2020/09/29 のログ
ご案内:「風紀委員会 小会議室」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
――拝啓、お父様、お母様。
美奈穂は今、ピンチです。

そう、頭の中でお手紙を書いている美奈穂。
今、小会議室の床に正座をさせられています。
その隣には、なんで吾輩もと苦痛に耐える、ケット・シーの猫拍車魔こと、
レオンシュレーゲルスタインハウゼンベルガードルフ伯様です。
王制のケット・シーでも名門だそうです。

事の発端はそう難しくなく。
ちょっと頑張って猫伯爵様の安眠妨害な騒動の解決のお願いを対処しようと、周囲に黙ってお出かけしたからです。
仕方がないじゃないですか、美奈穂は風紀委員会で怪異討伐に動いているなんて知らなかったのですから。
スマホで連絡って、美奈穂、持ってません・・。

結構強い怪異で、美奈穂は追いかけまわされたので。
ちょっと美奈穂じゃ大変っぽいので、少し風紀委員会のお知り合いの肩に相談に戻ってきたのです。
初めは猫伯爵様と意思統一して、裏常世渋谷にいったこととか、そこで怪異に襲われた事とか。
それは黙って猫伯爵様からのご相談としようとしていたのですが。
隠し事の苦手な美奈穂はぽろっと少し喋ってしまい、
そして猫伯爵様が裏切ってべらべら暴露したのです。

そして、正座に至ります。

幣美奈穂 >  
ピンチなのは正座ではありません。
正座は慣れているので苦にはならないのですが、叱られているのが苦手なのです。
目が潤み、ぐすぐすっとなります。

そして、目の前にミカン箱が置かれ、その上に紙が置かれます。
対面の机の向こうには椅子に座った委員会や祭祀局の人達。
何をしろ、と言うと。
その怪異の特徴などの事情徴収。
個体情報報告に乗せるための情報を得ようとされているのです。

委員会や祭祀局に黙って、独りで裏常世渋谷にいくなど危ないことをした、
というのは十分に叱られたあとなのです。

「えと、大きさはほら、家の前走ってる路面電車ぐらいで・・」

墨を摺りながら思い出します。

「お顔がついてました!。
 こう、お口がぐぃ~んて伸びたガチョウさんみたいなお顔で・・」

部屋の中がざわざわします。
イ号とは少し違う様相の個体だそうです。

「それが、狭い道ですとぺしゃって横に潰れました。
 これぐらい・・の路地も通ってきましたの」

と、手で40㎝強ぐらいの幅を作るのです。

幣美奈穂 >  
攻撃方法とか聞かれますが、どしんどしんと突撃されたのしか覚えがありません。
重火器などはどうか、と聞かれますが。美奈穂は首を横に振ります。
どんな外見かもう少し詳しく、というので。
目の前の紙にさらさらっと毛筆で絵を描いて見せます。

ノーズが伸びた顔が付いた車両の姿。
確かにガチョウの様な顔・・新幹線などの高速鉄道に見られる形状をしています。

「このお口で、がぁがぁって怒ってきましたわ」

ひょいっと立ち上がり、絵にかいた怪異のノーズ部分を指さして言います。
車輪の所の絵を指さされて質問され、そこは炎が出ていたと伝えるのです。
あと、大事なことですが、お顔の目は縦長、少し猫っぽかったのです。
美奈穂には大事なことです。

そしてまた正座に戻ります。
ちなみに、猫伯爵。一緒に立ち上がろうとして、脚が、脚が!、と痺れてのたうってます。
ちょっとかわいい、ほっこりする美奈穂です。

幣美奈穂 >  
10mぐらいから突撃されて、少し結界を通り抜けてきたことと、穢れ払いが効いたけどすぐに戻ったこともお話しします。
猫伯爵様、自分の額を前足で抑えて、少し毛並みが切られたことをにゃーにゃー主張します。
美奈穂の結界を抜けてきた金属の塊なノーズ部分が額の毛に当たったのです。
あともう少し貫通力があれば、猫伯爵様の頭は・・だったのですけど。
あの時もその後も美奈穂とわちゃわちゃしてたので危機感や緊張感がもてないのです。

