2020/08/05 のログ
阿須賀 冬織 > 「形が残ってるだけで稀……。そっか、何千年も前の物なのかこいつらは。」

成程、確かによくよく考えればこれらの道具が作られてから何千年とたっているわけである。
そう考えればまあよく今まで残った物だと感心する。

「死が伝染する、ね。確かにまあ死体の方が色々と病気なんかの元にはなるわな。
……成程。昔の人はそうやって解釈したわけか。
あー、死神が鎌持ってるのも同じような感じなのか? あっちは冥界に持っていく側だけど。」

死が伝染する。どうやら昔の人はそう考えたらしい。成程、確かに説明として理解できなくもない。
そういや、ゲームなんかで出てくる死神は大抵鎌持ってたなと思い出す。
あれは迎えに来る側だがこういった考え方と似たようなものがあるのだろうか。
そうやって考えると少しは楽しくなってきた気がする。

神樹椎苗 >  
 どうやら少しは興味を惹けたようで、椎苗は少年のリアクションに頷く。

「そうですね、多くの神話に語られる死神ですが、鎌にはやはり刈り取るという意味があるみたいです。
 生命を刈り取り冥界へと連れ去る――そういうイメージによって造られたものでしょうね。
 その印象から、死神の多くは悪神とされる事が多いです」

 そう説明しつつ、けれど、と続ける。

「本来の死神というのは、死者が迷わず冥界に逝けるよう、導くことが役目でした。
 また、死者の魂を選別、つまり冥界での処遇を決める役割も持っていたと考えられます。
 つまり死神は、本当であれば、死後の道行きを保証してくれる水先案内人だったと言えるでしょうね」

 などと死神についても簡単に説明を加えた。

「まあ死神に関しては、古代史と言うよりは宗教の話になってきますが。
 しいからすれば、そういう『死神』こそ、敬われるべき存在だと思ってしまいますね」

阿須賀 冬織 > 「あー、確かにまあゲームで出てくるときも大体敵側だなあ。
そりゃまあ、命を奪っていくわけだからその知り合いなんかからすれば憎い存在になるか。」

死神によってもたらされた死でなくても、死ぬときにあらわれるのであればそのような感情を持つのも無理はないし、
そうやって今の死神像といったものが出来上がったのだろうか。

「水先案内人かー。そう考えると必要な存在だし、むしろありがたいものなんかもしれねーな。
……わりーな、結構長い説明させて。でもお陰でなんか古代の方についても少し興味持てたわ。」

確か日本だとお金を持って三途の川を渡るんだっけか。
それの代わりと考えれば死後の世界というものがあるのであれば死神は必要な存在なのだろう。
長々と説明してもらったのでお礼を言っておく。実際話は面白く、いっそ歴史の先生やってくれたらとまで思った。

神樹椎苗 >  
「いえ、こちらこそ長話になっちまいましたね。
 これでも宗教家みてーなもんですから、これくらいは答えられないとってやつですよ」

 そう言って、薄く笑みを浮かべる。

「古代史に興味が出たなら何よりですが。
 レポートにするには個人的な解釈の余地が多すぎるかもですね。
 まあ――どうせなら楽しんでやれそうなものを見つけるようお勧めしますよ」

 そう言って、自分の用は済んだとばかりに、少年に背中を向ける。

「レポート、いいもんが書けるといいですね。
 応援してやりますよ」

 最後に少年への激励を残して、展示室から出ていくだろう。

阿須賀 冬織 > 「おう、ありがとな。……まあ確かに興味は持ったけどこれは書くのちょっと難しいかな。
そしたらまあ言われたように他の場所も回ることにするよ。
……ん、じゃあな。」

言われたように、これをレポートにするのは難しそうだし、なによりほとんど彼女から聞いた事なのでちょっとどうかなという思いもある。
でもまあ、ただの課題消化のためだったのに随分と面白い話を聞くことが出来た。
まあなんかレポートのハードルが無駄に上がってしまったが。流石に適当に出せばいいやで済ませるのは許容できなくなった。
出ていく彼女を見てから、何について書くのかと今日一日は博物館をうろつくのだろう。

ご案内:「常世博物館-中央館」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「常世博物館-中央館」から阿須賀 冬織さんが去りました。