2020/09/17 のログ
■レオ > 「あ、あははは…」
10年やってても分からないと豪語する先輩に、なんとも言えない顔で苦笑した。
それは誇っていい事なのだろうか……だなんて事は口が裂けても言えなかった。
「えっと……違法部活の武力制圧をしただけ、ですけれど……
ちょっと、今神代先輩が戦線離脱中なので。
誰だと相手に言われたので、それの”代行”だって返したんですが…
そのあと相手は倒したんですが、誰かにそれを聞かれていたらしくって。あはは…」
風紀委員会の表に出回らぬような、警察としての”逮捕”を考慮しない物騒な仕事の一つだった。
表向きに公表はされていないと思う。ただ、風紀委員内部であれば知られているかもしれない。
単騎での戦闘記録。
戦闘に関してだけ言えば、新米の風紀委員が手柄を挙げて周囲に名が知られるには十分過ぎる戦果だ。
「ま、ぁ…僕の事なんて、大した事じゃないですから。
…日下先輩は、どうなさったんですか?こんな夜に」
■日下 葵 > 「それはまた随分大きくでたものですね?
私は彼の代行はちょっとごめんです」
ぶっちゃけ、風紀委員と関わりがあるのが9年ほどで、
実際に風紀委員として活動しているのはもっと短かったりするのだが。
彼が私に意味ありげな視線で苦笑いするのと同じように、
こちらは彼にどんだけ肝が据わっているんだろう、と言いたげな表情をした。
彼の代行は御免、それは名前が知れるなんて御免だという意味でもあった。
「大したことないとはまた随分なものいいですねえ。
いや、別にいいんですけど。
私ですか?私は報告書を資料としてまとめ終わったので、
それを段ボールに放り込みに来ただけですよ。
普段は夜に警邏することが多いものですから」
こんな夜とはいうものの、こちらにとっては警邏がないだけのいつも通りの夜だ。
「ちょっとですねー、
先日ディープブルーという部活動絡みの一軒に首を突っ込んでしまいまして。
そのつじつま合わせの為に尻尾切りの組織一つを同僚と摘発しまして。
その一軒が落ち着いたので私がまとめてここにしまいに来たわけです」
特別秘匿されている作戦ではなかったし、
既に記録として報告書が上がっているのだから言ってもいいだろう。
――もしダメだったら彼の口を黙らせるしかない>
■レオ > 「ディープブルー…ですか。」
その名には聞き覚えがあった。
今、自分が仕事をよく一緒になる先輩が熱心に追っている組織の名。
神代先輩が死の縁を彷徨った原因の事件。
それを引き起こした組織。
―――神代先輩がやられた事件、か。
「…それ、ちょっと見させてもらっても大丈夫ですか?
ディープブルーに関しての資料、集めていた所で……
あ、閲覧制限かかっているものだったら、諦めますので…」
■日下 葵 > 「ええ。ディープブルーです」
何か心当たりでも?
彼の反応はいかにも何か言いたげというか、知っている感じというか、
そんな様子だった。
神代君の代理、なんて呼ばれているのなら、
彼の病状を知っているのだろう。
もしかしたらそういうつながりでこの組織の名前を聞いているのかもしれない。
そんな推測が頭をよぎる。
「全然いいですよ。
もう上に目を通してもらった資料ですし。
とはいえ、ディープブルーの資料集めですか。
私の友人というか、まぁ後輩というか同僚もこの組織を追ってましてね」
もしかして沙羅さんのことも知っているのかな、
でも入って一週間なら知らないかもしれないな。
そんなことを思案しながら、一度棚にしまった資料を手に取って彼に渡そう>
■レオ >
「ええ、沙羅先輩…という方と今一緒に仕事をしていて…
色々あった事件ですから、何かの助けになれないかなと」
そう言いながら、許可を貰えば「失礼します」と一言告げて資料を確認する。
シスター・マルレーネの失踪。
事件性は当初見られず、”いつの間にか””忽然と”姿を消したシスターと、それと同時期に動きを見せた違法組織。
結果的にシスター・マルレーネは違反部活"CLOUD"によって車で運ばれていた所を、風紀委員とその他数名の尽力によって救出されたという。
しかし発見時の衰弱が激しく、病院で現在も治療中。
それと時を同じくして、ブラオと名乗る男が神代理央、山本英治、そして彼らの協力者1名と接触。
その戦闘でブラオと名乗る男は死亡。その正体は『ブロウ・ノーティス』という、常世学園の教師だった男であった。
神代理央と山本英治は戦闘により肉体、精神的負傷が著しく入院。現在も治療中。
そんな所が、レオが知っている今回の事件の”表側”の情報。
それ以上の事が、何か書かれていればいいが……
■日下 葵 > 「おっと?一緒に?沙羅さんと?」
”奇妙なこともあるものだ”
と思う反面
