2020/07/06 のログ
ご案内:「委員会街」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
日ノ岡 あかね > 夕刻の庁舎。
新設部隊を率いるに際し、あかねの提出する書類の枚数も増えていた。
各庁舎に書類を提出して回り、とある庁舎のロビーでココアを片手に一休みする。

「ま、こればっかりは仕方ないわね」
 
どこか楽しそうに笑いながら、あかねはココアを啜る。

ご案内:「委員会街」に園刃華霧さんが現れました。
園刃華霧 > ちょっと前に怪我した頭にバンソーコーをつけてのお出まし
流石に額割るといたいなー、とかちょっと思う

今日はちょっと不真面目に、始末書とかを持ってやってきて……

「おンや、あかねちんじゃん。やっほー」

顔見知りを見つけて
ひらひらと、手を振ってみる

日ノ岡 あかね > 「あら、カギリちゃんじゃない。こんにちは」

ニコニコと笑って、小さく手を振るあかね。
以前と何も変わりはない。
……左腕の腕章以外は。

「また無茶でもしたの?」

絆創膏をみて、あかねは小さく笑う。

園刃華霧 >  
「ン、まーソんなトコ。ちょっと遊びスぎてネ」

へらへらと、いつもの調子で笑って答える。

「そっチはー……まータなんカ、かっこイー腕章だナ!
 林檎に……蛇?
 なンか、どっカで聞いタよーな組み合ワせな感じもスるけド……
 やっぱ意味あルの、そレ?」

以前と違うところ
左腕の腕章。以前は、ただの風紀の腕章……だったと思う。
あんまり気にしてなかったから記憶怪しいけれど。

日ノ岡 あかね > 「真理に噛み付く」

短く述べて……あかねは薄く笑う。
新設部隊の腕章。

「『トゥルーバイツ』……私が任せられている部隊よ。正式名称は風紀委員会元違反部活生威力運用試験部隊傘下独立遊撃小隊。まぁ三十人にも満たない小所帯だけどね」

そう言って、ココアを啜りながら、あかねは軽く肩を竦めて。

「カギリちゃんも入る? 入るなら面接するけど」

軽い調子で、そう声を掛けた。
落第街でそうするように。

園刃華霧 > 「あっはハ、前も言ってタやつダな?」

真理に噛み付く
そう、確かに自分の目的はそれだ、と言っていた
それにゾクゾクした感触を覚えたことも……

「『トゥルーバイツ』、ねェ……そイつもまー、かっコいー名前だネ。
 正式名称は……風紀いい……んべッ……いや、無理ムリ無理。
 あかねちん、よクそんナなっがい名前いえルし、覚えてルな……」

正式名称を真面目に言ってみようとして舌を噛む。
ついでにろくに覚えてないから、舌が回ったとしても多分ちゃんと言えてなかっただろう。
いや、やっぱ頭いいわ

「ンー……前聞いてカら、正直、すっごイきょーみアる。
 あるシ、混ざってモいいと思ってル。
 まあ、ソッチのお眼鏡にカなうかハ別だけド」

これは嘘偽らざる気持ち
適当に生きている中で、久しぶりにテンション上がったのだし

「ンだけド……一個だけサ。
 真理……っテのは、ドんなモンなの?
 いや、上手く言えンから、そいつに噛み付くってコトなんかもシれんケドさ」

日ノ岡 あかね > 「端的に言えば『願い』を叶える」

また、あかねは手短に告げる。
ニコニコと笑いながら。

「カギリちゃん、願いってどうして叶えられないと思う?」

あかねは笑ったまま、重ねて尋ねる。
少し冷房が効きすぎている庁舎のロビー。
エアコンから吐き出される人工的冷風と、過剰なほどに清掃された床から香るワックスの匂い。
日常から少しだけ切り離された日常。
そこで、あかねは……華霧に尋ねる。

