2020/08/16 のログ
ご案内:「学生通り」に修世 光奈さんが現れました。
修世 光奈 > お昼から夕方にかかる時間

「と…ちょっと早かったかな」

光奈がやってきたのは、少しお安めのカフェだ。
学生通りだからか、リーズナブルに美味しいものが出てくる憩いの場所。
周りを見ると、ちらほらとおしゃべりに夢中な小集団が見て取れる。

「ま、いっか。ゆっくり待っとこ」

案内のウェイターさんに2人であることと、もう1人は後で来ることを伝えて。
2人掛けの席に案内してもらえば、ほっと一息。
にこやかに出された水をこく、と一口飲んで。

外はまだまだ暑いし、ここの涼しさはとてもありがたい。
おかげで、待つのも全く苦ではない。
約束の時間まではまだ早いし、のんびり待つとしよう――

ご案内:「学生通り」に園刃 華霧さんが現れました。
園刃 華霧 >  
「……っと、時間、大丈夫、カ……?」

アラームでやっと気がついてから移動を始めた。
想定外の移動もしていたから、ちょっと距離と時間が読めていない。
多分、間に合ってる……と、思うんだけれど……

というか、約束、間違ってないよね……?

「いる、か……な……?」

カフェにたどり着く。
店員に聞けばいいのかもしれないが、とてもじゃないがそんな気にもならない。
きょろきょろと見回してみれば……ああ、いた。

「……ヤ、光にゃん。
 お誘いドーモ」

目的の人物の側に歩いていった。

修世 光奈 > 時間はほぼぴったりだった。
遅れていても、数秒か数分か、その程度だ。
当然その程度で待ち人が怒る筈もなく

「あ、キリちゃん。ちょっとぶりー。ごめんね、急に」

ぱ、と相手が来れば光奈には笑顔が浮かぶ。
ちょっと話がある、と相手を呼びつけてしまったから、まずは軽く謝罪を。

「ん、と。暑かったでしょー。先に冷たいもの頼もっか」

元気が少し無い?と不思議に思ったものの。
外は…やはりまだ暑い。
そのせいかな、と思い、まずはメニューを広げて。

光奈は、一先ずアイスカフェオレを注文しよう。

園刃 華霧 >  
「そイや、この間会ったバっかダったネぇ……
 ちょっとブりー。いいヨ、いイよ。光にゃんのお誘いだシねー。
 ってカ、アタシも約束ギリギリだシ」

謝ること無いぞー、とけらけらと笑う。
ああ、うん。いい笑顔だなあ。
前の時の様子とは大違いだ。

「ァー……うん、暑かっタ。マジで勘弁シて欲しイ。
 ン―……何に、スっかナぁ……」

メニューを広げて一悩み。
流石、割と普通目のカフェ。
オドロキのメニュー、みたいなのない。

……アイスミルクティーを頼んだ。
ガムシロップはマシマシだ。

修世 光奈 > 「あはは…。一応、キリちゃん風紀委員だし、忙しいかなって…」

一応、と付けるのはやはり風紀委員前で暇そうと思ったのが原因か。
笑ってくれれば、一緒に席に着こう。

メニューは安くはあるものの量は普通。
これは、相手のことをわかっていれば別なお店だっただろうけれど。

「ちょっと、待ってね、えっとー…その、飲み物、来るまでには纏めるから」

注文した後。
呼び出したのは、光奈の方だ。
当然、話しだすのは光奈からになるのだが…
恥ずかしそう、というか。躊躇っているというか。そういった様子を見せる。
笑顔を自然に出せる辺り、以前の相談の結果は悪いものでないことはわかるだろう。
すぐに表情に出るから、隠し事には向いていない。美徳であり、弱点でもあった。

「あ。………。……キリちゃん、のおかげで。…一応、決意って言うか、私の考えてることは、キッドに、伝えられた…よ」

そうこうしている内に、ガムシロップマシマシの甘いミルクティーと、アイスカフェオレが運ばれてくる
どちらもしっかり冷えており、暑い中ではとても嬉しいが。
それは、話さなければいけない合図だった。
とりあえず、一口飲んでから。