”まぁ、どうせ神代君つながりだろう”
と思う部分もあった。
資料には今まで上げられていた報告に加えて先日沙羅さんと私が、
ディープブルーの尻尾切りの組織を摘発した報告が加えられていた程度だった。
その摘発だって神代君たちが動きやすくなるように手回ししたものの、
結局無駄足になって、摘発許可のつじつまを合わせるために行ったもの。
それ以外にめぼしい情報は特には記されていなかった。
「私も彼女とちょくちょく仕事をしますが、
特にめぼしいものはないと思いますよ。
この資料だって彼女のチェックが入っていると思いますし」>
■レオ >
「ええ、つい数日前から…と、そうですか……
まぁ、考えてみればそうですよね…」
そう言いながらも目を通す。
まぁ…そうか。
前後に起きていた事件なら自分よりも向こうの方がよく知っていそうだし。
とはいえ、知れるものは知っておこう。
これらの事件は過ぎた事ではない。
”今起きている事”だから。
…とはいえ事件に関して何か進展はなく、労力に見合う情報は手には入らなかった。
「……ありがとうございます。
……沙羅先輩とは、親しい仲で?」
■日下 葵 > 「この一件で名前が上がるまでは
公安や他の風紀委員が辛うじて活動の情報を手に入れられる程度でしたからね。
元々隠れてコソコソしていた部活ですし、
そこまで大きな動きがない以上新しい情報とかは入らないかもしれませんね」
事実、彼がこうして資料を整理するのと同じことを、
彼女もマルレーネさん救出前にやっていたのだから。
ここを漁っても新しく出てくるのは直近の報告書だけだろう。
そしてその報告書は恐らく間違いなく彼女の目に留まっているはずだ。
「どういたしまして。
親しい、と言われると正直微妙ですね。
親近感のようなものはなくはないですが」
お昼を一緒に食べて、調べ物をして、ともに現場に行ったくらいだ。
同僚としては親しいのかもしれない。
かといって、友人的な親しさは正直薄い。
最も、普通の人間よりもはるかに死に難いという共通点を持つ身。
その辺の話は時折する。
そこに感じるのは親しさというより、同族というか、そういう感覚だ>
■レオ >
「親近感、ですか…」
そう言われ、目の前の先輩を見る。
――――確かに似ている。
見た目、雰囲気が、ではない。
身に纏う”死の気配”が、似ている。
それは即ち…
「―――日下先輩も、不死…なんですか?」
不死の者にまとわりつく気配。
”触れ合わぬ死。”
”死に忌避される者。”
沙羅先輩から感じるものと似たものが、目の前の先輩からも感じた。
■日下 葵 > 「ええ、親近感といか、同族感というか。
でも同じじゃあないんですよ。
間違いなく同じカテゴリーなのに彼女は私と違う」
だから親近感よりも、興味がある。
隣の芝生が青く見えて仕方がない。
普通の人間なら死んでしまうようなことを平気でやってのける自分と違って、
痛いのも、死ぬのも嫌だという彼女は見ていてとても興味深い。
「――そう見えますか?」
不死なのか。
という彼の問いには答えなかった。
「レオ君と言いましたっけ。
君には私が不死に見えますか?」
逆に問うた。
なるほど、この子のヤバさはこれか。
まるで何かを理解したかのように彼を見やる。
「不死身とも違うんですが、傍から見ればそう見えるでしょうし、
便宜上私もそう名乗っては居ますねえ」>
■レオ >
「‥…」
『そう見えるのか』
そう聞いてきた彼女の姿を見る。
死の気配が近づき、そして触れぬ。
まるでそれを嫌うかのように、離れてゆく。
「……そう、ですね。
程度の差はあれど、一括りに僕が”不死”と言ってるものに、先輩は含まれると思います。
…死ぬのが遠いというか、なんというか。
生まれつき、そういうのを感じるんです。
僕はそれを『死の気配』って呼んでいるんですが……
自分とか、他人に近づく死、っていうのが、感覚で分かるんです。
不死だと、普通の人と違ってそれが独特なので…まぁ、それで何となく」
違っていたらすみません、と少し苦笑して頭を下げる。
この感覚が違った事はない。
死ににくい、運がいい、死んでも生き返る。
そういった『不死』を、幾つも見てきた。それらの纏うものと、目の前の先輩が纏うものは、近い。
■日下 葵 > 「死ぬのが遠い、ですか。
そういわれたら私もまだまだお仕事に熱が足りないのかもしれませんねえ」
死んでなんぼの命のクーポン券、と自虐的に名乗っている手前、
死が遠いんじゃあまだまだだ。
きっと、彼の言う”死が遠い”というのはまた違った意味合いなのだろうけど。
「私のことを不死身という人は多いです。
そして私自身、実質的に不死身に近いと思っています。
その仕組みがどうであれ、傍から見れば不死身ですから?
