2020/06/28 のログ
幌川 最中 >  
「ぼちぼちか。ぼちぼちなら……なあ。
 新聞だったかで読んだけども、異邦人の方も大変そうだからなあ。
 なんつったっけ。オーク種か。ああいうのもどうにもならんからなあ」

魔除けになるということを幌川は知らない。
由来とか全部抜きで「アー麻雀楽しー」だけでプレイしている。
全国の麻雀好きに怒られるだろうし、ポンができるならしがち。
カン麻雀をせぬは男の恥。幌川は、そういう男だった。

「そうかあ、仕事だったのか。そら大変だったな。お疲れさん。
 シャワー先浴びたほうがよかったんじゃねえかと思うけどどう?」

配牌。……悪くない。悪くはないが、この。
このキュートでファンシーな鳥が対子。いらね~~と思いながら寄せる。
もうこのゲームやりたくね~。中白東南南鳥鳥。なんやねん。

「ああ、それはいいよ」

いらんいらん、と手で振るジェスチャ。

「俺、なんだかんだ生徒指導部だからねえ。
 多分、あかねちゃん周りの話はどうせ刑事部の管轄でしょ。
 それに、『知らないこと』にしといたほうが得しそうだからな~」

肩を竦めてから笑う。「マジ幌川さん転属させましょう」の野次。

「ま、知ってても『知らない』って言うけど。
 せっかくだから話してけ。幌川さんが英治ちゃんの話を聞きましょう」

「ルールル、ルルルルールル……最中の部屋」

沈黙。そして、数秒後に「マジ死んでください」という素の罵倒。

山本 英治 >  
「異邦人と怪異の分水嶺はいつも曖昧スね」
「人を襲うなら、対処しなきゃいけない……っていういつものやつス」

シャワーを浴びたら、と聞かれれば。

「いやこの手牌見せたいすわ! この運があれば脱衣麻雀ノーコンティニューってくらい!」

半荘終わるまで行かない、と拒否。
実際問題、脱衣麻雀のゲームをやると天和で和了られるのだが。
ファッキンアニメ美少女。50円入れてスタートボタンしか押してねえ。

「といってももう語ることあんまないすねー」
「何もかもストンと切って落とすような鮮やかさがあるはずなのに」
「なんとなくあかねさんのことが気に入らない……みたいな…」

顔をしかめて自分の顔を殴る。

「同僚陰口風紀不覚悟ッ! 制裁!」
「あとリーチす」

点棒を置いた。

幌川 最中 > 「もうお前二度と服脱ぐな!!!!
 英治ちゃんが仕事したのはわかる。わかってるよ幌川さんもね。
 でもね、幌川さんも脱げよみたいなハラスメントが発生してるの。
 英治ちゃんほど俺そんな全裸安くねーーよ!! わかるか!!!」

後輩にあまりにどうしようもない八つ当たりをした。
侠気溢れる全裸アフロと比べられると、そろそろお腹の出てきた気がする、
齢28の男にはどうしても見せられないものがあるのをわかってほしい。
わかってくれるね、グッド風紀委員会。

「ま~~~あかねちゃんのこと気にいるような奴ァな。
 趣味悪いから大丈夫だろ。英治ちゃんは女見る目がある。安心していい。
 幌川印の女を見る目ポイントをあげよう」

点棒が置かれた。

「英治ちゃんは接待って言葉しらない?」

悪口がしれっと二連打された。
もうこれ中も白も切れねえじゃん。おい。山本。
お前やっていいこととやってよくないことわかってないな。おい。

「英治ちゃんさ。あかねちゃんが『何やったか』知ってる?」

山本 英治 >  
「オ、俺だって安く脱いでるわけじゃないすよ!!」
「豚で言ったらバラ肉すよ! ちょっぴりお高いすよ!!」

指先をわなわなと震えさせながら唸る。

「全裸アフロの噂のせいで女子からは汚れた換気扇のヒモを見るような目で見られるし!」
「事情を知ってる風紀の女子にすらなんか切ってベタベタしたハサミのような扱いを受けるし!」