ぼそぼそと、結果を伝えよう。

園刃 華霧 >  
「ひひ、ワかってンんじゃーン。
 アタシは大忙しサ。光にゃんとデートとかデ。」

風紀委員はどうした?と、ツッコミが入らんばかりの言い草であった。
光奈の予想は概ね正しいのであろう。

「ン……まァ、待つケど……」

待ってくれ、と言われれば。はてな、という顔はするが素直に待つ。
あー……そうか。ひょっとして。

――私の考えてることは、キッドに、伝えられた…よ

「そッカ。」

ああ、そうか。
ああ、本当に……
光にゃんはいい方に向かったんだな……

ああ うれしい
ああ

「……よかッタ」

そう、ぽつりと口にした。

修世 光奈 > もー、ちゃんと働きなよ、なんて。
笑いながらツッコミをして
怒られすぎないといいのだけどと心配する。

そうして、じっくり時間を貰って、伝えた言葉。
よかった、と言ってくれたことにほ、とする。

「…あ、あーでも、うん。でも、やっぱり、解決…とはいかなくてさ。
…根本のところは変わってないから、先延ばしっていうか…ちょっと中途半端にはなったんだけど…」

これは、本当のところ。
気持ちは伝わったが、全く解決はしていない。

「それでも、キリちゃんが言ってくれたおかげだから。報告と、お礼言いたいな、って。
あ、パンチもしっかりキメたよ!あのタバコをくしゃくしゃにした!」

気持ちを伝えられたのは、目の前の相手のおかげだ。
だから、お礼を言いたかった。
メッセージなどで済ませても良かったが…それではあまりに勿体ない。
努めて明るく、しゅしゅ、とシャドーをして見せて。

「ほんとに、うん。良かった。……ちょっとだけ、先延ばしには…多分、できたから
…それと…えと…副産物?っていうか、流れって言うか……で……」

また、もじもじ、と。
言うのは恥ずかしいけれど…報告すると決めたから、しっかり言わないと。
それに女同士だからこそ、話したい、というのもあるし。

修世 光奈 > 「…… か かれし かのじょ に……なり、ました」

何故か敬語にはなってしまうが。

園刃 華霧 >  
「……マ、アイツもだーイぶヒン曲がってッカらなァ……
 でモ、うン。ぶっ飛ばシて、良かったダろ?」

けらけら、と笑う。
『馬鹿』を相手取るなら『馬鹿』になるしかない。
本当に馬鹿馬鹿しい結論だけれど、仕方ない。

よかった……本当に……
アタシは まだ

「ま、根性マがリについテはこれからも叩きなオ……」

副産物?とちょっと首ひねりながら話を継ごうとして。
衝撃の言葉が耳に入ってきた。

…… か かれし かのじょ に……なり、ました

「……は?」

いや、頭の片隅に最悪の可能性というか、
まああり得るかもしれないかもしれないかもな話としてなくもなかったが。
……いや、マジか。いや、マジなのか?

「ェー……と、それハ。コイビト、というヤツですカ?」

何故かこっちも敬語になって思わず聞き返してしまった。

修世 光奈 > これからも頑張るよ!と意気込んだのも少しの間だけ。
その時のこと、その後のことを思い出したのか…ぷしゅー、と湯気がでそうなほど…みるみる光奈の顔が赤くなっていく。
視線もふらふらと、落ち着かない。
中々に光奈としては珍しい光景だ

「……。…。」

問いかけにうん、うん、と頷いた後。

「で、でーとも、いきまし、た…」

敬語のやりとりを続けてしまう。
流石に、ジェー君♪なんて呼んでいる事は言えないが。
ぽろ、と出てしまうかもしれないから気を引き締めつつ。

「その、カッコいいじゃない。ジェ…、キッドって。
それと、そのー…優しくされたり、意地悪されたり…してるうちに。
好きだなーって、なって。それで…キッド、も一緒だったから、そういう、感じに…」