レオ君のいう感覚というのは正しいと思いますよ」
違っていたらすみません、なんて謝る彼だが何ら間違っていない。
むしろ初対面でよく見抜いたものだ。
そのあたり、むしろ感心した様子である。
「……で、不死がどうしました?」
別に隠しているわけでもないし、後ろ暗い感情がある訳でもない。
むしろ自分の唯一の誇れる”特徴”だ。
彼はこの特徴に何を感じたのだろうか。
褒めてくれたりするのだろうか。
そんな期待の眼差しを向ける>
■レオ >
「どうかした、と言われると…いえ、気になっただけなので…
沙羅先輩に続いて、他にも不死に会うとは思わなかったので。
こんな短い期間に何人も不死に会うのは、珍しくって。」
島に来る前でも、一度に何人もの不死に出会う機会というのは…そう多くはなかった。
沢山いる存在ではないのだから、当然だ。
この世の皆が不死なら、直ぐに居場所の限界が来てしまうのだから。
だから、感覚を共有できる存在というのは…希少な存在だ。
沙羅先輩と日下先輩がそういった関係なのかは分からない。が…そうであればいいなとは、思う。
それと同時に…
「ただ、そうですね………」
一つ。
不死の者を見ると、思ってしまう事。
職業病のようなもの。
「…日下先輩は、不死で苦しかったりは、しますか?」
■日下 葵 > 「そうですか。まぁ、何でしょうか。
あまり乙女のことをみだりに聞くのは感心できませんよ?」
沙羅さんが不死であることを知っているあたり、
その”感覚”とやらで察知したのだろうか。
それとも彼女がその異能を発揮する機会に出くわしたのだろうか。
それとも、何かの資料で不死のことを見聞きしたのだろうか。
何にせよ、――人によっては――センシティブな話題だろう。
私は一切気にしないし、むしろ誇っているくらいだが。
「いいえ、全く。
むしろ便利だと思っていますよ」
苦しかったりするか。
また妙なことを質問してくるなぁなんて。
「この異能のおかげで死なずに済んだわけですし、
この異能のおかげでここに立っているわけですから」
「『他の人より身長が高くて困っているか』
って聞かれたら、
『キッチンの流し台が低い』とか『よく戸口に頭をぶつける』とか
その程度でしょう?」
私にとって死に難いことはその程度のことです。
そう受け答えする。
実際には――
背が高いことを活かしてスポーツ選手を目指すくらいには、
訓練をしていたりするのだが。
そんなことをいちいち人に話したりなんてそんな、無粋なことはしない>
■レオ >
「―――そうですか」
すこし、ほっとしたように微笑む。
苦しくない。むしろ便利。
そう言われるのは、少し…嬉しかった。
「…あはは、すみません。
つい興味本位で……そうですね、気をつけます。っと…」
そうやって話し込んでいれば、時計は22時をゆうに回っていた。
あぁ、拙い。
あまり根を詰めすぎるなと言われていたのに、なんだかんだで長居してしまった。
「あっ…と、すみません!
夜遅くにこんな話し込んじゃって……僕、そろそろ帰りますね?
