2020/07/01 のログ
日ノ岡 あかね > 「うん、よろしくね、ユキちゃん」

笑顔で握手を交わすあかね。
そうして嬉しそうに笑いながら、最中の指摘ににやぁっと笑みを深めて。

「そうそう、またフラれちゃったの。絶賛失恋中ってところ。モナカ先輩は流石に鋭くてとっても嬉しいわ」

と、冗談めかして笑って見せて、肩を竦める。
相変わらず笑ってばかり。

「で、悩み相談はまさにそれなんだけど……」

そして、最中の顔を見ながら……黒い瞳をゆっくりと細めて。

「私ね、気になってる先輩がいるんだけど……その先輩がつれないのよね。積極的に私の事を構ったり手伝ったりして欲しいんだけど……どうすればいいかしら? ねぇ? 素敵な占い師さん。アドバイスお願いできるかしら?」

それはもう心底楽しそうに……そう、切り出した。

幌川 最中 >  
幌川は直感した。
多分「フラれた」というのは本当のことで、
それなりに彼女は彼女なりに傷心していて、そこに踏み込んだ、ということを。

「はあはあなるほどねえ。
 その先輩がどんなヤツかにもよるけども、
 カワイイ後輩が『こうしてくれ』って言やあ手伝ってくれんじゃねーの。
 ほら、手相に書いてあるだろそうやって。右手の下のほう」

いよいよもう手相占いじゃない。手すら見てない。
それはそれでいいとして、なんとなく八つ当たりのようなものを感じる。
気のせいだったらいいな。気のせいじゃねえ気がしちゃったけど。

「で、あかねちゃんはこの2500円で何をしてほしいって?」

ひらひらと後輩からせしめた紙幣を揺らす。
苦い表情。因果応報って、こういうことをいうんだな。
幌川はそう思った。

織機 雪兎 >  
「おっとぉ???」

自分のらしくないシリアスな相談とは打って変わってとても青春な相談。
だと思っている。
思わず身を乗り出して食いつく。

「いやその先輩見る目ないよ!! あかにゃんみたいなキレイでかわいくてやっさしい女の子フるとかどうかしてるよ!! そんな先輩の事さっさと忘れて次の恋に向かおう!! とりあえず僕とかどうかな!?!?!? 女の子同士なんてこと気にすることないない! そんなの愛の前には些末な問題だからね!!!」

二人の読み合いなんてさっぱり知らずに素っ頓狂な提案を捲し立てる。
が、紙幣を揺らす先輩を見て、

「――えっ? えっ、あんこセンパ、え? え???」

二人の顔を交互に見比べる。

日ノ岡 あかね > 「慰めて欲しいっていったらしてくれる?」

冗談っぽく笑って小首を傾げる。
髪が揺れて、首の黒いチョーカーの金具が……街灯の光で鈍く輝いた。

「ふふ、ユキちゃんもありがと。私も愛や恋に性別は関係ないと思ってるから……機会があったらよろしくね? そう思えばこれも、いい『出会い』って事かしら? 占いで散財した甲斐もあるわね」

無駄遣いと諫められたそれを真正面から天邪鬼に肯定して、あかねは笑う。
身を乗り出した雪兎にも、軽く身を寄せた。

「まぁ、どっちにしろ1000円分でいいけどね。2500円のうち、1500円分はユキちゃんの分だから。私の分は紙幣一枚で充分よ」

最早、手相も見てない最中に当てつけるようにそう呟く。
割引分の手抜きなら、それはそれで。そういうこと。

幌川 最中 >  
「どうすれば慰められるかを1から10まで説明したらしてやろう」

それを断る理由はない。
幌川最中は、日ノ岡あかねの先輩であると同時に風紀委員である。
風紀委員の腕章をしている相手ならば、躊躇いなく全員に『そう』している。
それが風紀委員会・生徒指導部の存在理由の一端であるがゆえ。

「2500円で出会い買えたんならそのへんの出会い系より安いだろ。
 風紀委員だから相手が身分詐称してるわけでもない。
 でも雪兎ちゃん気をつけろよ。あかねちゃん、雑食だから」