ただ、少し会議室内がざわざわします。
幣美奈穂、こんな形ですが地鎮ではかなりの使い手。怪異に対しては強い結界や穢れ払いをする、対怪異の専門家です。
その結界を突き抜けるというのは、相当な貫通力があるということです。
色々と質問されて答えると、即座に行える簡易結界や普通の所作で行える穢れ払いに対してということで、
少し安堵の息が椅子に座る人から出ます。
確かに強力だが、神威のような貫通力とは違うと判断されたからです。

他になにか、と問われて。
美奈穂は顎下に人差し指を当てて、天井を見て思い出そうとします。
あるとしましたら・・。

「とっても速かったです。
 ほら、あの新幹線みたいに。びゅーんって」

また手ぶりを入れて説明です。
新幹線に乗ったのは9歳の頃が初めて。その後も、長期休暇で島から実家に帰省する際の往復に使います。
あれだと、簡易に行える結界では耐えられず。
巫術の儀式などもした血界術でないと耐えれないと思います、と。
素直な所感を伝えれば、ひきつった表情をされてしまいました。

幣美奈穂 >  
話にはのぼっていないのですが、美奈穂の結界は純粋な怪異の力に抗おうというものですから、純粋な怪異なほど効果が高いのです。
今回のような憑依するものだと、元の器物に対しては弱まります。
まったく抗えないわけではないのですが、今回、突っ込んできたノーズ部分の怪異の力は結界でその時は穢れ祓いされましたが、
器物となったノーズ部分は中に入ってきたのです。
これに対するには、より強力な結界か、器物にもある程度効果がある血界を張る必要がありそうです。

なんて考えてましたが、その怪異の速度について質問されて。

「・・新幹線より速かったかしら?」

通常運転の新幹線しかしらないので、本岐の新幹線速度を知らないだけですが。
実際は、その新幹線の全速並まで出る朧車でした。
全速状態であれば、100mに1秒もかからない速度です。

そんな超高速型の朧車。
いったい、どうやって倒したのかと問われますと。
猫伯爵様と顔を見合わせます。
本人たちも判っていません。
判っているのは、少し離れた場所から速度を上げてこっちにくる朧車。
逃げようとしたら転んでしまい。
起き上がったら、その朧車がお空を飛んでいて、ビルをいくつも突き抜けて。
そしてビルに刺さっていた姿なのです。

さぁ?
と一人と一匹は首を傾げさせます。

びきっと額に血管を浮かした風紀委員の人もいて、怒られる!、と
一瞬、目を瞑ってびくっとしてしまう美奈穂ですが。
慣れた職員がそれをなだめ、机に美奈穂と猫を呼びます。
机にある文房具や紙を丸めて、その時の状況を再現させようというのです。
思い出しながら、配置したり説明する美奈穂。

検証の結果、500mを数秒で突っ込んできた朧車が、
転んだため、美奈穂の纏う血界も横に寝そべった形になり。
その縦に薄くなった結界に乗り上げて、その勢いのまま回転しながらビルに突っ込んでいった。
正面から受け止めていれば危なかった。

そう、退治の状況を説明されると、美奈穂も含めてみんなが拍手します。

幣美奈穂 >  
そうして暫く事情徴収がとられ。
お叱り会は解散になります。

いそいそとまとめて情報をあげに行く委員もおり、
そして、美奈穂は業務報告と反省文の作成を命じられます。

めそめそ。
何故か一緒に反省文を書かされることに、場の勢いでなってしまった
まったく委員会と関係ない猫伯爵様と共に。
段ボールを机にして書き上げるのでした。

ご案内:「風紀委員会 小会議室」から幣美奈穂さんが去りました。