2020/09/09 のログ
■カトレア >
「……そこまで言うなら今日は恭支くんが一緒に帰ってくれますか?
今からじゃ他の友達も捕まらないし、もし力が暴走しても恭支くんには効かなさそうですから」
頭一つ分くらいある身長差から、じっ……とあなたを見上げて問う。
「あっ、まだ委員会活動中でしたっけ。
憧れのセンパイと合流するとか……それじゃあ寄り道できませんねぇ?」
後半は冗談交じりで、挑発しているようにも聞こえるだろう。
しかし、その眼差しだけは真剣みを帯びていた。
あなたが真剣にこちらの身を案じてくれていることは理解していたから。
■干田恭支 > 「俺が?一緒に?確かカトちゃん、女子寮だよね?
そこまで遠くないから大丈夫だと思うけど……
そうなんだよ。これから委員会の仕事戻らなきゃだし……」
うーん、と時計を見てから視線を泳がせながら思案する。
今から女子寮まで向かって、そのまま先輩と合流するだけの時間はあるだろうか。
だいぶ厳しい気もするが、全力で走ればなんとか……なると良いな、と期待を込める。
「うん、よし!じゃあ送ってくよ。
先輩には……ええと、調子悪そうな同級生を家まで送ってたって言い訳すれば分かってくれると思う!」
それでなくとも時間が余ったからと散策していた身の上だ。
バレれば怒られるのはどちらも同じ。それなら、誰かの助けになる方を選ぶ。
干田恭支は、そういう人物なのだ。
「ただ、今のカトちゃんの魅了が効きにくいってだけで、暴走しても効かないって保証は無くない……?」
■カトレア >
「まぁ無理ですよねぇ。大丈夫ですよ分かってま…………は?」
予想していたものとは真逆の答えが返ってきて思わず素で声を上げてしまった。
加えて、そのパターンでの対応を考えていなかったため思考が数秒ストップする。
本当にどこまでお人好しなのか、この男は。
「じょ、冗談ですってば! 真面目に方法を考えないでください!
それに暴走したところで大したことないですよ、あたしの魅了(チャーム)は。
異能と合わせてようやく効果が出る程度なんですから」
やれやれ、と溜息を吐きつつ再びイヤリングに触れる。
■干田恭支 >
「どしたん、変な顔して。
大丈夫だって!こう見えて駆け足には自信あるんだ。
真っ直ぐ止まらず突っ走って帰りゃ、5分遅れくらいで先輩と合流出来るからさ。多分。」
最近素の身体では本気の運動をした覚えが無かったけれど、昔取った杵柄という言葉もあるらしい大丈夫だろう、と楽観視。
思考が追い付かず数秒フリーズしていたカトレアの顔を見て小さく噴き出しながらさらりと笑顔で自分の胸を叩く。
「それがカトちゃんの力の全てだって、誰が証明してくれるのさ。
何事も案じておくことに越したことはないって!何も無ければ無事に送り届けられるってだけだし。
何か起きた時は……えっと、その時は……どうにか俺を気絶させてくれ。」
魅了されるというのがどういうものか今ひとつ分からない。
だから自分がもしその状態に陥った時に何をするのか想像もつかない。
今朝自分の異能が発動していてくれれば、悩む事も無かったのだろうに、と少しだけ後悔しつつ
「ほら、あんまり長居するとネコちゃんも落ち着かないだろうし、行こうぜ。
それと、異能の力とはいえそのイヤリング手作りなんだろ?手先器用なんだなー、カトちゃんって。」
■カトレア >
「だから冗談だって……もぉーっ!」
完全に送り届ける方向で話が進んでしまっている。
ここで食い下がって合流が遅れても本末転倒。こっちが折れた方が丸く収まりそうだ。
「分かりました、分かりましたよ。そこまで言うなら一緒に帰りましょう。
別に……このくらい練習すれば簡単に作れますし」
褒めるタイミングおかしいでしょ……と思いつつ満更ではない様子。
ネコちゃんに別れを告げ、女子寮へ向けて歩き出したと思えば、不意にあなたの方を振り向いて。
「あたし、恭支くんになら襲われたっていいですよ。
魅了に当てられたからって、恭支くんにそんな度胸があればですけど♡」
せめてものお返しにと、揶揄いながら前を歩いていくのだった。
■干田恭支 >
「あははっ、まあ何にせよ一人で帰るよりは二人の方が楽しいだろうしさ。
それに、もしここで別れて万が一カトちゃんに何かあれば、俺は多分自分を許せなくなるだろうからさ。だから、助かるよ。ありがとう。