園刃華霧 > 「『願い』……?」

そういえば、そもそも『願い』なんてロクに持ったことがなかった。
七夕になんか書いたら?なんて言われたが、まあ適当に
「せかいへいわ」とでもかく程度だ。

「ンー……努力が足ラんかラ、とカ……
 そンな、その辺のヤツが言いソーな話、じゃナいよナ?」

よくある解答は、そんな感じか。
夢を叶えたいなら、とか、願うなら、とか。
まあそんなの。

意外とあたりだったりするかもしれんけど。
世の中って思ったより単純なこともあるし。

さておき、とりあえず少し真面目に考えてみる。
『願い』っていえば、人に都合のいい頼み事、みたいなモンだよなあ……

「ンー……ソれゾれが好き勝手望めバ、結局、誰かノ『願い』が
 誰カの『願い』をぶっ潰スから……とか?」

なんか、これもありがちな気がする。
違うかもしれないけれど、まあお答えを聞くのが素直ってもんだ

ちょっと肌寒い
けれど、まあ全然。
何しろ心はホットなんだ。

日ノ岡 あかね > 「手段が分からないからよ」

淡々と、あかねは述べる。

「『願い』の叶え方がわからないから。『願い』の望み方がわからないから。『願い』の場所が遠すぎるから」

いつも通りにニコニコと笑ったまま。
あかねは述べる。

「だから、これはその『手段』でしかない。『願い』を叶える為……その『願い』の叶え方を知る為……『真理』に踏み込む」

真理。
真実。
それを知れば、そこに至れば。

「……『願いを叶える手段』はそこにあるかもしれない」

あかねは笑う。
淡々と。いつも通りに。
日ノ岡あかねは……ただ笑う。

「それが『私のやりたいこと』よ」

華霧の目をみて。

「ねぇ、カギリちゃん。アナタはアナタの物語を出来てる?」

園刃華霧 >  
「アー……」

手段がわからない
わからないすぎて、
なにをどうしていいか、わからない

そんなこと、なにをどうしようもないに違いない

「ンじゃ……
 あかねちんは、どうシても叶えタい『願い』ッテのが在るノか」

『願い』を叶えるため
いや、『願い』を現実とするため
戦いを挑む、と

「かもシれ無イ、か……」

ソコにたどり着いても、なにもないかもしれない
多分、そこも織り込み済みなんだろう
それでも、譲れないなにかがある

「アタシの物語……か。
 物語、なンてごタイそーなモンか、アタシにはワからンよ。
 デモ、アタシは、アタシのやりタいよーニ。
 アタシの人生ガ楽しクなルよーに。
 アタシの人生を楽シくさセるヨーに。
 そうシてる」

笑って……しかし、見透かすかのように覗き込んでくる眼を見返して。
こちらも、笑みを浮かべる。

「それがアタシだってンなら、アタシの物語、なンだろーシ。
 ソうじゃナいってンなら……さあ、どうスるかネ?」

日ノ岡 あかね > 「その為に死ねる?」

目を見て、あかねは問うた。
普通の庁舎の隅で。エアコンの風の下で。冷ややかなタイルの上に置かれた長椅子の上で。
あかねは、問う。

「自分の人生を楽しくするために、より良くするために、自分を語るために、自分を彩るために、自分を自分たらしめるために」

園刃華霧に問う。
日ノ岡あかねとして。
その目を……じっと見つめて。

「戦って……死ねる?」

あかねは、いつの間にか笑っていなかった。
いつの間にか……真面目な表情になっていた。
真っすぐと……華霧の目を見て問うていた。
その心の奥底にまで、問いかける様に。

「アナタの『願い』は……『真理』に踏み込まなければ、叶わないもの?」

日ノ岡あかねは……静かに問う。

園刃華霧 > 「ハ……」

死ねる、かと
その眼は本気だ
そして、相手は間違いなく『死ねる』
それは間違いなく、わかる

「アタシは……そう、だな」

今までを振り返る

落第街に生まれ
親も知らず

一人で彷徨い
落第街で育ち

人生こんなもんかに反逆して
人生面白く生きてやると決めて

「正直いえば……アタシに『願い』なンてあるのカ、自分でもワかラん。
 クソみたいな人生を楽しく……なンてのハ、さ。
 一体全体……『願い』、なノかネ?」

問を問で返すな、なんて言説は在るが
それでも、見返しながら問いに問いかける

「そンでもッテ……そイつは……
 果たシて、『真理』とヤらにマでかケる『願い』ナのか。
 ソこまデ真剣にナらなくテも、叶えラれルと。
 つマん無い、くだラない、と言わレりゃ……
 マあ、ソれまデだ。」

