2020/09/15 のログ
ご案内:「学生通り」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
通学前の早朝の時間。
美奈穂は、マンションの屋上に建てられております和風なお屋敷のお台所に。
美奈穂の自宅です。
1人で暮らすには大きすぎるのですけど、お庭もあり、周囲の結界で雑音も排しており。学生街の中央近くですのに、静かな邸宅なのです。

凛、とした清浄で静謐な空気もある空間。
そんな台所で、ざっしゅざっしゅと言う音を立てます。
美奈穂にしたらパワフルな音・・たわしで鮫皮をこすっているので音だけは大きいのです。

この前、お魚屋さんで買った立派なふかひれ。
繊維も大変に太いそれの料理の仕方が判りましたので、その準備です。

幣美奈穂 >  
美奈穂が両手で抱えないといけないような立派なふかひれさん。
幾つかの本を読みますと、食べる前に干すもののようです。
大きなお鍋でくつくつと煮た後の作業。
鮫皮をはぐための作業です。

お台所も立派なものですけど、すべてに足場があります。
これでも、島に来た頃にくらべると足場の台も低くなっています。
身長は伸びているのです‥今でも控えめな身長ですけど。
まだ成長期、伸びることでしょう。

お台所には、電子レンジや炊飯器もありますが。
それは使われておりません。
いえ、電子レンジは使われたことがあります・・9歳の頃、1度だけ。
お皿に卵を入れて半熟卵を作ろうとしたのですけれど。
やってみると、青い綺麗な光が出てまして。
更に爆発。
どうやら、お皿に金で模様が入っていたのがダメだったらしいのですけど。
それ以来、なんか苦手で触らないようにしたのです。
炊飯器も、炊いたらなんかあまりおいしくなかったので、それで終わり。
使いこなせていたら、炊飯器で作るお菓子や叉焼なんて作れたかもしれませんけど。
それ以来、お米は土鍋派です。

「こんなものかしら?」

丁寧に鮫皮をはぎ、そして汚れなども取り除いた、白いふかひれさん。
水気をとりますと、タコ糸で一部を縛ります。

幣美奈穂 >  
とことこ、それをもって縁側に出ます。
上を見上げながら、どこがいいかしらとうろうろと。
やっぱりここよね・・と脚を留めますのは。
いつも干し野菜を作りましたり。
自家製のお漬物用にと大根を干しましたり、干し柿をつるします処。
お魚屋さんでいいお魚が替えました時に一夜干しなども作ります、風通りのいい場所なのです。

傍にある台を引きずりましてセット。
登るのはちょっと怖いのですけど、登りまして。
そしてふかひれさんを吊るします。
干してから使うもののようです。

あまり下にしますと、クロネコの二郎三郎宗右衛門ちゃんが悪戯してしまうかもしれませんので。
そこそこ高めです。
この場所に干します食べ物は、美味しく食べるためのモノです。
二郎三郎宗右衛門ちゃんに今度、きちんとお話し合いをして遊んだら駄目なものと教えてあげなきゃ、と。
心の中に覚書です。

どれぐらい干せばいいのか、また本で確かめないといけませんけれど。
吊るしましたふかひれを満足気に見上げますと。

朝の水被りと神楽舞の修練。
朝食を作りまして、取ってから学校にと向かう美奈穂なのでした。

ご案内:「学生通り」から幣美奈穂さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に持流 童男さんが現れました。
持流 童男 > ・・・・昨日の某何してたんでござろうな
え、何?某酔ってたの?馬鹿なの?
なんで見ず知らずの生活委員のもとにいって

お節介で説教してたの。マジで何?ダサいでござるな。
本当に何してるんでござるか某。しかも相手すっごい不快にさせたろうなぁ。

そう思いながらもベンチに座りつつ思いきり頭を掻く

あの後別のところにお見舞いに行こうとして、大怒られしたのだ
そして正気に戻ったのが顛末。今度もしも少年にあったら謝る

また誰かの英雄になろうとしてるのが自分でも、見て取れてまだまだ

「本当にこの英雄癖、直すでござる。
ほっとくとマジで、本当にマジでだめでござる」

そう言いながら、警邏をしている。
多分焦ってるのだろう。周りが、活躍してて、それにあこがれてる
それになんというか疎外感のようなものを感じるのだ。
・・・だめでござるなこれは。切り捨てなければいけないものでござる
そう思いながらも、歩きつつも学生通りを警邏中