へえ、やっぱ作るの練習したんだ。努力家さん~」
素直に感心して時折視線をカトレアの耳元へと落したり。
女子寮までの道すがら、物珍しそうに見たりしていた。
「冗談でもそんな事言うなって。
同級生に怪我とかさせたくないしさ!」
陽気に笑いながら先導する様に歩き出したカトレアを追う様に歩く。
そのまま取り留めのない話をしたりしつつ、しっかりと女子寮まで送って行った事だろう。
その後、もう凄い勢いで来た道を駆け戻る恭支の姿があったとか無かったとか──
ご案内:「学生通り」からカトレアさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から干田恭支さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に修世 光奈さんが現れました。
■修世 光奈 > 「ん、んー…!はぁ、涼しくなってきたなー」
雨が降り、うだるような暑さも鳴りを少し潜めた日。
ぐぐ、と背を伸ばしながら歩く光奈。
もちろん、重要な依頼を抱えてはいる。
が、それはそれとして一日一つ程度だが、毎日舞い込んでくるいつもの依頼もこなしている。
今日はもうそれを終えて、後は自由な時間だ。
(ジェー君とデートの時間も作らなきゃだし、色々頑張らないとなー…)
前に風紀委員に注意されたので、今回は前方不注意はしていない。
軽く体をほぐしてから、賑わう通りを歩く。
「あ、新メニューかぁ。覚えとこー」
ふふ、と笑いながら。
時々少し変わる通りを楽しそうに散策する。
学生をメインターゲットにしているからか、目新らしいものがどんどん出てくる。
それがとても楽しく、軽く足をほうり出すようにしながら歩いていく。
■修世 光奈 > 「…ちょっとリフレッシュしよっかな。どこにしよ」
独り言を言いながら、学生向けの店を外から眺めていく。
最近、一人の時は酷く考え込むことが多いから、頭が疲れている気がする。
今、抱えている問題の複雑さ故か…いつもなら探し物については色々と直感でわかるのだけれど。
さっぱり、靄がかかったようにアイディアが浮かんでこない。
こういう時は…先日からカロリーが気になるが少しだけ、少しだけ甘いものを食べたい。
当然学生通りにはそういった品を扱う店は多数あり。
目移りしながら、あれもいいな、これもいいな、とぶつぶつ呟いている。
■修世 光奈 > 「よっし、きーめたー!ここにしよ!」
やがて、美味しそうなお店を見つけたのか…上機嫌にそこに入っていった。
ご案内:「学生通り」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に綿津見 くらげさんが現れました。
■綿津見 くらげ > 【待機中】
ご案内:「学生通り」に持流 童男さんが現れました。
■持流 童男 > 知られざる英雄を・・!だが、本当にそれでいいのか・・?
そう思いながらも、躊躇ってしまう。<知られざる英雄を>
使うのを、やめてしまう。
本当に使ってもいいのかと、そう躊躇ってしまう。
そして一匹のサメに噛みつかれようとして義手を差し出し、義手がぎししと悲鳴を上げる。
噛みつかれながらもバッグから棍棒を取りだす。模擬棍棒だ。
そして、それでもくらげさんを守ろうとする。
ご案内:「学生通り」から綿津見 くらげさんが去りました。
ご案内:「学生通り」に綿津見くらげさんが現れました。
■綿津見くらげ > 感情無き冷徹な海のハンター共は、
無防備に差し出された義手へ獰猛に喰らいつく。
無機質な義手を噛み千切らんばかりの勢いで、1匹、またもう1匹と。
嵐は勢いを増し、そして暴風の合間から次から次へと新手のサメたちが現れる。
B級映画の様な怪異は、一向に止む気配を見せず……
■持流 童男 > 義手に噛みつかれながらも義手を思いきり振り回してサメたちを
叩きつける。
おそらく嵐が、たぶん本体だと思う。あそこから出てきてるのならばそこを叩く。
一向に増えていくサメたち。
だが、大丈夫。
模擬棍棒を、思いきり振り上げる。
絶望を、嵐を食うような世界を食らうような最初の世界で斃した世界食らいの蛇を思い浮かべる。
噛みつかれながらも息を整える。血があふれる。だがこんなもの知ったことではない。
