2020/12/11 のログ
ご案内:「風紀委員会本庁 休憩室」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
今日は4限目の授業が休校だったのです。
担当してる先生が何か衝撃的な事があり、頭痛と吐き気で授業ができなかったようです。
大丈夫でしょうか・・。
ちょっと心配な美奈穂です。
そういうので、昼前に委員会にお顔を出しまして、お仕事ないかと確認しましてから。
空いた時間で情報収集です。
新聞——の折り込みチラシ。
今日は学生街のどのお店がお安いのかチェックです。

ちなみに先生、クリスマス前というのに彼氏に別れ話を持ち出され。
やけ酒で二日酔いなだけです。
知る人だけは知る話・・美奈穂は存じておりません。

「卵1パックが・・38円・・」

お買い得です。
お買い得ですが・・これは諦め案件です。
そう、島で暮らすおば様方の戦争案件だからです。
美奈穂ではまだ、あの戦いには無力なのです・・いつか、いつか・・!
異能や魔法が飛び交う、スーパーの激安タイムセールの戦い。
奥様方が鬼に、悪魔になるあの場は危険です。
19時45分からの割引お弁当は技巧の戦いと聞きますが、そこは見たことがありません。

今日は卵料理は駄目っぽいです。
週末の1人1パックのみ98円を狙うとしましょう。
残念です・・と首を横に振りまして、そのチラシは右に。
裏面も広告に使っているのでメモ用紙にもならないのです。

幣美奈穂 >  
お昼からのお仕事、そろそろ入らないかしら?
そんなことを重い入り口に顔を向けましてから、次のチラシ。
お洋服です。
新しいお洋服欲しいなーとか思います。
オトナに成長してますので、色々と服が小さくなってるのが増えてます。
無駄遣いしない性質なので、あまり買ってません。
日頃の多くが巫女装束で過ごしてますが、美奈穂も可愛らしいお洋服も好きです。
簡単な物なら自分でちくちくともできますが、
コートとかワンピとか、欲しくなります・・あまり着る機会はありませんけど。
この島に来た頃に買ったぶかぶかの着ぐるみパジャマも、20㎝以上伸びているので
流石に着る事はもうできず、思い出の品になってます。

――!?
閃くものがありました。
慌てて、前のスーパーのチラシをまた手に取ります。

幣美奈穂 >  
――卵1パック38円・・!
もやしや白菜、茸もかなりお買い得価格な12月スーパーセール。
師走に合わせ、何事かとお財布の紐が固くなる時期のこれ。
戦場になるのは必至です。
風紀委員会が出場する事態にも十分なりえます。
賞品に傷を付けたら買い取りになるため、巧手の主婦たち。
刀と斧が火花を散らし、魔法が飛び交い、異能で抗う。
そんなスーパーのタイムセールの日常。
・・もし、これが学生街のスーパーだけの話ではないとすれば・・。
いえ、学生街ではまだお上品で、
他の地区ではもっと激しく、また時間も長いとすれば・・。

これです。これなのですね。
納得する美奈穂です。
他のチラシを、特に繁華街や異邦人街のものを見ます。
美奈穂はほとんど行かないので気にしませんでしたが、
お洋服や電化製品、あと飲食店のウィンターバーゲンの広告。
――探偵美奈穂の頭脳にはぴぴんっときました。

幣美奈穂 >  
無記好品のセーター。
薄目な生地でもぬくぬくで蒸れないというこのセーター。
学生街の店舗では1980円となってますけど。
もし、繁華街店舗でこれが980円となっていれば・・おば様方の戦場案件でしょう。
――恐ろしいことになります。

「このことでしたのね・・」

――歯車がカチッとあった気がするのです。
壁新聞・・過激・・やりすぎ値段・・!
わなわなわなっとチラシを持つ手が震えます。



もちろん、美奈穂が勘違いしているだけですけど。

幣美奈穂 >  
まあ、美奈穂は学生街のお店しか使いませんですけど。
と、チラシは改めて右側におきます。
・・そろそろ、お昼ご飯のお時間ですね。

正座して座っていた椅子からするりと降りますと、
お昼ご飯のお弁当の為にお茶を入れます。
今日は緑茶なのです。