2020/06/23 のログ
ご案内:「学生通り」に松葉 牡丹さんが現れました。
■松葉 牡丹 > 学生通りをキュラキュラ動く、車椅子一つ。
路上を進み、触り心地のいい高級感のある革に身を預け
片腕の無い少女はルンルン鼻歌上機嫌。
「~♪」
最近常世オリコンシングルで1位をとったあの曲だ。
ちょっとしんきりした歌詞とピアノの落ち着いたあれ。
学生の間でもちょっと流行りで有名だ。
ご案内:「学生通り」に夢莉さんが現れました。
■夢莉 > 「(ふーん…)」
学生通りを歩いていると、聞き覚えのある歌が聞こえる。
なんだ、こんなトコでも聴くのか。等と他人事に想いながら。
鼻歌…歌ってるのは誰だろうとちらりとそちらを見る。
そこにいたのは、車椅子の少女。
気紛れに、後ろから歌を口ずさむ。
少女の鼻歌に合わせ
「―――♪」
即興にも関わらずぴたりと、示し合わせたかのように音が重なる。
慣れたものだ。
自分が作った曲なのだから。
熟れた淑女のような、年若い少年のような
不思議な色香を漂わす歌声が響く
■松葉 牡丹 > 「~♪……?……わぁ。」
自身の音に、歌声が重なる。
ぴったりと示し合わせたようなフィット感。
思わず、歌声の方を振り返った。
……綺麗な人。女性…男性…?
特に区別はつかないけど、一つだけ言える事がある。
とっても綺麗な人だ、と。
少女はにこりと、微笑んで、相手に会釈した。
「こんにちは。とってもお上手ですね!」
意外とミーハーである少女は、音源の歌声はぱっと思いつかない。
何も知らず気兼ねなく、相手へと挨拶をした。
■夢莉 > 「――♪…っと」
流石にバレちった、とイタズラっぽく舌を出し
「や、聞き覚えのある歌だったからつい…って、ん?お上手?」
もっとわーとか、きゃーとか言われるかと思ったが。
まぁいいやと思った。そも、ライブハウスで聞いてた音楽関係者にCDを出してみないかと言われ、気紛れで出した曲だ。顔出しもしていない。
「…ま、よく歌うからな。
邪魔して悪かったな。学園の生徒か?」
■松葉 牡丹 > 「あ、気を悪くしちゃいました?……ふふ、其方の歌声が綺麗だったのでつい、やめちゃいました。」
舌打ちが聞こえればきょとんとしたが
すぐにクスリ、と笑みを浮かべて言葉を並べる。
からかい目的ではあるが、嘘ではない。
「あはは、最近流行りの曲ですよねぇ。私のクラスでも良く話題、聞きますし……。」
「お邪魔なんてそんな、とても上手な音合わせでした!
ふふ、はい。私、松葉 牡丹(まつば ぼたん)っていいます!
アナタも生徒……ですか?」
小首を傾げ、少女は尋ねる。
■夢莉 > 「いゃ別に。 気紛れなセッションだったし
…って、ん?そんな話題になってんの? 参ったな…」
あんまり考えなかったが有名になるのは困るな、と少しめんどくさそうな顔をしつつ
「っと…ま、一応な。
3年の夢莉。学生だよ。授業はサボりまくりだけどな」
つまり不良学生ってとこ、と付け足しながら隣を歩く。
少女の体を少し見れば、大分不自由してそうだな等と思いつつも、言及はせず。
「この辺に住んでんの? 高えだろ、この辺の物件」
学園都市。学園に近い物件は総じて家賃が高いのだ。
まあ、その分治安やら交通の弁やら、非常に厚遇される地域ではあるのだが
■松葉 牡丹 > 「この前のランキング、1位になってましたからねぇ。とっても有名ですよ?」
うんうん、と頷いた。
「夢莉さん!……あ、先輩なんですね?てことは……
……あ、サボり帰りですかー?ダメですよぉ、先輩。
ちゃんと出席はしないと、卒業できませんよー?」
めっ、です!