まぁ、脱いだんだけど。
事実イエーイ。真実イエーイ。

「幌川印の女を見る目ポイント……伝説の…」
「ポイントカードいっぱい貯まったら新しいポイントカードがもらえるという、あの」

ブチャアとケチャップを絞り出すような擬音が鳴りそうな笑顔を見せて。

「セッタイ……切腹する鯛焼きの略かな…」

お腹のアンコを見せるは今。

「ああいや……知らないす………」

一発はなかった。あとは裏ドラが乗ればいいなぁ。

幌川 最中 >  
「ロンっすそれ」

横から対々和の呼び声が聞こえた。コールオブ対々和。
避けられぬ一撃が幌川のあんこが詰まってそうな腹にぶち当たった。
なんで? と言う間もなくなんもかんもめちゃくちゃになる。

「ポイント貯めると昇進できるという噂の」
「山本サン、それ全部ウソなんで無視していいっすよ」

全てが直撃した。なんやねんと言う間もなく。
慣れた調子でまた牌を戻して、洗牌。

「聞いてみたらいいんじゃねえ?
 気に入らないんなら、相手のことをちゃんと見た上で、
 ああ、こういうのが気に入らなかったんだな、って思ったほうが精神にいいっしょ」

俺はコイツの対々和を平気で放り投げてなんすか? 麻雀ヘタっすね、
みたいな顔してるのが心の底から気に入らないよ。許せん。

「あとなあ。経験則だけどさ。
 あかねちゃんを『強い女』みたいに思ってると気に食わねえかもなあ。
 カワイイ後輩だと思って、人に懐いてる割に餌食ったらどっか行く猫みたいな。
 そんな感じだとおもったら、結構可愛がれそうじゃねえ? どう?」

そして、真剣な表情で。

「首輪ついてるしな」

あまりに。この場にいない同僚に対して、あまりにひどいハラスメントが行われた。

山本 英治 >  
「あがー! 俺のメンタンピンがッ!!」
「トイトイかー……鳴いて加速させてでも打つって感じの…」

ぶつぶつ呟きながら再び牌を洗う。

「エ、じゃあ幌川ポイント無意味説?」

そして聞いてみたら、という言葉に真面目な顔で頷く。
あの場で俺は何一つ喋っていない。
彼女と言葉を交わしていないのだ。
あの場で一番アンフェアだったのは、俺かも知れない。

「あかねさんが……カワイイ後輩…………猫…」

頭の中で猫耳をつけた日ノ岡あかねが思い浮かんだ。
カ、カワイイ~~~~~~~~~ッ。

「あのチョーカー、確か旧名ブラックギアスとかでしょ…長ったらしい名前がついてる異能封印装置」

二向聴から伸びない。全く。手が進んでくれない。
流れが変わったか……

幌川 最中 >  
「だろ~~~!?!?
 マジでカワイイだろ!?!?
 昼はあんなにナマイキなあかねちゃんがさあ~~~~。猫耳で~~~」

「マジ最低っスね」みたいな視線が突き刺さった。
10代と20代の感性は結構違うらしい。いやはや困ったね。困ってしまうよ。
それはそれとして、自分の手牌はいっそ国士でも狙ったほうがよくないか? と。
もうこの麻雀とかいうクソゲーそろそろやめるべきじゃないか? というレベル。

「噛んだりしねえさ。案外人懐っこいぜあかねちゃん。
 こないだもロビーんとこで報告書整理してたら構ってくれ~ってさ。
 カワイイ後輩だよ。だから、そうビビるこたねえし、」

「例えば」

目を細めてから、小首を小さく傾げて。
女子だったら映えたかもしれない。残念ながらいるのは28歳男性。

「カワイイ後輩が『頑張ってる』らしいから。
 それが『どういうもの』でも応援したくなるのは先輩のサガさ」

煙草に火をつける。パッケージは、学生街で買えるものではない。
落第街でしか買えない『校則違反』の、違反部活製の一品だ。

「『思想犯』なんて、校則じゃ縛れねえからな。
 俺たち風紀委員ができるのは対症療法だけ。
 予防できるんなら、この島から校則違反なんてもんはなくなってるぜ」

山本 英治 >  
「猫耳で……あ、いい。すごくいい。今の妄想を形にしたい…」
「土下座して頼んだら猫耳つけてくんないかな……」

南家の同僚(年下の先輩)から『お前山本…マジ山本だな』という類の暴言が飛んだ。
どうやら俺の名前は悪口として認識されることもあるらしい。
俺のようになるな!!

