2020/07/29 のログ
ご案内:「学生通り」に御白 夕花さんが現れました。
御白 夕花 >  
学生寮から程近い通りを目的もなくぶらついている。
時折おいしそうな屋台に足を止めては、財布の中身を確かめて溜息を吐くばかり。
特にバイトなどもしてないし、特に月末は金欠気味だ。

「なんで来ちゃったんだろ……」

一人でぼやいても空しいだけだった。

ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
> 「なんできたんだろ?」

同じタイミングで同じセリフがでる幼女


今日は白いワンピースに麦わら帽子のようぢょだ

御白 夕花 >  
「ふぇっ」

一人じゃなかった。
顔を上げて声のした方を見ると、そこにいたのは小さな女の子。
麦わら帽子とワンピース、実に夏らしいファッションだ。

「え、えっと……?」

たまたま独り言がかぶったのか、話しかけられたのか判断に迷う。

> 「はじめまして、おねえさん、のぞみは十歳です」

ぺこり、とお辞儀し

「おさんぽしたらここにいたのー」

にぱー

「おねえさんは?おひまさんなの?」

御白 夕花 >  
「あっ……えと、御白……御白 夕花(おしろ ゆうか)です。
 年齢はたぶん15歳くらい……?」

ぺこぺことお辞儀を返してこちらも名乗る。
つい乗せられちゃったけど、歳まで言う必要なかったんじゃ……?

「確かに私は暇人ですけど……お散歩って、一人で?」

前屈みになって視線を合わせつつ、周囲に保護者らしき人を探す。

> 「ゆーかおねえさん、よろしくね」

えへへと笑いながら、手を伸ばし、握手だろうか?

「そう、おさんぽです、おねえさんは?」

御白 夕花 >  
「よ、よろしくお願いします……」

差し出された手に思わず握手を交わしてしまった。
うわぁ、ちっちゃい手……ぷにぷにしてる。
強く握ったら簡単に折れちゃいそうで、力加減に気を遣う。

「私もそんな感じです。
 夏休みで授業もなくて、何をしたらいいか分からなくて……」

風紀委員会は抜けちゃったし、部活は正規のものじゃないし。
休日の過ごし方が分からなくて適当に歩いていた。

> 「んー」

考えるように悩んだそぶりをした後

「わたしと、おさんぽしよ?」

手を繋いだまま、手を引くように進みだし

御白 夕花 >  
こんな小さい子に愚痴っても仕方ないか……
なんて思っていたら、のぞみちゃんが私の手を引いて歩きだした。

「え、えぇっ!? あわわ……っ」

このまま動かなかったら私が転ぶか、のぞみちゃんを転ばせてしまう。
身長差の関係で、やや前のめり気味のまま私も歩く。
歩幅を使って前を行くのぞみちゃんに追い付いて、隣に並び立った。

「そ、それはいいですけど……どこに行くんですか?」

ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
> 「わかんない!」

手を引いてあれこれ見て歩き始めて


「ゆーかおねーさん、これ食べたい」

甘い名前を言ってはいけないおやつだ

「はいっ」

二人分のお金を渡された

御白 夕花 >  
「えっ」

質問の答えになっていない。
まぁ、さっきまでの私と同じで適当にぶらつくつもりなんだろう。

「えっ?」

そうしていると、不意にのぞみちゃんが足を止めた。
視線の先には名前を言ってはいけない類のおやつ。

「えっ???」

そしてお金を渡された。しかも二人分。
お金とのぞみちゃんの顔を交互に見る。

「……買ってきてほしいんですか?」

> 「うん、希ちいさいから」

130cmほどの身長では

「うん、二人分、のぞみはカスタードでおねがいします!」

気を、使われたのか?なんだか、わからないけど

御白 夕花 >  
確かに、背が低いと顔を出すのでせいいっぱいだろう。
それは分かる。でも二人分のお金を渡されたのは分からない。

「カスタードふたつですか?
 あっ、それとも一つはお家の人にお土産とか……?」

まさか私の分じゃないだろう、なんて苦笑しながら。

> 「ん?ゆーかおねえさんの分だよ?買ってもらうから」

にぱーって微笑んだ

御白 夕花 >  
「え゛っ……いやいやいや!」

苦笑いのまま固まる。直後、首をぶんぶん横に振った。
こんな小さい子に奢ってもらうのは流石に情けなさすぎる!

「お姉さんは自分で買えますから! お礼なんて……」

慌てて自分の財布を取り出しつつ、一人分のお金を返そうと。

> 「おれいだからいーの」

にこにこ微笑んで
ぐい、と押し出してくる
うむを言わさない
幼女は頑固だ

御白 夕花 >  
ぐいぐい。この子すっごく押しが強い……!
これはどちらか片方が折れないと堂々巡りするやつだ。
そして、いつも折れるのは私の方。

「わ、分かりました……ありがとうございます」

観念してお金を受け取り、注文に向かう。
今のやりとりはお店の前で繰り広げていたので、店員さんが微笑ましいものを見る目でこっちを見ていた。
恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら、カスタードと粒あんを一つずつ購入して戻る。

「あのあの、どこか座れる場所で食べましょうっ」

とにかく今すぐにこの場を離れたかった。
半ば急かすようにして、ベンチか何かのある場所へ移動を促す。

> 「うん、かっすたあどー、カスタードー」

楽しげに笑いながら離れて


「行こ、おねーさん」

ベンチを指差して

御白 夕花 >  
「は、はい」

お目当てのカスタード味を手に上機嫌なのぞみちゃんと共に通りの外れへ。
ベンチの上を軽く手で払って、ハンカチを広げて敷いた上に座ってもらった。
自分も腰掛けたところで、ようやく人心地ついた気分。