と、ピッ!と人差し指を相手に向けて頬を膨らます。
が、すぐに少女はクスリと噴き出し、悪戯っぽく笑った。
「んーと、そうですね。ちょっとワケあって、学園側に預かって貰ってて……。」
「……あ、やっぱりちょっと気になっちゃいます?私の体……
ちょっとした"事故"なので、お見苦しかったらごめんなさい……。」
やはりこの体は普通に目立つようだ。
クラスメイトは気にしないが、他人にはそう見えるらしい。
ちょっと歯切れ悪そうに、頬を掻いて尋ねた。
■夢莉 > 「らんきんぐ?」
ランキングなぞ知らない。テレビはそんなに見ないし、音楽系は聴くより歌う派だ。
「ふーん…なんかしんねえけど有名になってんだな…
…だってめんどくせーんだもん、授業とか。
聞いてて眠くなんねえの?オレは10分以上無理だわ」
ダリィしつまんねぇし。と言いながらえぇー、とした。
そうしながら体のはなしをされ…
「(あぁ、そりゃ視線にゃ敏感か)」
そりゃそうだ、と少し反省をした。
自分も視線には敏感なほうだ。
気持ちは分からんでもない。
「…あー
別にそんなんじゃねぇよ。不便そうだなとは思ったけど」
メシとか食いにくくね?と、調子を崩さずに軽く聞いた
■松葉 牡丹 > 「ランキングです。テレビやラジオで見てません?売上ランキングみたいなの。」
ニュースでもやってるんですよー、と付け加えた。
のほほんとした空気に、呑気な感じだ。
当の歌い手本人が目の前だなんて、気づきもしない。
「えぇー、そうですかぁ?知らない事を知る、って言うのは
それだけで楽しい事だと思いますけど……あー、ダメですよぉ
先輩、そんな事言ってると、風紀委員に御用になっちゃいますよー?」
所謂不良感はたっぷり出ている。
だるい気持ちはわからなくはないが
きっと相手も楽しさを知れば話は変わってくるはずだ。
風紀の乱れを出しに、在ることない事適当に言いつつクスリ、笑みを浮かべた。
「それじゃぁ、今からお勉強会しましょう!アッチにいいカフェがあるんですよー。
落ち着いて静かな雰囲気で……"不便"かどうか、ちゃんと見てくださいね?
あ、勿論先輩もちで!」
だが、少女は強かだった。
相手の歯切れの忘れにちょっと付け込んで
車椅子を隣へと移動させれば、軽く服の袖でも摘まもうとした。
舌までべーっとだして、してやったりな悪戯顔だ。
■夢莉 > 「んなのやってたのか‥別に風紀もオレなんかに構ってる暇なんざねえだろ‥って、は?」
ぐいっと服を摘まれ
素行は悪いが両親位はあるので、車椅子の相手に対して手を払って転倒させかねないような真似はしない。
しないが、凄く面倒そうな顔をしている!!
「いや…いやいやいや!!
何でオレがお前奢らないとなんねーんだよ…!?
初対面じゃねえか!!」
■松葉 牡丹 > 「えー、こういう時は後輩に奢るものじゃないんですかー?
三年生なら、私より年上だから後輩を甘やかしてくださいっ。」
にこーっ。
意外とぐいぐいと押してくる。
「それとも、先輩がサボってた事に、"ある事無い事"付け加えちゃおっかなー?」
横目でじとりと見やれば、ふふーん、と得意げに口元を緩めている。
悪戯好きなんてものじゃない、結構やり手!
「じゃ、行きましょう!!」
そして有無を言わせない感じで、相手を噂のカフェへと連れて行こうとするだろう。
■夢莉 > 「ああひっぱんなひっぱんな! 結構すんだからこのパーカー…!」
ぐいぐい押されると驚くほど簡単に押せる。
小柄で細身の先輩。筋肉は……ない!!
車椅子で動きに不便する体ですら簡単に引きずり回せるだろう…
この先輩、弱いぞ…!
「……高ぇモン頼むんじゃねーぞ?」
じとっ
金に余裕がない訳ではないが金に細かいのだ。
そうしながら車椅子に引っ張られながら、カフェへと連行されるだろう…
■松葉 牡丹 > 「へぇ、稼ぎいいんですねー?ふふ、先輩ったら、結構細身なんですね?」
くすくす。結構調子に乗るタイプのようだ。
紙とまではいかないものの、強風が吹いたら飛んでしまいそうだ。
そんなこんなで、ゆったりと相手の歩調に合わせて進行中。
学生通りの中心、程なくして付いたのは、モダンで落ち着いた雰囲気のカフェ。
テラス(外)席なようなものは無く、店内は静かに落ち着いている。
内装的にはカフェ、というよりもバーに近い。
実際カウンターの奥にいるのは、細身で物静かな男性一人だ。
「此処ですよ、此処。アッチの席行きましょう?」
丁度一番奥の席を指差した。
そして……
「せぇんぱい……♪」
やたら甘ったるい声。
「────私、"ちょっと高め"のパフェ食べたいなぁ?」
人差し指を唇に添え、潤んだ瞳で上目遣い。
言った傍からこれである。結構ちゃっかりしてる!
