2019/05/25 のログ
ご案内:「学生通り」にアリスさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にアイノさんが現れました。
アリス >  
今日はアイノと待ち合わせをしている。
アイノ、アガサ、そして私で外人トリオという感じで結構遊ぶようになった。

どうでもいいけど外人トリオって自分でも驚くほどダサいと思うので
何かしら華やかな呼び方を考えるのが急務だと感じた。

学生通りにある公園の噴水前で周囲を見ている。
最近は学校にも行けているし、PTSDの影響も少ない。
アイノの姿を探す。彼女は綺麗で目立つから、見つけられないはずはない。

アイノ > ギリギリの際どいホットパンツやら、へそを出したシャツやら、水着のようなチューブトップやら。
スポーティーなボードやら、爆音を漏らすヘッドフォンやら、膨らます風船ガムやら。

ロックな衣装や装飾品を好んで身に着ける彼女ではあるので。


「お待たせー。」

何の変哲もない、ちょっと大人しめの白いワンピースに、同じくそれに合わせたかのような白い麦わら帽子。
金髪のツインテール以外はイメージをがらりと変えた少女が、にひ、と笑顔で声をかけてくる。

なんだかんだ、ここに来て話せる人は増えたが、親しくなった人はそんなに多くは無い。
ちょっとイメージ変えてみるかな、なんて、遊びに行くだけでも服装を真面目に悩むくらいには。

アリス >  
「あ、アイノ。今日のスタイルは可愛らしいわね!」

言ってから自分の発言に問題があったことに気付いて慌てて両手を左右に振る。
アイノはいつも可愛いじゃないか私!

「あ、違……いつも可愛いけど、今日は落ち着いたイメージで良いっていうか…」

そこまで言って頭を抱える。

「デートの待ち合わせかっ」

顔を上げて笑顔を浮かべ。
これから友達と過ごす楽しい時間なわけで。
最初ちょっと混乱したけど問題はない。

「それじゃ、どこに行く? 言っておくけど、私はこの辺住みよ」
「微妙にこの辺りに詳しいわ」

この辺は庭よ、と言いたいけど。生来の方向音痴なわけで。

アイノ > 相手が言葉にしてから慌てて訂正して、上手く言葉が出ない様子をケケケ、と笑って見つめる清楚な衣装。

「いつも美少女だけど、今日はとりわけってことでしょ。
 でもほら、割といつも通りだったりするんだけどねぇ?」

なんていいながら、キャミソール型衣装の肩部分をぺらりと捲って、腋から胸部分まで僅かに見えるくらいにチラリと見せつけて。
ついでにウィンク一つ。

「……ふーん? んじゃあ、まずはアイスでも食べたいかなー。
 美味しいとこある?」

なんて言いながら、あっちー、とスカートをばさばさする。自由。

アリス >  
「ちょっとアイノ、見せない見せない!」
「女子はそういうの減るものだからね、身持ちとか!」

あわあわと慌てながら歩き出していく。

「アイスね、賛成。今日は暑いから………」
「近くに海外ブランドのアイスショップがあるわ。スイカフレーバー以外は大体美味しいのよ」

手頃な値段で美味しいアイス。
その名も『アイス・デ・タイガー』。何が虎なのかは謎。
歩きながら世間話をする。

「この間の異能犯罪学のテストが散々、単位もらえるかは微妙なラインになってきたわ」

アイノ > 「減りゃしないって。 むしろ増える増える。
 見られることがどうせ多いんだしー。」

ケケケ、と変わらず笑顔を見せながら、麦わら帽子をかぶり直せば、大人しい清楚オーラを出していく。

「ほー、レモンとかあるといいな。
 アイス買って食べて。服はちょっと考えてないけど、鞄の一つでも見に行くのもいいかもな。
 スポーツバッグも普通のも今はあんまりなくてさ。

