2021/11/25 のログ
■神代理央 >
「女でなくてすまなかったな、とでも言えば良いかね?
とまあ…冗談は兎も角…」
此処からは、真面目な話だ。
いや、ずっと真面目な話なのだが――そう。
『未来』の話だ。
「書類を揃えて、風紀委員会と公安委員会に提出する様に。
今日の面談結果は私が此の後すぐに送付するから、提出するだけで良い。
書類は3階の総務課にある。書き方は其処で聞けばいい。話はしてあるから、行けば渡してくれる筈だ。
他課の仕事まで私が奪うと行儀が悪いからな。面倒ではあると思うが、手順は踏んでくれ」
カップの中身を飲み干す。
底に溜まった砂糖が、どろりと舌に流れ落ちる。
「それさえ済めばすぐにでも。
逆を言えば、準備が出来る迄は書類は出さない方が良い。
やり残したこと…というと妙だが、出した以上は教職の仕事が始まるからな。
余り提出を遅らされても困るが、タイミングは任せる」
カップを置いて立ち上がる。向かう先は、自分の執務机。
「まあ、書類を出せば翌日……いや、翌々日くらいかな。
教職の案内と、どの科目を教えるかといったメールが届くはずだ。
その手続きが踏めば、直ぐにでも」
執務椅子に腰掛けて、机の向こうから彼に視線を送る。
それは彼の新たな旅立ちを祝う距離。
そして同時に。"今此の場では"まだ必要な距離。
「……罪を償う為に、若者を正しく導く事だ。
それが、この学園への最大の奉仕となる。
"蓮"、君の善性と奉仕と贖罪の精神に期待する。
それが、風紀委員として私から向ける言葉だ」
■柊 >
「あはは、冗談に付き合ってくださりありがとうございます
ええ、そうですね すみません」
嬉しくてつい、口が滑ってしまった
頭を軽く下げた後 未来の話を聞く
「書類を揃えて提出ですね。分かりました」
相手の話を一言一句聞き逃すまいと カップを置いて
真面目な顔を 耳を傾けながら
「了解いたしました
この後すぐにでも……と言いたいところですが
明日提出しに行ってまいりますよ
ご助言いただきありがとうございます」
此方も、カップの中の珈琲を飲み干し
ゆっくりとカップを戻し 相手を目で追い
「その日が待ち遠しいです」
メールが届けば、飛び跳ねて喜ぶだろう事は頭で分かって
この距離は、まだ縮めるには早いだろう
きちんと、教師になってからだ
「はい、妹に誓って 若者を正しく導くと誓いましょう
……はい、誠に、誠にありがとうございました」
一度しっかりと立ち上がり、上半身を曲げて頭を下げる
これが今できる精一杯で、頭を上げたなら
「私はもう、数学と公民を教えると決めてまして
何かあれば仰ってください、教えに参りますので」
この少年のことだ、その辺も上手くやっているだろうと思いながら
言葉を紡ぐ そうして、立ったまま再び口を開き
「他になにか、ありますでしょうか」
■神代理央 >
妹に誓う、という言葉。
亡くなったのか。それとも、今は遠い場所に住んでいたりするのだろうか。
…だが、今それを聞くのは憚られる。その話は…彼が、教師として独り立ちしてから、またゆっくり聞かせて貰いたい。
「妹さんにも、蓮の立派な姿を見せられる様にな。
それに、礼を言われる立場でもない。
私は"自分の仕事"をしただけだからな」
尊大な態度。尊大な口調。
『自首した違反部活の元頭目』との距離感…だが、まあ。
半分以上は素なので、彼が教師になった後も、結局偉そうにしてしまうのかもしれない。
「数学と公民か。公民はまだこれからだったかな…。
もし受講生になった時は、宜しく頼むよ」
単位は足りていても、取得していない講義はそれなりにある。
元々、風紀委員の活動で免除されていた単位も多くあるのだ。
少しだけ、期待の色を覗かせた後――
「……いや、私からは以上……ああ、待て。一つだけあったな」
「また、あの洋菓子店でお茶でもしましょうね。"釜雲先生"?」
最後に、執務机の奥から彼に向けた表情は。
年相応の。悪戯が成功した子供の様な。
そんな、笑顔だった。
■柊 >
今は、早く独り立ちをしなくては、と思う
早く立派な教師になって 恩を返さねばなるまい
「ええ、それは勿論 胸を張れるようにならなければ
ふふ、その仕事で私は救われたのですよ」
尊大な態度に尊大な口調 それはどこか心地よくて
偉そうにされても嫌そうにはしないだろう
逆に嬉しそうにするかも知れないが
「ええ、任せてください
その時までには分かりやすく指導できるようになっておきます
あ、場合によっては免除も致しますので」
任せてくださいと胸を張る
その後は ウィンクをしながら告げただろう
以上、と言われ 椅子からはなれ出口まで向かおうとして
「ふふ、ええ……またお茶でも致しましょう
今度は、私の好みのケーキを入れておいてくださると嬉しいです
神代理央さん」
鉄火の支配者 その色眼鏡を外してみれば、しっかりとした優しいただの少年だ
その笑みに、引き込まれるような そんな気持ちになりつつ
年相応の その笑みを、嬉しそうな笑みを向けて 頷いて
「まったく、貴方は悪戯っ子ですね 教室で虐めないでくださいよ?
それでは、忙しくしてしまったので 失礼させていただきますね?」
そう告げては 出口へと向かい、扉を開け出てゆこう
ああ、本当にいい出会いで、嬉しくなる
帰っていくその背中は、嬉しげだった。
ご案内:「風紀委員会本庁」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本庁」から柊さんが去りました。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」に柊さんが現れました。
■柊 >
風紀委員会本庁、三階 にて書類を受け取り
項目全てを書き込んだ後、公安委員会と風紀委員会に書類を提出した
その後 早くメールが来ないかと、携帯をチェックするが あの少年の言葉を思いだし 肩を落とす
「明日か明後日ですかー……待ち遠しいですねぇ」
早く、教壇に立ちたくてしょうがない 夢の舞台へと早く立ちたい
その思いを胸に 総務課に設置してあるソファに座り にこにこと
■柊 >
「(ま、焦ってもしょうがないですね)」
焦った所で早くメールが来るわけでもない
よ、とソファから腰を上げ ゆっくりと息を吐く
そうして、三階から降りて本庁から立ち去り 泊まっているホテルへと 足を進めた
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」から柊さんが去りました。