2020/09/10 のログ
■火光雷鳥 > 「いや、ごめん俺もそこまでは分からないんだ。本とかネットで後で調べてみてもいいかもしれない。こう、フカヒレ使った料理とかさ?」
自炊はするが人並みだし、フカヒレ料理なんてよく知らないからそうなる。
しかし、少女の真面目なお顔と澄んだ視線が眩しい。一般男子学生だから手加減して!
「まぁ、取り合えず問題はそのフカヒレが買えるかどうかなんだけど…あ、ごめん」
身長差がそこそこあるので、ちょっと会話中に中腰になりつつ。
と、何やら準備が始まったらしい。いや、準備?まさか解体ショーでも始まるんだろうか?
個人的にチェーンソーは一応備えておいたほうが何となくいい気がする。
――で、肩車だ。しゃがみ込んだまま、少女が準備している光景はこの姿勢だと見えないのでそのまま待機中。
…が、彼女が背中側から登ってくると、こう柔らかくて暖かくて甘い香り――落ち着けぇ!!!
「――よし、じゃあ行くぞ…!」
肩車をしてから、一息入れてそのまま立ち上がる。彼女にはしっかりしがみついて貰う事になるが、まぁそれはいい。
しかし、問題が一つ――…
■火光雷鳥 > (ちょっと待てぇ!!俺の頭が太ももダイレクトですげぇ柔らかいんだけど!?ちょっと大丈夫!?色んな意味で大丈夫!?いや、大丈夫じゃねーなこれ!頑張れ俺!!(雷鳥、心の叫び)
■幣美奈穂 >
生真面目にしてきて、男女のなんたらなんか、まだまだ分かってない美奈穂。
そういうのはまだ授業で習わないのです。
・・習うものなのでしょうか。
「ネットって、ぱそこんさんですか・・?」
ついっと、まっすぐに見ていた視線が横に逃げます。
電子機器、あれは敵です。
最近のは喋ったりするから、思わず挨拶してしまうのです。
肩車で登るのも一仕事。
なんか達成感があるのです。
心の中で、ふぅ、と額の汗をぬぐうのです。
雷鳥山脈に登頂できました。
「ゆっくり~、ゆっくり~としてくださいませ・・」
立ち上がっていくと、余計にほっそりした温かい太腿が男子学生さんの首にきゅっ。首の後ろもなんか温いかもしれません。
思った以上に高いので、少し怖いのもありますけど。
それよりも今はフカヒレさんです!
あと・・肌が触れ合うと、美奈穂からなんかじわじわと生命力と言うか、活力が流れ込んでくる感じがするかもしれません。
美奈穂の『神木の加護』という力なのです。
「あっ!。なんか持って出てきました・・。
あのっ!、あのっ!、すみません!
わたくしも買います!」
片手で男子学生さんの頭に掴まりながら、
もう片手を伸ばして振って、あんまり大きくありませんが声を上げ、アピールするのです。
■火光雷鳥 > 仮にそれの説明を求められたらどうするか?…いや、どうも出来ねぇよ!?と、なるしかない。
「そうそう、パソコンとかスマホ…んーと、携帯電話とかでさ。調べてみれば――ごめん、何でもない」
明らかに少女の真っ直ぐな視線が横に逸らされた。あ、この子そういうの駄目なタイプかぁ、と初対面だが察した少年である。
さて、少女が登頂した雷鳥山脈であるが、肝心の山脈がちょっと今にも噴火しそうでやばいのだけど、どうしたらいか分からないの…。
肩車自体は少女の求めに応じてゆっくりと慎重に立ち上がる。何とか無事に肩車は出来た。いや、少年の脳内は無事ではないが。
(いや、これやっべぇから!!何この温い感じと柔らかさのドッキング!?あと、左右からだけと思ったら首の後ろも温かいんだけど!いや、落ち着け俺、こういう時こそ素数を…わっかんねぇ!!)
