2022/10/25 のログ
ご案内:「委員会街」にオダ・エルネストさんが現れました。
オダ・エルネスト >  
短期間に何度も風紀委員の刑事課にお世話になれば顔見知りも出来る。
眉間にシワを寄せて何度目だよ、と心配して下さる先輩方には申し訳ない。
だが、私はやってない。
いや、最初の台風の時は悪意はなかったが私だ。
 
それはさておき。
今回私を捕まえたのは、安綱 朱鷺子ちゃんと言うらしい。
以前も世話になった顔の利いてそうな先輩に聞いたら教えてくれたっていうか、
身分提示してない相手に素直に従うなよ、と心配された。
 
「フ、だが分かるんだ。
 彼女も私のようなイケメンが別の子を懸念しているように見えたら妬ける。
 そして嫌がらせの一つもしたくなる。
 その気持ち、恋も知らぬ初心な蕾といったところか。
 今度あったらちゃんと伝えないとな」
 
蕎麦、美味かったって。

オダ・エルネスト >  
昼頃の陽気さはどこへか気がつけば夕暮れ時。
ここは、委員会街の各施設の上の方がなんとなく一望出来る自販機とベンチになんかそれっぽい植木とかされた休憩所みたいなところ。
声が響かないようにと喫煙スペースを兼ねて空間の風を弄られているようである。
 
「学園に来た当初はちゃんと働こうとも思ってたんだけどな」
 
祖国の魔術協会所属で軍に派遣されてるハイクラスエージェントとして。
だが、折角最新技術の都である。
遊ばなきゃ損である。
 
なんらかの委員会に所属してキャッキャウフフ待て待てぇホーラ捕まえたモミモミする任務だったが、
委員会、面倒そうだったので所属しなかった。
風紀委員、公安委員が本命、魔術協会としては図書委員会。
そんなこんなしてる間に、オダを送り込んだ部署が過去に起こした問題が露見して指示がストップ。
そもそもちゃんと任務出来てないので資金援助がストップさせられてたので、
そいつらがどうなろうとどうでもよかったが、続報がない。
今度魔術協会経由で連絡取るか。
 
「……全ての偏差値が高くして生まれ育ってしまった私の罪だな」
 
世界は自分を中心に回っている。そんな気さえしてくる生粋のナルシストである。

オダ・エルネスト >  
この時の見下すかのように委員会街を眺めているオッダ神父の写真は、
何者なのかを追っていた落第街の人によって拡散させられる。
生徒会の施設を睨み、不遜にも笑う神父として。
 
睨んでるように見えたのは、角度の問題で
生徒会の施設の方角をみていたのは、格好つけた結果の偶然である。

ご案内:「委員会街」からオダ・エルネストさんが去りました。
ご案内:「風紀委員会 本庁ロビー」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル >  
風紀委員会ロビー。
多くの風紀委員達が行き交う中で、今日も様々な会話が繰り広げられている。

