2020/06/24 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員会棟」に幌川 最中さんが現れました。
■幌川 最中 > 委員会街・風紀委員会棟ロビー。
見るからに真面目そうな生徒から、そうではない生徒まで。
眼鏡を掛けた女子生徒が訝しげな視線をツナギのように風紀の赤い隊服を結んだ、
口に火のついていない煙草を咥えた仕事のなさそうな男まで。
「委員会棟の中に喫煙所作ってくれ頼むから……」
書類をロビーの椅子に広げながら、がしがしと乱暴に頭を掻く。
見てくれはこの有様であるが、今日は仕事にやってきた。
落第街の違反部活群。その中で行われていた裏競売のうちの一つに先日参加した。
『偶然』とはいえ、参加したからには報告書の提出は義務である。
ほら、……ほら。密偵? 内偵? そういう感じ? だからさ。
イヤー本当は俺そんなつもりじゃなかったんだけど。偶然ね。
だからこう、報告書を? まとめようと思ったんですけど?
「案の定何やってたのかわからんくなってきたな」
集中力って、年齢と共にすり減ったりします?
■幌川 最中 > 『偶然』、善意の協力者がいて。
『偶然』、裏競売が開催されていて。
『偶然』、風紀委員会の制服を着ていなかったから。
天運が味方したがゆえに、『中』で何が競売に掛けられていたかを知ることができた。
いやあ仕事をしたぜ風紀委員会の面目躍如だ、と言いたいところだが、
本来内調を行っているはずの公安委員会からは明らかにいい顔をされないだろう。
これをどうにか、ふわっと、嘘こそないが本当でもない報告書にせねばならない。
せっかく風紀と公安で協力して、だの、協調路線に、という話になっているのだ。
それに水を差すようなことはしたくない。
数年……何年前だ? 何年だ?
まあいくらか前に、風紀と公安の仲が悪かった時期もある。
そういうのはちょっと、ちょっとね。俺はもうやりたくないから。
「……え、えー。ど、どうすっかな。
偶然風紀委員が裏競売に参加してていい理由あるか? ないな?
ないな……。ミリもないな……」
ご案内:「委員会街・風紀委員会棟」にフィスティアさんが現れました。
ご案内:「委員会街・風紀委員会棟」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
■フィスティア > 「こんばんは。
幌川最中先輩…で間違い無いでしょうか?」
報告書を書くのは風紀委員会の新参者の私にはまだ難しいです。
昔も報告書を書いていたにはいたのですが…あの時の私と今の私は違います。なので他の方のを見せていただいて書いているのですが…なかなか上手く書けません。
どなたかに助力を願ってみましょうか…
…あれって、確か大先輩の幌川…最中先輩?
先日の会議にも出席しておられましたし、報告書について聞いてみましょうか。
報告書の書き方について、丁度報告書をどう書こうか悩んでいる大先輩に尋ねようとする元軍人が大先輩の斜め隣から自信なさげに声をかけた。
■日ノ岡 あかね > 「そうよ? その人が幌川最中。モナカ先輩。みんなの愛する大先輩よ」
くすくすと笑いながら、後ろから突如顔を突っ込んできたのは……ウェーブのセミロングを棚引かせた女。
元違反部活生にして……現風紀委員会元違反部活生威力運用試験部隊の隊員。
日ノ岡あかね。
「モナカ先輩。可愛い後輩が報告書の書き方わからなくて悩んでるみたいよ? 一肌脱いであげたらどう?」
そう、最中自身が報告書を書くことに難儀している事を知ってか知らずか、あかねは笑って提案した。
ニヤニヤと、猫のように口端を緩ませている。
■幌川 最中 > ろくでもないことを悩んでいれば、左右両方から。
それぞれ別の色合いをした少女二人から話し掛けられる。
普段であれば両手に白と黒で風紀キャバクラだな風紀キャバクラ、と笑うところだが、
どうにも笑えない状況であることは間違いない。
――白。フィスティア。異邦人。
風紀委員会刑事課の1年生。可愛い後輩。
そして、「いや~もうちょっと胸と尻があればな~」と委員会の男子と一緒に話し、
「いやフィスティアさんにそういう方向性のこと言うのは」みたいなことを事前に言われた相手。
――黒。日ノ岡あかね。元違反部活生。現風紀委員。
『楽しいこと』が大好きな2年生。1年留年している可愛い後輩。
そして、「いや~ちょっと付き合ったら重そうじゃね?」と委員会の男子と一緒に話し、
「いや日ノ岡は重そうとかじゃなくて」以下略。
そして俺の前には証拠をできる限り隠滅したいちょっとよくない報告書。
よくないよ。よくないけど、ちょっとだけね。ちょっとだけさ。
「ああ、ああ。勿論俺が幌川最中で、そうだな。
……噂には聞いてるよ。フィスティアちゃん。仕事できるんだって?」
婉曲的に「俺より仕事できたりするって聞いてるんだけど?」という、
恐らく幌川のできる最後の抵抗をしてから、あかねには溜息を返す。
「俺の字の汚さと成績と報告書の再提出率知ってて言ってるなら今日も楽しそうだなあ!