もう漏れ出しそうになっている。
更に、混乱しているから、なれそめのようなことまで口走っていき。
結局、会った時に…殴るのと、自分の気持ちを伝える。
それらをこなしてきたようだ。

「そ、そういうことだから!えっと、うん。大丈夫だったよ!」

急に顔を上げて少し大きな声を出した後。
恥ずかしさを振り払うためカフェオレをちゅー、と口に入れる。
明らかに、照れ隠しだとはわかってしまうだろうけれど、しかたない。

園刃 華霧 >  
「…………」

なんだか、あわあわしている。
うわ、なにこの可愛い生物。
この島は可愛い生物の展覧会か何かか?
前にも可愛い生物を目撃したばかりだと言うのに……

よし、キッド。後でやっぱ殴らせろな?

「でーとも。」

思わず繰り返す。
まじでリア充してるなー……というか、あれからそんな経ってないよな
なんとまあ……はは、おめでたいことだね。

まあよかったよかった。
大丈夫だったんだな。

しかし惚気というかがすごくて、この会話甘い味しかしないが大丈夫か?
おまけにアタシの飲み物も甘い。
こんなことなら、トマトジュースとかにでもしておけばよかったか?



「ジェ……? ジェ、なにカな?」

聞き逃さなかったし、逃さないよ……?
にやり、と笑った。

修世 光奈 > 報告と言うより、のろけになってしまっているが。
これも、素直に気持ちをぶつけて、馬鹿になった結果…でもある。
それと、相談にも乗ってほしいという気持ちがあったのは本当だから。

この前提…恋人である、という情報があるとないとでは、また違うことは、わかる。
適切なアドバイスをもらうためには、適切な情報が必要なのは光奈も探し物の依頼でよく知っている。

「でーと、も。……うっ………」

繰り返しながら、カフェオレを呑む。
少し苦みがある筈のそれは酷く甘くて…失言に突っ込まれると、もう逃げ場はない。
もはや、口馴染みになってしまった呼び名を告げないと逃がしてもらえそうにない…!

「……ジェ、ジェレミア…。………ジェー君、と行きました……」

ぷしゅぅぅぅぅ…と、カフェオレのグラスに刺されたストローを咥えたまま俯いていく。
行儀悪く、ぶくぶく、と空気を送り込んだりしてから。

「それで、えと…。ああ、だから、さ。ジェー君って。…喜ぶこと、とかいっぱいして、支えてあげたいなーって思って。
何か、キリちゃんが思う喜ぶことがあれば、教えてもらおっかなって…」

何とか羞恥から持ち直して、上目遣いで聞いてみる。
あまり知らない、とは言っていたが…留置所で会った、ということも言っていた。
彼と目の前の相手の関係は…友人とまではいかなくても知り合い、というカテゴリーには入ると思っていて。
だから、別の面から見て、何かあれば…と助言を求めてみる。

園刃 華霧 >  
「ジェー君」

うわー……そっかー……
こりゃもう、完璧に、うん……だな。
いや、しかしそうか……そこまでは読みきれてなかった。
はずさなくて ほんとうに よかった

それはそれとして、"ジェー君"にも後で話を聞かないといけないな?

いやしかし、すごい反応だなあ……
こういうの、話には聞くけど実際に見るのは初めてだから
すごく新鮮に見える気がする。

「……喜ぶコと?」

……いかん。今言ってはならないことを口にしそうになったぞ。
ダメです、お父さん赦しません。
いやでも、マジでそれは難しい、な。
いかんせん、そいつは情報が足りない。

どうしたものかな……

「……い、ヤー……ン―……ァ―……あ」

そうだ、折角だ。
ちょっとムカつくから一個だけ余計なこと言っておこう。

「アイツ、女子風呂ノゾキするヨーなムッツリスケベだカんな。
 其の割に変にじゅんじょーダし。
 光にゃんがかワいーかっこシて会うだケでも、十分じゃナいの?」

よし、告げ口した。ザマアミロ

修世 光奈 > アイスカフェオレが蒸発しそうだ。
それほど、やっぱり人に堂々と言うのは恥ずかしい。
相手が、話しやすい雰囲気だから、それはまだマシではあるけれど。