それは常世学園を破壊しようとする者の話。

ばら撒かれた非合法なハロウィンイベントの話。

商店街で暴れるロボットの話。


しかし、当然それだけじゃない。


学生街に現れた、竜巻を起こす三毛猫の話。

異邦人街に現れた、南瓜頭の怪物による連続殺傷事件の話。

黒街で違法に取引される、人造の悪魔の話――。

枚挙に遑がないとは、このことだ。

さて。
喧騒の中には他にも、様々な会話が漏れ聞こえてくる――。  

レイチェル >  
『萩宮さんですが、異邦人街に出た怪物との戦いで、重傷だそうですよ。
 今、病院で治療中って話ですが……』

『……ざまぁねぇや、いつも調子に乗ってるからだ』

『それじゃ、見舞いは僕だけで行きますか』

『おい、誰が見舞いに行かねえっつったよ……!?』

細身のメガネをかけた男と、筋肉質な男のやり取り。


『ったく、魔導書に噛みつかれるとは思わなかったぜ……』

『図書委員の奴らが手伝ってくれて助かったよな、ほんと……』

『向こうも随分感謝してくれてたよな。
 ま、協力して仕事するってのは良いもんだよな、やっぱり』

笑いながら歩いて行く男子二人のやり取り。


『今日の戦闘訓練、担当は巫剣先輩だって~』
『やったー! 巫剣先輩イケメンだし、何より優しいから好きなんよだね~』

学園の制服に風紀委員の腕章を腕につけた――刑事部の女子二人のやり取り。
 
 
他にも、様々。

―――
――



そう、こうしてロビーに座っていると、
とてもではないが把握しきれない常世学園中の情報の一端を、
知ることができる。

レイチェル >  
この常世学園内では、小規模のものから学園を揺るがすものまで、
毎日のように新たな事件が巻き起こり続けている。
それでもこうして学園としての体を保つことができているのは、
被害を最小限に抑えるべく努める学園の各委員会、
或いは善意の協力者達の努力の結晶と言えるだろう。


そうして、その風紀委員の一員である一人の女が、
コーヒーを片手に風紀委員ロビーの椅子に座っていた。
流れる金の髪に、深く透き通った紫色の瞳。
学園の制服にクロークを纏った刑事課の彼女の名は、レイチェル・ラムレイ。
異世界からやって来た、元魔狩人の風紀委員だ。

愛銃と魔剣を手に、前線で違反部活と戦いを広げていたのは過去の話。
現在の彼女はと言えば、日々常世学園で引き起こされる事件の後片付けや、
同僚の提出する書類のチェックなど、裏方の事務業務に勤しんでいる。
そういった業務は主に、午後に行うことが多い。

現在の彼女は、近頃巷を騒がせている男――
パラドックスの戦闘記録を、見返しているところだった。
彼女の内に内蔵された端末――義眼の上で再生を行っているため、
外から見れば、ただコーヒー片手に座っているだけにしか見えないことだろう。

レイチェル >  
 
直近の戦闘記録を見終え、視界の内――彼女の義眼によって投影されている現在時刻に視線を移す。
時計は、10時ぴったりを迎えたところだった。

その瞬間。ふと、彼女視界内に着信を知らせる表示が現出する。
その下部に表示されている『よく見る』後輩の名前を見れば、
すかさず顳に手を当て、応答をするレイチェル。

『レイチェル先輩~~~ッ! 訓練施設がロックされてて入れません……!』

耳が痛くなるような声量で泣きついてくる後輩に、
やれやれと頬を掻きながら言葉を返す。

「今日の訓練は、オレじゃなくて巫剣の担当だ。
普段使ってるルームの隣だから、今すぐ向かいな」

そう、この時間。本来であれば、前線に出る後輩達の訓練に付き合っている時間だ。
このようにロビーで座っていられるのも、今日が担当外の日だからだ。

巫剣 春輝《みつるぎ はるき》。
彼女と同学年の風紀委員刑事で、現役で前線に出ている男だ。
レイチェルのように訓練の指導に回っている風紀委員は何人か居る。
数多の風紀委員達の戦闘訓練を、1人や2人で行える筈もない。
相応の人数が抜擢され、日々後輩たちの為、指導に回っているのだ。
中でも、この男は常に後輩を気遣いながら優しく指導を行うことから
後輩たちの人気は高い。

だが、レイチェルから言わせれば、『甘やかしすぎ』だ。
手ぬるい指導は、後輩の命を無駄に奪うことに繋がる。
今のレイチェルに求められていることは、前線で戦う後輩たちのサポート。
犠牲になる命や、尊厳を一つでも守ること。
だからこそ、彼女には思うところがあった。

――とはいえ、結局……巫剣のやってるような指導も必要なんだよな。

レイチェルは、不器用な女だ。
だからこそ。後輩の細やかな心の機微に目を配り、彼らに寄り添う、巫剣のような指導はできない。
殊に、戦いの指導に関しては。

レイチェル >  
 
後輩の謝罪の言葉を耳にしながら、再び時計を見やる。
そろそろ、此処を出た方が良いだろう。

実のところ、午前は休暇を貰っている。
それは風紀委員以外に、彼女が力を貸すと約束した人物。
ある少女に会う為の休暇だった。

――さて。借りは返すぜ、川添孝一。

既にこの学園には居ない男の名前、そしてその顔を静かに頭に浮かべた後。
レイチェルは立ち上がり、ロビーを後にするのだった。 
 
 

ご案内:「風紀委員会 本庁ロビー」からレイチェルさんが去りました。