右手に力を入れる。闘気が、ドウオの輪郭をゆがめる。
異能は使わない。某が倒れたらだれがクラゲ殿を持っていくのでござろうか。
「----おいサメども、嵐食らいの蛇を見たことはあるでござるか?」
そうして、大きく模擬棍棒を思いきり全力で降り下げた。
そして、その瞬間、前方の空気が一気に重くなる。棍棒を振り下げた時点で。
嵐を食らうような幻影をまとった、嵐を食らうような錯覚を思わせるそんな蛇の形をしたような
衝撃波が、嵐を食らいつくように放つ。
■綿津見くらげ > 義手に牙を食いこませ、
しかし力任せに振り回されたサメ共は地に叩きつけられ掻き消える。
サメ達が一瞬攻め手を止めた。
かと思えば、無数のサメ達が一塊に集合し始め融合し、
まるで太古に絶滅した巨大なサメの様な姿へと変貌していく。
それは大口を開けて、持流とくらげの二人を一飲みにしようと喰らいかかり……。
だが、相対する持流は臆する事なく棍を振り下ろす。
発する凄まじい衝撃波。
それは巨大なサメをすら一飲みにするほどの大蛇を形どる。
蛇に喰らわれ、飲み込まれたサメはそのまま掻き消え、
そして蛇は嵐をも喰らいつくそうと天へと這いあがり……
嘘の様に嵐は収まり、空には太陽の光が見える。
吹きすさんでいた風、打ち付ける豪雨はからりと止んでしまった。
蛇が嵐を飲み込んだか、あるいは偶然台風の目に入り込んだか。
いずれにせよ、束の間の嵐の終息と共に、
無限に湧き出すサメ共も綺麗に掻き消えてしまったのであった。
■持流 童男 > そして振り下ろした後に、思いきり体に、絶大な疲労感が
思いきり負荷がかかる。だが、そんなこと、知ったことか
それを表に出さない。
模擬棍棒は、威力に耐え切れなかったのか粉々に砕け散った。
そして、くらげさんのもとに歩いていく。疲れた、苦しい表情なんて風紀委員としてできない。そして、くらげさんのもとに歩いていき、救急車を呼びつつも。太陽の光を浴びながら。
・・・だが顔は逆光で見えないだろう。
「少女殿・・・生きてくれでござる」
純粋な願いを口ずさみ
そう言いながら、初級のヒールをかけようとする。
救急車が来るまでの間、自分の魔力が尽きるまで、ヒールと止血と応急手当をしようとするだろう。
■綿津見くらげ > 戦いが終わり、枝に引っ掛かっていた
くらげはどさりと地に落ちる。
幸い、頭を打ったり骨を折ったりはしていない様子。
サメに食い破られた傷は、
見た目こそ派手に血を流しているものの、そこまで深手という訳では無さそうだ。
持流の治癒魔法で傷が塞がると、
意識を取り戻しゆっくりと目を開く。
「………。
勝ったか……。
やるな、サムライ……。」
そう言い残すと、がくりと力を失い……
ぐーすかと寝息を立てて、呑気に眠り始めやがった。
慣れない能力を使った戦闘で、精神的な消耗が強かったのだろう。
抗えない眠気に襲われて、深い睡眠に陥った様だ。
「はっ……。」
かと思えば一瞬目を覚まし……
「礼ぐらい言わねば。
そして名ぐらい名乗らねば。
ありがとう、持流。
我が名はくらげ、覚えておけ………zzZ」
礼と名乗りだけ済ませると、さっさと深い眠りに落ちて行った。
後程救急車が到着し、彼女を運びだしていった。
傷も初期対応が良かったようで、大事には至らなかった様だ。
皆がその場を去ったあと、台風の目は過ぎ去り再び街を嵐が襲う。
しかし、あのB級映画の様な怪異『サメ台風』は、
それから現れる事は無かったという。
ご案内:「学生通り」から綿津見くらげさんが去りました。
■持流 童男 > 「そうでござるな・・・本当にタフなものでござる・・くらげ殿」
そうかすかに笑いながらも。
そして、すこしだけ笑いながら、風紀の仕事に戻るだろう。
義手はボロボロだが、疲労はあるが
やることはやらねば。
ご案内:「学生通り」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 件の台風が過ぎ去ってその後日。漸く、まだ学生街の周辺程度だが地理は覚えてきた。
何時もの日雇いのアルバイトを終えて、そのまま寮の部屋に直帰する予定、だったのだが。
「まぁ、寄り道して帰るのも学生の醍醐味ってやつだろうしさ…。」
いや、学生に限った事じゃないかもしれんけど。何とはなしに歩いていれば、周囲の会話も断片的に聞こえてくる。