「可愛い……頑張ってる………」

思えば。俺は彼女の一面しか見ていない。
なんとなく、どこかの誰かから聞いたイメージで決めつけていないか?
それは相互理解からかなり遠いように思えて。

「幌川先輩ってかなりかっこいい思考してますね……」

そう呟いて切った牌は。
北家の当たり牌だった。

「ウッソぉ!? メンゼンでホンイツぅ!? 染め手暴力反対すよぉ!!」

ハコった。そのあとシャワー浴びた。

ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁/貸出会議室」から山本 英治さんが去りました。
幌川 最中 > 「だろ~~???
 後輩なんてずっと見てたらみんな可愛くなってくるから。
 山本も今度撫でてみ。あかねちゃん、カワイイから」

遠慮一つなく、この場にいない後輩の話をしながら。
名前が悪口になるって、それ、お前。じきにお前、俺みたいに。
……俺みたいになるぞ。英治ちゃん。

――そう。
人は、誰もその「全て」を見ることなんて叶わない。
全てを詳らかにしても、本人も気付かない裏側があることもある。

「だろ~? 年の功だよ年の功。
 もう8年したら英治ちゃんもこうなるよ。
 刑事の基本は足だからな。百聞はこう、こう……こうな」

思いっきり暴力を後輩から振るわれる山本を見て笑う。
カワイイ後輩を見ながら、そこで会はお開きとなる。

「とかいいながら、幌川サンなんもわかってませんよね。俺のこと。
 俺がいい加減『ソレ』、チクってるとか思わないんスか?」

「……わかんねえことばっかりだからなあ。
 ほら、そりゃあ……『当たったら負け』なのは麻雀と同じだろ。
 それなら、『当たらねえ』うちは、続けるさ」

幌川 最中 >  
 
「ほら。見えない手に当たるほうが、よっぽど怖いだろ?」
 
 

ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁/貸出会議室」から幌川 最中さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本庁 受付周辺」に園刃華霧さんが現れました。
園刃華霧 > 風紀委員会本庁、入り口付近。
委員も一般生徒も行き交うその場所に、彼女は居た。
手には、1枚の写真。

「ヤー、そンでサ―。ちょっとサー。
 詳細は、アレ。ヒトクジョーホーってヤツ? だから言えナいんだけどサ―?」

げらげらと、ひと目も憚らずに面白そうに笑う女

園刃華霧 > 「ほラ、あのおっかターいヤツ。
 りおちー。なーンか、いつもむスーってシてんじゃン?
 あいツもさー、可愛げってノがあってナー?」

周りにはなんとなく捕まった風紀委員数名。
彼ら彼女らに何やら楽しげに話している

ご案内:「風紀委員会本庁 受付周辺」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 『おぅ、お疲れーー飛鷹。今回結構ハードだったんだって?』
「あ。ハイ…ちょっと転移荒野まで行かされまして」
『あーなんか人だかりが出来てるよあそこ!ほら、行ってみようよ!!』
「え?え?」

と、そんな調子で遠出の任務から帰還してきたはいいが…偶々遭遇した顔見知りの男女の風紀委員に捕まった。
それなら軽く談笑程度で済む話なのだが、そこに間が悪く(?)謎の人だかり。
男女二人の同僚に巻き込まれる形で、少年もそのまま人だかりの方へと移動する羽目になり

「どうも、お疲れ様です――って、園刃さん?」

輪の中心に居たのは同僚の少女。着崩した制服姿が相変わらずだなぁ、と思いつつ。

園刃華霧 > 「そコで、とりイだシたりマスは……うン?
 おや、お客さン追加? 」

なにやら物売りか何かのようなものの言い様。
そこに参戦してくる新しい聴衆に、一回話をきる。

「おー、よいっちゃん。どしタね?
 話聞いテく??」

見たことあるやつだー、と手をふる

飛鷹与一 > 「どうも、いや、園刃さんこそこの人だかりは何かあったんですか?
また、何かスクープでも仕入れてきたりしたとか?」

と、苦笑気味に緩く首を傾げてみる。彼女の”スクープ寄席”はこれが初めてではない。
むしろ、風紀の一部からはある種の名物としてそれなりに知られてはいる。
少なくとも自分が知っているレベルでは有名…だとは思われる。
え、風紀の風紀が大丈夫かって?――正直それ、今更だと思うが少年はそこはノーコメントとしておきたい。