「うん。喜ぶこと。ちょっとした好きなモノとかさ」

こく、と頷いて。
考えてくれているらしい相手をじ、と…少し期待の眼で見る。
風紀委員側から見ると、別な側面があるかもしれない…!と

まさか、言ってはいけないコトを考えているとは露知らず。
ただ…

「………………………………」

その情報を聞いた瞬間、ぴし、と光奈の時間が止まる。
覗き……そっか。眼が良いって言ってたもんね。
旅行があった、とも知っている。
キリちゃんも行ったそうだから、もしかして……

「き、キリちゃんも覗かれたの!?
ぅ、ぅーー!、な、なにしてるのさ、もう…!
いや、その時は…まだ伝えてなかったから、何を言う権利もないけどー…!」

格好云々よりも、それが気になってしまった。
可愛い恰好と言われてもそこは千差万別。頑張って考えるしかない。
それよりも、まずは…友人の裸が覗かれた可能性に憤慨しよう。

園刃 華霧 >  
「マ―、アタシはともかくサ。
 レイチェルちゃんやら、凛霞ちゃんやら、風紀のキレーどころ揃っテたしナー?」

まーまー怒るな、といいながらも。
けらけらと笑ってさらなる追い打ち。
ただほどほどにしないと、光にゃんが可愛そうになるから止めよう。

「……マ、そンでも。旅行デすら、ちょっとシた騒動を起こシた『クソガキ』一匹が。
 風紀でモなんデもない、ただノ普通の光にゃんに観念シたんダ。 
 大したもンだヨ。」

本当に、大したものだ。
これがいわゆる、愛の力ってやつか?
こういう話は美味しいなあ。

「マ、多分……アイツってサ。言う通り、クソ『ガキ』なンだと思う。
 ガキガキ。だカら、むシろ子どもが喜びソ―なもン、考えるトいいンじゃナいカ?
 ベタにテーマパーク行く、トかサ。多分、経験、ソんなナいんじゃナい?」

まあぶっちゃけ、光にゃんがしてくれることならだいたいなんでもアホ面して喜びそうなんだけど……
それを言ってもあんまり意味ないだろうしな。

「……そレはそれトして、光にゃんも覗かレまくっテる可能性、あるカら気をつけナ?」

おまけ。でも、マジでそれは心配だ。
本当、風紀委員は己の風紀は守れないな?

修世 光奈 > 「い、いや、だって…ん?
レイチェルさん、と凛霞さん…?きれーどころ……」

友人が覗かれた事に怒ろうとしたが、当の本人はともかく、なんて言っている。
そして、その2人の名前は、聞いたことがあった。
確かあれは、ヒーローだという男の人からだ。
一旦、それは保留にしてから。

「そ、そーかな。…アドバイス貰えたから、だよ。
一人だったら、怖くて足が動かなかったと思う。…にしても、普通、普通かー…」

水族館はもう行ったしなあ、なんて呟いた後。
お財布も寂しくなってきたから、何かいい案を考えないと…
と思っていたところに、また衝撃の…アドバイス。

「…っ!あ、あ、…そういえば、何かたまに黙ってる時があったよーな…その時?
っていうか、海の時ももしかして…」

うぅぅぅー!と嬉しいやら恥ずかしいやら。
思い返してみれば色々と考えが変わる。
…別に、見られて嫌というわけじゃ、ないんだけど。
私を見るだけ、彼の眼は血を思い出さなくて済むのだろうから。