日下先輩も、あまり遅くならないように気を付けてくださいね。」
そういって、出していた資料の山を抱える。
ちゃんと片付けをしてから帰らなければ…
■日下 葵 > 「ええ、それに
――私が”頑張れば”救われる人がいる、訳ですから」
『お前が頑張れば将来救われる人が出てくるから』
遠い昔、煙草匂いのする人ににかけられたこの言葉が、
今の私のこの異能を肯定してくれている。
だから苦しいだなんて思わない。
思わないが、彼には関係のない話。
私以外には関係のない話。
「おやおや、不死身が新人に気をつけてと言われるとは。
レオ君が優しいのか、私が不甲斐ないのかわかりませんが、
私もそろそろお暇しようと思います」
ぜひとも――前者であってほしいものだ。
「その量を一人で抱えるのは大変でしょう。
1/3だけ持ってあげますよ」
資料の山を抱える彼を見て、手伝いを申し出る。
半分、と打診しても良かったが、
彼は男の子だしこちらは先輩だ。
下手に遠慮されてもぎくしゃくするから、あえて1/3にとどめておこう>
■レオ > 「‥‥…」
『私が頑張れば救われる人がいる。』
その言葉が、ちくりと胸に刺さった。ような気がした。
「…あ、いえ、あぁ…す、すみません…」
1/3だけ。
普段なら大丈夫ですと言うところを、その分量が引き留めた。
大丈夫です、と言いかけた声が止まり…そのまま、一緒に資料を戻した。
「…ありがとうございました、日下先輩。
それじゃあ、また」
そういって頭を下げ、資料室を後にするだろう…
ご案内:「風紀委員会本庁 資料室」からレオさんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本庁 資料室」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁 事務室」に織機 雪兎さんが現れました。
■織機 雪兎 >
「あぁ~~~~~~終わらないよぉ~~~~~~~」
ベソをかきながらキーボードをカタカタ叩く。
夏休みが終わり人員が戻ってきたのは良いのだが、入れ替わりに二人入院してしまった。
二人ともどちらかと言えば外勤タイプなので戦力と言う意味ではそうでもないのだが、夏休み中にたまりにたまった報告書等、その二人が入院するきっかけとなった事件の後処理、それに加えて通常業務。
やらなきゃいけない仕事は山ほどある。
「帰りたいよおおおおおおおおおおおおお僕ァ本職は新大陸のハンターなんだあああああああああああああ」
どう考えても本職は風紀委員である。
ベソをかきつつ弱音と愚痴を滝の如く垂れ流しながらひたすらキーボードを叩く。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁 事務室」に幣美奈穂さんが現れました。
■幣美奈穂 >
からからり。
事務室の扉をゆっくり開けた美奈穂。
開けた先に人が居たので、ちょっとびくっとびっくりしました。
「まだお仕事ですか?」
ぺこりと頭を下げてから、鈴の様なお声で尋ねながらお部屋に入りまして。
扉を静かに閉めます。
校舎の教室の戸締りの確認。
なんか残ってる人がいたり、変な怪異の気配がないか確認してきたのです。
そのまま、報告書用の紙を取ってきて机の上に。
そして椅子の上に登って正座します。
■織機 雪兎 >
「ふえぁあああああ」
ベソをかいたまま声の方を振り向く。
情けない顔のままキーボードをぱたぱた。
「終わんないのぉぉおお。報告書書いても書いても終わんないのぉぉぉぉぉ」
めそめそ。
別に今日やらなければならない仕事ではないのだが、先輩からある程度は終わらせて帰れよと言付かっている。
とりあえず今書いているものを最後にしようと思ったのだが、参照する書類が多すぎて一向に本文が進まないのだ。
「みなみこせんぱいたすけてぇ」
助けられることは特にないだろう。
■幣美奈穂 >
べそがきな表情に、ちょっと身体を引いてしまってます。
・・でも、なんか。春にも去年にも同じ風景を見たような気がするのです。
「・・毎日、書いたらどうでしょうか・・?」
真面目な美奈穂、至極まっとうなことを言ってしまいます。
正座したまま、そして時折、雪兎お姉様を見ながら。
文房具入れから取り出した毛筆でサラサラ~と報告書。
誰もいなかったこと、戸締りと封をしたこと。
怪異の気配が特になかったことなどです。
それを紙の上1/3で記載しますと、残り1/3は食堂の裏にいたにゃんこさんたちの報告。
毛並みつやつやにしてきたのです。
最後の1/3には、寝転ぶにゃんこさんの絵を付け加えます。
「・・!。
はいっ!、雪兎お姉様のお手伝いしますわ!」
頼られて嬉しいお年頃。
お顔をぱぁっと明るくしますと、椅子を降りていそいそとお茶の準備をしようと・・。
■織機 雪兎 >
「書いてるよおおおおここの所忙しくて溜まってるんだよおおおおお」
今日の分に限って言えば、自分の仕事をさぼっていたからではない。
単純に仕事の量が多いのだ。
少なくとも「今日のところは」。
「みなみこ先輩やさしい……天使か……」
パソコンを使わずに手書き、しかも筆で報告書を書く彼女。
ネコチャンの絵が可愛い。
そうだうちのネコチャンのご飯買って帰らないと。
かたかたかた。
■幣美奈穂 >
かくりぃ、と首を傾げさせてしまいます。
美奈穂ちゃん、4年生ですけど。
年齢のせいもあって、お仕事がそんなに厳しくないのです。
少し忙しくなるのは、風紀委員会などと祭祀局の境があいまいな時ぐらい。
それ以外は、比較的楽なお仕事ばかりです。
「書いて・・るのですか?