持流 童男 > みんな自分自身を持ってて大人で。自分が大人じゃないのが一番情けない。
要は嫉妬だ。

一応自分は帰ってきたが、自分の中の自分はまだ子供だ。
いうなればグリセリン、なにかうまくいかなければ癇癪を起す子供だ
それに力があるからたちが悪い。
ていうか今の今まで巨悪倒すためにいろいろとすり減らしてきたでござるけど。
だめだロマンスなんかなかったでござるな。戦いの日々しか思い浮かばねぇでござる

・・・某は、平平凡凡でいよう。
もう英雄はいいでござる。こうして警邏して普通の人間に戻るでござる。
それで職業を回して、シフトを交換して。
まぁ、日常を、この世界を謳歌するでござる。

持流 童男 > コロッケをいつものところで買いながらも。
警邏をして小学生がいつも通る道を見る。
こういう日常、やっぱりいいでござるな。
暴力も、そして銃声も聞こえず。
涙を流す音も聞こえない。ただただ穏やかな昼下がりの学生通り

小学生に気をつけて帰るでござるよといい。
そして、辺りから、ごはんを作る匂い、
そして、猫が鳴き。カラスが夕暮れを告げる。

コロッケをほおばる。3袋買ったのだ。これはやはりうまいな。
1袋目を、頬張りながらも歩く。お気に入りのアニソンを聞きながら
コーヒーを飲みながらも。ゆったりとした時間が過ぎる。

持流 童男 > 戦う必要などない。
誰もが彩りあう。
この時間は一番好きな時間帯。

人が街を彩り、街が人を作る。人がいなければ街は空虚な箱だ。

もしかしたらこの世界にたどり着くのがゴールだったのかもしれぬな。
そう思えてしまうほどにこの世界からはたくさんの物を貰った。

きっと今『友達』とラーメンを食ったら絶対においしいのだろう。
あぁ本当に某は幸せ者だ。

そしてふと、通りすがりの夫婦を見る。

サチ殿もいつか大人になって、恋を知り、そして某から羽ばたいていくのだろうな。
そう思うと、心があったかくなる。
誰かと添い遂げるのはきっと幸せなことだから。某にはないものだから。それを守ることに誇りを持てる。

自販機で温かいコーヒーを買う。
この時間だからいいのだ。ほっこりする。
コーヒーの缶を開けて、一口温かいコーヒーを飲みこむ
苦いが体の中から暖かくなっていく。
あぁ本当にこの日常を守るなら。なんでもできそうだ。

持流 童男 > しかし、貰ってばっかりではいられない。
僕自身でできることをしなければ。
警邏とはそういうものだ。何か困ってる人がいたら助ける
そういうものだと思う。

そしてその流れで、がんばろうと思い。
ちょうど、お腹がなく。
はは某も腹が減るってことを覚えたでござるか。
そう思いながらも。近くのラーメン屋による。

そしてラーメン注文する

注文したのは、豚骨チャーシューラーメン。
好物ではないが、今は無性にバリカタのラーメンが食べたかった。

暫くするとラーメンが届く。
ホカホカの蒸気に、硬さはハリガネのラーメンが届く。
これくらいがちょうどいい。
チャーシューは、肉肉しく。分厚い。

まずは箸を取って一言
「いただきます」

命に感謝してそう言いながらも麺に手を付ける
それを啜る。美味い。
ハリガネの硬さのラーメンが、よい歯ごたえを出している。
人によるが某はこの硬さがちょうどいい。

持流 童男 > 次に箸で、チャーシューとともに麺をほおばる。
分厚い肉の歯ごたえと、麺の歯ごたえがマッチしている。
そしてチャーシューから肉汁が出てくる。それが麺に絡みつき。

