2021/10/21 のログ
ご案内:「学生通り」に矢那瀬陽介さんが現れました。
矢那瀬陽介 > ゲームセンターから出れば外は夜の帳が降りて暗く。外灯と店の明かりが爛々と輝く様が見える。
入ったときとは一転して寒々しい光景に思わず震える肩を双腕で抱いてそそくさと歩き出した。

「寒っ、遊びすぎたかな。まだ夕食の買い物も済ませてないのに」

腕時計が差す時刻はとっくに夕餉の時間は過ぎてることを伝えるのに顔を顰めつつ。
取り出したスマホで必要なものを見ていく。何処で買い入れようかと悩む最中も
夜風が冷たく背筋を押していく。

「シチューでも作ろうかな。というか今すぐ温かいものが食べたい。
 外食で済ませようかな。どうしようか」

悩む思考と合わせて足並み乱れて宛もなく学生通りを進み始めた。

矢那瀬陽介 > 食指唆る焼肉店の香、温かな室内で団欒する家族が見えるファミレス、通り過ぎる度に見える魅惑の光景に
灯をもとめる蛾の如く彷徨い歩く。その度に財布を開いて溜息を零す所作を飽くことなく続け。
結局選んだものは――

「温かい」

自動販売機に売られているコーンポタージュスープの缶にプルタブを掛けていた。
一口一口、舐めるように口をつけて、咽喉に流れ込む温かさには、と吐息を零していく。

「外食はお金がかかるから節約しないと。
 代わりにちょっと距離があるけれど安売りのスーパーで材料買って具だくさんのシチューを作ろ」

両手に抱えた缶に語りかけて、また一口

矢那瀬陽介 > 舌を大きく出して缶から最後の一滴まで飲み干した後は
屑籠に缶を放り投げて学生通りから消えていった。

ご案内:「学生通り」から矢那瀬陽介さんが去りました。