2021/01/12 のログ
神代理央 >  
まあどちらにせよ、諸々が落ち着いてからになるだろう。
帰ってから片付けなければならない仕事もある事だし――と。
少年は、帰路を急ぐのだろう。

ご案内:「学生通り」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に杉本久遠さんが現れました。
杉本久遠 >  
 放課後の学生通り。
 そこに並ぶ店から大柄な少年が出てくると、店に向かって勢いよく頭を下げた。

「いつもありがとうございます!」

『はは、いいよいいよ。
 毎年大変だねえ、今年は人が集まるといいね』

「はい!
 頑張ります!」

 そうして少年は誠心誠意、感謝を述べると、店の軒先に一枚のポスターを張り付けた。
 それには大きく、『エアースイム常世島冬季大会』と書かれていた。
 

杉本久遠 >  
「――よし、次だ!」

 もう一度、店主に礼を言ってから、ポスターの掲示を依頼している店舗や、マンションなどのリストを確認。
 そして、一番近い店に向かって駆けだしていく。

「失礼します!
 エアースイム大会運営委員の者です!」

 と、明るく力強く挨拶をして、指定された場所にポスターを貼り付ける。
 そしてまた、お礼を言って、店を離れた。

「――ふう。
 えーっと、次はどこだったかな」

 そう言いながら、プリントアウトしたリストを眺めて。
 通り抜けていく冬の風に、体を震わせる。

「だはー!
 今日も寒いなぁ」

 こう冷え込みが続くと、近々、雪でも降るかもしれない。
 一応、温暖な地域に属する常世島だが、最近は南国にだって雪が降るのだ。
 

杉本久遠 >  
「――ええと、次は向こうのマンションだな。
 新しく掲示の許可をもらえたところか。
 くぅー、ありがたいな!」

 大げさに見えるほどの感激――涙を拭うように腕で目を抑えて見せて。
 久遠は携帯端末で地理を確認すると、まっすぐに走り出した。

「うおぉ!
 今日中に学生通りは終わらせるぞ!」

 そんな気合を入れながら。
 寒さに負けない熱を持って駆けまわるのだった。
 

ご案内:「学生通り」から杉本久遠さんが去りました。