……服なら一枚でも二枚でも脱ぐけどな。で、どこわかんないのかな」
と、フィスティアにへらへらとした笑みを返した。
■フィスティア > 「あ、ありがとうございます
日ノ岡あかね先輩...で間違いないですか?」
大先輩の名前を間違えていなくて安心しました...
助かりましたが、確かこの方は確か元違反部活の方で...
少し怖いです。
風紀の新参であり、常世の新参でもあるフィスティアにとっては、違反部活と風紀の因縁など、資料の上ではある程度知っていても、それ以上は一切知らない。
しかし違反という文字が入っている以上、少し怖い、と言った表情を見せて。
「申し訳ございません。名乗り遅れました
フィスティアです
...仕事...はそんなに出来るとは思いませんが...」
ああ、またです。気をつけないといけません。
私は仕事ができる...のでしょうか?そうは思えませんが。
他の方々が摘発の仕事や恐ろしい怪異と交戦したという話を聞いていると、そうは思えません。
「えっと...すみません。存じておりません」
大先輩の笑みにすみません、と小さく頭を下げる。
そう、知らないから仕方がない。先輩の冗談に関しては苦笑に含みながら流して
■日ノ岡 あかね > 「ええ、そうよ。私はあかね。日ノ岡あかね。でも風紀じゃ後輩みたいなものだから、フィスティアちゃんもあんまり気にしないでね?」
二人の顔を見てくすくすと笑いながら、承諾も取らずに最中の隣に移動するあかね。
全く躊躇がない。
「先輩のダメさ加減は勿論しってるわよ。私の方が報告書も字も綺麗なこともね……でも、私って再提出率ゼロだから逆に教えるのヘタクソなのよね。毎日書いてるから慣れ過ぎちゃってるし。そうなると、何度も丁寧にやってるモナカ先輩の方がきっといいでしょ?」
そう、得意気に笑いながら、まるで猫がじゃれる様に最中にマウントを取るあかね。
実際、監視付きの元違反部活生であるため、事実としてあかねは毎日の報告書提出を義務付けられており、書きなれている事だけは間違いない。
しかし、あくまで違反部活生向けの報告書であることもまた事実なので、今回はどっちにしろ最中が教えるほうがおそらく適任である。
「ほらほら、モナカ先輩普段から大きな図体で大きな先輩面してるんですから、いいとこ見せてくださいよね? ふふふ」
■幌川 最中 > 幌川最中は、確信めいたものを感じた。
これは幌川今週のびっくりドッキリチャンスが無限に来るということ。
どこがわからないかを聞いたつもりだったけど伝わっていない。幌川チャンス。
あかねはもう完全に自分をおもちゃにする気が満々であること。幌川チャンス。
いい具合にリーチが掛かっている。もうこれで次があるのは半確定だ。
「真面目に時間通りに仕事に来てるんならもう俺より仕事できるさ。
自信持っていい。胸張って、胸張って風紀委員ですって顔しといていいよ」
笑顔を崩さないまま、うんうんととりあえず頷いておく。
後ろのほうで楽しそうににこにこ笑っているあかねについては置いておく。
手に負えん。手に負え(てほしいと思ってい)る白い後輩のほうへと視線を向け。
「こういうのは薫子ちゃんとか凛霞ちゃんとかね。
華霧ちゃんも案外真面目な報告書書けるからね。そういう相手をね。
レイチェルちゃんは聞いたらちゃんと教えてくれると思うからね」
頼ってほしかったなあ、と思っているが、もう時既に遅し。
it's already too lateってね。ハハハ!! 笑い事ではない。
「イチから書く必要はなくて、書式が事務のほうで貰えるはずなんだけど……。
フィスティアちゃん、何種の仕事の報告書?」
一種。刑事事件に相当するような事柄の報告書か。
二種。それとも注意――補導程度の事柄の報告書か。
三種。それ以外をざっくりまとめた報告書なのか。
そのどれなのかをとりあえず聞いてみる。報告書の種類を最初は覚えられないと評判だ。
早く辞めてくださいよこのシステム、と色んな後輩から言われるが、そんな権力などない。
あると思っているのかね。
「それともまた別のとこがわかんないかな」
■フィスティア > 「学年は先輩ですので。私はまだこの島についても全く知らないので。ご教授いただければ幸いです」
あかね先輩は私より年上のお方ですし。年上の方には敬意を払うものです。
それに、この島では誰でも私の先輩みたいなものです。
私はこの学園について、島について、地球について知らないことが多すぎます。
あかね先輩と幌川先輩に対して恭しく頭を下げる。
フィスティアの元いた世界で彼女は軍人だったわけで。
つまり上下関係は重視するものであったし、その上で彼女は性格ゆえに誰に対してでも敬意を払っている。
「異邦人街の見回りだったので...三種だと思いますが
喧嘩をしている人がいたので一度介入しました。
二種も書いたほうがいいでしょうか?」
幌川先輩は報告書を書くのは意外と苦手なのでしょうか?
