2020/07/05 のログ
ご案内:「常世博物館【特別展示あり】」に空蝉 藍那さんが現れました。
空蝉 藍那 > 昼前に訪れたのは常世博物館。
地球に関する展示物があるらしく、少しでも地球に関する知識を 見て実感する 事が目的だった。
とは言え元々の頭が良くない少女にとっては、小難しい博物館の説明文ではなかなか頭に入ってこなかった。

「……失敗したかなー。」

溜息を洩らしながらも展示物自体はつまらないどころか見ていても楽しい。
知識として身に入れる事は出来なくとも、ワクワクする気持ちはある。
特に恐竜の展示物には驚いた。
化石として残っているものから推測した、とてつもなく大昔の歴史とそれに関する歴史。
門が無かったとしても、恐竜の時代から今の時代を考えたら、同じ地球なのにまるで異世界から異世界へと移り変わったみたいで、凄く興味深い。

「もしかしたらボクの世界にもあったのかな……」

目の前にあるのは立派な恐竜の化石を組み立てたもの。
ティラノサウルス、と呼ばれているらしく、この地球で最も有名な恐竜らしい。
ワイヤーで吊り下げられ倒壊しないように気を配られているこれが、嘗てひとと同じように血肉を持って世界を闊歩していたと思うと、それだけでドキドキして、この数分間ずっとティラノサウルスの化石の前で突っ立っていた。

空蝉 藍那 > 「……欲しいなぁ。」

ぽつんと呟いた後、ごく自然な動きで無意識のうちに視線が館内を窺う。
監視、警備、展示物の配置、鍵の形状や位置、侵入経路、トラップなどの類―――
それらをさっと確認してしまうのは癖みたいなものだろうか。
それでも確認を終えればすぐに目を閉じて自分の考えを頭から追い払ったけど。

「盗んだら、駄目。」

自分に言い聞かせるように呟いた後、その場から離れて別の展示物を眺める。
恐竜の時代から獣の時代、そして人間の時代に移り変わっていく地球。
展示物もその遍歴を辿るように移り変わっていく。
だがちっとも理解は出来ていなかった。

「見れば少しは理解出来ると思ったけど……複雑過ぎ多すぎ……」

どこか呆れたような声を漏らすと肩を落とした。
流石に少し疲れてきて、廊下の長椅子に腰を下ろして少し休憩する。

空蝉 藍那 > 「うーん……もう少し見てから出るかー。」

長椅子に座ったまま両腕を持ち上げて背筋を反らした後、腕を下ろしながら立ち上がってスカートを払う。
それから次の展示室に移ると、1人展示物を眺めて時間を潰すと、そのまま博物館を後にした。
結局地球の事に関して理解出来たのは、恐竜だとかそんなインパクトの強い物くらいだった。

ご案内:「常世博物館【特別展示あり】」から空蝉 藍那さんが去りました。