それは自分への問いかけでもある
それは自分への自答でもある

「マ……それデも。
 アタシはソれに『命』を賭けテるってノだけは、間違い無いサ。
 誰に何を言ワれよート。『命』を賭ケて、人生を遊ンでやル」

獣の笑みを浮かべ、あかねの瞳を見返す

日ノ岡 あかね > 「じゃあ、私に付き合わないほうがいいわ」

あかねは『笑って』そういった。
いつも通りに笑って。
ニコニコと笑って。
いつも通りに笑って。

「なんで、『トゥルーサイト』が壊滅するまで『見逃されてた』と思う?」

『トゥルーサイト』、あかねが居た違反部活。
あかね以外の全員が死んで、あかねだけが生き残った違反部活。
真理に挑み、真実に踏み込み、失敗した。博打に負けた。
その勝負から生きて戻ったのは……あかねだけ。

「『舐められてたから』よ」

あかねは笑う。

「『何も出来るわけない』って」

あかねは笑う。

「『やるだけ無駄』って」

あかねは笑う。

「『どうせ負ける』って」

あかねは笑う。

「そして、全部『その通り』になったわ」

あかねは笑う。
あかねは哂う。
あかねは。

「『今回』だってそうよ」

――嗤う。

「『トゥルーバイツ』、風紀委員会が私に任せてくれてるのって……『無駄な事に血道をあげる命知らずの負け犬』をまとめて私に押し付けただけ」

ニコニコと。
当たり前のように。
もう、真面目な顔なんてしてない。
もう、笑みを消して尋ねてなんていない。
そこにいるのは、いつも通りの日ノ岡あかね。

「ねぇ、カギリちゃん、私思うんだけど」

クスクスと、猫のように笑う……いつもの日ノ岡あかね。
ただ、いつも通りの。

「風紀辞めたら?」

日ノ岡あかね。

「向いてないわ、アナタ」

園刃華霧 >  
「ドーやら、面接落チかね?
 アタシは嫌いジャないンだけドさ」

変わる表情をみて、やれやれ、と肩をすくめる。
まあ、そんな気はしていた。
そのばかぎりは、ダメなのだろうと。

「でもサ―、あかねちん。
 『舐められて』も
 『何も出来ない』と言われても
 『無駄だ』と思われても
 『どうせ負ける』と決めつけられても
 アンタは――ヤるんだロ?」

笑い続けるあかねに問いかける。
答えは決まっているだろうけれど

「ご忠告どーモ。よク言わレる。
 でモこっちをキメるのは、アタシさ。
 それこそ、無駄ダろーとサ。」

やや大仰に肩をすくめつつ、答える。

日ノ岡 あかね > 「当然、私は『見て見ぬ振り』はしないから」

事も無げにあかねはいう。
今回の勝負も勝ち目なんてないも同然。
やるだけ無駄と思われている。
するだけ無意味と思われてる。
だから、風紀上層部はあかねの好きにさせた。
あかねの仕事に応えて相応の褒美を与えた。
それこそ……見向きもしないで。

「逆に聞くけど……『真理』のためにカギリちゃん全部捨てられる?」

小首を傾げる。
全部。
当然……命だけじゃない。

「『もっと良くなるかもしれない未来』のために『今』を……かなぐり捨てられる?」

日ノ岡 あかね >  
 
「『その場限りの楽しみ』なんて捨てて、『願い』のために身を投げられる?」
 
 

園刃華霧 > 「ン、あかねちんならソう言うと思っタ。
 そンなあかねちんが大好きサ」

腕を広げて、ハグの準備かのようにする
もちろん、そんなわけでもないが
それでも、こういう信念は嫌いじゃない

「『もっと良くなるかもしれない未来』、ね」

ふむん、と考える。
してみると、これが望む先なのか。

「『もっと良くなるかもしれない未来』がアって、
 その方法がアるなら、『見て見ぬ振り』はデきないってコトなノかな。
 そンで、それがアタシにでキるか、と」

考える
それは『その場限りの楽しみ』を捨てても邁進できるか
今の自分を変えられるか、と

「『もっと良くなるかもしれない未来』ってノが、
 今よリもっと『楽しい』ってンなら……ダな。
 マ、あかねちんの話からすれば……保障なンてないノかもシんないけド。」

見えない先を考える
そんなことは今まで考えてもみなかった
自分なりに、で未来をよくしようっていうのは、まあ考えていた
それに必要なら、かけるモノは賭けてきたつもりだ

落第街を抜けても
風紀の犬になっても
かつての仲間に後ろ指をさされても

日ノ岡 あかね > 「当然よ、保障なんてない。むしろ、負けが濃厚。もう一回負けてるんだから」

しかも、今回は首輪付き。
前より分が悪いともいえる。
完全な風紀委員会の監視下。
公安委員会にまで既に『目』を付けられた。
勝率は確率にすれば1%未満。
数学的に言えば不可能とされる数字。
無視される数字。
無かったことにされる数字。
『見て見ぬ振り』をされる数字。
それでも。

