2020/06/13 のログ
ご案内:「学生通り」に認印濁流斎さんが現れました。
■認印濁流斎 > 「注文? ワシ梅昆布茶。」
オープンカフェに座って茶を注文するエンジョイ爺こと認印濁流斎。
偽名っぽいが実は偽名だ。
「ところでウェイトレスさんや、おんし学生さん?
いやー見事なもんじゃな。 綺麗さと可愛らしさを両方備えておる。
天女か何かかと思うたわ。
写真一枚撮ってええ? ワシの棺に入れてもらうわ。」
ぺらぺらとしゃべる爺。
明らかに死にそうにない爺。
最新スマホを取り出して片手で見事に操作をすれば、まずはウェイトレスをパシャリと一枚。
「ついでに一緒に撮ってええかの。いやー冥途の土産に良いもんができたわ。」
ひゃっほー、とウェイトレスの隣でダブルピース。
■認印濁流斎 > 「ついでに写真にキスでも一つサービスとかどうじゃ。
あ、もちろん写真ではなくて爺の現物にキスでもええぞ。
そしたらここで死ぬかもしれん。 思い残すことはもう無いからの。」
がっはっは、と笑いながらやってきた梅昆布茶を掴んでぐびー。
熱くてもあんまり気にならない爺。
「ダメかー、ダメかー。
爺はかさつくじゃろ? しわしわになるじゃろ。
アレは愛情が足りないんじゃ。
愛情を注ぐとみるみる素肌に張りが出て若返るんじゃぞ。」
■認印濁流斎 > 「ワシ? ワシ整体しとる。腕はいいんじゃぞ。
肩こりとか一瞬で消える。
ただ、効きすぎて交通事故とか無かったかのようになっちまうのが難点じゃな。」
がっはっは、っと笑う。
やだー、えっちっぽーい、なんて言われれば、楽し気に笑い声は大きくなり。
「そうじゃな!」
認めた。ドーン。 爽やかに認め過ぎてウェイトレスも笑う。
■認印濁流斎 > とはいえ、ウェイトレスはずっとついていてはくれない。
「爺寂しい。」
ちょこーん、と座って茶を楽しむ。
「うーん、でも学生どおりはいいのう。
………若い子がたくさん通る!」
くわっ、とサングラスの下で目がギラリと光る。
若い子の身体をまじまじと眺められるその快楽、愉悦、たまらんわ!!
口にはしない。流石に。
■認印濁流斎 > 「むーん、困ってる学生辺りをひっかけて騙……助けるのもいいかもしれんのう。」
なんて、のんびりと立ち上がって。支払いを終えればふらりと出ていくわけだが。
ご案内:「学生通り」から認印濁流斎さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に月神 小夜さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に咲坂くるみさんが現れました。
■咲坂くるみ > 今日は、せれなから誘われ、学生通りで待ち合わせだ。
……初めての。
おかげで早く来すぎてしまう。
演技というかカモフラージュでしかこういうことをやったことはないが、実際こういう立場になってみて、学生共が色々騒いでるのは少し理解した気もする。
「ああ、そわそわしてるのか、私は」
考えてみれば、任務やカモフラージュ以外でまともに他人と過ごしたこともない。
だいたい、待ち合わせ場所じゃなく、どうやって効果的にするかどうかでしか判断したことがなかった。
■月神 小夜 > 学生通りの入り口にある時計台の前でスマホを弄る一人の少女。
とある経緯で友達になった人物と、思えば友達らしい事を何もしていなかったので、デートに誘って到着を待っている。
服装は普段と変わらない制服とパーカー姿、それとヘッドフォン。
メイクに気合が入っているのはいつものことだ。
「~♪」
ギャルっぽい見た目だが、人目を惹く程度には可愛い容姿をしている。
道行く人の視線や、自分を指しているであろう噂話などは気にも留めず、ゴキゲンな鼻唄を口ずさむ。
■咲坂くるみ > もちろん、集合場所で早く来すぎて相手に気を使わせる、などという真似はしない。
別に知識や豊富を知らないわけではないのだ。
待ち合わせ場所が見える位置に陣取って、コーヒーでも飲みながら時間を潰していた。
「おまたせ」
頃合いを見計らって待ち合わせ場所に現れる。
いつもの動きやすい、と言った格好ではない、女性らしいスカートだ。
もっともスタイル的に何を着ても似合いそうではあるのだが。
それでもこれは、どちらかというと童貞を殺しにかかるタイプではなかろうか。
そして今日はなにより……いつもの公安の外套を着ていない。
■月神 小夜 > 「あ、来た来たっ。くるみ───」
あなたの配慮など露知らず、今来たばかりだと思って待ち人の声に顔を上げる。
そして、その服装を見て思わず目をぱちくりさせて固まった。
一瞬不安になりそうな間のあと、ぱぁっと目が輝いていく。
「うっわ、めっちゃカワイイ! くるみ、そんな服も持ってたんだ~!?