食欲をさらにそそる。この時間を満喫するために
ゆっくり、一噛み、一噛み、そう食べていく
噛むごとに、味わいが深くなっていく。

辺りはお客さんが入ってきており、繁盛しているようだ。

人がどんどん注文していき。ビールなど。そう言ったものを注文している。

これはサチ殿にも食べさせてあげたいでござるな。
今度一緒に連れてこよう。

そう思いながらも麺を啜りながらも食べていく。
店主さんはいいくいっぷりだと笑う。

持流 童男 > そしてその後に、スープを啜る。
食欲をそそる匂いに、これもまたうまい。
舌鼓をうつ。

体の芯から温まる味わい。
皿を持ち上げながらも口につけながらも、完食する。

あぁ幸せだ。
ほっと一息余韻を残しながらも、こういうふとした日常が某はやっぱりほしかった。
そしてそれが手に入った。満足だ。

ここのラーメンはうまい。
また来よう。そう言いながらも代金を置いて、ラーメン屋から出ていきながらも警邏に戻る。残りのコロッケは残り3袋。
食べかけの物がある。それをほおばる。

そういえば、サチ殿にお土産買っていかねばな。
あの子、割と腹減ると、怒るでござるからな。
そう少しだけふっと笑いながらも。少しだけほほえましくなる。

持流 童男 > コロッケはカラッと揚げられた衣、
中はジューシーで肉がたっぷり詰まっており
一回噛むごとに肉汁があふれ出す。

ホカホカの出来立てのコロッケを食べる。
ああやっぱりうまいな。
あそこのコロッケ屋さんは格別だ。
人気店だけあって、
この時間帯なら学生やお客さんは多いだろう。

はふっはふっとコロッケをほおばる。
肉汁があふれ出す。

食欲をそそる匂いに、コロッケの往来の揚げたてのにおい。
うんうまい。
警邏をする。

持流 童男 > さて学生通りの警邏はこれくらいにしとくでござるかな。

名残惜しいが、今日も平穏無事に何もなかったことに
安堵しつつも。

学生通りの警邏を、完了。

報告書には平穏無事だったと書く。

あぁ普通だ。

ご案内:「学生通り」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に織機 雪兎さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に園刃 華霧さんが現れました。
織機 雪兎 >  
学生街のある洋服屋。
友人と一緒にお買い物。
鼻歌なぞ歌いながら並んでいるTシャツを手に取って見て。

「ねーねーかぎりん、かぎりんはどっちが良いと思う?」

「わらび餅」と筆文字で書かれたTシャツと、でかでかとステーキ肉が描かれたTシャツ。
どちらに転んでもクソTではあるが、どっちがより面白いだろうかと一緒に来ている友人へ向けて見せる。

園刃 華霧 >  
ゆっきーから買い物いこー、となんか誘われたのがいつだったか。
まあ暇だしいいぞー、とOKして今ここにいる。

んだけど、なんか今洋服屋に来ている。
来てるんだ。

アタシ、そういうセンスないんだけど。
大丈夫かな……

「ンー……ステーキの方……?」

真顔で両方のシャツを眺め……
結局肉欲に負ける。
ステーキ大好き。

織機 雪兎 >  
「こっちかぁ」

わらび餅Tシャツを棚に戻す。
Tシャツを自分の身体に当て、鏡を見てみる。
ステーキ女の誕生である。
とりあえずカゴに入れた。

「かぎりんはなんか買わないの?」

制服のままの彼女。
私服は買わないのだろうか、と。
目の前に並ぶケモミミキャスケットシリーズを眺めながら聞いてみる。
犬耳、うさ耳、狐耳と色々ある。
どれが良いだろうか。

園刃 華霧 >  
「ンー……や、アタシは……服とカ……
 別に、コレでいいシ……」

最近、同居人のせい、というべきなのか。
違う服を着る機会も増えてはきたが、基本はそっちの見立て。
自分ではまったく用意していない。

なにしろ今までの人生、適当な布切れとか、たまたま手に入った服とか制服しか着てこなかったのだ。
そもそも何がどういいかもよく分かっていない。
センスとかそれ以前の問題でもあった。

