2020/10/13 のログ
日下 葵 > 「だめ、ってわけでもないんでしょうけど、
 風紀委員会がそれだと困りますものねえ」

ヘラヘラと笑うが、実際そうなって困るのはこの島の住民だったりする。
それがいわゆる”責任”ってやつなのだろうけど。

「ええ、風菜さんが階段を上らずに糸でここにやってきたり、
 そういうのも旧来の人間ではまず無理ですからねえ」

お互いにどんな異能なのかは知らない。
でも何か能力や魔術を使えるのは間違いないだろう。

「私の場合はただの特攻になるので正確には引き分けですけどね。
 ほう、雇われですか。
 それはまた珍しいお話ですね?」

どこに雇われらのかは教えてもらえなかった、という言葉を聞いて、
はて、正式な討伐とも違うのだろうかと勘ぐってしまう。
そこで初めて、視線が目の前の夜景から、ココアを飲む彼女に移った>

雨見風菜 > 「治安維持組織ですもんね。
 島の治安が良いのもその機能があってこそですし」

ただし落第街は除く。
とはいえ、それでもやはり世界的に見れば治安は良いほうなんだろうけども。

「そうですね……ええ。
 突然異能や魔術が無くなったら生きていけるのか心配になってきました」

少なくとも、普通に便利使いしている以上、不便になることは間違いないだろう。

「特攻……ってそんな軽く言うものなのでしょうか。
 まあ私もダイナマイト巻いて突撃、とかならできそうですが、果たしてそれを討伐出来ると言って良いのかどうか」

絶対痛いやつ。
いくら痛いのも好きと言っても限度は有ると思う、多分。

「まあ、バイトみたいな感覚なんじゃないでしょうか。
 彼女、元の世界では冒険者だったらしいですし」

この反応、ということはもしかして風紀委員じゃないかなと予想を立てる。
事実、風紀委員からではないのだが、それを風菜は知らないのであった。

くぴり、とココアを一口飲む。

日下 葵 > 「風紀委員会に限らず、ですけどね。
 島のインフラを支える委員会群にはそれなりの予備があるでしょう」

生活委員会や、鉄道委員会もまた、似たようなものだろうなんて。
彼らが居なければ、交通網も物流も立ち行かない。
目の前の夜景はきっとみれない。

「そうですねえ、私も異能がなくなったらすぐに死んじゃいそうです」

相も変わらずヘラヘラとした様子のせいか、
冗談のようにきこえてしまう。
でも、当人にとってはこれは冗談でも何でもなかった。

「あら、軽く聞こえましたか?
 やってることは本当に身体に爆薬巻いて突撃するだけなんですけどねえ。
 とはいえ、異能がなくなったら本土に戻ってゆっくり暮らすだけです」

こんなことを言っても、信じてくれる人はそうそういない。
私の異能は実際に見てもらわないと理解しがたいものだから。

「女性ですか。それはまた勇ましい。
 バイト感覚で朧車の討伐ですか……」

これはまた随分血の気の多い人もいるものだなぁなんて。

「さて、良い時間になりました。
 私はこの辺で。
 こんどその冒険者さんとやらにあったら、ぜひお話をお聞きしたいですねえ」

そういって立ち上がると、煙草の火を消して携帯灰皿へ。
そのまま、時計塔の階段をゆったりと降りていくのであった>

ご案内:「大時計塔」から日下 葵さんが去りました。
雨見風菜 > 「インフラも重要ですよね、本当」

配達人のゲームで国道がどれだけありがたかったことか。
彼らの働きなくしては、この風景はないのだろう。

「異能を前提に生活してるわけですしね。
 ……ああ、やっぱりそうなんですね」

冗談のように聞こえたが、目は本気に見えた。
まあ、異能のメリットを享受しているのならそういう考えにもなるだろう。
そして、彼女の特攻の内容から、彼女の異能が『死んでも生き返る』タイプだというのは理解した。

「本土に戻ってゆっくり暮らす、ですか……いいですねぇ」

もしそうなれば、地元を避けて、というのも良いかも知れないと考えつつ。

「『暴れまわる連中は楽勝、誇る手合ではない』だなんて言ってましたね……
 ええ、おやすみなさい葵さん」

立ち去る葵を見送って。
ココアを一口。

「……あ、彼女の見た目のことを言ってませんでしたっけ」

そう独り言ちて、ココアが尽きるまで夜景鑑賞をする風菜であった。

ご案内:「大時計塔」から雨見風菜さんが去りました。