てけてけ、叩いてるようにみえますの・・」
きーぼーど、を指先で叩く技術。
美奈穂にはまだ難しい技術です。
修練するつもりもありませんけど。
「大丈夫です。わたくしがついております!」
いそいそ、お湯でお抹茶をかしゃかしゃかしゃ。
そして、干菓子をお皿に添えまして。
手際よく、お茶をご用意しまして、雪兎お姉様の横にそっとおきます。
にこにこにこっ。
お手伝いしてるつもりなのです。
紙に書いた墨が渇くまで、机の上に置かれた報告書。
なかなか生き生きとしたにゃんこさんの絵が描かれた報告書。
なんか平和な報告書です。
■織機 雪兎 >
「みなみこ先輩はかわいいねえ」
先輩が用意してくれたお抹茶を飲みつつ一休み。
ついでに先輩の頭をなでなで撫でる。
「キーボードだよ。慣れると便利なんだけど」
まあでも人には向き不向きがある。
自分も毛筆であんな立派な文字は書ける気がしないし、ネコチャンもかわいい。
先輩もかわいい。
「みなみこ先輩は今日どんな感じでした?」
報告書を見れば特に何事もなかったような感じに見える。
ていうかネコチャンと戯れていたように見える。
お抹茶飲みつつ干菓子もぐもぐ。
■幣美奈穂 >
可愛いと言われて、頭を撫でられますと。
ふやふや、と嬉しそうなお顔になってしまうのですけど。
はっ!?
としたお顔をしますと、ちょっとほっぺを膨らませます。
「わたくし、もうオトナですわ」
もう中等部1年の授業を受けているのです。
去年までの初等部とは違うのです。
そんな大人ぶりたいお年頃なのです。
「指がたこさんみたいにうちゃうにゃして・・。
とても難しそうです」
こくりっ。
頷きながら、両手の指を胸の前でわしゃわしゃと動かして見せます。
「今日ですか・・?
今日は、校舎の中で迷ったりしませんでした!。
あと、仔猫さんの気配がしてきました・・!
ですので、にゃんこさんに会いに行きます時は、やわらかい食べ物も持って行ってあげてくださいませ」
わしゃわしゃしていた手を胸の前でぎゅっと軽く握って小さく上下。
にゃんこさんのことをお話しする時は、凄く嬉しそうなのです。
■織機 雪兎 >
「うんうんかわいいねえ」
へにゃんと溶けた表情でなでこなでこと彼女の髪が乱れぬ程度に撫で回す。
ウーンカワイイ。
これは小さい女の子をカワイイと愛でる純粋な感情であり決して邪なそれではなく。
「僕からすれば筆で綺麗な字書けるのもすごいと思うよ」
出来ることをやればいいのだ。
こちらも指をわしゃわしゃ動かす。
「ネコチャンかぁ。うちにもネコチャンいるんだよね。喋るネコチャン。良かったら今度連れてこようか?」
彼ならばきっと連れて来ても大人しくしていてくれるだろう。
なんせ言葉が通じる上に頭がいいのだから。
「あ、そうだ、じゃあ手伝ってくれたみなみこ先輩にはこれをあげよう」
そう言って机から取り出すのはネコチャン用のちゅるちゅるである。
個包装のパック三個ほど渡す。
■幣美奈穂 >
撫でられるのは、嫌いになれないのです。
9歳の頃から、親元を離れて一人暮らし。
長い休みの時は帰省しますけれど、甘えたい盛りの時に親元を離れており。
オトナぶりたくても。撫でられてしまうとへにょりとくすぐったそうな嬉しそうな表情になってしまいます。
「お習字、してますから・・」
出来るのは、計画してもらった修練の日々。
それを生真面目にいまだにしているのです。
にゃんこさんのお話に目を少し大きくして、目を輝かせます。
「おしゃべりするにゃんこさんですか?