『なんかすげー台風だったな。鮫が降ってきたらしいぜ』
『しかも無限に沸いてきたらしいぜ。見てみたかったなぁ』
『バカ、お前それ食われるフラグじゃねーか』
『つーか、それまんまシャークネ・・「「「そこまでにしとけ」」」』
丁度、すれ違った男子学生達の会話を聞きながら、ふーん?と、思いつつそのまま歩き続けていたが。
■火光雷鳥 > 「いや、サメ台風とか何それ怖いんだけど。学生街なのに魔境なの?」
ご案内:「学生通り」に幣美奈穂さんが現れました。
■火光雷鳥 > (おかしいな、どう見ても平和そうなんだけど、何時から学生通りはB級パニック映画みたいな世界観に…)
いや、もしかして常世島では普通なのか?……普通って何だよ、と哲学的な問い掛けをしたくなってくるな。
まぁ、好奇心はあるが正直現場に居なくて良かった。多分俺は気付いたら食われてるモブなポジション。
「ま、まぁ…もう収束したみたいだし、いいか…怖いな常世島…。」
本土で割と普通に育った少年にはハードルが色々と高過ぎる。大丈夫かこの先。
■幣美奈穂 >
そんな通りにあるお店、鮮魚を扱っておりますお店の前に、ちょっとした人の集まり。
その中に美奈穂はいるのでした。
お財布を両手で持って、ふんすふんすとちょっとやる気な雰囲気。
「まだでしょうか・・?」
と、一番前にいたのに。
体格のいいおば様に割り込まれまして。
「あっ、ちょっと・・」
という間に、あれよあれよと後ろの方にと押し流されるとろさなのです。
「あの、わたくし。最初にいましたのに・・!」
ぴょこんぴょこんと小さく跳ねましたら、長い髪も合わせてぴょこぴょこする姿があるのです。
■火光雷鳥 > 「―――うん?」
丁度、学生通りの一角にある鮮魚店の前を通り掛かった矢先。何やら人の集まりが目に留まる。
普段なら鮮魚店などは特に気に留めず通り過ぎるのだが、流石に足を止めて様子を見てみる。
(鮮魚店の謎の賑わい…この前あったとかいうシャー…サメ台風…まさか)
いや、まぁそれは無いよなぁ、と思いつつも、何やら一人の少女が人ごみから押し流されるように出てきた。
「――巫女服…ってやつか?」
漫画とかゲームとかアニメとか、あとは映像で見た事はあるが本物の巫女服を拝むのはこれが人生初である。
ちょっと感動するが、それはそれとして少女がぴょこぴょこ小さく跳ねている。
(――可愛い……ハッ!?違うそうじゃない!)
ぶんぶんと首を振って気を取り直す。どちらかというと少年は受身なタイプだ。
つまり、女の子に声を掛けるのはあまり得意ではないのだが、流石に気にはなる。
「あーー…すいません、何かお困りみたいっすけど、どうしたんですか?」
思い切ってその巫女少女に声を掛けてみる。生憎と陽キャラじゃないのでかなり度胸を振り絞ったが。
■幣美奈穂 >
「授業が終わってすぐきましたのに・・!」
と頑張りますが。
気迫と体格がまるで違います。
まるで、修羅の国な主婦の方々の中に入ってしまったような感じです。
小さくぴょんぴょんしますと、裾の長い袴の横にスリットが入っているので。
ちらちら白い脚がみえたりみえなかったり。
少し涙目になりかけてしまうのです。
「――?」
お声を掛けられて、ゆっくりとお声が掛かった方へとお顔をむけまして。
小さくかくりと首を傾げさせましてから。
何を考えているのか、周囲を軽く見まして、そしてさらに少し上を見ましてから。
「――あっ、私ですか?」
目を大きくしましてぱちくり。
「あの・・今日、ふかひれの安売りがあるそうなんですけど・・。
食べたことがありませんから、食べてみたいと思いまして。
最初に並んでたのに・・」
ちょっと悲しそうに集まっている人たちを見ます。
いまの場所だと、場合によっては買えないかもしれないのです。
■火光雷鳥 > (…ああ、本土でも見た事あるぞこの光景…サメ台風は意味不明だけど、こういうの見るとむしろ安心するなぁ)
こう、おばちゃん軍団のパワフルさみたいなやつ。まぁ、巻き込まれる側は溜まったもんじゃないだろう。
事実、巫女少女は前の方に居たようだがあっという間に最後尾まで押し出されている始末で。
(――いや、ちょっと待った!あれ、巫女服ってスリットみたいなのあったっけ!?白いおみ足見えてません!?)