織機 雪兎 >  
「えぇー、オシャレしようよ。かぎりん可愛いしオシャレしたらもっと可愛いよ」

垂れ犬耳キャスケットを手に取り、かぎりんに被せてみる。
うん、かわいい。

「じゃあ僕が見立ててあげよう。なんてったって僕は今日誕生日だからね!」

無い胸を張る。
買ってあげる、とは言わない。
だってそんなお金はない。

園刃 華霧 >  
「ェ、ちょ……っ」

見立ててあげる……だと……?
ああ、なんてこった、ゆっきーまで……ッ
そうは思うが、友人の提案を無碍には断れない。

……ん?

「いヤ、ってイうか!誕生日ナら、ソれ先にいオうな、ゆっきー!」

思わず突っ込んでしまった。
そんないい日にアタシと遊びに行くだけ、とかちょっとどうなのか。
そもそも知ってれば、いくらアタシだってプレゼントくらい考えたんだが?

織機 雪兎 >  
「まぁまぁこのゆっきー先生に任せなさい」

なんて言いながら服を選び出す。
彼女のならば可愛い系もかっこいい系もどっちも似合うだろう。
まずはスカートかパンツか、どちらにしようか。

「んー、あれ、言ってなかったっけ?」

誕生日だと伝えていなかったっけ。
まぁそれはそれ、今は彼女の服を選ぶ方が大事。

「かぎりんはスカートとパンツとどっちがいい?」

園刃 華霧 >  
「ぅー……わカったヨ……」

こうなってしまってはまな板の上の鯉。
素直に料理されるしか無い。
……ただ、嬉しくもある。

「ウん、聞いテないゾ? ちょー大事なコトなんダが、マジで。
 いくらアタシでも……トモダチの誕生日に何モしナいは、流石に、ナい。」

まあゆっきーのことだから、言ったつもりになってただけなんだろうとは思う。
なんともおおらかというか……そういうトモダチなのだ。
まあ、そこがいいんだけれど。

「え、スカートと、パンツか……ンー……ずっト制服だカんナー……
 アー……スパッツだノと言わレないヨーに、パンツのがイーのカね……?」

割と頓着なく動くせいでたまに怒られるのだ。
だって面倒くさいじゃん……

織機 雪兎 >  
「んー、じゃあ今日なんか買ってよ。楽しみにしとくからさ」

にひ、と笑う。
別に友達から誕生日プレゼントを貰わなくたって友達には変わりない。
しかし彼女の方が気にするというのなら、今日買い物をする間に何か選んでもらうとしよう。

「りょうかぁい。どーれーにーしーよーうーかーなー」

パンツがずらっと並ぶ棚を眺める。
ジーンズかチノパンか。
革、はないな。
黒のチノパンにしよう。
彼女をちらっとみてそれっぽいサイズを選んでおこう。
トップスはブラウスよりもシャツが良いかなぁ。
上着は、ちょっと可愛さをプラスしたい。
ファー付きのジャケットが良いだろうか。

「――よし、こんなんで如何でしょうお客様!!」

園刃 華霧 >  
「ン、そーナ……」

さて、今日いきなりとなると何がいいか……
まあちょっと考えておこう。
 

「お? オ? おォ……?」

さて、どうしよう……なんて考えている僅かな間、だと思うのだが。
なんだか、またたく間に色々用意されてしまった。

黒いズボン。チノパンっていうらしい。
なんかさわり心地とかは悪くない。

で、シャツに……なんだ、これ。
上着っぽいけど、毛皮つき?