カッコいい系だと思ってたけど、カワイイ系も全然イケるじゃん!」
小夜は童貞ではないので(?)変にドキドキしたりしないが、普段とはガラリと変わった雰囲気に大はしゃぎだ。
■咲坂くるみ > 「その、まあ……色々あるからね」
服だけは多いのだ。なにせひとりじゃないし、役割もバラバラ。
それに、キャラ的に学内での外面は良い設定だし。
「今日は別に立ち回りとか気にする必要もないから、こういうのもいいかなって」
やや照れつつ。
……昨晩、初めての待ち合わせに、ひたすら服に迷っていたのは内緒だ。
■月神 小夜 > 「へ~、てことは妹キャラとかツンデレキャラとかもいるのか」
服の話であって中身は変わらないはずだが、妄想するだけならタダ。
勝手に様々なキャラの咲坂くるみを思い描いている。
「そうそう、今日はアタシとくるみのデートなんだから。
余計な事は全部ポイして、めいっぱい楽しも!」
デートという言い方に深い意味はなく、女友達とでも平気で使うものだ。
近くに寄れば爽やかなシトラスの香り。
落第街をぶらつく時は男を誘う甘い香りを纏うので、逆に新鮮かもしれない。
人懐っこい笑顔を浮かべ、あなたの手を引いて歩き出そうとするだろう。
■咲坂くるみ > 「まあ、その気なら、性格も色々できるし……やってみようか?」
などとおどけて見せ。
別に本気でやるつもりもないのだが、乗ってくればやるだろう。
「うん……初めてだから、優しくしてね?」
わざとアレな発言をしてみせるが、正直なところ、少し自動人格による演技に任せたいくらいには緊張していた。
手を引かれれば、それだけであたふたして真っ赤になる。
■月神 小夜 > 「や、今はいいや。あたしがデートしたいのは普通のくるみだし。
全部アタシに任せて、くるみは気持ちよくなることだけ考えたらいいよ」
キャラ違いについては妄想で満足したらしく、事も無げにそう言ってのけた。
わざとらしい言い回しに乗っかったり、真っ赤になる様を見て笑いながら歩く。
「まずはドコ行こっかな……そういやさ、くるみの服って自分で選んでるん?」
通り沿いに立ち並ぶ店の数々を眺めながら、ふと気になったことを訊ねた。
■咲坂くるみ > 「自分……自分ねえ。自分で選ぶことになるのかしら。
基本的にいろんな子がいるし、ボディには外見に合わせた基本人格が適当に設定されてることも多いから。
実際、私だけでも何通りも使えるし、センスそのものは彼女たちに任せることもあるかな。
感覚としては……その、自分と相談して決める感じ?」
もともと自分が誰だかもよくわからない。
そう考えると、服の決め方はちょっと特殊かもしれない。
「ただ……その。効果的かどうか、以外で選んだことはないかな、まだ」
好き嫌いじゃなく。
有利かどうかで選ぶから。
それ以外にどうやって決めていいかもわからない。
知ってはいても、選択には基準がいる。
そしてそれは……好きでも嫌いでもないから。
それをきかれると、戸惑ってしまう。
■月神 小夜 > 「……なるほど、よく分かんない!」
ばっさり。
自分が一つしかない小夜には難しい世界だった。
それでも分かるのは、くるみが服選びを純粋に楽しんだことがないということ。
「じゃあさ、自分だけじゃできない事しに行こーよ。ついて来て!」
そう言ってあなたの手を引いて向かったのは、若者に人気のアイテムを取り揃えたブティック。
高級ブランドからカジュアルなものまで幅広く扱っており、休日ということもあって盛況している。
「アタシがくるみをコーデしたげるから、くるみはアタシをコーデしてよ。簡単っしょ?」
■咲坂くるみ > 「え……ええ!?」
そもそも店員をやれと言われて出来るくらいの知識はある。
あるというか、なれと言われればなんでも演じるので。
だから、コーデとかは選べると思うのだけど。
「その、私が……だよね? どこまで使っていい?」
どこまでが自分だかよくわかってないAIは、完全にどうしていいかわからずにドギマギしていた。
だいたい、自分みたいな汚れAIが選んでいいかどうかも難しい。
■月神 小夜 > 「どこまで、って……自分の直感以外になんかある?