内心はこんな有様だけど、まぁ無事に肩車は成功だ。一般男子にこれは刺激が強すぎる。
ただ、何かその温さとは全く違う別の暖かさを感じる。まるで少女から肌を通して流れ込んでくるみたいな。
(お?おぉ…?何か体が軽いというか、不思議な感じが)
加護の事を全く知らないのもあり、突然調子が良くなった感じに戸惑うばかり。
まぁ、今はそれよりも肩車の維持だ。しかし、片手で頭を掴まれて片手で手を振る少女に、「揺れる!揺れるから!」と、声を出すが多分彼女には聞こえてなさそうだ。
仕方ないので、目立つのはすごく嫌だが、少女に加勢するとしよう。
■火光雷鳥 > 「すいません!!この美少女巫女さんにフカヒレ一丁ぉ!!」
■幣美奈穂 >
「そういうのはなんか正しい内容でないこともあると聞きます。
やはり、頼りになりそうなのは本ですわね・・!」
ぐっ。
ほっそりした手を握りしめて力説します。
正しい情報が大事なのです。
なんか柔らかく甘い匂いもする温かいものに挟まれる頭なのです。
日頃なら、はしたない、とか思うのでしょうけど。
今、大事なのはフカヒレさんです。
人生、賭けなくてはいけない時があるものなのです。
手を振れば、もぞもぞと身体が小さく揺れます。
お店から出てきた、身長が2mはありそうな髭面で毛深いぶっとい感じの店員さんやさらに傷だらけな店主さんが、なんか血まみれになりながら出てきています。
肩には鮪包丁を担いでいたり。
下からの声に、一瞬、びっくりして太腿がぎゅっ!
「こっち、こっちです!」
そんな些細なことに拘ってはいけません。
襲い掛かる?おばさま方をスクラムで受け止める店主さん。
最初に一番前に居たのに気付いていたのか、にかっと、どうみても数人は殺してそうな笑みを浮かべ。
「1000円だ!」
そんな銅鑼声で応じてくれましたら、
「ありがとうございます~!」
お財布から取り出したお札を持った手を伸ばし、代わりにビニールに入った包みを頂くのです。
どうみても、お店の人達は狂暴なゴリラ風マフィアファミリーにしか見えませんけど。
■火光雷鳥 > 「…まぁ、料理本とかでも確かにいいかもしれない…いや、いいのか?」
フカヒレ料理とか本に載ってるんだろうか?あまりそういう本に目を通したことは無いので謎だ。
ともあれ、少女の力説に苦笑気味の表情を浮かべていたが、正直それどころじゃない状況なんだよな、うん。
(あーやっばいぞこれ!柔らかくて甘い匂いもして温かいとか、ちょっと、こう、ともかくやばい!あと、何か体の調子が良いのもよくわからん)
神木の加護とあれこれがごっちゃになって押し寄せているようで、情報処理が追い付いていない。
一つだけ確かなのはともかくヤバいという事だ。良い意味で。いや、或る意味で悪いか。
少女はフカヒレゲットに夢中なのか、この状態に疑問とか羞恥がゼロっぽいし、どうしたらいいの…。
ともあれ、色々なものと戦いつつ、彼女の小柄な体が落ちないようにバランスをしっかり取る。
そして、店内から出てきた店主や店員さんを見れば、一瞬だけだが巫女少女の感触を忘れてガン見。
「………ヤクザの人かな?」
おっかしいなぁ、ここ学生通りだよな?歓楽街とかじゃないよな?思わず赤い目が点になる。
血塗れだけど、アレ魚の血でいいんだよな?あと、それ包丁でいいんだよな?日本刀の亜種とかじゃないよね?
(ほわぁっ!?)
だが、彼女が驚いた拍子に太股がきゅっと締められて密着感がアップ!ありがとうございます!!