「『つまんない保険』が大事なら、私についてきちゃダメ」

あかねは笑う。

「『自分で出来ない』なら、私についてきちゃダメ」

あかねは笑う。

「『自分自身のツケ』に出来ないなら、私についてきちゃダメ」

あかねは……笑う。

「『自分で選んで』、カギリちゃん」

真っ暗な目を細めて。
願うよう、祈るように。

「私は誘うわ。でも……選ぶのはアナタよ」

……あかねは、笑った。

園刃華霧 >  
「アー、そリャそーダ。確かにナ!
  一回負ケてる上に、立場も悪イ。」

当然といえば当然。
そこは前提にあった話。
元々、そういうところは気にしていないからこそ頭からはずれ落ちた話。

「そンならサ。
 そモそも『保険』なンざ、なイ。アタシに何モ無かっタ。
 『自分で』なンて、ズっとアタシは自分でやっテきた。
 『自分自身のツケ』なンて、最初っカらずっト自分のツケでヤってきタ。」

自分には何もなかった
暖かい家も 家族も
用意された食事も

全部 全部 自分で手に入れてきた

「なるほど。
 『選ぶ』ノはアタシ……なら、『選ん』デいイんだナ?
 はは、考えてミりゃ、アタシらしク無かっタわ。」

挑むような眼で、あかねを見つめる

「乗ったヨ、あかねちん。
 アタシが面白そウって思った時点で、ダメだ。
 逃げてモ、逃さナいゼ?」

ひひひひ、と女子にあるまじき笑いを浮かべる。
とても、とても楽しそうな顔

日ノ岡 あかね > あかねは……その笑みに……満面の笑みを。
どこか、泣き出しそうな笑みを向けて。

「なら……私はこれ以外に言葉を持たないわ」

そっと、差し出す。
差し出したのは……腕章。
林檎に絡みついた蛇が大口開けてそれに絡みついたエンブレム。
その意は。

「……ようこそ、『トゥルーバイツ』へ」

真理に噛み付く者。

「真理に……挑みましょう。『願い』を叶えるために」

あかねは……笑う。
強い意志の籠った瞳で。
悲痛な願いを込めた瞳で。
一人の少女として、一人の人間として、一人の日ノ岡あかねとして。

「やりましょう。『私達』が『私達』だから『私達』を行う話を」

あかねは、華霧に差し出した。
真理への……片道切符を。

園刃華霧 > 「おうサ、あかねちん」

腕に巻いていた風紀の腕章を引きちぎるように外す。
そのまま、代わりに新たな腕章をつける。

「よろシくな。
 一緒に、やってこーゼ。
 しかし……なンだ。 かっこイーな、それ。
 『私達』が『私達』だから『私達』を行う話、か……」

にしし、と。
珍しく素直な笑いを浮かべる
そして、再度、口の中で反芻する
『私達』が『私達』だから『私達』を行う話、と――

「あ、ソーそー。
 ツケは払って来タって言ったケど、ごめン。
 ありゃ嘘ダった。
 飯屋の代金のツケは、割と払ワせきタわ」

ごめんね、と謝罪のポーズ

日ノ岡 あかね > 「カッコいいでしょ。お気に入りのフレーズなの。気になる子が言ってたから、私もそのまま拝借しちゃった」

悪戯がバレた子供のように軽く舌を出して、あかねは笑う。
嬉しそうに。楽しそうに。
いつもより、少しだけ浮かれて。
だからか、あかねは冗談めかすように笑ってから。

「それに、御飯代くらい別にいいじゃない」

にっこりと笑って。

「私達、女の子なんだから」

そう、呟いた。
とても、嬉しそうに。

園刃華霧 >  
「おヤ、気になる子か。
 じゃあこリャ浮気かイ? そりゃウらやマ恨めシいこッタ。
 まアでも、いいナ。いい感じダ」

ひひ、と笑う。
良いものはみんなで共有しないとな

「あハは、女の子、なンて言ってクれんノあかねちんダケだヨ。
 ま、そーダな。女の子だかラ、夢も大きク……
 目指すは『真理』ってナ。」

楽しそうに楽しそうに笑う。

「そンで、まずはドーする?」