 ………ほー? そんな単位あったっけ。
 何さ、勉強しなかったか。」

ふふーん、と笑いながら脇腹をつつく。

アリス >  
「アイノは美少女なんだからもう少し自分を大事にしてー…?」

とはいっても、彼女のそういう部分に惹かれることは多い。
自分もチューブトップ買ったし。ママにやんわり怒られたけど。

「レモンいいわね、私はブルーベリーとかヨーグルト系にしようかしら」
「鞄はいいけど、ちょっとこの辺だとお高い店が続くわよ」

学生通りだし。
この辺で服や鞄や靴を買おうとするとちょっと悩むお値段であることが多い。

「あう、突かないでよー。いやー、二年になってから授業が格段に難しくなって…」
「他の小テストと時期が被ってたからあんまり注力できなくてね」
「悪さするのはこの手かー」

突いた手を握って彼女の手のひらの真ん中をくすぐる。

アイノ > 「美少女だからだよ。」

にひひ、と笑ってウィンク一つ。全くそれに対して動じることもなく、麦わら帽子を手に取ってしゃらりとお辞儀。
高い店が続く、と言われれば、ゲ、と小さく漏らして。

「金はいろいろあって割ともらってるけど、そうそう使っちまうのもな………」

んー、と腕を組んで悩む仕草を見せながらも、アイスの店に向かいつつ。
掌をくすぐられれば、あ、はっ、ひゃっ! と甲高く笑って飛びのいて。

「あー、マジか、2年は難しくなるのかー。
 メンドクサイな………。 いやまあ、天才だからなんとでもなるはなるだろーけど。

 でもまあ、アリスもそーだし、アガサもそこまで成績悪いわけでもないでしょ。」

なんて、そろりと最近は先輩、をつけずに話すようになってきた。

アリス >  
「美少女なら仕方ないわね」

はぁ、と大仰に肩を落とすジェスチャー。
しまった、今のはどちらかというとアメリカ的だった。

「へー、お仕事で? 確かに、あるからって使うのは勿体無いわよねー」

アイスの店に着いて、たくさんのフレーバーを前に悩む。
コーンにブルーベリーとヨーグルトの二段積みという手もあり……?

「一年のうちに慣れさせて二年からドーンって難易度の上がり方よ」
「それはもう、卒業に問題はないけど」
「これだけ遊びまわってて単位ギリギリってのもかっこわるいわ」

そう、カッコイイかカッコワルイかの問題。
それに、最近は惨劇の館事件の影響でパパとママに迷惑もかけてるしね。

「アイノは何にするか決まった?」

アイノが私に先輩とつけなくなったことが、嬉しい。
ふふ、と笑みを浮かべながら聞いてみる。

アイノ > 「んにゃ、国から。
 私はあんまりにもヤベー力だからって、金出すから出てってくれってさ。
 補助金的なあれそれ? まあ、公にはなってないけどさ。」

軽い言葉で言いながら、ズラリと並んだアイスを眺める。
帰る場所が無いのだけれど、表情はアイスを真面目に考える少女のままで。

「あっはっは、そうだな。
 卒業できりゃいいんだろうけど、できないわけにはいかないしな。
 私も天才って言っちゃってるしなぁ。」

からりと笑いながら、そうだなぁ、ともう一度首を捻って。

「レモンとヨーグルトの二段に、フレークかけてください!」

はーい、っと手を挙げて、少女らしい仕草と可愛らしい鈴の鳴るような声で店員さんにお願いをしてみる。

アリス >  
「そうなの……」

本人の口調は軽いけど、ちょっと悲しい。
私も異能、と自分のせいで本土にいられなくなったから常世に来た。
そのことを少し思い出す。

「私はガッコー今すぐ辞めて製薬会社に来て欲しいって言われてるのよね」
「でも卒業はしたいなー……ほら、私も若くして常世学園を卒業した天才美少女になりたいし?」

む、先を越された。そしてレモンとヨーグルトのコンボは甘酸っぱさを想起させる良いもの。
これは負けていられない。

「ブルーベリーとストロベリーの二段で!」

名付けて、ダブルベリー石兵八陣の構え。
後半に意味はない。

硬貨を支払ってアイスクリームを受け取る。

「ここにアガサがいればいつもの三人なのにね」

と言って笑いながらアイスを口にする。
ベリーの香りがとても良い。

ご案内:「学生通り」からアイノさんが去りました。
ご案内:「学生通り」にアイノさんが現れました。
アイノ > 「就職先があってよかったじゃん。
 まあ、そうだな、私の次に卒業をすれば丁度ワンツーじゃないかな。」

