2020/07/29 のログ
ご案内:「学生通り」に御白 夕花さんが現れました。
■御白 夕花 >
学生寮から程近い通りを目的もなくぶらついている。
時折おいしそうな屋台に足を止めては、財布の中身を確かめて溜息を吐くばかり。
特にバイトなどもしてないし、特に月末は金欠気味だ。
「なんで来ちゃったんだろ……」
一人でぼやいても空しいだけだった。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
■希 > 「なんできたんだろ?」
同じタイミングで同じセリフがでる幼女
今日は白いワンピースに麦わら帽子のようぢょだ
■御白 夕花 >
「ふぇっ」
一人じゃなかった。
顔を上げて声のした方を見ると、そこにいたのは小さな女の子。
麦わら帽子とワンピース、実に夏らしいファッションだ。
「え、えっと……?」
たまたま独り言がかぶったのか、話しかけられたのか判断に迷う。
■希 > 「はじめまして、おねえさん、のぞみは十歳です」
ぺこり、とお辞儀し
「おさんぽしたらここにいたのー」
にぱー
「おねえさんは?おひまさんなの?」
■御白 夕花 >
「あっ……えと、御白……御白 夕花(おしろ ゆうか)です。
年齢はたぶん15歳くらい……?」
ぺこぺことお辞儀を返してこちらも名乗る。
つい乗せられちゃったけど、歳まで言う必要なかったんじゃ……?
「確かに私は暇人ですけど……お散歩って、一人で?」
前屈みになって視線を合わせつつ、周囲に保護者らしき人を探す。
■希 > 「ゆーかおねえさん、よろしくね」
えへへと笑いながら、手を伸ばし、握手だろうか?
「そう、おさんぽです、おねえさんは?」
■御白 夕花 >
「よ、よろしくお願いします……」
差し出された手に思わず握手を交わしてしまった。
うわぁ、ちっちゃい手……ぷにぷにしてる。
強く握ったら簡単に折れちゃいそうで、力加減に気を遣う。
「私もそんな感じです。
夏休みで授業もなくて、何をしたらいいか分からなくて……」
風紀委員会は抜けちゃったし、部活は正規のものじゃないし。
休日の過ごし方が分からなくて適当に歩いていた。
■希 > 「んー」
考えるように悩んだそぶりをした後
「わたしと、おさんぽしよ?」
手を繋いだまま、手を引くように進みだし
■御白 夕花 >
こんな小さい子に愚痴っても仕方ないか……
なんて思っていたら、のぞみちゃんが私の手を引いて歩きだした。
「え、えぇっ!? あわわ……っ」
このまま動かなかったら私が転ぶか、のぞみちゃんを転ばせてしまう。
身長差の関係で、やや前のめり気味のまま私も歩く。
歩幅を使って前を行くのぞみちゃんに追い付いて、隣に並び立った。
「そ、それはいいですけど……どこに行くんですか?」
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
■希 > 「わかんない!」
手を引いてあれこれ見て歩き始めて
「ゆーかおねーさん、これ食べたい」
甘い名前を言ってはいけないおやつだ
「はいっ」
二人分のお金を渡された
■御白 夕花 >
「えっ」
質問の答えになっていない。
まぁ、さっきまでの私と同じで適当にぶらつくつもりなんだろう。
「えっ?」
そうしていると、不意にのぞみちゃんが足を止めた。
視線の先には名前を言ってはいけない類のおやつ。
「えっ???」
そしてお金を渡された。しかも二人分。
お金とのぞみちゃんの顔を交互に見る。
「……買ってきてほしいんですか?」
■希 > 「うん、希ちいさいから」
130cmほどの身長では
「うん、二人分、のぞみはカスタードでおねがいします!」
気を、使われたのか?なんだか、わからないけど
■御白 夕花 >
確かに、背が低いと顔を出すのでせいいっぱいだろう。
それは分かる。でも二人分のお金を渡されたのは分からない。
「カスタードふたつですか?
あっ、それとも一つはお家の人にお土産とか……?」
まさか私の分じゃないだろう、なんて苦笑しながら。
■希 > 「ん?ゆーかおねえさんの分だよ?買ってもらうから」
にぱーって微笑んだ
■御白 夕花 >
「え゛っ……いやいやいや!」
苦笑いのまま固まる。直後、首をぶんぶん横に振った。
こんな小さい子に奢ってもらうのは流石に情けなさすぎる!
「お姉さんは自分で買えますから! お礼なんて……」
慌てて自分の財布を取り出しつつ、一人分のお金を返そうと。
■希 > 「おれいだからいーの」
にこにこ微笑んで
ぐい、と押し出してくる
うむを言わさない
幼女は頑固だ
■御白 夕花 >
ぐいぐい。この子すっごく押しが強い……!