すまない、思わず敬語になってしまった。よし、深呼吸しよう…スゥ…ハァ…よし、大丈夫。平常心平常心。
昨夜の赤ビキニ同級生といい、この巫女少女といい色々とすげぇな、と思う。
「あーー…はい、そこの巫女さん貴女です。…って、フカヒレ?それまた豪勢な…。」
最初、自分に声を掛けられたと思わなかったのか、きょとんとした様子だった少女に貴女です、とばかりに頷いてみせつつ。
フカヒレ――…おい、やっぱサメ台風とやらの戦利品というか副産物じゃねぇだろうな!?
商魂逞しいと思うべきか。しかし、これだけ盛り上がるという事はもしかして安い価格なのか?
「話は大体分かった。…けど、今からまた最前列に戻るのは難しいんじゃないかな?って」
改めて、おばちゃん連中のバリケードと貸した目の前の集団を指差して。
ちなみに、敬語が崩れているがどう見ても自分より年下の少女だからだ。
見た目と年齢が一致しない人達が多い、という常世島のよくある話を少年はまだ知らない。
■幣美奈穂 >
日頃はゆったりとしか動かないので見えることはないのですけど。
跳ねるなんて美奈穂にとっては激しい運動をしたせいなのです。
もう一度、果敢に集団の中に入ろうとしまして。
逆に軽く腕を振るわれて、後ろによろよろ。
「なんか、普通はお高いものだそうですけど。
なんか新鮮なのが降ってわいたように入ったとかで、とてもお安いそうなのです・・」
自分で料理しますけど、茶色い感じのが多く。
フカヒレなんて食べた事が無いので、なかなか諦められません。
鮮魚店からは『こいつまだ生きてやがる!』『しとめろ!』という声がちょっと漏れてますけど。
「う、うぅぅ・・。
だって、だって・・食べてみたいのです・・」
少し唇を尖らせてしまいますけど。
ふと、目の前の男子学生さんを見ます。
足下に視線を落としてから、首を曲げて目を、頭を見ましてから。
振り返って、おばさま軍団を見るのです。
「・・あの、お時間ありますでしょうか・・?」
ちょっとためらいながら、上目遣い気味に男子学生さんに少し尋ねるのです。
■火光雷鳥 > (おかしいな、俺はロリコンではないと思うんだが、思わず反応してしまったぞ?…いや、そりゃスリットとか白いおみ足とか見ちゃうだろ!)
しかも、見ようとして見た訳ではない。ここがポイントだ。つまり見えてしまった!だから俺は悪くない!
何か勝手に自己弁護してしまったが、この常世島は色々と刺激が強すぎないだろうか?
俺は常世島ビギナーなので、もうちょっとチュートリアルは手加減をお願いしたい所だ。
と、果敢におばちゃんバリケードに突入しようと試みた巫女少女だが、あっさり腕を振るわれて弾かれるようによろめいてスタート?地点に戻されていた。まぁ、そうなるな。
「確かにフカヒレは高級食材だし――あ…。」
新鮮なのが降って沸いた。確定じゃないかおい。そのフカヒレ大丈夫か?
ちなみに、少年の自炊能力はまぁ人並みだ。一人暮らしだから或る程度自炊も頑張っている。
(あと、何か物騒な単語が聞こえた気がするんだが気のせいだよな?そうだよな!?)
え、生きてるとか仕留めるとかどういう事?フカヒレだから本体はもう死んでるんじゃないの?