ケケケ、と変わらず笑いながら、ウィンクを一つ。
アイスを受け取りながら、ありがとう! なんて目をキラキラさせて店員さんに媚びておきながら、軽く口をつけて。
レモンとヨーグルトという、さっぱりとした味わいは夏にちょうどいい。
何より、鮮やかな黄色と白は、自分自身の今のイメージ。
黄色を上にしてもらえれば、ほら、私みたいだろ、なんてウィンク。

「……仲いいよなぁ、二人とも。
 地元でも、そんな感じに二人で過ごしてる奴ら、いなかった気がする。」

アガサの名前に少しだけ笑って。

「アイスは溶けちゃうけど、最後に何か買って部屋に押しかけてやったらいいんじゃない?
 アリスなら合鍵くらい持ってるんじゃないの。」

アリス >  
「職業の心配をしなくていいのはいいことね」
「ええー……それアイノが短期卒業するか私が留年しないとありえないんだけど!」

しまった、レモンとヨーグルトはアイノの姿に見立てたもの。
今、気付いた。フレークも冷たく甘くなった舌をさっぱりさせるのにぴったり。
彼女自身のイメージにも合う、アクセサリー。

ダブルベリー石兵八陣、敗れたり。
いや勝負はしてないけど。

「なに言ってるの、アイノもセットでしょー」
「私、アガサ、アイノ。誰が欠けても嫌よ」

あ、でも私たち二人は先に卒業しちゃうわねとさっきの仕返しを言いながらアイスを食べる。

「えー、プレゼントは良いけど合鍵まではさすがに…」

と、言って歩いていると。
私の前を横切った二人の女学生が。
私の顔を見て早足になって歩き去っていった。

「……あの事件から、ずっとこう」
「私が犠牲者10人以上を殺したみたいに思ってる人もいるんじゃないかしら」

もう人混みに紛れて彼女たちの姿は見えない。
俯いてしまうのは、私が弱いから。

アイノ > 「安心しろよ、私があっさり飛び級するから。」

アイスを手に、ふふん、と麦わら帽子をちょっとだけ深めに被って、唇の端を持ち上げる。
勝った、と思っているわけではなく、彼女は常にこんな感じである。
24時間勝利宣言少女。

「ふ、ふふ、ありがとな。
 なぁに、私が一度飛び級に失敗すりゃ一緒に卒業できるさ。」

ころころと自信満々に話をしていれば、顔が俯くのがはっきりと感じられる。
相手は何を言ったわけでもない、睨んだわけでもない。
ただ、その場から離れただけ。

だから、ぎゅ、っとアリスの手を握ってやって。

「そのアイスちょっと貰う。」

なんて、顔を寄せて相手の手にあるベリーにかぶ、っとかぶりついてやろう。
赤色を唇につけながら、へへ、と笑って。

「安心しろよ、私はドーンと経験済みだ。
 存在するだけで近隣の土地の値段を下げた女だぞ、私は。
 そういうのは、ドーンと構えて放っておけばいいのさ。」

なんて笑いながら、頬は少し赤く、指がちょっとだけ震える。
もう終わったこと。終わったことだけれど、彼女とて心に傷はある。
その震えや頬の赤さは、羞恥でも照れ臭さでもない、純粋な怒り。
できるだけそれを笑顔で隠しながら、アリスの背中をぱーん、っと叩く。おら背筋伸ばせっ、とばかりに。

