2020/08/13 のログ
ご案内:「学生通り」に葉山翔一さんが現れました。
葉山翔一 > 夏休みになったとはいえそれなりに人の行き来はある学生通り。
その通りの一角にある休憩スペースに陣取りパラソルを立て恒例の露店。
休みで生徒の行き来は減ったとはいえ固定客はやはり来てくれることも多く売り上げはそこそこ。
今も一人の常連客を見送って。

「まいどあり、またよろしく頼むな」

その背中に声をかけてまたの来店をと告げて置き。
売れた商品の補充は出来るかとケースを覗き込み、確認が出来ればペットボトルを取り出し水分補給をして次の客をまったりと待つ。

ご案内:「学生通り」に葉山翔一さんが現れました。
葉山翔一 > この客を待つという時間は退屈なようで悪くはない時間。
行き交う人たちの話に耳を傾ければ面白い話が聞こえる事も偶にはあり。
そう言う話の中には商品になる噂話というものも時折にある。

しかし今日はそう言う話も得にはなくてただ聞き耳を立てるだけの時間。

「少し退屈だな……」

それが問題だと呟く、もう少し客を待って。

葉山翔一 > 「そろそろ引き上げるか」

二級生徒は脱したが相変わらず露店は違法。
そろそろ店じまいをしないと風紀が競うと考え、商品をしまえば異能を使用しその場を去ってく。

ご案内:「学生通り」から葉山翔一さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に時任時図さんが現れました。
時任時図 >  
スクランブル交差点の真っ只中で、目を開く。
紅い瞳。右目だけ。
左目には眼帯を付けている。
右半分だけの視界で、人であふれる交差点を眺める。

茹だるような熱気。
溢れる人。
呑気に流れる音響信号の電子音声。

時任時図は、目を開く。
 

時任時図 >  
常世の名を戴く島。
そこにある学園とは名ばかりの鳥籠。
異形を封ずる流刑先。
ジズも、その鳥籠に囚われた異形の一人。
異能者。
新入生。
せいぜい、ジズのパーソナリティはその程度。

交差点が、人で溢れる。
濁流のような人並みが、人で人を押し流す。
流れには、逆らえない。

時任時図 >  
その流れに合わせるように、ジズもこの島に来た。
ただ、逆らわず、この島に来た。
届いた先が此処というだけ。
行き着く先が此処というだけ。
ただ、それだけ。
 
交差点の先にはまた交差点があり、その先にはまた交差点があって。
その交差点の先。
その踏切で。
 
「人身事故」
 
目を、閉じる。

時任時図 >  
踏切が、閉じる。
続けて響く、特急列車の通過音。
喧しい鉄と鉄の摩擦音。
掻き乱される風。
音と音の濁流。

ゆっくりと、ジズは目を開く。

片側だけの視界。
右だけの視界。
そこに広がっているのは。

「あーあ」
 
ただの日常。
踏切はただ開いて、ただ人がまた流れる。
何事もない、日常。

「読み違えた」
 

時任時図 >  
人並みに流されて、ジズも踏切を渡る。
ポケットに手を突っ込んだまま、軽く猫背で、鉄の道を踏みしめる。

「……」

しかし、ふと線路に足を掛けたところで、一度だけ……通過した列車の後ろを眺めて。

「電車は、ここも普通なんだな」

つまらなそうに、独り言ちた。

ご案内:「学生通り」から時任時図さんが去りました。