そういえば他の先輩が幌川先輩のことをポンコツ、なんて言っていた気がします。
いえ、そんなことは無いはずです。
■日ノ岡 あかね > 「あらあら、フィスティアちゃんは礼節がなってるイイ子ね。お姉さん嬉しくなっちゃうわ。しかも見回りも出来てるなんて、とっても偉いわね」
嬉しそうに笑いながら、遠慮なくフィスティアの頭を撫で回すあかね。
フィスティアと違って馴れ馴れしい事この上ない。
「モナカ先輩が言う通り、確かに他の子がいればそれでいいと思うんだけど、今はいないみたいだから仕方ないわよねぇ? ふふふ」
既に何もかも手遅れ。time is gone.
言うなれば、開幕ダブルリーチ。
ただし、掛けてるのは自分ではなく他家。
幌川最中の状況は正にそんな状況だった。
それでも諦めず、何とか必死に安牌を探ろうとする最中の顔を見て……あかねは心底楽しそうにニヤニヤと笑う。
完全に……小動物が右往左往しているところを見て楽しむ少女の顔だ。
今のあかねからすれば、最中は大きなハムスターか何かに見えているに違いない。
いいとこいっても、子犬にじゃれられて困っている大型犬だ。
無論、その子犬の中にはあかねも混じっているのだが……そんなことは完全に棚に上げている。
「異邦人街で介入もあったなら、一種でいいんじゃないの? 程度にもよるけど……暴力沙汰は刑事事件でしょ? それとも、傷害事件にまでは発展してない感じかしら?」
一応口を挟みつつ、小首を傾げる。
■幌川 最中 > 「そうかそうか、そういえば異邦人なんだっけ。
それならあかねちゃんを頼るといいぞ。そこの。首輪つきだからわかりやすいだろ。
あかねちゃんは俺の知る中でも常世島大好きガールの筆頭だからな」
あかねにほんの僅か、大型犬なりのささやかな抵抗をする。
完全に知性ある人間として自分がいられているのか自信がないが、それはそれとして。
可愛い後輩(押し付けてもとりわけ怒らなさそうな偏見のあるメンバー)の名前を挙げつつ、
続いた内容には難しい顔をして、顎を触りながら眉根を少しだけ寄せた。
「傷害になってねえなら二種でいいんじゃねえかなあ。
……ま、生で殴ってるのをその目で見た、とかなら一種。
喧嘩『してましたよ~』くらいの塩梅なら二種でいいだろ。喧嘩してそう、で補導は勿論ダメだが」
ダブリーの状態でロンされたらたまったものではない。多分これダブロンだぜ。
うまいことあかねに和了牌を献上できたらしく、被害は最小限で済んだ。ありがとう日ノ岡。
でも半分くらいお前がよくわからないカンをしたからこうなってるんだよ、日ノ岡。
「そう厳しくしすぎるのは俺ァ好きじゃねえからなあ。
ま、あくまで報告書だからな。こういうことがありましたー程度だから、気ら――」
気楽に? 気楽に。気楽にやってきたツケを今さっきまで(というか今も現在進行系で)、
こうして無限に払っていた自分が言えるセリフか? と一度思いとどまる。
そして、運良く? 偶然? ラッキーなことに?
ファイルの中に数枚ずつ、誰かの書き損じを見越した三種類の未記入の報告書がある。
とりあえず一種類ずつファイルから引き抜いて、フィスティアへと差し出す。
「気楽にな。他の人が見て『あっこういうことあったんだ~』ってわかればいいからさ。
多分、……真面目そうだし、大丈夫だろ。絵とか書いたり麻雀で例えると再提出くらうぜ」
本当に少しの役にも立たないアドバイスをしてウインクをする。決まったか?