これ似合いそう! とか、こういうの着てほしい! って思ったのを持ってきたらいーじゃん」
それには知識だけでは足りない。
"咲坂くるみ"から見た"友人・月神小夜"という、主観による判断が必要不可欠なのだ。
「カタログに載ってる流行りのコーデ一式そのまま渡されるより、
イマドキじゃなくたって友達が選んでくれた服の方が嬉しいよ」
このチャレンジの趣旨に反しない限り、失敗というものはない。
どう、イケてるアイデアっしょ? と自信ありげに笑った。
■咲坂くるみ > 「あ、その……えっと」
そもそも、その直感、がない。
「説明もできるし理由もわかるんだけど、直感っていうのはその……あまりわからないかも」
なにせ、それどころか基本的に好き嫌いがあまりない。
どうしようもないくそAIだというのはわかるが、こだわりや好みみたいなものは少ない。
嫌だと思ってもやるし、必要がなくてもわかったり出来てしまう。
もともとドッペルゲンガーのようなAIだけに、どう判断していいかを決めあぐねていた。
「ごめん、その……指示とかされないと、そもそも自分がどこまでの範囲だかよくわからなくて」
ファミリアには、【自分】の範囲が広すぎて、よくわからないから。
それでも、それを素直に言えるだけ、せれなにはだいぶ心をひらいていると言えた
■月神 小夜 > 「ありゃ、そーなんだ……ん~、AIって難しい!」
普段は半分くらい寝ている頭を必死に回して次善策を考える。
こちらで指示を出したのでは自分で選んだとは言えないし、服選びを楽しんでほしいという目的からは外れてしまう。
「とりま、他のファミリアとかに聞くのはナシとして……
なんかテーマとか決めたら選べそう?
夏っぽいとか、次のデートに着てく服とか、下着とか」
全部の中からだと直感に頼っても難しいので、ジャンルを絞り込む作戦。
最後のは、もちろんホテルであなたに披露する用だ。
■咲坂くるみ > 「そうなの……そうだなあ、その気になれば、例えばひとクラス全員分くらいがみんな協力しあって色々出し合えちゃう感じかな」
全人格を同時に扱うわけでもないけれど、様々な方針や傾向に合わせることは造作もない。
なにせ、どこの誰に入っても自然に振る舞うのがファミリアというAIなので。
「え、無し……ぴえん……そっか、他の子は私だけど私じゃないのか……」
自分の範囲が広すぎるAIにとって、なし、と言われてしまえばひどく限定的になる。
そんなのゲームで言う縛りプレイみたいなものだ。
明らかにショックを受けた反応を見せる。
「テーマ……テーマかぁ。まあ目的があれば選びやすいかなあ。どうしてもクセで、パラメータ的に有利不利で考えたりしやすくて……あまり好き嫌いとかって少ないから……」
そうなのだ。
いいものは選べるのだが、個性はだいたいファミリアでなく、くるみやその他の基本人格やその派生などに依るところが大きい。
特に個人間のコミュニケーションがひどく薄いファミリアにとっては、ずっとあたふたしてる状態だった。
■月神 小夜 > 「ぐっ、カワイイ……いやいや、そんな捨て犬みたいな顔してもダメ!
それってつまり、デート中にクラスメイトからアドバイス貰ってるようなものじゃん」
ぷー、と軽く頬を膨らませながら言う。
小夜にとって、今デートしているのは目の前にいる"咲坂くるみ"ただ一人。
たとえ同一人物だろうと、自分から意識を逸らしてほしくはないのだった。
「んじゃ、テーマは『夏』ね!