誰も彼もに手を出すという意味ではなく。
「野菜」も「肉」も、どちらも等しく糧にする生き物であると示し。
伝わっていても伝わらなくてもいい。言っておいたことが大事なのだ。

「ほら、だってあかねちゃんは。……見てほしいの、『手相』じゃなかろ」

であらば。1000円分くらいは、「見て見ぬ振り」をやめてもいいと。

織機 雪兎 >  
「ウェヒ」

自分から言い出したことなのに逆に積極性を見せられると怯む。
童貞のようなムーブ。

「? 気を付ける、って……?」

雑食、とは。
訳が分からない、と言う様な顔で首を傾げて。

「――えっ!? それは申し訳ないよ! 半分は出すよ!! 二千五百円の半分だから……えーと……」

割り算が咄嗟に出来ない。
指を折ってどうだったかと慌てて計算。
割り算は指で数えるのは難しいぞ。

日ノ岡 あかね > 「なんだ、わかってるじゃない、モナカ先輩」

嬉しそうにあかねは笑う。
楽しそうにあかねは笑う。
気付けば、長い付き合いになった先輩に。
風紀に入る前から。
補習をする前から。
違反部活に居た頃から。
ずっとずっと、そのままだった先輩。
そんな、最中にあかねは満足気に微笑んでから……立ち上がり。

「でも、私はワガママだから、お金払ってまで『そこまで』したくないわね」

悪戯っぽく笑った。
1から10まで説明したら。
そんなことはしたくない。
1から10まで説明しなくたって。

「占い師なら……察してくれなきゃダメじゃない?」

コールドリーディングに金を払っているのだから、今回は割引させたとはいえ。
幌川最中ではなく、どこぞの占い師にそういわれたのなら、あかねのする事なんて一つしかなくて。

「ま、1000円分の『慰め』と思っておくわ」

そのまま、踵を返した。
上機嫌に歩きながら、少し離れた場所で一度だけ振り返って。
 

日ノ岡 あかね >   
 
「先輩のばーか」
 
 

日ノ岡 あかね > 笑いながら、片目の下を人差し指で引っ張って、舌を見せてから。
今度こそ、どこぞに消えていった。
楽しそうに。嬉しそうに。

ご案内:「委員会街・大通り」から日ノ岡 あかねさんが去りました。
幌川 最中 >  
「こらあ再提出だな。ハー、女心はわからんな」

麻雀で以下略留年している先輩は、やれやれと頭を掻いた。
「間違ってから」しか気付くことの出来ない、異能以下の運のよさ。
“それ”はやはり、「間違ってから」気付く。

まったくこれはどうにも。
そして、やはり。日ノ岡あかねという少女にも平等に。

世界は、「欲しい」と言わなければなにかを与えることはない。
必要とするからこそ誰かに与えられて、
誰かが口を開けていれば甘い砂糖菓子を放り込んでくれるわけでもない。

だから。

「雪兎ちゃんも、欲しいときは何が欲しいのか、ちゃんと言わなきゃいかんよ」

「何が似合うか」なんて漠然としたものを求めてはいけないよ、と。
もし、相手が悪い相手で、心を巧みに操る異能者だったら?
……結局、最後は自分の「何をやりたい」が、自分の柱になるんだから、と。
小さく笑って――


「あっちょっいや、許可証これ!!! 許可証!!!!
 俺だって風紀委員会なんだけど!? ルールに違反してないんですけど!?!?」


やりたいことを好き勝手に言っていた先輩は、
やりたくもない先輩の取締りをさせられている風紀委員に連行されていった。

ご案内:「委員会街・大通り」から幌川 最中さんが去りました。
織機 雪兎 >  
「……ばーか、ですってあんこセンパイ」

彼女が去って行った方を眺めながら。
たぶんアレガチなヤツじゃねーかな。
しらんけど。

「あんこセンパイも、ちゃんと答えなきゃだめですよ」

この二人の関係は自分にはわからない関係なんだろうけど、本気には本気で答えないと駄目だと思う。
二人が本気で答えているかどうかは、わからないが。

「――いやホントにバカですかあんこセンパイ」

彼女は良い先輩だと言っていたが、やっぱりこの先輩ただのバカかもしれない。
引きずられていく彼を遠い目で見送りながら、大丈夫かな、風紀委員、とうすぼんやり。
少なくとも、麻雀で管撒いてばっかりの上に信じられない年数留年してる風紀委員にはならないようにしよう、と決めた。

