2022/08/05 のログ
ご案内:「大時計塔」に鞘師華奈さんが現れました。
■鞘師華奈 > 「――流石に、この高さと時間帯だとこの季節でも多少は涼しいかな…。」
夜の大時計塔、その天辺にてぽつり、と夜風に微かに紛れ込むように呟き一つ落ちて。
上着を脱いでいる事以外は、何時ものフォーマルなスーツ姿で口の端に煙草を咥え佇む。
赤い双眸は茫洋と夜景を眺めつつ、時々、長い二房の尻尾の如き髪の先端を揺らし。
「…最近突発的に眠りに落ちたり手足の震えが起きたり…ちょっと本腰入れないとマズいかもね…。」
自分自身の肉体の変調は自分が一番自覚していて、未だ誰にも話してはいない。
煙草を蒸かしながら、懐から携帯を取り出してメールや着信をざっと確認する。
今の所、公安関連での急ぎの任務などは無いのが、幸いといえば幸いか。
■鞘師華奈 > 「…どうせなら、ティガも連れて来れば良かったかな…。」
以前、里親の一人として預かったキジトラの仔猫…今はもう立派に成長しているが。
流石に、仔猫の頃のように抱き抱えて一緒に散歩をする頻度も減ってしまっているけれど。
「…ちゃんと去勢はしたんだけど、結構マイペースで気紛れだからなぁ…。」
気を抜くと姿が見えなくなったりしそうで、中々外に連れ出す機会も減ってきている。
リードを使えばいいのだろうが、そういうのは正直あまり好きじゃあない。
とはいえ、今の季節は猫には辛いだろうし、もう少し涼しくなったら、と検討しておこう。
ひょいっ、と欄干の上に身軽に飛び乗れば、そのまま腰を下ろす。バランス感覚は優れてはいる。
その為、一歩間違えば真っ逆さまになりかねない状態だが女に緊張感は皆無だ。
ご案内:「大時計塔」にミアさんが現れました。
■ミア >
「そんな所に座ってると危にゃいにゃよ」
そんな声は下から聴こえてくるのにゃ。
学園自体は夏の休みで絶賛休校中、その内通う所だから見に来たついでにゃ。
まぁワタシは講義もにゃいのに律儀にチャイムを鳴らすのが可笑しくて見に来たって所にゃ。
面白半ぶ……ゲフンゲフン、ぱとろーるにと思って登って見たら立ち入り禁止にゃ。
まぁ、それならドアを使わずに壁伝いに登るだけなんだけどにゃ……
なんて、そんな所で回想も終わりにゃ。
下から失礼、お邪魔しますにゃ。
「立ち入り禁止らしいにゃよ?」
驚かすと危ないかも知れないけど、とりあえず言わなきゃにゃ。
どの口がって話にゃんだけどにゃ。
■鞘師華奈 > 「…ああ、ご忠告ありがとう。とはいっても、これでもちゃんとバランスには注意しているから大丈夫だよ…っと。」
下から聞こえてきた声に驚く、という事はなく平然と言葉を返しながら徐に欄干に両足を引っ掛けて体を後ろに倒す。
逆さまのポーズになったかと思えば声の主を確認するように逆さまの視界で眺めて。
「――ああ、らしいね。とはいえ、割と入り込んでいる生徒も多いらしいよ、私や君も含めて、ね。」
そう、小さく笑いながら口にすればそのまま、両足を欄干から離して落下する。
だが、空中で猫のように身軽に身を翻して両足で危なげもなく着地すれば。
改めて、声の主であるクリーム色の髪と猫耳が特徴的な少女を見下ろして。
「…と、改めてこんばんわ。君も景色でも見に来たのかな?」
■ミア >
「そうかにゃ」
逆さまの視界を見下ろして。器用な人間にゃ。
注意してたって物理的に高いと脚やら手やらが竦むもんだと思うけどにゃ。
「そうなのかにゃ? ヒトはるーるを守らないモノなのかにゃ」
ワタシ? ワタシは猫だしにゃ。
難しいるーるは分からないにゃ。都合の良い時だけ知能指数は下がる物にゃ。
くるっと、着地。あくろばっと。
まるで猫みたいにゃことするヒトだにゃ。
「ワタシはただの散歩……じゃ無かったにゃ、ぱとろーるにゃ。
悪い人や困ってる人を見つけて、見つけて……どうするんだろうにゃ」
詳しい事は聞かされていないにゃ。
これこれ、と風紀委員の腕章を見せびらかすようにして。
相変わらず堅苦しい制服は断固拒否したら腕章は服に縫い付けられたにゃ。
■鞘師華奈 > 元々、バランス感覚は優れている――学園での訓練もあるが、元々は落第街で暮らしていたのも大きい。
ちょっとしたパルクール等も得意だし、身軽さは女の武器の一つでもある。
「ルールは基本的に守るものだよ。ただ、誰も彼もが律儀に守る訳ではないよ。
これは多分、人間に限った事ではないと思うけどね。」
知性があり、感情があり、社会生活を営める種族なら大抵、そういうタイプが一定数は居るだろう。
と、その辺りを突き詰めて話すと小難しい会話になりそうだし、止めておこうかと思いつつ。
「パトロール…あー、もしかして風紀委員の人かな?それはまたご苦労様というか…。」
風紀の警邏に見付かった。しかも名目上は立ち入り禁止の場所で。とはいえ今更だ。
慌てる事も無ければ、嘘や方便で誤魔化すつもりもない。口の端に未だ煙草を咥えたまま肩を竦めて。
「―困っている人を見かけたら助ける、悪い人は捕まえるくらいの感じでいいんじゃないかな…。
…あぁ、やっぱり風紀の人か。成程…と、私は鞘師華奈。この学園の3年生だけど君の名前は?」
と、煙草の吸殻を取り出した携帯灰皿に捻じ込みながら尋ねようか。
この距離の会話だと、煙草を蒸かしながらだと身長差があるとはいえ煙が彼女の方に行く可能性もあったので。