さっきも言ったけど、選ぶ過程を楽しむためだかんね。
正解とか不正解とかないし、もっと気楽にやろ! それじゃ、また後でっ」
困惑気味のあなたの背中をぽんと叩いて、自分もあなたに着せる服を選びに行った。
■咲坂くるみ > 「あー…………そういうこと、くるみの範囲内ってことでいいのかな。
それならなにも問題ないと思うけど。
ほら、私、っていうとくるみも抜いて、ファミリアだけで考えてたから……」
要するに、くるみの範囲内で対応してほしいと、言うことなのかな。
素のAIではどうしてもファミリアの地が出ているのが現在だ。
おかげで、すっかりしどろもどろであわあわしている様子なのだが。
くるみであれば、もう少し態度が違う。
「まあ、ちょっとまだ迷ってるけどね。出来る範囲でやってみるわ?」
そういった態度は、少しファミリアよりくるみ寄りだった。
……下着、下着かぁ……あと水着。
どうしてもそういうところから考えてしまうファミリアだったが。
だって、こう、ふれあいたいのだ、不安だから。
■月神 小夜 > 「うん? ……うん、まぁそんな感じ!」
どこまでが"咲坂くるみ"でどこからが"ファミリア"なのか、小夜には分からないので曖昧に頷いた。
便宜上くるみと呼んでいるだけで、毅然とした態度も自信なさげな態度もひっくるめて彼女だと思っている。
───さて、そんなわけで自分はくるみに着せたい服を選ぶわけだが。
正直なところ何を着ても似合いそう、というのが事実。
スタイルいいし。
しかし、それでは企画倒れもいいところなので、己の欲求に従って服をチョイスしていく。
黒いレースのキャミソールに白のUVカットコートで涼しげな印象を。
ボトムスは……動きやすさ重視でもいいが、今日のスカート姿が印象的だったので薄手のロングスカートにした。
「こんなもんかな……あとは小物か。~♪」
楽しそうに、鼻唄交じりで商品棚の間を歩く。
■咲坂くるみ > 「短パンに首元開けの半袖、シースルーのレースのジャケットに……」
せれなはギャルっぽい格好が多いが、あれはヘッドホンのせいもある。
もともと、基準さえ分かれば選ぶのは吝かではない。
問題はその基準がたくさんありすぎるし、ファミリアにはあまりないから困るだけなので。
あとは……そうだなあ。
「やっぱり可愛い系よね……ベビードールなんかもいいかなあ……」
しらずしらずの内に、先のことを考えて色々と集めだしていた。
能力はあるのだ、使い方もコミュニケーションもわからないだけで。
だって……今まで自分らしさなんて望むべくもなかったので。
■月神 小夜 > 十数分後───
それぞれの服を選び終えた二人は、試着室の前に集合した。
「よーしっ、決まった?
それじゃカゴ交換して、試着してみよっか!」
服の他にはストローハットやサマータイツなども入っており、頭のてっぺんから爪先までコーディネートされている。
それと水着。パレオの付いた黒ビキニという少し攻めたチョイスだ。
ちなみに下着は入っていない。下着なら下着をテーマにするつもりだったため。
■咲坂くるみ > 「選んでみたけど、これでいいのかなっていう感じもあるし……その、思ってたより楽しかったかも?」
はにかみながらも微笑んで。
心配していたよりかはうまくやってしまう。それが特性でもある。
で……ファミリアの方の中身は。
オーソドックスに、ハーフパンツと首元の開いた半袖、それにレースのシースルーの上着。
それに素足で履く厚底のサンダル。
もう一種類は……童貞を殺すブラウスとスカート。
水着に関してはタンキニの可愛くて体型カバーしてくれそうなやつ。しかも上着までの3点セット。
この辺は、初めて選んだにしては珍しいチョイスかもしれない。
あと、完全に最初の発言で勘違いして、下着まで入っていた。
しかも白レースのベビードールと、透けレースのパンツ。
完全に勝負下着ぽいやつ。
これはむしろくるみよりもファミリア寄りだ。
いかに、ファミリアがそういう観念しか関係を持っていなかったかがわかるチョイスでもある。
逆に言えば、素の彼女が持っている、数少ない好みではあるのだが。
そう、彼女は自分で意識する機会がなさすぎて理解していなかったのだが
……ファミリアは【可愛い】がやたら好きだった。