「…あ、と。その二人。レイチェルさんと凛霞さん?ってどんな人だろ。
カッコいい系?可愛い系?それによって服装とかもちょっと考えないといけないし…」

気になったことを聞いてみる。
綺麗どころ、というなら彼はその姿を見ていることが多いはずだ。
だから、好みもそちらに寄っているのではないかと予想して。

園刃 華霧 >  
「ン……それデも、だヨ。
 だって、アドバイスがあろうとなかろうと、
 足を踏み出したのは光にゃんでしょ? それは、すごいことさ。」

微笑んで、そういった。
鉄火場に慣れたような、ある意味"麻痺"してしまっているような連中とは違う。
"普通"な光にゃんだからこそ、勝ち得たものがあるはずだ。

それは、アタシのような人間にはきっと出来ないこと。

「ァ―、やっぱリなー……ドスケベ小僧……
 ま、その分、思う存分、弄り倒しテ……
 光にゃんがしたイことを思いっきリさせてもらウといイんじゃナいカな?
 ……なんならいっそ、そこも『お話し合い』したラ?」

相手が喜ぶことを、と考えること自体は悪くない。
でも多分、お互いに喜んでこそ、だろう。
笑って、しゅしゅと、さっき見せてもらったシャドーを真似してみせた。

「ァー……要らんよ。。
 だって、あの二人はあの二人。光にゃんは光にゃんでしょ?
 そこは間違えちゃダメ。」

どんな人?と聞かれれば、バッサリ切り捨て。
だってそんな、後追いみたいなのはダメだ。良くない。

「それに……光にゃんは、ジェー君の世界で一人、を目指さないと、さ?」

けらけらと、笑ってみせた。

修世 光奈 > 「そう…かなあ…。……うん。ありがと、キリちゃん」

凄い、と言われてもあまり実感はわかない。
だって、本当に。
自分のしたいことをしただけだから。
けれど、褒めてくれるなら、一応は…"正しい"ことだったのかな。

「私が、したいことかぁ…そうだよね。カレシ、だもんね
ちょっとぐらい我儘言ってもいい…かな?」

あはは、と少し照れ笑い。
恋人になった実感が、まだあまり育ちきっていないから。
してあげる、というばかりで何かしてもらう、というのがあまり思いつかなかった。

「ぅ。…それも、そーだね。
や、やめてー…!は、恥ずかしいから……」

バッサリだ。
それも、とてもやりやすい。
未練なく、前を向くことができるから。
ただ、その後の濃いセリフには赤面してしまう。

世界で一人。頑張って、彼を支える。
それを目指すのが、私がやりたいこと、の一つだと。
確かに、そう思える。

「…うぅ……。はぁ…。ありがと、聞いてもらっちゃって…
キリちゃんも、何か悩みがあったら言ってよね。お礼に頑張って答えを『探し』ちゃうから!」

まだ顔が熱い。
ぱたぱたと手団扇をしつつ、にへへ、と笑って。

園刃 華霧 >  
「だカら、お礼を言ワれルようナことジゃないって。
 ま、ありガたく貰ってオくけど」

ひひひ、と笑う。
まあ、虹の足の中に居ると逆にその幸せに気づかない、とかなんとか
そんな話と同じように。
本当の凄さって意外と本人にはわかんないものかもな。

「ちょっトくらい我儘?  チょっとデ、本当に……いい?」

いたずらっぽい笑いを浮かべながら、顔を覗き込む。
何を迷うことがある、奪い取れ!なんて思いながら。
それに、我儘は言い合ってこそだ。
コイビトだろうがトモダチだろうが。

「ひひ。 でモさ。ぶっ飛ばしに行っタ気合を思えバ。
 そンくらい、モウ大したことじゃナいんじゃナい?」

世界で唯一人なんて無茶苦茶言ったけれど、思いさえあれば何とでもなる。
一念を貫き通す、というのはそれだけの力があるのだ。

……で

「ぁー……いや、別に……あ……そう、カ……
 ね、光にゃん。『人探し』もできルんだっけ?」

なにか悩みは、と聞かれたけれど光にゃんに相談できるようなこと……
と、考えはじめて。そういえば、と彼女の『特技』を思い出す。

修世 光奈 > お礼は何度でも言いたいのーとか。
やっぱり、背中を押してくれた人だから、それくらいはと。

「ぅ…!、……そりゃぁ、してほしいこととか、したいこと…いっぱい、あるけど
それと、これとは、なんていうか、勇気の種類が違うって言うか……、好きだからこそ言いにくいっていうかー…?」