これはどちらか片方が折れないと堂々巡りするやつだ。
そして、いつも折れるのは私の方。
「わ、分かりました……ありがとうございます」
観念してお金を受け取り、注文に向かう。
今のやりとりはお店の前で繰り広げていたので、店員さんが微笑ましいものを見る目でこっちを見ていた。
恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら、カスタードと粒あんを一つずつ購入して戻る。
「あのあの、どこか座れる場所で食べましょうっ」
とにかく今すぐにこの場を離れたかった。
半ば急かすようにして、ベンチか何かのある場所へ移動を促す。
■希 > 「うん、かっすたあどー、カスタードー」
楽しげに笑いながら離れて
「行こ、おねーさん」
ベンチを指差して
■御白 夕花 >
「は、はい」
お目当てのカスタード味を手に上機嫌なのぞみちゃんと共に通りの外れへ。
ベンチの上を軽く手で払って、ハンカチを広げて敷いた上に座ってもらった。
自分も腰掛けたところで、ようやく人心地ついた気分。
「ふぅ……」
手の中には、のぞみちゃんのお金で買った粒あんのおやつ。
本当にいいのかなぁ、なんて今更すぎる考えを巡らせている。
■希 > 「はいっ」
座ればバッグからペットボトルのお茶まで出してきた
「頂きます」
手を合わせて
■御白 夕花 >
隣ではのぞみちゃんがペットボトルのお茶を取り出している。
用意がいいなぁ。お礼に飲み物を奢るという道は断たれてしまった。
……お金を出してもらったものに手を付けないのも失礼か。
観念して私も手を合わせる。
「い、いただきます」
そして一口。
焼きたては───とても熱い。
「はふ、はふっ」
■希 > 「あふ、はふ」
熱々の一口めはおいしい
「おいしー!」
目をきらきらさせて
はむはむと、小動物のようだ
■御白 夕花 >
火傷しないように気を付けながら味わう。
生地の素朴な甘さと餡子の優しい甘さが口の中に広がっていく。
「おいしい……!」
専門店の焼きたてだ。レンチンの冷凍食品とはわけが違う。
罪悪感とか諸々が蕩けていくような不思議な感覚。
夢中で食べているのぞみちゃんが目に入って、思わず笑みがこぼれた。
■希 > 「おいしーね、ゆーかおねえさん」
にっこにこである
■御白 夕花 >
「はい、とっても美味しいです」
のぞみちゃんと顔を見合わせて笑い合った。
……負い目を気にしなくなってくると、今度はカスタード味が気になってくる。
「あ、あの……のぞみちゃんって餡子は食べられますか?」
食べかけの粒あん味を手に、おずおずと。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に希さんが現れました。
■希 > 「えへへ、こーかんしよっかおねえさん」
ニコッと半分たべかけのカスタードを渡して、餡子を受け取り
■御白 夕花 >
「あっいえ、そんなつもりは……ありました。えへへ」
考えを見透かされて恥ずかしくなりつつ、おやつを交換して。
なるべく口を付けてないところを食べようと思ったけど、それだとクリームが零れそうで。
大人しく普通にかじる。まぁ、気にするほどの事でもないか……
「んっ、甘……おいしい!」
餡子とは違う、まったりとした甘さに自然と表情が明るくなる。
■希 > 「あむ、あむ、餡子もおいし」
にこにこで幸せそうに特に気にせずに食べ始め
「どっちもおいしーね、おねえさん」
■御白 夕花 >
「はい、どっちも美味しいですっ。はむはむ……」
こんな風に誰かと一緒にものを食べたことなんて今までなかった。
粒あんを選んだのもたまたまで、交換とか考えもしなかったのに。
今は、別々の味にしてよかったと心から思う。
「のぞみちゃん、いつもこの辺をお散歩してるんですか?」
空気もまったりしたところで話題を持ちかけてみた。
■希 > 「おねーさん、可愛いね」
にこーと笑いながら
「んー、たまにー、くるかな?、おねーさんは?」
食べ終えて口にあんこがついたまま
■御白 夕花 >
「かわっ……!? んぐっ」
不意にそんな事を言われて、驚きに喉を詰まらせかける。
何これ!? 普通は逆じゃない!?
飲み物はないので、必死に喉の下をトントン叩く。
そのうち何とかなるか、お茶をもらって事なきを得るだろう。
「けほ、けほ……私はこの近くの寮に住んでるので……」
■希 > 「お、おねーさん大丈夫?」
慌ててお茶を差し出して
背中をさすさすしてくれる
「そっかー、今度遊ぼ、おねーさん」
■御白 夕花 >
「ぜぇはぁ……だ、大丈夫です」
背中までさすってくれるなんて、なんていい子なの……
元はと言えば、この子に可愛いとか言われたせいだけれど。
深い意味なんてないだろうし、責める方が大人げないというものだ。
「今度……はい、私でよければ」
どうせ暇を持て余してばかりの夏休み。
楽しく過ごせるなら願ったり叶ったりだ。
■希 > 「良かったぁ、うん」
「生きてるっておいしいものも食べれるし、しあわせなんだなあ」
どこか、遠い目をしながら
「うん、あそぼ」
ゆびきり、って小指を差し出し
■御白 夕花 >
かと思えば、悟ったようなことを言い出した。
不思議な子だなぁ……と思っていると、小指が差し出される。
「約束……ですねっ」
ゆびきりを交わして、再会を誓い合った。
■希 > 「えへへー」
にっこり、笑ってゆびきりげんまん
「やくそく、だね」
ふと
「あ、お勉強の時間、かえらないと」
■御白 夕花 >
「しっかりお勉強しててえらいです。頑張ってくださいね」
私も夏休みの宿題とかあるけれど、毎日ちょっとずつ進めている。
全部終わらせちゃうと家でもやる事がなくなっちゃうから。
連絡先があれば交換して、なければ待ち合わせの場所を決めて。
「それじゃあ、また!」
笑顔で手を振って見送る。
■希 > 「うん、しーなちゃんに怒られちゅうから」
立ち上がり
「ありがとう、ゆーかおねえさん」
ぱたぱたと走りさっていった
ご案内:「学生通り」から希さんが去りました。
■御白 夕花 >
しーなちゃん、というのはお友達の名前だろうか。
私の他にも友達がいると分かって嬉しくなった。
去っていく背中が見えなくなるのを待ってから、私も帰路につく。
ご案内:「学生通り」から御白 夕花さんが去りました。