■夢莉 > 「筋肉つかねぇんだもん…ん、おう」
食っても脂肪も筋肉もつかない。そんなに食べるタイプでもないからかもしれないが。
言われるがままについていく。もう諦めの境地である。
そしてパフェの”おねだり”をされれば
「……」
無言で牡丹の鼻を指でつまんで引っ張った――――!!!
■松葉 牡丹 > 少女は自分の体を知っている。
欠陥だらけの体だけど
自分の顔の愛らしさ。
歳の割にはそれなりにある胸。
くす、と歳不相応な妖艶な雰囲気を醸し出しながら
半身を車椅子から乗り出し────。
「にゃあああああ!?」
……鼻を摘ままれました。
カフェの静寂を切り裂いて
変な悲鳴を上げれば鼻先抑えて涙目。
「うっ……ぼ、ぼーりょくはんたいですぅ~。いいじゃないですかぁ~、ちょっとくらい~……!」
唇尖らせて、ぶつくさ文句を言い始めた。
大体自業自得である。
「と、とりあえず座りましょう……先輩は何食べますか?」
しくしく。席に座るように促した。
備え付けの、清潔感のある白のテーブル。
メニューを開けばカフェにありそうなものは一通りのものは揃っている。
値段はこういう店にしてはちょっと高い位だ。
■夢莉 > 「色気出して媚びんなら相手選びな。オレが見た目で靡くように見えるかよ」
顔見ろ顔、としながらメニュー開く。
視線が流れる様も絵になる、不思議な雰囲気。
爪の先まで手入れが行き届いて、見ていれば一挙一動に視線が釣られるかもしれない。
「ふーん…結構よさげ…ちょっと高ぇけど。
そー…だな……あ、いいのあんじゃん。コイツにしよ」
選ばれたのはマウンテンハバネロナポリタン。ナポリタンのソースにたっぷりのハバネロを混ぜた逸品だ。
「タバスコかデ〇ソースあるかなここ。で、そっちは何にすんだよ? パフェ?」
あんまデカいの頼むなよ。太るぞ、と言いつつ
■松葉 牡丹 > 「うぅ~……先輩イケずです。そんなんじゃぁ、モテませんよ?
……そう言えば、どっちにモテればいいんですっけ?」
思わずちょっと男らしい雰囲気だから色目使ってみたけど
場合によってはこれ同性に色目使った事になるのかな、と思い至る。
というよりも、指摘されると恥ずかしい。
別に悪戯に使う事はあれど、それを好んで全面に出す方ではなかった。
車椅子の上で軽く身をよじらせ、小動物みたいに唸り声を上げていた。
威嚇のつもりなら、凄くしょっぱい。
少女は車椅子なので、席のサイドについた。
くるん、と人差し指を回せば
魔法のように少女の手元にメニューがふわりと飛ぶ。
重力操作異能による制御だ。
「タバスコはあるみたいですけど、デ〇ソースは……あ、あるみたいですね……。」
なんか店主サムズアップしてる。
何かこっち見てるぞ。なんなんだ、あのおっさん。
無駄に品ぞろえはいいようだ。
「んー、イチゴパフェと紅茶と……あー、女の人にそれいいます?」
ぶー、と頬を膨らませて拗ねた。
「ろくに運動できない体だから気にしてるのになぁ~……ショック受けて立ち直れないなぁ~……。」
わざとらしく机に突っ伏してやった。
……ちらっ、ちらっ。
何かを期待するように見てるぞ……!
■夢莉 > 「老若男女問わずモテすぎて困ってるよ現在進行形で」
他にも色々あんな、とメニューをもう少し見つつ、気取る訳でもなく言い切る。
実際男にも女にも声をかけられる。本人としてはめんどくさいったらありゃしないのだ。
「気にしてんなら行動にも移せねえの?
立ち直れないも何も、元からその体じゃ立てねぇだろうしいいんじゃねーの」
酷い物言い―――!!
泣き落としは通じないようだ…
パフェに関しては「まぁこんくらいなら」と出してくれるそうだ。
そうこうしながら、メニューを触らずに動かしたのを見れば
「へぇー…何の異能だ?それ
サイコキネシス?」
■松葉 牡丹 > 「んー、確かに。先輩綺麗ですもんねー。それ、地毛ですか?
いいなー、髪もサラサラしてるし……もしかして、手入れ無しのナチュラルとか……。」
中性的な美しさと言えばいいのか。
確かに、どちらにもモテると言われるとそれっぽい。
人気者は大変ですねー、なんて茶化してたら
「うっ」
グサッ。
心にクリーンヒット!
