2021/02/20 のログ
■雨見風菜 > 「そうですか、お断りします。
それ、神代先輩を侮辱しているとご自覚はお有りですか?」
自分を阿婆擦れと呼ぶのは別に構わない。
だが、『嫌いだと思う』と決めつけてかかるその様は。
神代理央を自分の理想像に決めつけているとしか感じられない。
故に、警鐘を鳴らす内心を押しのけて、笑顔で応える。
「あなたは神代先輩の親御さんではないでしょう?
いえ、親であっても。
付き合いを続けるかどうかは神代先輩の意志であってあなたの判断ではありません」
■比良坂 冥 >
「………?
……どうして?」
自分のお願いが断られた理由がわからない、というように首を傾げる
やや困惑したように移ろう昏い瞳は、決してとぼけているわけでもなさそうで
「……私は理央の親でも家族でもないけど、
誰よりも彼のことを知っているから、それは大丈夫だし。
貴方に理央のことを語られたくないの、そんな汚いお口で。
理央は優しいから、嫌でも嫌って言えないんだよ。
だから私が代わりにこうやって、ばい菌から守ってあげなきゃいけないの。
私が彼を侮辱しているように聞こえるのは、貴方が何も知らないから。
貴方こそ、聞かれたこと以外で理央のことを口にしないでね。
それとももしかして私から理央を取ろうとしてる…?
そういうことだよね、私のお願いを嫌だって断ったんだから。
違うなら、別に構わないもんね。
厭らしい…何を考えて彼に関わりたいと思ってるのか知らないけど…」
連なるようにして吐き出される言葉は途中から暴言を越え、呪詛へと変わる
往来の他の人間も冥が発しはじめた異様な雰囲気に勘付き、遠巻きに眺める者が現れはじめた
■雨見風菜 > 風菜は、基本的に温厚である。
そんな風菜でも、今目の前の少女の身勝手な言い分には腹が立ってきた。
嫌な予感とかそんな者知ったことか、知人を好き勝手されて黙っていられるか。
風菜は子供である、後先考えずに突っ走る。
「知ってるから大丈夫なんて屁理屈も良いところですね、それこそあなたが決めることではありません。
嫌なら嫌と言えない?御冗談を、説教されたと言ったのは聞こえませんでしたか。
寧ろ他人をばい菌扱いするような不道徳こそ嫌がるんじゃないでしょうか、まあ嫌がっても注意するくらいでしょうが。
神代先輩を取ろうとしている?
今私に関わりに来ているあなたが私を好きだって言うんですか?」
こちらは笑顔を崩さず、皮肉まで交えて。
■比良坂 冥 >
「……どうして貴方が理央のことを勝手にしゃべるの?」
昏い瞳は更に闇色に落ちてゆく
そもそも少女…冥は会話をしに来たのですらなかった
一方的に情報を聞き、一方的に要求を押し付ける
そのためだけに、接触した
故に、既に風菜の言葉など一切耳を傾けるつもりもないのだった
「……もういい。お願い聞いてくれないなら、
もう…近づけないようにさせなきゃ……
近づけないように……近づけない、ように……」
風菜に向けた言葉ではなかった
俯き、視線を地面に落としてブツブツと小さく、零すように
■雨見風菜 > 話を聞いていない。
つまり口喧嘩をしに来たわけではない。
となれば長居は無用、寧ろ嫌な予感はここから当たるのだろうか。
そう素早く判断した風菜は、『糸』で後方上空へ。
矢のような速さで10m、視界から離れるまで油断はできない──
■比良坂 冥 >
ゆっくりと視線を持ち上げ、上空へと飛び上がった風菜を追う
全てを飲み込むような昏さを持つ瞳は、空の青さや風菜の姿すら映していない
「………」
ゆっくりと、自身の首へ
異能抑制用の黒いチョーカーへと、右手の人差指をかけた
■雨見風菜 > 少女から視線を外し、虚空のなるべく遠く、特徴的な建物を目標点に空間転移を起動。
一瞬で、大きく距離が離れ……そのまま空中に自分を固定。
元の場所から大きく離れたことを確認して。
「……ここまで飛んできたらどうしようもないんじゃあないでしょうか」
多分1kmほど距離は取ったはず、とはかなり大雑把な感覚で。
最悪、亜空間に逃げ込むという手もあるが果たして──
■比良坂 冥 >
──制限のついたままの状態では異能の力は大きく制限される
元々が強力無比な強制力をもつ冥の異能…『イル・センス』
抑制された上でもその数%の力は、発揮される───が
「……」
チョーカーから、指を離す
外せば風紀委員への連絡が入る
そして今のの状態で行使できる異能の力では、1km先への望遠は不可能だった
「……お願い、聞いてくれると思ったんだけどな」
ぽつりとそう零して、くるりと踵を返し学生街の雑踏へと姿を消した──
ご案内:「学生通り」から比良坂 冥さんが去りました。
■雨見風菜 > しばらくその場に留まり。
何もないと確信を持ってふう、と胸をなでおろす。
「……何も、無いようですね。
さーて、どうしましょうか……録音してればよかったですね」
果たして、この件を神代理央に告発したとして信じてもらえるだろうか。
無理そうな気はするし、そもそも告げ口めいたやり口を嫌がりながら自分でやるというのも憚られる。
証拠があるならまだしも、とっさのことなので録音もできていない。
「ま、なるようにしかなりませんよね。
怖い怖い」
そう呟き、今日のところは帰路につくのであった。
ご案内:「学生通り」から雨見風菜さんが去りました。