ご案内:「委員会街・大通り」から織機 雪兎さんが去りました。
ご案内:「廊下」に早坂 さらりさんが現れました。
早坂 さらり > 廊下。

廊下の壁を背にして、
風紀標準装備を床に置いて逆立ちしている。

足がかゆかったのか、片方の足で反対の足を器用に掻く。
スカートではないので何がとは言わないが対策はばっちりだ。

早坂 さらり > 委員会街の廊下を行き過ぎる者は上下逆になっている少女に
それぞれの奇異の視線を向ける。
ただ、近づくと胸の辺りに「反省中」と書かれている札が垂れ下がっており、
なるほど、という顔と、関わらないでおこう、という顔で足早に去っていく。

「反省中」のはずの本人は、大きなあくびをして首を回した。
体重が軽いので逆立ちが苦にならない。

ご案内:「廊下」に織機 雪兎さんが現れました。
織機 雪兎 > 廊下を歩いてくる同じく女子生徒。
手にはポリタンクを持っていて、そこには自身で持って歩けるギリギリの量の水が蓄えられている。
逆立ちしている女子生徒に一瞬怯むが、構わず歩いて隣へ。
そしてそこに正座し、ポリタンクを膝の上に。
どこからか取り出した「僕は大事な書類にコーヒーをぶちまけました」と描かれている札を首から下げて。

「――そちらもですか」

何か妙に悟りを開いた表情でぽつり、と。

早坂 さらり > こくりと頷く。
多くの言葉は要らなかった。

「反省中」の札を片手で裏返すと、
「お客様に出す予定の茶菓子を食べました」と描かれている。

廊下で隣り合う二人。重なり合う運命。
廊下で二人の運命が交錯するのはこれが初めてではなかった。
立たされるそのたび、バケツを持たされるそのたびに、
互いの間に奇妙なシンパシーが生まれたことを感じていた。

「……トイレ掃除一週間か、逆立ちでせんぱいが帰ってくるまで、と言われたので。
 早坂は迷うことなく逆立ちを選びました。
 でも早坂他人のこと全然言えないですけど、ゆっきーせんぱいも大概ですね?
 何時間コースですか? もしかしたら早坂の方が先解放かもしれないですね」

織機 雪兎 >  
眼が合う。
多くの言葉はいらない。
共通の時間をそれなりの期間過ごした二人には、アイコンタクトだけで充分だ。

「一週間か一日未満かと言われたら、それはもう何の迷いもなく後者だよね」

無罰の時間、と言う選択肢はない。
なぜなら人はやらかす生き物だからだ。

「さっちゃんこそ、今週何回目なのさ? 僕が言うことじゃないけどさ。 あ、僕は三十分だよ」

ちなみにこちらは二回目である。
まだ水曜、一日はやらかさずに過ごせた。
よくやった僕。

早坂 さらり >  
「ですよね。迷いなく後者選んだら早坂めちゃくちゃ呆れられましたけど。
 意外と廊下で立ってろとか座ってろとか、かなり前時代的なバツ大好きですよね風紀委員。
 なんなんでしょう、これは我々が改革していくべきところなのかもですよ!がんばってくださいゆっきーせんぱい!」

片手で器用にガッツポーズを取ってみせる。

「さんじゅっぷん!? なんかゆっきーせんぱいの方が裁定甘くないです!?
 早坂一時間って言われたのなんで!? これってヒイキとかってやつですか?
 あ、何回目を手の指で見せようと思ったけど両手塞がっててできませんでした。十二回目です」

十二回目だからである。
ちなみに茶菓子は他部署の物まで、テーブルに置いてあったからと全部食べた。
部署を渡って二部署の先輩に同時に怒られたのは流石に初めてだ。

「あ、でも一人じゃなくなったとたん辛さが半分以下になりましたよゆっきーちゃんせんぱい。
 終わったらお昼食べに行きましょうよ。なんか酸っぱい物食べたいです早坂」

織機 雪兎 >  
「おかしいね。短い方が良いに決まってるのに」

そもそも罰を回避すると言う頭はない。
だって人はやらかす生き物だから。
これさっきも言ったな。

「まぁ言っても印刷したやつだったし、パソコンに元データ残ってたから。――は? え? 今週だよ??? まだ三日目じゃない????」

三日目で十二回????
流石にちょっとやらかし過ぎではないか???
僕でもMAX一週間に十回よ???
 
