2021/12/07 のログ
ご案内:「学生通り」に佐藤四季人さんが現れました。
佐藤四季人 >  
コンビニの裏手。
メンソールの煙草をくわえて、ジッポーライターを擦る。
カチャ。カチャ。カチャ。
火は点かない。

カチャ。カチャ。カチャ。
ああ、退屈だ。夜にダスクスレイの仮面を被っている間はあんなに楽しいのに。
佐藤四季人として日常にいる間は退屈で死んでしまいそうだ。

カチャ。カチャ。カチャ。
まだ火は点かない。
早く夜にならないものか。
夜になれば。人を殺し、金を奪い、風紀を嘲笑うのに。

カチャ。カチャ。カチャ。

佐藤四季人 >  
カチャ。カチャ。カチャ。
こんな風に時間を潰す間に何ができる?
30分あれば何人殺せる?
1時間あれば何百万奪える?
退屈だ、授業なんて受けたくない。
単位を取る必要………あるのか…………?

カチャ。カチャ。カチャ。
ジッポーライターにオイルを入れたのいつだっけ?
そんな昔のことを考えていられない。
刺激が。刺激が欲しい。
また適当に女でも抱きに行くか?
それがガキを殺すより刺激的であればいいんだが。

カチャ。カチャ。カチャ。

「ああクソッ!!」

ジッポーライターを通りに投げ捨てる。
通行人共がこっちを何事かと振り返る。
見るな、畜群が!! 殺してやろうか!!

佐藤四季人 >  
焦燥感でおかしくなりそうだ。
今の僕は血走った目をしているに違いない。
どいつもこいつも平和ボケした顔をして歩いていやがる。

この僕が虚空を抜けば貴様らなんて惨苦の中で殺してやれるのに。

ああ。ああああ。ああああああああ。
退屈だ。退屈だ。退屈だ。
誰も彼も狂っている。
正しいのは僕だけなんだ。

こんな日常で笑っていられる奴らの異常性に、何故誰も気付かない!?

佐藤四季人 >  
睡眠薬でも買うか。
しっかり眠れば夜が来る。
夜が来れば僕の………いや、私の時間だ。

ポケットに手を突っ込んで自宅への道を歩き出す。

そこにはある。私の信じるたった一本の刀剣が。
寒風が吹く中を、早足に去っていった。

ご案内:「学生通り」から佐藤四季人さんが去りました。