わぁっ!。わたくし、お友達になりたいです!
あっ、うちにも二郎三郎宗右衛門ちゃんがおりますけど、仲良しさんになれますかしら?」
勝手に名前を付けたにゃんこさん。
通いネコなのですけど、美奈穂は飼っているつもりなのです。
渡される、ちゅるちゅる・・両手で受け取りまして。じっとみます。
あっ、これ。
この前、ペットショップで買おうか悩んだやつです!
「ありがとうございます・・!
じゃあ、わたくし。雪兎お姉様のお手伝い、頑張ります!」
いそいそ、袖の中にちゅるちゅる仕舞いまして。
代わりに取り出したるは、両手に畳んだ扇子なのです。
■織機 雪兎 > 「あーお習字僕もやってたなぁ」
すぐ辞めちゃったけど。
ただその時の経験のおかげで、字は辛うじて下手とは言えない程度ではある。
またやろうとは思わないけど。
なでなでなで。
「じろう――なんて? じゃ、じゃあ今度連れてこようね」
じろうさぶろうそうえもん。
それは一体なに、なに?
うちにも、と言うことはネコチャンの名前?
何故?
「うちのこはこれが好きでねぇ。きっとじろ、……モゴモゴちゃんも気に入るよ」
覚えられないので適当に誤魔化しておいた。
■幣美奈穂 >
頭なでなでされて、きりっとした表情ができないのです。
ふにゃふにゃ。
小さく頭を動かして、自分から撫でてもらいにいきます。
「二郎三郎宗右衛門ちゃんです!
この子のにゃーにゃー語なら、なんか分かりますの!
・・買おうかわたくしも悩んだのですけれど。
でも、味が分からないですから・・」
今度、にゃんこさんに聞いてみようと思うのです。
でも、今夜は鯵にするつもりですけど。
扇子を片手でばっと広げますと。
「がんばって、がんばって、雪兎お姉様~」
左手の扇子をひらひらとさせながらあげていきます。
次は右手の扇子をひらひらとさせます。
「できます、できます、雪兎お姉様~」
なんか優雅に腕を動かして、お手伝い・・応援をするのです。
■織機 雪兎 >
わぁふにゃふにゃだ。
かわいい。
「へ、へぇ……」
猫の名前だった。
なんかこう、独特なセンスを持ってる先輩だったんだな。
人のことは言えないけど。
「なんか猫まっしぐらな調合してるらしいから、じろにゃんも気に入ると思うよ」
猫の言葉がわかるのはなんか羨ましい。
いやこの子のって言っているから、二郎某ちゃんだけなのかな?
ホントのところは何にも知らずにのんびりしたことを考えて。
「わぁかわいい」
応援されて気力が回復。
お抹茶をぐいっと飲んで、改めてパソコンに向かう。
かたかたかた。
■幣美奈穂 >
にゃあにゃあ語。
そう言いながら、胸の前で両手がにゃんこの構え。
軽く握ったにゃんこの手をくいくいっと動かすのです。
「じろにゃん・・!
こ、こんど。じろにゃんちゃんに差し上げてみます!」
猫まっしぐら、どんなのでしょう?