気になるけど、同時にあのバリケードの向こう側は凄く覗きたくない!
それはそうと、少女が何やらこちらをじろじろ見てくる。何だろう?髪の毛と目が赤いのは理由があるので許して欲しい。
「…え、時間?ああ、うん。バイトはもう終わって後は帰るだけだから時間はあるけど…。」
と、素直に答えて頷いてみせるが、何か嫌な予感がしてきたぞ…?
■幣美奈穂 >
脚が少し見えてしまったのなど気付いていないのですけど。
なんとなくな雰囲気に、小さく首を傾げさせて「?」とちょっと表情に浮かべます。
「フカヒレって美味しいのかしら・・?」
期待してしまったので、すっかり味への期待が高まるばかりです。
「フカヒレって、元気なのですわね・・」
どんなのでしょう?、と想像します。
わかるのは、鮮魚店なのでお魚さんなのだろうということぐらい。
実は「美味しい食べ物」としか判っていなかったりします。
じっと、男子学生さんの目をまっすぐに見まして、どきどき・・。
時間があるという言葉に、ぱぁっと表情を明るくさせます。
「じゃ、じゃあ。
わたくしを肩車してくださいませ!。
そうしましたら、他の高い所から『くださいまし!』と言えますわ!』
ぱたぱた、男子学生さんに近付きますと。
袖をついついと摘まんで下にひきます。
しゃがんでくださいませ、と無言で頼むのです。
■火光雷鳥 > (そういえば、親父が『常世島は美人が多いぞぉ!いっちょ男になってこい!!…俺も行きてぇ!!』とか、ほざいて母さんにジャーマンスープレックスされてたけど…。
まぁそれは何時もの事として。確かに知り合った女の子美人ばかりだな…常世島すげぇわ)
「え?いや、どうだろうな。俺もそんな高級食材食べた事ないし。ただ、アレは確か味そのものはあんまし無いとか聞いたような」
調理前提というか、そういう感じじゃない?と、彼女の期待に水を差すようで悪いがそう口にしてみる。
あと、フカヒレ元気違う、それつまり本体生きてるって事だから!まさかサメのまま売り出してるのか!?
しかし、女の子からじっと見られると謎の緊張感があるな…ちょっと手汗が。
――で、何だって?肩車?………ホワイ?
「いや、肩車をしろと?まぁ、君くらいの子なら何とかギリギリ出来るとは思うけどさ」
別に筋肉ムキムキムッチリではないが、日雇いのバイトは割りと肉体労働が多い。
自然と地道に鍛えられてくるので、まぁ何というか肩車くらいなら何とか行けそうだ。
(――いや、待て待て女の子を肩車した事なんてないぞ!?大丈夫か!?主に俺の色々な何かが!!)
と、葛藤していたのだが、少女がこちらの服の袖口を引いてしゃがむように無言で頼み込んでくる。
「………あまり長時間は持たないからね?」
負けた。紅蓮の支配王(弱)だから仕方ない。そのまましゃがみ込んでスタンバイしよう。
■幣美奈穂 >
「・・そうなのですか?
お豆腐みたいな感じ??」
首がへにゃりと傾きまして、黒髪がさらりと流れるのです。
真面目なお顔で澄んだお目めをぱちぱちとさせるのです。
「それでしたら、そぼろ煮なんかと一緒にしましたらいいですかしら・・」
ふと、お料理に意識が一瞬飛んでしまうのです。
男子学生さんを見るには、30cm以上も差がありますので、ちょっと首が痛いのです。
「それでしたら、早く・・あっ、なんかお店の人が準備しておりますわ!」
お店の方と視線を交互にしまして、ちょっと慌て始めてしまいます。
男子学生さんの目を見る姿は、とてもまじめなのです。
「わぁっ!、ありがとうございます!
ちょっと待ってくださいませ!」
と、しゃがんでくださった男子学生さんの後ろに。
そして、袴をスリットを使って横で結びまして裾を上げますと。
んしょっ、とマンクライミング。
「もう少しですから・・」
あたたかい体温と柔らかい肉の感触、そして花の様なふわりとした甘い香りを少し漂わせながら。
背中側からゆっくりとのぼりまして、その頭を自分の太ももで挟むのです。
「よろしくお願いします・・!」
上から、下の男子学生さんのお顔を見るようにして頼みます。