もじもじもごもご。
色々、考えていることはあるが。
彼を止めた時の勇気とはまた別の勇気がいりそうだ。
これも、彼との関係に慣れてくれば、変わっていくのだろうが。

今はまだ、照れが先に立つ状態だった。

「ん?あ、うん。丁度人探しもやってるし…誰か、探して欲しい人がいるの?」

風紀委員の権限で見つけられないとなると難題になりそうだなあ、と感じたからか。
しっかり、姿勢を整えて。
趣味だからこそ、真剣に話を聞こうと。

「ええと…名前とか、情報の量に寄るけど。
キリちゃんからの依頼ならもちろん、ばりばり頑張っちゃうよ!」

ぐ、と…細い腕で力こぶを作るポーズで気合をアピールだ。

園刃 華霧 >  
「はっはっは、なラ今後の課題はソコだネ?
 がんばりましょー」

けらけらと笑ってもごもごする光奈に発破をかける。
まあ、この様子ならきっとうまくいくだろう。
うまくいってくれるだろう。

なんとなく祈りにも似ていた。

「ンー……ま、ちょイと用事がアんだケど。
 個人的に聞きタいことガあるっテいうカ……
 ああ、ソコはどうデもいいカ。」

情報量、と言われて思わず話しだしたが、どう考えてもこっちは蛇足だ。
いかんなあ

「で、えっと。名前は、レナードってイうんダけど……
 あ、フルネームとかノがいい? 正直、名前以外はあンま多くは知らナいんダよね。」

嘘ではないが本当でもない話。
知っているのは向こうの根幹にも関わることだから、そうおいそれと言うわけにも行くまい。
まあ、話せる範囲で、聞いてみよう。

修世 光奈 > 課題、というならしっかりとこなさないといけない。
…それも、今の光奈のやりたいことだ。

それは、それとして。
友人からの依頼を、しっかりと聞こう。

「…ん。話せないことは話せないでいいよ。って……」

もちろん、話せる範囲で構わないと言ってから。
その名前に、背筋がぴん、と伸びる。

「レナード」

少しだけ光奈の眉根が寄る
あまり言いたくないような、そんな雰囲気。

「…えっと。…キリちゃんはその人を『探して』るんだよね」

一度、確認を入れる。
あれから、いつでも…デート等以外の時には持ち歩いているものもある。

「……実は、もう知ってる。その人の事。で、ええと……でも…、探すのは、多分、無理…かな
その、レナードって人とお話とか、最近、した?」

ぽつ、とそう言って。
ごめん!と手を合わせる。
まだ、手紙を渡す相手かはわからない。
もしかすると、彼が話しているかもしれないからだ。
そうなれば手紙を渡す条件からは外れる。

だから、おずおずと聞いてみようと。

園刃 華霧 >  
「……うン? どうイうこと?」

知っているけれど、探すのは無理。
口止めとかされてる?
いや、わざわざ光にゃんを口止めする意味はないよなあ。
いくらなんでもピンポイントすぎる。

じゃあ、どういうことだろう?

「いヤ、最近話セてないカら『探し』てルんだケド。」

だから、素直に次の問いに答える。

修世 光奈 > 「えっと。……私もたまたま会っただけなんだけど、さ
これ、『レナード』を探してる人が現れたら、渡してくれって言われて
話をしたかどうか聞いたのは…知ってるかどうかの確認」

