2021/03/15 のログ
ご案内:「大時計塔」に照月奏詩さんが現れました。
■照月奏詩 >
「ホワイトデーねぇ」
箱のクッキーを座っている自身の横に。反対側にはココアを置いてボーッと街を眺めている。
そういえばそんな時期だったなぁと今日気が付いた。売れ残りでセールとなったクッキーが安売りしていたのでせっかくだからと買った。
で、寮で食べようにも誰か知り合いに見つかると面倒なのでここで消化してしまおうとやって来たのだ。
「まさか、コンビニの店員も自分用とは考えてないだろうなぁ」
バイトの子は同じくらいの年代でいかにもそういうのに興味がありますといった様子の子だった。
たぶん彼女の脳内では1日遅れで少しシャイな男の子が買いに来た……みたいな妄想があったのだろうなんて変な想像をして少し苦笑い。
「美味ければなんでもいいけどさ」
蓋を開き一つ食べる。本来はそれなりに良い物なのだがシーズン過ぎなので安くなっていた。値段の割にはかなり上物のクッキーだ。味は相当良い。
■照月奏詩 >
「……最近こっちは無視しすぎだよなぁ俺も」
テストが終わりとりあえず留年は消えた事、落第街が色々と忙しすぎる事。それらが混じりあって最近は落第街に入り浸っていた。
それらもありホワイトデーすら気が付かずにこの様だ。まぁ覚えていた所で少し湿気始めたクッキーではなくサクサクのクッキーを食べていた程度の違いだが。
「……いや、ないな」
とよく考えればわざわざそんなことに金をかける自分ではない。間違いなく安くなる今日を待って買っていた。
ということは覚えていようと覚えていなかろうと結果は変わらないというわけで。
「それはそれでどうなんだって思っちまうな」
本来ならバレンタインとかホワイトデーとか。男子高校生が一喜一憂する1大イベント……のはずだ。だが自分からすれば1日待てば安値でクッキーやチョコが食べられる日。
少しそれはそれで悲しいのではないかと柄にもなく考えてしまう。
■照月奏詩 >
最後のひとつを口に運ぶとゴミを袋に押し込み。ココアも飲み切る。
「流石にゴミを残しておくわけにはいかないからな……公園経由で帰るか」
公園ならばゴミ箱があるしそこで処分すればいい。
もしかしたらフラれた男がすてたとか色々と余計な噂が生まれるかもしれないが……まぁ、別にそれはそれで問題ない。どうせ自分だとはわからないし仮にわかっても自分で食べたといえば良い。
軽く欠伸をすると階段を下りて街へと帰っていくのであった。
ご案内:「大時計塔」から照月奏詩さんが去りました。