「あ、いいね。僕はなんかこう、麺類が食べたい。ちょっと脂っぽくてやらかく似た豚肉とかタケノコ煮たみたいなのとか煮卵とか合いそうな温かい麺類」

ラーメンである。

早坂 さらり > 人はみな過ちを繰り返して前に進んで行くものだって、偉い人も言ってた。
偉い人が言うのだから、それはきっと正しいことなんだろうし、これからもやらかしていく。
人間だもの。さらり。

「……えっと。
 朝礼中にあまりに眠すぎてフラフラしてたら前にいたせんぱいに頭突きしてしまって、
 ドミノ倒しになったのとかは入れなくていいなら、11回です」

あれは自分のことながら爆笑してしまった。指をさして。
多分爆笑してしまったからめちゃくちゃ怒られたんだと思う。
まさかの朝礼担当が神代せんぱいだったりしたからさらにめちゃくちゃ怒られた。

麺類と聞いて目を輝かせてあっさり上下逆になって。

「あっ、美味しそう!! 早坂脂っこい健康に悪そうなもの大好きです!!
 なんか学食の方にすっぱい麺類もあったと思うから絶対行きましょうよ、
 あ、ていうか今から行きます? なんか終わりごろにしっかり正座してたり逆立ちしてたら、
 その時に見に来たせんぱいたち騙せそうじゃないですか?」 

織機 雪兎 >  
過ちは仕方ない。
人間なのだから。
過ちから学ぶと言うことを投げ捨てた二人であった。

「それは入れた方がいい」

もしかしてこの子僕よりだめなんじゃないだろうか。
でも可愛いから許す。
許しちゃう。

「脂っこくて健康に悪いもの良いよね!! よし行こうか! 先輩の僕が奢っちゃあだだだだだだ!!!!!」

通りすがる風紀委員が見張りも兼ねている、と言うことには頭が回らず、堂々とサボろうとポリタンクを退かして立ち上がったら立ち上がれなかった。
僅かな時間だが、自身の体重と比重ほぼ1の水の重量は確実にこちらの脚にダメージを与えていた。
ブザマにスッ転び、大声を上げてのたうち回る。

早坂 さらり > 「えー、でも山本せんぱいとか、あの髪型してるだけでやらかしてるようなもんじゃないですか。
 あれに比べたら早坂とかゆっきーせんぱいとかのやらかしなんて、
 めちゃくちゃ可愛いものだと思うんですよ早坂。顔も早坂たちの方が可愛いし」

ラムレイせんぱいとかもあんな胸してる時点でなんらかの法に触れている可能性もあるし、
風紀委員の模範とは何かはいまだにわからないところはある。
会議にも参加させてもらえないので風紀委員はかくあるべし!みたいなのを誰か教えてほしい。
その段階にないとかわけのわからないことをいわないで。

「えっ!? 大丈夫ですかせんぱい!!
 足つっちゃいましたか!? 正座してただけで足折ったりしたんですか!? 虚弱!
 骨が折れたのなら早坂がいま電撃で心臓マッサー」

ゴンッ!とポリタンクに足を取られて織機先輩の方にブザマにスッ転ぶ。
勢いよく。

織機 雪兎 >  
自身がアフロセンパイと呼ぶセンパイとか、リン先輩の胸も相当犯罪だと思う。
りおりんの厳しさも何らかの犯罪を犯している可能性が高い。
しかし今の自分にはその辺に関して言及出来る余裕がない。
痺れた筋肉を刺激しないよう必死で痛みに耐え、波が収まるのを待つしか、

織機 雪兎 >  
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!?!?!?!?!?!?!?!?!?」