「えう~……私は悪くないもーん……甘い誘惑が悪いだもーん……。」
舌で蕩ける背徳の甘味。
全部私を誘惑するスイーツがいけないんだ。
と、少女は独り言ちる。
でもちゃんとパフェは食べる気です。
今度の健康診断が楽しみですね。
「あ、えっと……重力操作……って、言えばいいんですかね?
難しい理屈はわからないですけど、メニューを浮かせてこっちまで来てもらったんです。
この体だと、この異能無しでは不便な暮らしになってしまいますから、頼りっきりです。」
まともに動かない体を動かせる異能。
物を動かせる重力操作。
ほんのちょっぴりだけ、気に入らない要素はあるけれど
それでも今の自分には必要不可欠な力だ。
顔を上げ、えへへ、と年相応の笑顔を浮かべてマスターに注文。
男は静かに店の奥へと消えていく……。
■夢莉 > 「色は入れてねえけどナチュラルな訳ねーだろ。何処のファンタジーだ
手入れ無しの髪なんてすぐボサボサのバサバサだっての。クソめんどくせぇ」
1時間2時間余裕で髪の毛に時間を食わされる。
腰まで届く長い髪は色々と大変だ。
まぁ、慣れたものだが。
じゃあ頑張って運動すんだな、と言いながら料理を待つ。
奥からいい匂いがしてくる……偶に目が痛くなりそうな匂いがするが。
「へぇ~…軽くしたり重くしたりで物動かすとかも出来るのか。
色々出来そうで便利そうだな…」
例えば戦闘とか
と言おうと思ったが、流石にやめておいた。
■松葉 牡丹 > 「あ、よかった。それでナチュラルって言ったら嫉妬しちゃう所でしたよぉ~。」
ほっ、と胸を撫でおろした。
何処まで本気なのやら…。
少なくともナチュラルなら
思いきり重力でボッ!と髪を乱してやるつもりはあった。
悪戯っ子ここに極まる。
「はい。此れが無ければ私、生きてこれませんでしたから。」
無い服の袖を、キュッと握った。
表情を崩さないが、思う所はあるらしい。
自分の異能が如何なるものかは、理解している。
だが、"此れが無ければ生きられない体"なのも事実なので
少女にとっては思うより複雑なもののようだ。
「あ、料理。来たみたいですね。」
自ら話題転換。
少女の前にコト、と置かれたのは
グラスにたっぷり盛られたイチゴパフェと
カップソーサーに乗った暖かいストレートティー。
そして、その対面には……。
\ドンッ!/
「わぁ。」
デ、デカァァァァァァァァイッ!!説明不要ッ!!
明らかにそのナポリタンは、写真のものよりデカい!
山、というよりはエッフェル塔を思わす盛りっぷり。
此の店主……遭難させに来ている……!
真っ赤なハバネロソースが、刺激物特有のツンツンした匂いを放っている。
まさに、赤の登山……!
「……え、先輩。食べるんですかソレ?」
流石にちょっと顔が引きつってるぞ…!
■夢莉 > 「……デカくね?」
でかくね?
普通サイズの激辛ナポリタンを頼んだ筈なのに激辛な上に超山盛りのナポリタンがドンと置かれた。
「誰が頼むんだ…?」←頼んだ奴。
流石に辛いのは兎も角量があるのは…辛いッ!!
「…ちょっと食べるか?」
ちらっと牡丹の方を見た
■松葉 牡丹 > 「まぁ、その、マウンテンみたいですし……。」
うん、此れは見事に山だ。
山というか、火山というか。
完全に噴火してる。辛味が噴火してる。
あはは、と引きつった笑みを浮かべながらぐっとガッツポーズ。
「先輩。」
「かっこいい所、期待してます!」
……遠回しに絶対に食わないって言ったぞ!
頑張れ先輩!
■夢莉 > 「ぐっ……!」
無理矢理口にぶち込んでやろうかと思ったが大人のセンパイなのでやめた。えらいね!
「…かぁーっ!!やったらぁ!! 見てやがれ‥!」
頼んだものは頼んだもの。残すのもったいないの精神が発揮されてしまった…!
勢いよくナポリタンに食らいつく。蒸気だけでも目に滲みてきそうな辛さの匂い立ち込めるナポリタンに……
…案の定その勢いは二割程食べた所で一気に失墜し、残り4割を残してユウリは、撃沈した。
■松葉 牡丹 > 「あー……。」
頑張ったよ先輩。
良い子良い子。
撃沈した先輩の頭を撫でながら、暫し静かなカフェで過ごすのでした…。
ご案内:「学生通り」から松葉 牡丹さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から夢莉さんが去りました。