2020/12/25 のログ
ご案内:「大時計塔」にセレネさんが現れました。
セレネ > 今日は聖夜。そして己の誕生日。
指にはプレゼントとして贈られた指輪が月明かりを浴びて煌めいた。
時計塔の最上階、冷える空気に少し身を震わせる。
…寒いのは得意な筈なのに。

「…まさか、プレゼントを貰えるなんて思ってなかったわ。」

一人呟くのは異国の言葉。
此処に来て半年程経ったが、存外仲が良い人物が増えたものだと思う。
そんな人など、作るつもりなどなかったのに。

セレネ > 初めはただ、心配してくる人を安心させる為の嘘だった。
思い出が増える度、関わる人が増える度、愛着が湧いて離れ難くなるのは経験していたから。
適度な距離を保ち、適度にはぐらかして、いつでも離れられるような位置を保とうとしていたのに。
……己が居なくなろうと、悲しむ人や寂しがる人が居ないよう、そんな立場で居ようと思っていたのに。

「……どうして…どうして、こんな…。」

色々と他者の事情に踏み込んで、己の内もいくつか曝け出して。
結果、離れ難い場所になって来ている。
柵に手を置き、項垂れる。
父や師のように、場所に執着を持たない気質なら良かったが。
己はそうはいかない。そうでありたいのに。