2021/01/08 のログ
ご案内:「学生通り」に妃淵さんが現れました。
妃淵 >  
「さむ…」

北風がご機嫌に吹き散らしている通りを歩く、少女

「…なんか、もっともこもこしたモンでも買おうかな…バイト代はいったら」

少女はバイトの帰り
学生街の方面でもやはりこの時期は寒いんだと痛感する

「(スラムにいた頃は…こんなクソ寒いとき外に出なかったもんナ)」

妃淵 >  
…手袋くらいは、そのうち買うか
そう思いながら、口元に手をやってはーっと白い息を吐く

時期にあわせて、なんでもかんでもモノが要る
それも奪うではなく、勤労し、買い足さなければいけない
面倒といえば面倒だけど、此処で暮らすにはそうしなければいけない、ということは重々わかっている
それができなかったら…あいつの悲しがる顔が目に浮かぶ
それは想像するに大変気分が悪い

「(しっかしみんな寒くないのか?)」

学生とおりはそれなりに人通りも多い
視線を巡らせるとそれなりに…まあ男女で歩いている生徒もいるわけだ

妃淵 >  
さむいね~ きゃっきゃ うふふ
くっついちゃお えいっ ぴとっ わっ やめろよ
いいじゃん いいじゃん きゃいきゃい

「……」

いざ耳を傾けてみると結構、そういった…こう…
苛立つ光景やサウンドがひしめいている気がする

デレッデレしてる隙だらけの彼氏に思いっきり飛び蹴りをかましてドブに叩き込んでやったらきっとスッキリするんだろうな
なんて考えも浮かぶが、自分はまだまだ二級学生あがりの監視対象の身
うっかりでもそんなことををやらかすわけにはいかない

妃淵 >  
「(……ま、いっか)」

他人がどれだけ幸せそうにしてようが
どーせ自分も部屋に帰ったら似たようなことするんだから

……似たようなこと

「……ふふん。よし、今日はそういう方向性でいってみるか」

狼狽するあいつの顔が目に浮かぶ

ククッと悪い小さな笑みを口元に浮かべて
少しだけ早足に、堅磐寮への帰り道を歩くのだった

ご案内:「学生通り」から妃淵さんが去りました。