すっかりオノボリさん気分というか。
なにがなにやらで、地味に混乱していた。

織機 雪兎 >  
「ほらほら、試着試着」

選んだ服を彼女に押し付け、試着室へ押していく。
ぐいぐい。

「サイズ合わなかったら言ってね、持ってくるから。」

そうして混乱している彼女を試着室へ押し込めて。
自身は次の服を選ぶ。
プランは一つで済ますものではない。
幾つかプランを作って、その中から一番いいものを選ぶのが良いのだ。

「さーて次は――」

さっきはパンツルックだったので、今度はスカートから。
ふくらはぎあたりまである、濃い赤色のロングスカートーー防御力的にはロング丈のキュロットがいいか。
トップスは、無難にブラウス……いや、彼女のイメージならTシャツとショート丈のジャケットもいい。
Tシャツは白、ジャケットはデニムかな。
二着目を選んで試着室へ戻る。

「どうかぎりーん。サイズ合ってる?」

園刃 華霧 >  
「ちょ、マ……ぅ、あ……う…」

押し込められた試着室。
流石に服の着方がわからない、なんてことはないので
素直に服を着替える。

「ンー……サイズ、は……ん、大丈夫、かナ……?」

上を抜いで、シャツを着て
下を脱いで、チノパンを履いて
で、ジャケット……

んー……フィット感としては悪くない。
動きやすいし、いい感じだ。

「……ンー……こン、な……?」

ちょっとおずおずとした感じで試着室から顔を出してみる。
……あれ? ゆっきーまだなんか服持ってない?
ねえ、それゆっきーのだよね?

織機 雪兎 >  
「おー……」

自分が選んだ服ながらカッコイイ。
上から下までじっくり眺め、写真をパシャリ(確定ロール)。

「いいねいいね、じゃあ次コレ」

そう言って手に持っていた次の服を渡す。
にっこり。

園刃 華霧 >  
「ン?」

写真を取られた。
いや、そこは別に気にしないんだけど待って待った。
この流れはなんか予想がついたような気がした。
着せかえ人形だ、これ……

「ぁ、ぅ……ぉ、ォー……」

素直に服を受け取る。
今度はスカート……っぽくも見えるけれど、なんかズボンっぽいな?
なんか変わったやつだ。
で、Tシャツにジャケット。
今度のジャケットはなんかちょっとしっかりした感じ。

「……きる、ね」

おとなしく試着室にまた引っ込んだ。

織機 雪兎 >  
「サイズ合わなかったら言ってねー」

そうして次のプランを、と思ったけれど、二つもあればいいか。
自分用の服を色々物色。
そろそろホットパンツでは寒い時期になってきた。
ジーパンかチノパンか、なんて考えながらうろうろうろ。

園刃 華霧 >  
「んー……うー……」

せいふくいがいをきるのは あまりなれないけれど
ちょっと たのしい

「……ット。ン……こンなもンか?」

ズボンっぽいようで、スカートっぽいようで……なんか面白い感じのコレ。
なんか純粋に面白くていいな。

で、シャツにジャケット。
こっちもまあ動きやすくて悪くない。

「……」

そろーっと試着室から外を覗く。
ゆっきーがまた何か探してる……けど。
流石に今度はゆっきーのだよね……?

 

織機 雪兎 >  
「――んお、着れた?」

彼女がこちらを見ているのを見て、ひょいひょい近付く。
自分のは後からでいいや。
とりあえず写真をパシャリ。

「こっちもいいねぇ」

じっくり眺めながら、撮った写真を呼び出して。
それを並べて端末に表示しつつ、彼女に見せる。

「かぎりんはどっちがいい?」

別に着せ替え人形にして楽しむために写真を撮ったわけじゃない。
いやそれも三割ぐらいあるけれど。
そしてそれはそれとして二人の共通の知り合いに写真ばら撒いたけど。
彼女はどちらが好みだろうかと。

