2020/09/08 のログ
ご案内:「学生通り」に干田恭支さんが現れました。
■干田恭支 >
「異常、なし。
う~~~ん、これでこの辺りは終わりかな。」
片手にバインダーとチェックリストを持ち、学生通りのマンホールを見て回っていた生活委員が居る。
まだまだ残暑の残る空の下、額の汗を袖で拭ってにっかりと笑うのは、干田恭支。今日も今日とて生活委員見習い中。
今日の仕事はそのままズバリマンホール点検。
学生通りの地下に張り巡らされた地下下水道の出入り口。そのマンホールに異常がないか見て回っていたのである。
しかし、その仕事もたった今最終項目にチェックを入れて終了したところだ。
■干田恭支 >
「それにしても、まだまだ暑いな~
もう少し涼しくなってくれても良いのに。これじゃ運動部もしんどいよ。」
持参していたミネラルウォーターのキャップを外し、喉を潤して呟く。
熱中症で保健室に運び込まれる生徒もまだ出ていると保健課から聞いているし、まだまだ油断ならないなと頭上の太陽を見上げた。
「天気が良いのも夏も好きだけど、少しは手加減して欲しいよね。」
太陽との睨めっこは目に悪いので早々に敗走する。
視線を通りへと向け、道行く人に具合の悪そうな人は居ないかと注意深く観察し。
■干田恭支 >
「とりあえず危なさそうな人は居ない……かな。
まだパイセ……先輩との合流時間までちょっとあるし、時間潰してこうかな。」
往来の中に調子の悪い人は居ない様だと判断。
それなら少し羽を休めようと思い、ぶらぶらと学生街の散策を始める。
「へえ、あの本新刊出てたんだ。今度帰りに買ってこ。」
「うわ、ネコちゃんだ。可愛い~!」
本屋の前やペットショップの前を通りながら歓声を上げる。
その姿は男子高校生らしさ満載。ただしお一人様なのが悩みどころ。
ご案内:「学生通り」にカトレアさんが現れました。
■カトレア >
「"うわ、ネコちゃんだ。可愛い~!"って、女のコみたいな声上げて何してるんですかぁ?」
ペットショップの陳列を眺めるあなたの背後から響くアニメ声。
振り向けば、クラスメイトがニヤニヤしながらあなたを見ていた。
手には学生鞄を持ち、こちらもお一人様のようだ。
■干田恭支 > 「え?」
子猫に癒されていたら背後から声を掛けられた。
きょとんとした顔で振り返れば、クラスメイトの姿が。
「ああ、カトちゃん!今帰りなんだ?
それがさあ、カトちゃんも見なよこのネコちゃん。
マンチカンの赤ちゃんなんだけどさ、もうふわふわで可愛いのなんの!」
ぱたぱたと手招きして、並べられたシェルターの一つを指さす。
ふわふわのマンチカンがガラス越しに見つめている。
■カトレア >
「教室で別れたばっかりじゃないですかぁ。
そっちこそ、委員会活動って言ってませんでしたっけ?
サボりなんていっけないんだぁ♡」
そう言ってクスクスと笑っていたが、手招きされれば首を傾げる。
「あたしがネコ程度でどうにかなるわけ……」
呆れ顔であなたの隣に移動し、指差された先を見る。
マンチカンの愛くるしい姿とつぶらな瞳がカトレアを射抜いた。
「いや~~~ん可愛いぃ~~~っ♡♡♡」
即落ちである。
■干田恭支 >
「でっしょ~~~~?
一体どういう進化をして来たらこんな可愛い生き物になるんだろうって感じだよね!
はぁー……委員会の仕事の疲れが癒される~」
頬に手を当ててうっとりとガラス越しに仔マンチカンを見つめていたが、ハッと我に返って。
「も、もちろん委員会の仕事はしてたさ。
さっき丁度一区切りついて、先輩と合流する時間までちょっとあったから一息ついてただけで。」
だからこれはサボりじゃないんだと懸命に説明。
片手に携えていたチェックシートも証拠として掲げてみたり。
■カトレア >
「この世にご飯食べて寝てるだけで許される生き物がいるとしたら間違いなくネコですね。
ナチュラルボーン・サキュバスですよこんなの……♡」
サキュバスはお前じゃろがい、というツッコミ不在で同様にうっとりしている。
種族特有の短い手足も庇護欲を誘う。こんなの反則でしょ。
「ふぅん、ヤる事はしっかりヤってたんですねぇ」
チェックシートを一瞥すれば納得したように頷いた。
サボっていないのをサボりと揶揄するほど不条理ではない。
■干田恭支 > 「もちろん。したくて入った委員会だしね。
それに今、憧れの先輩に色々教えて貰っててさ。もう楽しくて楽しくて。」
納得して貰えてよかった、とすぐにチェックシートを隠す。
見られて困る様なものでもないが、委員会の資料にもなるのであまり関係者以外の生徒の目には触れないでおきたくもある。
「そういえば、いつも一人で帰ってるの?