「――で、何かまたネタでも仕入れてきた、という感じですか?
俺、先日まで転移荒野で長期任務だったんで、正直最近の流れとかあまり分かってないんですが」

あの会議の翌日辺りから長期任務に突入したので、現在の風紀のホットな話題はからっきしなのだ。

園刃華霧 > 「ヒヒヒヒ。なに、よいっちゃんわっかルぅー?」

スクープ、ト言われれば
女子にあるまじき笑いを浮かべながら、楽しそうに言う。
ちなみに、前回は女子の下着を狙う変態紳士現る、だったりする辺り、常世広報と大差ないゴシップっぷりではある。
あと、たまに幌川パイセンの悪行が面白おかしく晒される。

「そうそう!いヤな、ちょーっとソースは言えナいんダけどサー。
 よいっちゃん知ってる? あの、りおちー」

けたけたと、すでに楽しそうであった。

飛鷹与一 > 「いやぁ、流石に何度も見掛けてますし――と、いうか周りが止めない辺り皆も実は期待しているのでは、と」

困った笑顔を浮かべつつ少年も口煩く咎めたりはしない…なんでかって?その程度でへこたれる同僚ではないからだ。
彼女のフリーダムさは或る意味で物凄い強敵なのである!
ちなみに、変態紳士やら幌川先輩の悪行については一応これも聞いたりしている。

(…まぁ、最近一番インパクトあったのは、議題の初っ端から出た全裸アフロ事件だったけど…)

山本君、今でも何か偶に幼女誘拐未遂とか、色々小耳に挟むけど禁固刑とかになったりしてないか不安だ。
ともあれ、何か楽しそうな彼女の様子に好奇心は惹かれるわけで。

「えーと、神代君の事ですよね?彼がどうかしたんですか?」

と、同僚の顔を思い出しつつ頷いて。まぁ、ゆっくりと話した経験はお互い無いのだけど。

園刃華霧 > 「マ、なンだっけホら。清い川にWar住まズ、だッケ?
 そンな感じっショ。かったイだけジャ、疲れるつかレる」

「むしろお前、固い時あるのか?」「先輩、いっつもゆるいじゃないですかー」と、周りから突っ込まれた。
気にしない。

「そうソう、そのりおちー。
 いヤさ、アイツ、カッターいじゃン? ダイヤかナんかカーって感じデ」

同僚に酷い言い様であった。
まあ彼女にかかれば大抵こんなものであった。

「で、サー。だカラ、なンつーの? 親しミ?ってノ?
 あンマない感じジャん。でもサ―、違ったンだなー」

にひひひひ、と。
いつもの悪い笑いを浮かべる

飛鷹与一 > 「そこ、戦争じゃなくて魚では…って、まぁ確かにそうですけどね…。」

とはいえ、ウチも一枚岩とは言えない訳で…まぁ、そんな事は前に所属していた時から分かってはいたが。
まぁ、それはそれとして…だ。周囲の突っ込みに、みんな流石に慣れてるなぁ、と思いつつ。

「固い、というか…ほら、神代君は過激派というかスタンスが良くも悪くもはっきりしてますし。
俺とはその辺りの相性は悪いと思いますけど、多分彼も彼なりに色々と悩んだりしてるとは思いますよ。」

それに、堅物ならば当然――息抜きは必要だろう。彼がそういうのが出来ているのかは同僚としても気になるが。
あと、同僚への言い草が地味に酷いが、まぁ園刃さんはそういうノリなので今更突っ込みはしない。