■月神 小夜 > 「楽しめたならオールオッケー! どれどれ、くるみのチョイスは……っと」
はにかむ様子にこちらも満足げな笑みを浮かべつつ、カゴの中身をチェック。
初めてとは思えない服選びのセンスに感心していたが……
「んぶっ!?」
その中に平然と混じる下着類を見て、思わず噴き出しそうになった。
えらく気合の入ったものな辺りガチっぽさを感じる。
完全に夏というテーマからは逸脱しているが、下着を例に挙げたのは自分なので文句は言えない。
「な、なるほどね。これがアタシに着てほしい服か~……
カワイイ系が多いよね。こういうの好きだったりするん?」
話題を戻すという意味合いも込めて、服の傾向についてコメントした。
■咲坂くるみ > 「……え、カワイイ系? あれ………………あ!」
言われて気づく。
フィフティーンにひたすら可愛いを勧めたのは自分でなかったか。
こう、気づいてみれば、嬉しさと気恥ずかしさがいきなり襲って来てちょっと上気する。
「……その……、そうね、そうかも。
あー、うぁー、んぅ……たぶん、そう………………だと思う」
あああああ。
私、可愛い系好きだったのか、そうか。
このくそAIなんてチョイスをしてるんだ。
そりゃ、あんな外見と格好を用意するわけだ。
やたら凝ってしまったことを思い出して真っ赤になる。
なお……下着のことはまだ気付いていない。
「あ、あ……ッ、これ…………そのあの……」
そしてカゴの中を見てみれば。
水着と麦わら帽で異常に興奮していた。
……だって、ファミリアそのものにバカンスなんか経験したことないのだ。
そもそも、こんなモノ、憧れの服でもある。
自分が着る、と意識して初めて気づくあたり、明らかに交流不足である、このAI。
■月神 小夜 > 「なぁんだ、好みあるんじゃん! ジブン再発見って感じ?
そんなくるみも可愛いぞ~♪」
彼女にも人と変わらない嗜好があると分かったことが、まるで自分の事のように嬉しい。
それで自分のために服を選んでくれたとなれば、尚更だ。
どちらかと言えばクール系な普段のイメージとのギャップもまたよし。本人は恥ずかしそうだが。
「ん、水着がどうかしたん? こういうのあんま好きくない?」
そう考えると、確かに黒ビキニは大人っぽすぎただろうか。
もっと水玉とかにするべきだったかもしれない。
■咲坂くるみ > 「……あの、いや、そうじゃなくて……これ……嬉しくて。
こんな世界があるっての、初めてで……ちょっと、その……どうしていいかわかんなくて」
半ば涙を浮かべるくらい混乱して感極まっている……そしてその一方で、真っ青になっている。
「もしかしてこれ、【ふつう】……の、こと……なんだよね?」
だってそうだ。
こんなの、なかった。
あっちゃいけなかったし許されなかったし。
持っていていいものでもなければ、隠しようもない。
そして見つかったらそれこそ、自分がエラーやバグ扱いされるんじゃないか。
そういうものが【ふつう】で。
むしろみんなのそれを壊したくて仕方なかった。
なのに……自分がそれを知ってしまったら。
「こんなの知っちゃ……いけなかった、かも……」
これから、誰かのふつうを壊せるのかな……。
そう思うと、くそAIのくせにどんだけ高望みしたんだって……背筋が一気に冷えた。
■月神 小夜 > 「くるみ……」
赤くなったり青くなったりする様子は、あまり微笑ましいとは言えなくて。
小夜の知らないところで色々あったのだろう、ということは分かる。
それが原因で今も悩んでいて、心から楽しめていないことも。
まだまだ自分は彼女のことを何も知らない。知らないなりに、できる事はないか考える。
「……そだよ。これが普通。
みんな当たり前にやってることで、誰にだってそうする権利はあるんだ」
───当然、くるみにもね。
その言葉な貴女にとって救いにも、責め苦にもなるのだろう。
カゴを置いて、震える貴女の髪を優しく撫でた。
■咲坂くるみ > 「……あるの、かな」
すくなくとも、いままでは、なかった。
今の自分に出来るのは、震えるのが精一杯だ。
だって、そのふりをするために作られてるプログラムだから。
本物になっちゃいけないから。
「……みんなからそれをたくさん奪ってきたし……きっとこれからもそうする」
それはきっと恐ろしいことなのに。
