく双方向。こちらも代償か対価を支払う必要があるかもしれない。
そもそも、精霊との相性とかもまだ漠然としてしか掴めていないのだ。
ともあれ、魔力体質を見極めて貰って、それを参考に精霊との接し方は決めていこうと思っている。
それに、目の前に先達が居るのだから助言を貰えるなら助言を貰うのも手だろう。
「…ほんと、”あの子”といいラピスさんといい、私の周りはそういうの見抜く人が多そうだなぁ」
苦笑気味に残りの煙草を吸い終えれば、取り出した携帯灰皿に吸殻を放り込んで。
自分が分かり易いだけなのかもしれないが…私だって意地を張りたい時くらいはある。
自分の長所と短所…ある程度は自覚しているが完全に、とはいえない。
他人から見た自分の気付かぬ長所や短所もあるだろう。人には恵まれていて幸いだと思うけれど。
――まぁ、私の周りに人が増えていくかどうかは分からないけれど。
「…ああ、勿論。私も知り合った人とはなるべく交友を深めていきたいと思ってるよ。
…3年もそういうのを蔑ろにしてきたからね…ちょっとは挽回しないと勿体無い」
苦笑を淡く浮かべる。取り戻せないから、その分は今から頑張っていくしかない。
怠惰にならぬように、前向きになれるように、”私の物語”をきちんと描けるように。
(…いや、でもラピスさんもしかして保健室を私物化――いや、止めておこう)
友として生徒として、そこは突っ込んではいけない気がしたので黙っておくスタイル。
猫の譲渡については、彼女の方に任せると頷いて。何か彼女の友人?を紹介されるかもしれないが。
それはそれで、また一つ新たな縁が出来るという事で少女としても歓迎だ。
「ああ、私も一服丁度終えたしそろそろ帰るよ。明日は仕事だし――じゃあ、一緒に途中まで帰ろうかラピスさん」
そして、その後は二人して談笑でもしながら共に帰るとしよう。どうやって帰ったのかは夜空の星たちのみが知る事。
ご案内:「大時計塔」からラピスさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から鞘師華奈さんが去りました。