「親しみ――ですか。その笑顔からして、何か”激写”したんですね…。」

あ、と察した。まぁ何を撮影したかまでは勿論分からないのだけれども。

園刃華霧 > 「そソ。だかラ、アタシが『面白』くシてンの。
 ひひ、えらイだロー。あがメたてマつレー」

けたけた笑う。
「いや、流石にあがめたくない」「むしろ、ダメのお手本ですよね?」
盛大に突っ込まれてる。

「だロー? マ―、一本筋とオってルっちゃソ―なンだけドさー?
 もーちょット、ゆるクていいヨなー、アレ。
 そうソう、そンで」

と、そこで一回言葉を切って溜める。
そして、手元の写真を見せる。
そこには、フードの女が写っている。

「コレってワケ」

飛鷹与一 > 「はいはい、園刃さんが逆に激写スクープされても俺は知りませんからね?」

と、苦笑いを浮かべつつ。幾らフリーダムでへこたれない人とはいえ、そろそろ反動が来るのでは無かろうか。
例えば園刃さんがコスプレする羽目になったりとか、めっちゃ美人のコーディネートされるとか。…うん、何かむしろ人気が増しそうだなこの人の場合。

周囲の突っ込みにまぁまぁと軽く諌めつつ、彼女に話の続きを促せば。

「…まぁ、肩に力が入りすぎてるというか、張り詰めてるモノは感じますね――ん?」

そして、一度言葉を切った彼女が手元の写真をこちらに見せてくる。
フード姿の女。顔ははっきりとは――いや、ちょっと待った。

「……」

ここで無駄に異能の片割れである天眼を右目だけで発動。
写真を観測し、測定し、分析していく――結果、あぁ…と何ともいえない笑顔で。

「―――神代君、何でまた”女装”をしてるんですかね、これ?」

多分、本人が一番聞きたいと思っているかもしれないが、思わずそう尋ねてみたり。

園刃華霧 > 「ヒヒヒ、アタシ? アタシなんて今更だロー?
 狙う価値もナかろー」

本人、至ってのんきである。
なにかハメられたりすることもあるのだろうか。
少なくとも、今の本人の頭にはそのへんの可能性は欠片も想定がなさそうである。

「ァ―! こラ、よいっちゃん! 気が早イ、読ミが早い!
 せーっかク、ビフォーアフターしよートしたノにさー」

ぶーぶー、と子供のように文句をいった。
どちらかといえば、楽しみを奪われた子供のような風情である。
まあもっとも、本気で怒ってる、という感じではない。

「ほ―ラ、ちょっトいま察しノ良いよいっちゃんがネタバレしちゃっタけド。
 これガ! ヤツの! 本気ダ!」

一声吠えると、懐? いや胸元? から更に1枚の写真を取り出す。
それはフードを外した姿。うん。
見る人がよくみれば正体もわかるというもの。

「なんデ? サー? 趣味じゃネ?
 むしろ、趣味以外で女装すンの?」

あえて、状況は言わない。
だってほら、二級学生うんぬんの会場の話、なんてちゃんと話しちゃうのよくないだろう?
守秘義務、だっけ?
空気は読める華霧なのである!

飛鷹与一 > 「いや、園刃さん一部の男子から人気ありますよ。俺の任務の同僚とかで園刃さんいいな、とか呟いているの居ましたし。
あと、俺が知る限りだと多分2,30人は固いかと」

と、真顔で冷静に事実を伝えていく。残念だなフリーダム後輩。世の中には影の人気というのもあるのだよ。

「あーーすいません、つい気になって無意識に。…と、いうか本当にどういう理由で女装して任務に。
――潜入任務、というのが一番妥当なんでしょうけど」

例の”話し合い”については、そもそも彼はその頃は転移荒野で魔獣の駆除任務に当たっていたので、それどころではなかった訳で。
だからこそ、自分が居なかった間の周囲の状況の変化というのは気になるものである。

そして、改めて彼女が次に見せた写真はフードを取り去った姿…流石にこれは彼の顔を知る者が見れば分かるか。

「えーと、神代君が女装趣味って…そこまで思い詰めてたのか、それとも日頃のストレスですかね?」

趣味なのかなこれ…と、ちょっと死んだ目で写真の同僚の女装姿を眺めていた。
…やばい、これ全裸アフロのあれよりもある意味でフォローが難しいぞ…いや、どっちも難しいけど!!そもそも全裸はフォローできなかった。