「ふぅ……」

手の中には、のぞみちゃんのお金で買った粒あんのおやつ。
本当にいいのかなぁ、なんて今更すぎる考えを巡らせている。

> 「はいっ」

座ればバッグからペットボトルのお茶まで出してきた

「頂きます」

手を合わせて

御白 夕花 >  
隣ではのぞみちゃんがペットボトルのお茶を取り出している。
用意がいいなぁ。お礼に飲み物を奢るという道は断たれてしまった。
……お金を出してもらったものに手を付けないのも失礼か。
観念して私も手を合わせる。

「い、いただきます」

そして一口。
焼きたては───とても熱い。

「はふ、はふっ」

> 「あふ、はふ」

熱々の一口めはおいしい

「おいしー!」

目をきらきらさせて
はむはむと、小動物のようだ

御白 夕花 >  
火傷しないように気を付けながら味わう。
生地の素朴な甘さと餡子の優しい甘さが口の中に広がっていく。

「おいしい……!」

専門店の焼きたてだ。レンチンの冷凍食品とはわけが違う。
罪悪感とか諸々が蕩けていくような不思議な感覚。
夢中で食べているのぞみちゃんが目に入って、思わず笑みがこぼれた。

> 「おいしーね、ゆーかおねえさん」

にっこにこである

御白 夕花 >  
「はい、とっても美味しいです」

のぞみちゃんと顔を見合わせて笑い合った。
……負い目を気にしなくなってくると、今度はカスタード味が気になってくる。

「あ、あの……のぞみちゃんって餡子は食べられますか?」

食べかけの粒あん味を手に、おずおずと。

ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にさんが現れました。
> 「えへへ、こーかんしよっかおねえさん」

ニコッと半分たべかけのカスタードを渡して、餡子を受け取り

御白 夕花 >  
「あっいえ、そんなつもりは……ありました。えへへ」

考えを見透かされて恥ずかしくなりつつ、おやつを交換して。
なるべく口を付けてないところを食べようと思ったけど、それだとクリームが零れそうで。
大人しく普通にかじる。まぁ、気にするほどの事でもないか……

「んっ、甘……おいしい!」

餡子とは違う、まったりとした甘さに自然と表情が明るくなる。

> 「あむ、あむ、餡子もおいし」

にこにこで幸せそうに特に気にせずに食べ始め

「どっちもおいしーね、おねえさん」

御白 夕花 >  
「はい、どっちも美味しいですっ。はむはむ……」

こんな風に誰かと一緒にものを食べたことなんて今までなかった。
粒あんを選んだのもたまたまで、交換とか考えもしなかったのに。
今は、別々の味にしてよかったと心から思う。

「のぞみちゃん、いつもこの辺をお散歩してるんですか?」

空気もまったりしたところで話題を持ちかけてみた。

> 「おねーさん、可愛いね」

にこーと笑いながら

「んー、たまにー、くるかな?、おねーさんは?」

食べ終えて口にあんこがついたまま

御白 夕花 >  
「かわっ……!? んぐっ」

不意にそんな事を言われて、驚きに喉を詰まらせかける。
何これ!? 普通は逆じゃない!?
飲み物はないので、必死に喉の下をトントン叩く。
そのうち何とかなるか、お茶をもらって事なきを得るだろう。

「けほ、けほ……私はこの近くの寮に住んでるので……」

> 「お、おねーさん大丈夫?」

慌ててお茶を差し出して
背中をさすさすしてくれる

「そっかー、今度遊ぼ、おねーさん」

御白 夕花 >  
「ぜぇはぁ……だ、大丈夫です」

背中までさすってくれるなんて、なんていい子なの……
元はと言えば、この子に可愛いとか言われたせいだけれど。
深い意味なんてないだろうし、責める方が大人げないというものだ。

「今度……はい、私でよければ」

どうせ暇を持て余してばかりの夏休み。
楽しく過ごせるなら願ったり叶ったりだ。

> 「良かったぁ、うん」

「生きてるっておいしいものも食べれるし、しあわせなんだなあ」

どこか、遠い目をしながら

「うん、あそぼ」
ゆびきり、って小指を差し出し

御白 夕花 >  
かと思えば、悟ったようなことを言い出した。
不思議な子だなぁ……と思っていると、小指が差し出される。

「約束……ですねっ」

ゆびきりを交わして、再会を誓い合った。

> 「えへへー」

にっこり、笑ってゆびきりげんまん

「やくそく、だね」
ふと

「あ、お勉強の時間、かえらないと」

御白 夕花 >  
「しっかりお勉強しててえらいです。頑張ってくださいね」

私も夏休みの宿題とかあるけれど、毎日ちょっとずつ進めている。
全部終わらせちゃうと家でもやる事がなくなっちゃうから。
連絡先があれば交換して、なければ待ち合わせの場所を決めて。

「それじゃあ、また!」

笑顔で手を振って見送る。

> 「うん、しーなちゃんに怒られちゅうから」

立ち上がり

「ありがとう、ゆーかおねえさん」

ぱたぱたと走りさっていった

ご案内:「学生通り」からさんが去りました。
御白 夕花 >  
しーなちゃん、というのはお友達の名前だろうか。
私の他にも友達がいると分かって嬉しくなった。
去っていく背中が見えなくなるのを待ってから、私も帰路につく。

ご案内:「学生通り」から御白 夕花さんが去りました。