園刃 華霧 >  
「んー……んー……」

おもわず がめんと にらめっこ
あっちも こっちも いいなあ
ともだちが えらんでくれたし
えらぶの むずかしい

「ット……ンん……
 どっチも悪くナいんダけど……
 今着てルこっち、ちょット面白イなーッテ。
 ゆっきーはドーだロ?」

キュロットのデザインがなんとなく自分としては新鮮で。
たったそれだけだけれど、いいなあってなった。

でも、それはそれとしてゆっきーの考えも気になる。

織機 雪兎 >  
「あぁキュロットね。スカートっぽいシルエットだけど造りとしてはズボンだから、下着は見られにくいよ」

自分はスカートっぽいシルエットは苦手なので持ってないけど。
なるほど、こっちの方がいいのか。

「じゃあこっちにしよう。さっきのはどうする?」

自分としてはどっちでもいいというかどっちもいい。
彼女が両方欲しいというのならば両方買ってもいいと思うけれど。
自分用の黒いチノパンをカゴに入れて、さっき来ていた服を指して尋ねる。

園刃 華霧 >  
「ンー……ヤ、そーだナ。
 せっかクだし、ソっちも買う。」

せっかく友人が選んでくれた服だ。
それに、どちらもいいと思ったのも本当。
なら、予算の許す限りは買ってもまあいいだろう。

元々服にお金をかけていなかった分、手持ちはそれなりにある。

「ゆっきーは? 流石にアタシだケっての気が引けルんだケど」

それよりもそっち。
さっき探してたっぽいし、なにか良さそうなの見つけたかな?