アリス >  
俯いて歩いていると、手をぎゅっと握られた。
温かくて、優しい手だった。

そして彼女が近づいてきて、私のアイスを食べた。

「……アイノ」

次の言葉を選んでいると、背中を叩かれて。

「…っ! やったわね、アイノー!」

きゃっきゃと笑いながら騒いで、彼女のアイスも強引に食べて。
でも、手は離さなかった。

「あーもう、アイノといると落ち込んでる暇なんかないわ」

お礼を言いそびれたけど。彼女だって感謝の言葉を求めてとった行動じゃないのはわかる。
私は今、楽しい。だから、楽しさを一緒に二人で共有したい。それだけ。

アイノ > 「おう、やってやったー。
 いやー、背中も隙だらけでさぁ?」

悪そうな顔をして意地悪に言ってやりながら、怒られてもちろりと舌を出して反省の色をミリで見せない。
お互いに唇にアイスをつけたまま、けらけらと笑って手を握り締め。
少しだけ強く引っ張りながら通りを歩く。

「暇? ……そりゃそうだろ。
 他とは存在感が違うだろー?

 髪の輝きと、将来性と、才能と、可愛さと………。」

なんて笑いながら、何度もこっちから手を握り直して、引っ張って。
悪戯だってしかけよう。
ほんのちょっとの時間だけでも、目の前一杯に動き回って、他なんか目に入らないくらいに。


「……でも鞄は高いな。」

店の前では借りてきた猫だった。高い。

アリス >  
「隙だらけだったら人の背中を叩くのー?」

くすくす笑いながら手を引かれる。
今は。今だけは。何も嫌なことを思い出さなくていい。
そんな安心感をくれる。年下なのに、お姉ちゃんみたいだ。

「ははーっ、アイノお嬢様は大変美しゅうございます」

敬語はあんまり覚えてないけど、彼女をからかうためなら使ってしまう。

 


「……他の店も同じよ」

学生通りの店にリーズナブルという言葉はあまりない。
いや、あるのかも知れないけど。私は知らない。

アイノ > 「尻の方がよかった?」

会話がゲスかった。
嫌なことを思い出さない代わりに、安息も何もない怒涛の連続攻撃。

「よろしー。」

からかわれていても、褒められたなら偉そうにふんぞり返って。
目の前の友達が笑っていることがただ嬉しい。
明るく、そしてちょいと意地悪に相手を引っ張ることが、ただ楽しい。


「………よし!」

手を握ったままくるーり、と振り向いて何かを決断した声を出す。
とってもお高い、大人の女性が入るお店からは自然にするすると距離を取って。

「寮そばのコンビニでアイス買ってアガサの部屋に突っ込んでアガサの口にアイスを突っ込む作戦。」

最低な響きの最低な作戦を提唱する作戦参謀アイノ。
どうでしょうか将軍。

アリス >  
「何もよくない」

ぴしゃりと言い放って、手を繋いだまま、二人で歩いた。

引っ張られながら、自分の弱さを覆う太陽のような少女に。
今は甘えていよう。

「その作戦、のったわ!」

もう片方の手で人差し指を立てて頷く。
続きは女子寮、そしてアガサの部屋!

私は大切な友達ができた。
一人はアガサ。一人はアイノ。

だから誰から嫌われても、私は。

アイノ > 「じゃあ何にしよっか、唐突に悪戯的にやって、でもまあ美味しいからプラマイゼロとかそんな感じがいいかなぁ?」

悪戯を考えるときは、ひたすらイキイキと目を輝かせる少女。
にひひひ、と笑いながら足を進めて。



誰もわかっちゃくれない。
何もしていないのに。
むしろ、他の人のために動いたのに。
排斥され、虐げられ、遠ざけられて。
心の奥底で、チリチリと何かが燻る。

人を憎んで、世界を憎んで、濁り濁った底の部分だけが、チリチリと。

何度もアリスの手を掴みなおして、何度も引っ張って。
自分にできる全力で、「それ」から一緒に逃げるよう。

ご案内:「学生通り」からアリスさんが去りました。
ご案内:「学生通り」からアイノさんが去りました。