2020/12/20 のログ
ご案内:「大時計塔」に照月奏詩さんが現れました。
照月奏詩 >  
 眼下に広がる色とりどりのイルミネーションを眺める。
 街はもう数日後に迫るクリスマスに向けて完全にお祭り状態。イルミネーションも本格起動をし始める所だろう。

「ここからが1番落ち着いて見られるな」

 縁に腰を下ろしココアを飲む。吐き出した息は白くそして空の黒に溶けていく。
 こういう綺麗な景色は嫌いではない。むしろ結構好きだ。
 だが流石に男が一人でイルミネーション見学をするわけにもいかず、だれか誘える相手がいるわけでもなく。
 結果としてこうして誰もいないであろう時計塔で一人景色を眺めていた。

「でもまぁこれはこれでありかもな。上も下も星空……なんてな」

 少し冗談をこぼして外を眺めていた。

照月奏詩 >  
「クリスマスか……」

 改めて言葉にする。ここに来るまでそんなもの全く関係の無い行事だった。知識としては持っていた。そして拾われてその日がお祭りみたいになると聞かされた。
 そしてここにきて、色々な事を知った。
 1番興味深かったのはサンタクロースの事。流石に信じているわけではない。
 だけどもし本当にいたら面白いだろうな。そんな風に思ってしまう伝説だった。

「まさか見えないかなサンタ」

 だが怪異が現れたくらいなのだ。いたって不思議ではない。
 自分には絶対に配られないだろうが。プレゼントをもらっても良い人ならばいくらでもいるはずだ。その人のためにもいてほしいなと思い。今度は空を眺めていた。
 少し早いだろうが。もしサンタがプレゼントを運び込むのなら数日前から準備しないと無理なはずだ。
 そんな非現実と現実がごっちゃになった残念な話である。

照月奏詩 >  
「ま、見えるわけもないか」

 流石にないわなとあきらめてココアを飲み干すと立ち上がる。
 ゴミ箱は無い為それはそのまま手に持ったまま。

「そういえばスラムどうなったかな。少しはあのプレゼント有効活用できてるといいけど」

 昨日行ったなんちゃってサンタクロースを思い出して大丈夫だったかななんて思って。まぁ大丈夫だと信じて。
 そうして階段を下りて下へと向かっていった。

ご案内:「大時計塔」から照月奏詩さんが去りました。