「――と、いうかこれ本人に撮影してたのバレたら園刃さん、砲撃の雨を食らうのでは」

園刃華霧 > 「ン? 人気? よいっちゃん、マジで言ってル?
 ヤ、本気で言ってルのいルなら……正気にもドれ、地球に帰るンだ!
 って言っとケ?」

こちらも真顔で返す。
割と本気で言っている模様。
なお、周りの生徒達の中には「あ、馬鹿いうな!」みたいな顔をしている者が混じっていたとかいないとか。

「潜入? 堂々と顔さラしたラ無駄、だヨねー?
 ってコトは、やっぱ……」

精一杯沈痛な面持ちを作ってみせる。
いや多分、潜入のつもりだったんだろうけれど。
その辺を考慮する義理はないよね?

「サー……思い詰メるよーなタイプかネ、アレ。
 いヤ、仮にソーでも多分アレ、別のほーに逃げるタイプだぞ、きっと。」

割と好き勝手に評価する。
それが正しいかどうかは、あまり気にしていない。

「ハハは! あの規則マンが同僚にブッパなスのは無シだロー。
 まー、セッキョー、とか言ってクるかもシれんケド。
 そンときゃ逃げる」

げらげらと笑う。
まあ、本気で砲撃されても結局逃げるのでどっちにしてもやることは変わらない。

飛鷹与一 > 「いやーー既にファンクラブとか出来てるっぽいんで、もう手遅れかと」

苦笑気味に。まぁ、風紀の目立つ女子は何かしらコアな層からの人気が高い、という感じはする。
神代君もこれ、女装趣味(仮定)でも人気はむしろ高まりそうだな、とか思っており。

――俺?俺はただの一般風紀で目立たないのでそういうのはちょっと…。

「――と、いうかこれ。本人の趣味でも上からの指示でも、どっちにしろ色々とマズイ気はしますけどね」

やれやれ、と溜息。これはまた受け付けさん達に流れ弾被害が来る可能性があるのだけど。
何だかんだ生真面目なのもあり、これはどうフォローをしたらいいか、とザッと頭を回転させるが直ぐには思いつかないのである。

「逃避が悪い、とは言うつもりは無いですけどね。
人間誰だって逃げたくなる時はありますし。
むしろ、逃げたくならない精神なんてそれこそおかしいと思いますし。」

もしくは頭のネジなんてものが最初から無いのか。一息零しつつも、改めて女装姿を見ると何ともいえない表情になってしまう。
取り敢えず、何となく携帯を取り出してパシャリ、とフードを取った方の姿は激写保存しておこう。

何でしたかって?しなければいけない気がしたから。

「よし、じゃあ俺はそろそろ上司に報告とかしないといけないのでこの辺りで!」

と、園刃さんや周囲の同僚達に会釈をして歩き出そう。画像?拡散はしない。まぁいずれ役立つかもしれないし。
ともあれ、そんな感じで報告をするために奥へと歩いていくのであった。

ご案内:「風紀委員会本庁 受付周辺」から飛鷹与一さんが去りました。
園刃華霧 > 「……ハァ、さいデっか。
 いヤ、この島ッテば狂人多いノは知ってタけど……
 狂人だラけダな? 大丈夫?」

割と興味なさそうな顔で聞き流した。
それを沈痛な面持ちで見ているファンクラブ所属(隠れ)学生たち。
あとで与一のところに苦情が飛んでくるかもしれない。

「うはははは、マ―、別に女装くラい、よくネ?
 いや、これで女子こーい室にシンニューしまシた!
 とかダト、流石にアウトだローけどサー。」

面白そうに言う。
特に問題なさそう、だからこそこうやって広めるのだ。
だって『面白い』じゃん??

「ほイ、いってラ。
 せいゼい、一杯広げテってナー」

ひらひらと手を振って与一を送る。

「んじゃ、今日はお開きー。まったナ―!」

そういってその場を立ち去った

ご案内:「風紀委員会本庁 受付周辺」から園刃華霧さんが去りました。