2020/08/02 のログ
ご案内:「学生通り」に刀々斬 鈴音さんが現れました。
刀々斬 鈴音 > 時刻は夕暮れ時。そろそろ夜に差し掛かろうとしている時間帯。

植え込みの縁に座ってキョロキョロと何かを探している刀を持った少女。
さっきから人の足音が聞こえる度にそちらを向くがそのたびに肩を落としている。

『鈴音、なあ鈴音、家の中に入って待てばどうだ。』

彼女が持った刀から無機質な声がする。
感情の存在しない声であってもその内容は持ち主をいたわるもの。

「…ううん。」

小さく首を振り、再び足音を向き直る。
…やっぱり違う。

刀々斬 鈴音 > 『今日も帰ってこないのでは?』

「……。」

刀のその言葉に答えない。
鈴音の主、鈴音だけものではない主。

『また、どこかで新しいペットでも作っているのではないか?』

無機質な声だけが響く。
近づいてくる足音、今度は顔を上げずに地面を見つめる。

刀々斬 鈴音 > 捨てられる…捨てられる?
いや、そんなことはない、あの人は私を捨てない。

『すぐに人を信じるな、会ってどれだけがたった?何を知っている?』

でも…。

『なあ、鈴音。お前は何を与えることができている?』

刀の問いかけに悩まずに出た答えは一つ。

「鈴音が与えられてるもの…可愛さ?」

『…じゃあ、より可愛いものを飼われたらお役御免だな。
 すぐに捨てられることはなくとも飼い殺し。そして、いずれは…。』

『なあ、鈴音。刀々斬鈴音。お前には何ができる?
 人を斬ることが出来るだけだろう?それも、自らの主より弱い。
 必要かそんなもの?飼っている意味があるのか?そんなもの?』

刀々斬 鈴音 > 「じゃあ、どうすればいいっていうのちーちゃん…鈴音わかんないよ!!
 わかんない!わかんない!!!!わかんない!!」

まるで癇癪をおこした子供のよう。
怒って、叫んで答えを求める。

『どうすればいいのか分からない?ならば教えよう答えは簡単だ。
 貴様が主にとって役に立つ存在になればいい。
 例えばあのメイドのように家事を行えたのならばきっと捨てられないだろう。』

「賢い!賢すぎるよちーちゃん!!!」

『当然だ。』

それが必要であれば捨てられない。
何かの機能を有していれば、きっと捨てられることはない。

刀々斬 鈴音 > よいしょ。と立ち上がるとぐっと拳に力を入れる。

「じゃあ、早速やろう!がんばっていっぱい褒めてもらう!!」

ふんふんふふんと上機嫌で一人家へと帰っていく。
…彼女が世話になってる家のメイド達の抱える頭痛の種が一つ増えたのは言うまでもない。

ご案内:「学生通り」から刀々斬 鈴音さんが去りました。