俺が教室出る時は、カトちゃん今日も囲まれてた気がするけど。」
放課後になればすぐさま委員会活動に向かうか、裏常世渋谷へ向かうかの二択。
教室を出るのは早い方なので、カトレアが帰る姿を見た事はこれまで無かったように思い、訊ねる。
君なら一緒に帰りたがる男子の一人や二人や一団くらいありそうなのに、と首を傾げて。
■カトレア >
マンホールの点検項目なんて文字だけ見ても分かるものではない。
特に執着することもなく、バインダーを下げられればあなたの顔に視線を移す。
「へぇ……憧れのセンパイねぇ。ずばり女ですか?」
シートの内容よりそっちの方が興味を惹かれたからだ。
あわよくば新しいイジりネタにしてやろうという魂胆が透けて見える。
しかし、自分について訊ねられれば僅かに視線を泳がせた。
「べ、別に……あたしが誰と帰ろうがあたしの自由ですし」
無意識なのか、耳に付けたイヤリングに触れる。
■干田恭支 >
「えっ、今ので分かる?
そうなんだよ、小南先輩っていうんだけど。
すっごい真面目に清掃とかする人でさ、早いのに全然手とか抜いてなくて。」
流石の仕事ぶりなんだよねえ、と自分の事のように自慢げに語る。
残念ながら揶揄えるような匂いは一切しない。憧れるベクトルがどこかズレている。
あなたは思い出すことだろう。干田恭支はこういう男だ、と。
「ふうん、まあ、それもそうだね。
でも、一人は危ないから女子の友達くらいとなら一緒に帰ったら?」
挙動がおかしいカトレアへと親切心を込めて笑顔を向ける。
善意100%のお節介。限りなく純粋な余計なお世話である。
■カトレア >
「……あーハイハイ。恭支くんに期待したあたしがバカでした」
相手は異性だというのに呆れるくらい純粋なリスペクト。思わず大きな溜息が出た。
まぁ、恋なら恋でなんだか負けた気がして面白くなかったのだが。
「大きなお世話ですっ。危ない所に行くわけじゃないんですから」
歓楽街まで遊びに行くとなるとボディガードの一人も欲しいところだが、学園~寮の範囲なら比較的安全である。
不機嫌を隠そうともせずに、あなたの脛を軽く蹴飛ばした。
とはいえ非力なのでそれほど痛くない。
■干田恭支 >
「えっ、えっ。何か期待されてたの、俺……?」
溜息をつく姿に目に見えて狼狽する。
もしかして、もっと小洒落た返答とかがあったのだろうか、と軽く悩む。
とことんまで干田恭支は干田恭支であった。
「痛ぁ!?……いや、思ったほどじゃなかった。
そうは言うけどカトちゃん。危険ってのは、危ないと思ってない時に来るのが一番危ないんだよ。」
予測できる危険はたかが知れている。予測不能の事態が一番危険なのだ、という意味。
本人はわかりやすく伝えてるつもりなのだが、これまでの流れからどうにも相手を小馬鹿にしているような言い回しになっている。
でも本人は気付かない。そういう男であるからして。
■カトレア >
「べっつにぃー。そんなだからモテないんですよ恭支くんは」
クラスの女子と恋バナをしていて彼の名前が挙がることは時々ある。
しかし、大抵いい人止まりで恋愛対象としては見られていないというのがカトレア調べだ。
こんな朴念仁に惚れるような人間がいたら見てみたい。
「むっ……そんなにあたしが弱く見えるんですか?
こう見えてハーフサキュバスですよ。そこらの人間よりかは強いんですからねっ」
魔術だって使えるし! とついムキになってしまった。
そのままヘソを曲げたように鼻を鳴らし、ショーウィンドウから離れる。
■干田恭支 >
「えー……流石に女子に言われると結構凹むんだけど~
まあでも、異能の事もあるし、真っ当に恋愛とか出来ない気もするしさ。」
別に良いかな、と頭を掻きながら笑う恭支。
恭支自身、恋愛に魅力を感じていない自覚もある。
心の奥底では、そんなことをしてる暇も余裕も自分には無い、と自ら封をしてるきらいもあるのだが。
「いや、弱く見えるとか、強く見えるとかじゃなくて。
ハーフサキュバスだってのも知ってるし、カトちゃん普通に可愛いし。
それに、もし万が一、サキュバスの力が暴走したりとかしたら、やっぱ男子よりも女子と一緒に居た方が良くない?」
そんな傾向は今の所ないのかもしれないけれど。
何かがあってからでは遅いのだ、と割と真剣な眼差しを向ける。
自分が友人と思う相手の身に何かが起きて欲しくは無い、という恭支の小さな傷痕だった。