織機 雪兎 >  
「そっかぁ。じゃあ、はい。ここで僕が買ってあげるよ、って言えればカッコよかったんだけどねぇ」

彼女にカゴを渡す。
生憎とこちらは手持ちが厳しい。
プラモデルとかゲームとか買い過ぎて財布に冬が来ている。

「僕? 僕はコレ」

言って示すのは黒のチノパン。
上着は去年のを使い回すつもりだ。

園刃 華霧 >  
「ヤ、誕生日のトモダチに金出さセるよーナ……ん?」

カゴを受け取り、服を入れ。
流石に自分で買うと、答えて……

「ぇ。そンだけ?」

思わず、目を丸くする。
アタシのこんだけ選んで、自分のそれだけ?
いやいやいや

織機 雪兎 >  
「え、うん」

これだけ。

「いやいやいや、大丈夫だよ? 家に長袖も上着もあるし、流石に秋冬用のボトムスは破れちゃったから買うってだけだから」

お金がないからだけではない。
去年買ったばっかりの服やらジャケットやらあるのだ。
流石にワンシーズンだけ着て終わり、なんてセレブリティなことはできない。

園刃 華霧 >  
「ァ―……」

なるほど、元々あれば買い足す、とか買い換える、とかで良いわけだ。
そっか、そういうところズレてんな。

「ンん……ン―……じゃ。トりあえず選んでクれた分、代金持つヨ。
 ズボン一つくラいなラ大して変わラんし」

いって、ひょいとチノパンをとろうとする

織機 雪兎 >  
「えっ」

取り上げられるチノパン。
思わずがしっと掴む。

「いいよいいよ! このぐらい買う余裕あるし!!」

なんて言うか申し訳ない。
たかだか数千円の話だ。
彼女の服を選ぶのもこっちが楽しむという目的もあったことだし。

園刃 華霧 >  
「ンー……」

腕を掴まれた。
ほんと変に真面目なんだよなー、ゆっきー
ほんとさ

「じゃ、誕生日プレゼント代わリってトコでどウ?
 こンくらイじゃちょっトしょボいかモだけドさ」

じゃあ、いっそこうしてしまえ、と提案する。
ちょっと今すぐ良いものも思いつかないし、悪くはない提案かもしれない。

織機 雪兎 >  
「え、えぇー……」

誕生日プレゼント。
それを言われると弱い。

「う、うーん……じゃ、じゃあ、それで……」

手を離す。
なんだか照れ臭い。
しょぼいなんてあるものか。
嬉しいような恥ずかしいようなで変なニヤニヤ笑いになってしまう。

園刃 華霧 >  
「おッケー、決まリ決マり!」

にしし、と笑う。
トモダチにプレゼントを贈りたかったのも本当だ。
ただ、ちょっとそういうのは得意じゃなくて、何が良いか思いつかなかった。

だから、どんな形であれプレゼントができるのは嬉しかった。


「ほンじゃ、コレ買うトして……後、ドーすル?」


だいたいゆっきーに任せてたから、自分は完全にノープラン。
だから、聞いてみるとしよう。

織機 雪兎 >  
「あー、うん、ありがとね、嬉しいよ」

ちょっとだけ恥ずかしそうにへらりと笑う。
なんだか嬉しい。

「んー、今は特に買いたいものも――いや無いわけじゃないけど」

この間新作のプラモが出た。
それを買いたいと言えば買いたいのだけれど、彼女が行っても楽しいかどうか。
ちょっと迷う。

園刃 華霧 >  
「ゆっきーが うれしいなら……あたしも うれしい」

少しだけこどもっぽく笑う

「ン? 何処? いこウ行コう」

なんだろう?と首をかしげる。
少なくとも、トモダチが行きたいなら拒否する理由はない

織機 雪兎 >  
「あーいや、プラモなんだけどさ」

しかもロボットものではなくて美少女系と言うか。
女神な端末の名を冠した昔から存在する美少女系プラモである。

「行ってもかぎりん面白くないかなーって」

ちらちら見る。

園刃 華霧 >  
「ン。」

なるほど、そこ気にしてたのか。
ほんとさあ、ゆっきーさあ。

「イいよ、イこ。まア、確かにアタシはそうイうの詳シくナいけどサ。
 せっかくダから、教えテよ?」

知らないものは知らない。
ならまあ、知ってみるのも悪くはない。
だって知らないなら、面白くないかもわからないし。

織機 雪兎 >  
「マジ?」

眼が輝く。
オタク特有の布教となると途端に張り切るアレ。

「よっしじゃあ行こう! こっちこっち」

彼女の手をがしっと掴んでズンズン歩き出す。
プラモショップはさほど遠くない。

園刃 華霧 >  
「ン、うン」

妙に瞳が輝いてる。
少し驚いた。

「ッテ、ェ、ァ―……」

ずるずるずる……
勢いに押されて引っ張られていった

織機 雪兎 >  
「ここっ!」

割とすぐ、と言うか同じ通りにあったプラモショップ。
ずるずる引きずったまま扉を潜る。
店長さんが『おやゆっきーちゃんいらっしゃい』なんてフレンドリーに声をかけてくる。

「こんちは! もう着てます!?」

なんて元気に返事すれば、店長さんが示すのは並ぶ棚の一角。
そこにシリーズ丸ごとずらりと並んでいる。

「うひょー!! これこれ!」

手を繋いだまま棚へと。
お目当てのものを取り出し、

「これねー、この会社のオリジナルのプラモでねー、メカ少女プラモなんだよ。各関節の可動範囲がそれまでに出たどんなプラモよりも広くて、最初は耐久に難アリだったんだけど技術の進歩でそれも解決されて、最近はサポートパーツも充実してて自分だけのメカ少女がうんぬんかんぬん」

長文を早口でまくし立てる。

園刃 華霧 >  
「ァー…………」

ずるずる
引きずられて行った先は、プラモショップ。
遠目に見ることはあっても中を見たのは初めてだ。
というか、ゆっきー、常連だな?

「はー……」

ずらっと並ぶプラモの箱を前に、なんとも言えない声を上げる。
なんというか……
こんなにあるんだ、というのが感想だった。

ちょっと圧倒されていると、急にゆっきー講座が始まった。


「ぉ、オう……すごい、ナ……」

半分以上専門用語(?)でわからないことだらけだ。
ただ、ゆっきーの熱意と、なんかとりあえず凄そうなのだけはよく伝わった。
素直に感心する。

織機 雪兎 >  
「――あ、ご、ごめん」

自分ひとりでヒートアップし過ぎてしまった。
しょんぼり。

「え、えーと。かぎりんも作ってみる……?」

プラモは説明してもわからない。
やはりその楽しさを知るには作るのが一番だ。
一番だけど、無理強いも出来ないし。
おずおずと尋ねてみる。