ともあれ、襲い掛かるおばちゃん軍団をスクラムで受け止める様子に、すげぇな、と思わず呆けながら呟いていたが、頭上の少女の言葉に我に返り。
「…あ、良かった」
店主さん、ちゃんと巫女少女が最前列に居たのを覚えていてくれたようだ。
1000円ってすげぇ安くね?と、相場は知らないがそう思いつつ、お金と品物のやり取りを肩車しつつ眺めて。
「ど、どうもっす」
一応、肩車しつつだが店主達に会釈を。いや、いい人たちなんだろうけど強面すぎるだろ。チビりそうだ。
■幣美奈穂 >
力がだだもれ。
使っている意識も無いので、普通に垂れ流しなのです。
頼りない細さなのに、まるで柳の様にきちんと肩車されているのです。
まだ小さい時にこの島に来てから一人住まい。
修行で薄布で水行などもするので、いまいち、男女とかそこらへんのことを教えてくださる方もおらず、上手く育っていないのです。
「?。お魚屋さんですわ?」
やくざの人みたいな陰な気は感じない、どちらかというと陽の気の店主さんと店員さん達に感じるので、外見で判断しない子なのです。
・・「任侠かな?」と尋ねられますと困ったかもしれませんけど。
男子学生さんが頭を下げたのに合わせて、ビニール袋を大事そうに片手で抱えましてぺこりんっ。
きゃふきゃふとなんか嬉し気な雰囲気をばらまいてしまいます。
「貴方もありがとうございます。
お料理できたら、おすそわけしますわね・・。
――あ、あの。そういえばどなたなのかしら?
わたくし、みてぐらと申します」
まだ跨ったまま、下を見てお礼を言いましてから。
お名前も知らないことに気付きまして、自分の名前を伝えるのです。
ちなみに、お店の人達には兄妹にでも見られているのかもしれません。
■火光雷鳥 > 神木の加護に相性というものがあるかは分からないが、おそらくダイレクトに接している面積が大きいのと垂れ流しだからだろう。
彼女を肩車している重みは全くと言っていいほど感じない程度に体が軽く調子が良い。
――が!柔らかな感触とか温いあれとかそれとかもダイレクトに感じるので、なんと言うか、こう、兎に角ヤバいのだ。
(けど、俺が一応支えてるとはいえバランス感覚凄くないか?この子)
武術や身体操作術はド素人な少年だが、彼女が全くバランスを崩す気配が無いのは流石に感じ取れる。
つまり、体幹や平衡感覚がかなりしっかりしているのだろう。見た目どおりの少女ではない、のかもしれない。
「――あぁ、いや、まぁ……うん、そうね…。」
巫女少女のきょとん、としたような当たり前の事実に僅かに項垂れながら同意するしかなかった。
なんでこの島の出来事は想定の斜め上を行くのだろうか。凡人には刺激が強いぜ…。
ともあれ、兄妹みたいに見られたとしても、片や巫女服美少女、片や赤髪赤目の冴えない男で落差が凄い。
そして、彼女の嬉しそうなはしゃぐ空気もよく分からんが伝わってくる。何なんだこれ。
「え?ああ、いやこのくらいはまぁ、うん。…と、ごめん自己紹介してなかった!
俺は9月に常世島に来たばかりの、1年の火光雷鳥。よろしくな」
こちらもまだ肩車はしたまま、取り合えず視線だけ上に向けて上から覗き込んでいるであろう少女に自己紹介。
「で、えーと目的も達成したみたいだし、そろそろ下ろしてもいいか?」
うん、何かね?周りの学生達の目がね?凄い何かこう、ね?
■幣美奈穂 >
筋肉の余りついていないほっそりとした手足。
それは、鍛えても加護が勝手に治してしまうので鍛えられないからですけど。
ですが、長く続けた修練は身体の動かし方は覚える事ができるのです。
・・だから、戦いとかには強くもないですけど、弱すぎる事もないのですけど。
「ここのお魚屋さん、いつも美味しいのを売っておりますの。
一夜干しとかは、わたくしは島ではここのが一番だと思いますわ」
にこにこと朗らかに伝えます。
そして、明日はなんかカマボコが安いそうです。
「あら・・でしたら、わたくし。先輩です。
わたくし、この島に4年目ですから」
くすくすと小さく笑いながら、雷鳥さんの頭を片手でなでなでです。
なんか、先輩っぽくできてると本人だけが思うのです。
「あっ、はい。
ありがとうございます・・!」
降りる時は、ちらりと下着が見えてしまうかもしれません。
ミニ褌なので、色気はないですけど!
おりれましたら、結んでいた袴をほどきます。
はらり。
白いほっそりした脚が赤い袴に隠れるのです。
そして、ビニール袋を両手で抱えるように持ちまして。
「これで、なにか美味しいのを作ってみますわ!