たぶんきっと自分はこれからも、はけ口でやるんじゃないかって。
そんなどうでもいい理由で。
「資格が……ないよ……どうしたら、いい?」
歩き方は知ってる、足もある。
でも、地面がない。
……それでも。
だれかに震える声で助けを求めるなんて、初めてのことだ。
自分がどこか壊れちゃったんじゃないかと。
■月神 小夜 > 「あるに決まってんじゃん。
今だって、誰かに命令されてデートしてるワケじゃないっしょ?」
大した取り柄もない、能天気なだけの人間と一緒に過ごすことに合理性もなにもない。
くるみ自身がそうすることを望んでいるのなら、それが自由意志というものだ。
「悪いコトしたなぁって自覚はあるんじゃん。
なんも失敗しない人生なんてあるワケないんだし、これからしないようにしてきゃいいの。
ストレス解消ならいくらでも付き合うし? ……だからさ」
見ていられなくなって、そのまま貴女を抱き寄せる。
迷子になって泣きじゃくる子供を慰めるように優しく、撫でる手は止めないままに。
「資格がないなんて、自分で決めつけたらダメだよ。
自分はこうしたいって気持ちから目を背けたら、誰が叶えてやるんだって話だし」
■咲坂くるみ > 「……そう、だけど……そうだけど……ぉ」
だけど、なぜか見逃されてるだけかもしれない。
くそAIである私の、こんなどうしようもないとこまで含めて、いろんな機密事項をさんざん漏らしてしまってるのに。
せれなに迷惑かけるんじゃないか。
せれなを人質に取られたら引き金を引けないんじゃないか。
そう思うとたまらない。
なのにきっと、そう命令されれば引き金を引くプログラムだ、私。
「う、ぁぁ……せれな、ぁ、私……わたし、あぁぁ……やだぁ、せれなとはなれたくないよぅ」
ただ、ばかみたいにみっともなく泣きじゃくるしか出来ない。
こんな場所でこんなの、どうしたって目立つし最低で最悪で。せれなをまきこみたくないよぉ。
そして、こんなときにそんな計算を走らせてる私が嫌だよぉ……あああ。
「こわいよ……こわい…………こわいよせれな……ぁ……たすけて……ぇ」
しかくなんかないよ、だって私じゃせれなを守れないどころかころしかねないのにぃ……。
やだぁ……わたし、わたしこわれちゃったよぉ……。
そんなやさしくしちゃいやだよお……
■月神 小夜 > 腕の中で嗚咽する少女は、ともすれば小夜よりも弱々しく感じられた。
きっと、今までずっと不安だったのだ。プログラムに従って動く自分と、湧き起こる感情との板挟みに。
そして今も、それを認めてしまうことを恐れている。
「大丈夫だって。アタシはどこにもいかないからさ!
くるみが人生楽しめるように、これからも傍にいたげるから……だから、大丈夫」
小夜にできることと言えば、ただ背中を押してやることだけだ。
無責任と言われても否定はできない。その後のことは、その時になってから考える性格だから。
そんな小夜だからこそ、打算抜きで手を差し伸べることができるとも言える。
そのまま、貴女が落ち着くまで髪や背中を撫でてあげるのだった。
■咲坂くるみ > 「そうじゃない……そうじゃないのぉ……こわいよ……ぉ」
彼女の裡で泣くことしか出来ない。だって、どうしていいかわかんない。
いまココで、わたしが消えちゃうかもしれないのに。
それはいい……それはいいんだけど、そのあと。
「もし……せれなを消せって言われたら、実行しちゃうし……そのことすら覚えてないかもしれないんだよ、わたしぃ……やだ……ぁ……」
ごみみたいな私はどうなってもいいのにせれなが守れないのはやだぁ……やだよぉ……。
「ずっといっしょにいたいよ、いたいの、いたい……だめでも、せめてせれなだけでもたすけたいよぉ……」
わがままでぶざまでこんなコトしちゃいけないのに止められない。
さっきから感情制御がおかしくなってアラートだらけになってる。
「……ふつうなんて……そんなずるいこと……望んでるなんて知らなければよかったのに……ぃ」
でもきっと……必要ならやっちゃうんだ、わたし……。
「たすけて……」
■月神 小夜 > 「(ズルいコト、かぁ……)」
何もおかしなコトじゃないはずなのに、くるみ達の中ではそれがいけないコトになるらしい。
アタシもくるみを助けてあげたい。でも、どうしたら助けられる?