そっと、制服の内側から封筒を取り出す。
流石に少しよれてしまっているが、折れてはいないもの。
いつ、その人が現れても渡せるようにと、敢えてここに仕舞っていた。

同時、ホロ端末で画像を表示する。
儚げで、悲しい笑顔が表示される。

「門の向こう、に行ったみたい。
…親しい人には大体話をしたけど、もし彼を…探してる人が私を訪ねてきたら、この手紙を渡してくれ、って」

何も知らないから、止められなかった、とも言いながら。
封筒を相手の方に渡そう。

「…ごめん、キリちゃん。せっかく依頼してもらったのに。
無理って言ったのは、そういう理由。…私が、もう行き先を知ってて、行けないってわかってるから、探せない」

ぺこ、と頭を下げ。
封筒は開かれておらず。その中身は…お別れの手紙だろう。

園刃 華霧 >  
写真と、手紙。
そして、申し訳無さそうな光奈の顔。
それぞれを順番に眺める。

「……あー……そう……」

その一言だけが口にできた。

経緯はわからない。
しかし、それはまあ、そういうこと。
なんだろう。

「……いや、ありがとう。光にゃん。」

静かにお礼を言った。

修世 光奈 > 「……………うん
…これも、お礼を言われることじゃないよ」

いつもの相手ではない、言葉が重い。
依頼の不達成は今まででもあった。
けれど…依頼を受ける前に無理、というのは珍しい。

それが重くのしかかって。
ああ、やっぱり、こうなっちゃったか、と。

「手紙と画像、送るよ。…手紙は開けてないからさ、良かったら、キリちゃんが読んであげて」

今回は、メッセンジャー。
それくらいしかできないから。せめて、しっかり役目を果たそう。

園刃 華霧 >  
「ン。じゃあ後で読む。」

そういって、素直に手紙をしまい込んだ。
……流石に、いつもの手品はオヤスミだ。
そして向き直る。

「いヤー、何カら何まデ世話ンなったネー!
 はは、光にゃん。頼む前から依頼達成トか、すごくない?」

けらけらと笑った。
いつもどおりだ。

修世 光奈 > 「…全然、すごく…ないよ。たまたま!
…あはは。…やっぱり、正義って難しいね、キリちゃん」

真剣に応える。
少しだけ、微笑みながら。
本当に、難しい。
あの時…門の向こうに行くという相手を止められていれば違ったのだろうか。
そんな後悔ともいえない何かが、感じられて。

彼も、これと似た気持ちを持っているのだろうか、と。

「もっちろん、依頼に回数制限はないからね!また何かあったらいつでも連絡してよ」

ただ、今は。
相手に調子を合わせて、にっこり笑おう。

園刃 華霧 >  
「正義……正義、ネぇ。 光にゃん。正義なンてさ。
 どいツもこイつも持ってるカら、何が正しいカ、ナんてわかラんもンだよ。
 だかラ、気にすンなって」

へらりと笑ってみせる。
なんだか知らないけれど、たまたま場に居合わせたのだろう。
まったく……運の悪い子だこと。

「うン、そン時はよろシくね。
 あァ、お手伝いの話、アタシの方も忘れテないカんね?
 必要だッタらいつでも呼んでヨ」

へらっと笑ったまま、答えた。
ああ さとうがあまい

修世 光奈 > へら、と笑う相手と話していると。
重い話でも…何だか心が楽になる

「ん。…あんまり、気にしないようにする
…もっちろん!また手伝ってもらうからねー。
結構難航する依頼も多いし。後は、えと…恋愛相談、とか」

そういったことを話せる友達もなかなかいない。
だから、そういった相談もしていい?と。

「あ、と、そうだ!服とか買いに行く約束、いついこっか――――」

なんて。
重い出来事を一時忘れる為に。
明るい話題に変えていこう。
楽しい思い出で、塗りつぶしていくのだ。
そうして、二人の楽し気な時間は過ぎていく事と――

園刃 華霧 >  
「あー……いイけど、アタシあんマそッチは得意じゃナいぞ?
 ま、そレでもいいなラいいよ」

だって、自分のコトもわからないんだから。
それでも他人のことなら、まだ分かる、
わかるから、まだお話はできるだろう。

「うェ、服?! ァー…いヤ……ゥー……
 アタシ、そうイうのニがて……」

楽しい思い出、とばかりに出された提案は、とても女の子っぽく。
そして、ちょっと自分には不似合いの。
それでも結局、押し切られてしまうことになるのだが。

ご案内:「学生通り」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から園刃 華霧さんが去りました。