出来たら、雷鳥様にお届けいたしますわね?」
小躍りでもしそうな雰囲気ですけど。
踊ったりはしないのです。
■火光雷鳥 > 何かしら武術や戦闘技術を齧っている者なら彼女の修練のそれも見抜けたのかもしれない。
…が、生憎とこの少年は凡人でド素人だ。せいぜい、ありふれた発火能力者の一人というくらいでしかない。
「いや、行き着けだったんかい!まぁ、確かに強面なのを除けば悪くないと思うけどさ」
あと、蒲鉾情報は在り難いけど、まさか買えと?いや、この少女の事だからただの親切心だろう。
「―――うそぉん」
えぇ?つまり大先輩?本当に…いや、この島って色々とぶっ飛んでそうだから珍しくは無いのか、年下だけど先輩とかそういうのって。
そして肩車をしつつ、巫女少女に頭を撫でられる構図。何か学生連中の目が怖いので勘弁して!
ともあれ、今度は先程と逆にゆっくりとしゃがみ込んでから少女が降りるのを確認してから立ち上がろう。
何か下着とか見えちゃった気がするけど!俺は!何も!見なかった!!(眼福ありがとう!)
あと、当然だが完全に地面に降り立った事で白いおみ足が見えなくなった。当たり前である。
「え?お届け?…いや、ありがたいけど俺、男子寮暮らしだからなぁ」
男子寮に巫女少女が自分を訪ねてきたら、周囲から変な目で見られそうなんだけど。
とはいえ、断るのは気が引けるので結局、そのままお言葉に甘える流れになってしまうのである。
「…っと、じゃあ俺はそろそろ戻るよ幣『先輩』。お裾分けは楽しみにさせて貰うな?」
と、言いつつ彼女に会釈をして。少年はそのまま帰路に就くかもしれない。
■幣美奈穂 >
「?」とちょっと首を傾げさせますと。
ゆっくりと斜め方向を見て、そして高層マンションの最上階近くを指差します。
「だって、わたくしの家からここが一番近いお魚屋さんですもん」
きょとんとしたお顔を見せてしまいます。
だだもれな特殊能力のせいもありますが、大きい人が多いところや騒がしい所が合わない事もあり。
着た頃から一人暮らし。
降りてしまいますと、また男子学生を見るのに見上げなければなりません。
すぐそばですと、ほとんど上を見る感じ。
むぅ。
ちょっと背伸びをしますと、頑張って雷鳥様の頭を撫でようとしてみるのです。
「あっ、そこならわたくしでも大体は間違えずに行けるかもしれませんわ。
それに、今度。
男子寮の監査に行こうと思っておりましたの・・勉学や学生生活に必要のないものを必要以上に持ち込んでおりませんかと」
にこっとした笑顔。
風紀活動も真面目なのです。
「はい。きょうはありがとうございました・・」
ふかぶかと雷鳥様に頭を下げましたら。
フカヒレでどんなものが作れますか、とても楽しみにして家路につくのでした。
■火光雷鳥 > 「――え、先輩どんだけ金持ちなの?確かここらのマンションって高かったような」
えぇ…という表情を浮かべる。凡人というか庶民からしたら、とても手が出ない高層マンションを見上げて。
そして、彼女がちょっと背伸びしてこちらの頭を撫でようとしているのに気付けばさりげなくやや腰を落として撫でさせておこうかな、って。
「男子寮の……監査―――え、もしかして幣先輩って風紀委員?」
この島の警察機構、法の番人、正義の執行者。本土の警察もそうだが、あまりお世話になりたくない所だ。
別に先輩を始めとして彼ら・彼女らが悪いとかそういうのではなく――単純に、構えてしまうというか苦手意識というものがある。
(そりゃ、生徒主体で運営されてて、警察機構の代わりもそいう感じなのは理解してるけどさ)
本土の生活に慣れきっていると、事前に聞かされてはいても矢張り戸惑いが大きい。
まぁ、でも別にこっちが何かやらかしている訳じゃないから平気――だといいんだけどなぁ。
「ああ、またな幣先輩」
そう、最後に軽く挨拶と共に右手を振れば、一足先にその姿は学生通りの雑踏の中へと消えていく。
ご案内:「学生通り」から火光雷鳥さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から幣美奈穂さんが去りました。