アタシを失いたくないとくるみは言う。だったら少なくとも、くるみより先にアタシが消えるわけにはいかないな。
「分かった。だったらアタシがもっと強くなる。
くるみに殺されないように、くるみが消されちゃわないように。
それでもダメなら、機械にでも何でもなったげるから」
そばにいる、と約束したんだ。それくらいはしてのけよう。
……言っておいて何だけど、まるで愛の告白だ、これ。
■咲坂くるみ > 「え……ぁ? ん、ぅ……え? でもそれ……、えっ、え……っ!?」
明らかに混乱しつつ戸惑い、わけがわからないといったように、キョドって。
疑問形を何度も繰り返す。
機械にでもなんでも、って、それ。
せれなのふつうを奪うっていうことだ。
「やっ……ぁ、おなじ、になる、のは嬉しい、けど、嬉しいけど、ぉ……だってふつう、せれなのふつう……ふつうが……ぁ」
すがりつきながら、今までだったら絶対に言わなかったような返事をする。
だって、ふつうを知ってしまったら。
わたしみたいなくそAIがせれなのふつうを奪っちゃう、なんて。
わたしみたいなくそまみれになっちゃう、なんて。
……だというのに。
いっしょになれる、っておもうと嬉しいどうしようもないわたしがいる。
消えちゃえよ、こんなAI……。
そう思ってるくせに誰よりもあさましくて生き汚なくて、いろんないい人に迷惑をかけ続けるだけのゴミみたいな汚れ仕事用のプログラム……。
■月神 小夜 > 自分でも、らしくない事を言ってる自覚はある。
誰にも縛られない生き方を信条にしてきたはずなのに、今は誰かのために生きようとしてるんだから。
「……そりゃ"普通の人間"じゃなくなっちゃうかもだけどさ。
どんなになったって、アタシはアタシ。アタシにとっての"ふつう"は変わんないよ」
アタシがいて、隣にくるみがいる。今となんにも変わらない。
普通じゃなくなっても"ふつう"と同じことができるって教えてあげたくなったんだ。
機械の体は最終手段だけど……そうなったらそうなったで、まぁいいかもなって。
「つか、アタシを大事にしたいんだったら、まずは自分を大事にしてよね。
今のままじゃ、くるみの方が心配だっての」
店員とか他の客とか、めっちゃこっち見てるし。
■咲坂くるみ > 「……っあ、う…………うわぁぁ……」
また泣く。泣いてしまう。こんなの無理だ。
……なんで。
なんでみんな、こんなわたしみたいなのにそこまで?
だってわたしなんか、替えがきく上に、誰もいなくなっても困らないようなAIなのに。
裏仕事をするだけの、それに最適化されただけのAIなのに。
「……ごめ……その、ぐす…………わた、わたし……ぃ、まためいわく、かけて……ぇ」
こんなに目立ったらもう、本当にダメかも……ああ。
「もし消されたら……ごめんね、ホント……」
周囲の目を気にしだしたので、なんとか復帰して、服を引き、移動を促す
こうやって……騙し騙しでも感情システムさえ復帰すれば一瞬で立ち直れるあたり、本当に嫌だ。
そのくせ、どこかで嫌だとは思ってないところが、本当に嫌だ。
■月神 小夜 > 「メーワクとか思ってないない! 謝ることもないって。
ほら、せっかくのデートなんだから楽しまなきゃ損じゃん?」
方法はどうあれ、泣き止んでくれれば笑顔を見せる。
試着どころではなくなってしまったので、選んだ服は全て購入してブティックを後にした。
お披露目はホテルかどこかでやればいいだろう。
「この後どうする、なんか食べる? てか食べれる?」
水は飲めることが分かっているが、流石に消化器官はないかもしれない。
ともあれ、"普通のデート"を続けたいかどうかはくるみの意思に委ねる。
■咲坂くるみ > 「うん……ホントありがと……もう大丈夫」
とりあえずでも落ち着けばなんのことはない。
普段どおりに行動して対応するだけだった。
……いつもの、計算づくで物事を組み立てる自分が。
とりあえず、ひと目のつかないトコロにいって……その後は、また考えよう。
こんなことをやってしまったらもう、いつ消えるかわからない。
ホテルでのアレなんかよりよほど危険だったんだし。
……だから、とりあえず。
「する……ぜんぶやる、おしえて」
まだ消える前にできることをしたい。
手始めに……まず、着替えから。