ちょっと楽しみで胸がどきどきします。
武道や舞踊で、力強さはありませんけれど。
体幹はしっかりした、ゆったりした動き。
両方の広げた扇子を右上に、それをひらひらとさせながら左上にと。
「もう少しです。やればできます。雪兎お姉様~♪」
書類を書くのを横で応援です。
ふざけているわけでなく、真面目なのです。
謡うようなお声と、ゆったりした舞。
そんなのを事務室の中でやってみせます。
■織機 雪兎 >
彼女の舞を見つつかたかたかた。
ウーン綺麗でカワイイ。
「それ舞踊? 上手だねぇ」
自分はダンスとかからっきしなので、そんな踊りなんて出来そうにない。
ダンスゲームならばそれなりには出来るのだけれど。
カタカタカタ
「――よーし! おわりっ!」
カチャカチャターンと報告書を仕上げる。
保存もちゃんと忘れずに。
やっと帰れる。
印刷ボタンをぽちーと押せば、プリンタがガーガー音を立てて書類になったコピー用紙を吐き出していく。
「ありがとねぇみなみこ先輩。手伝ってくれたおかげですぐ終わったよぉ」
なでなで。
■幣美奈穂 >
視線が合いますと、ほんにゃりにっこり。
心を込めてお手伝いな応援です。
「えと、神楽舞です・・」
本当は榊や鈴を持ちますけど、鳴り物になりますのは控えたのです。
激しい動きはありませんけれど、流れるように。
するるっとした動き方です。
「――!
おめでとうございますっ!」
広げた扇子のまま、両手を上にばんざーい!
そして、がーがー音を立てます、紙が出てきます機械の前にぱたぱたっ。
自分で使わないだけに、こういうのも珍しいのです。
出てきた紙を両手で持って、ぱたぱたお姉様にお渡ししようとするのです。
「えへへ~。
お役に立てまして嬉しいです」
なでられると、反射的にふにゃふにゃ笑顔。
はいっ、と両手で紙を差し出すのです。
■織機 雪兎 >
「かぐらまい」
なんだっけ、神道の踊りだっけ。
何にしても上手だと思う。
「ありがとうねぇ。よーしお姉さんがご飯奢ってあげよう」
印刷した紙を受け取り、改めて撫でる。
ウーン子犬感。
ぶっちゃけ財布の中身は潤沢という訳ではないが、彼女一人にご飯を奢るくらいの余裕はある。
報告書を提出場所に放り込んで荷物をまとめよう。
■幣美奈穂 >
奢ってくれる、というのにお目めをぱちぱちします。
外食ってほぼしない美奈穂なのです。
「お外でお食事ですか?」
そう尋ねながら、墨が渇いた自分の報告書も、重ねるようにして提出です。
そして、筆箱に毛筆などを治めてから。それを袖の中に。
振袖が便利な場所になってます。
「うちで、お夕食でもいいですよ。
鯵、一夜干ししてますので」
と、ぱたぱたっと。
雪兎お姉様の後ろについていくのです。
かるがもな感じで付いていくのです。
■織機 雪兎 >
「いやいや、それじゃお礼にならないからさ」
お抹茶立ててもらって応援してもらって、しかもご飯までごちそうになってしまっては流石に至れり尽くせり過ぎる。
こちらにも少しは返させてほしい。
「という訳でほら、みなみこ先輩は何か食べたいものある?」
そう言って鞄を持ち、彼女へと手を伸ばそう。
さっき迷子がどうとか言っていたから、迷わないように。
■幣美奈穂 >
「た、たべたいものですか・・?」
手を伸ばされると、自然に無意識に手を繋ぎます。
武道とかもしているはずなのに、タコ一つない柔らかい華奢な手です。
「えとえと・・あの、それでしたらオムライス・・」
自炊は和食ばかり。学校でも食堂でなく自炊のお弁当。
洋食はほとんど食べないので、ちょっと恥ずかしそうに伝えます。
それ相応におこちゃま舌な美奈穂にとって、洋食は御馳走なのです。
■織機 雪兎 >
うわぁやわらかぁい。
ぷにぷにぃ。
優しくきゅっと掴んで。
「オムライス、いいねぇ。確かオムライス専門店が扶桑にあったから行こうか」
一度行ってみたかったのだ。
その前にATMでお金降ろさないとだけど。
「よーしじゃあ行こうかぁー」
れっつごー、と笑いながら扶桑に向かおう。
向かう途中でネコチャントークに花を咲かせて。
調子に乗ってLサイズオムライス(三合)を頼んでしまい、死にそうになりながらやっとこさ完食したのはまた別の話――
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁 事務室」から織機 雪兎さんが去りました。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁 事務室」から幣美奈穂さんが去りました。