2022/01/09 のログ
ご案内:「学生通り」に桃田舞子さんが現れました。
■桃田舞子 >
ホイッスルを吹きながら慎重に大型車両を誘導する。
今日は交通誘導。
今日も? かな………
私にはこうやって交通部として日常を守るという大切なお仕事がある。
それが今は誇らしい。
通信機を手にとって後輩をカバー。
「絶斗くん、集中力切れてるし飲み物休憩していいよ」
「大丈夫、あと1分でミーちゃん(井上ミドリ)が戻ってくるし」
「ここは私に任せて先にいけー」
笑いながら後輩を休憩させる。
夕方。交通量も大分減ってきた。
平和だな……でも、平和がいい。
■桃田舞子 >
風がそよぐ。
寒風だけど。
太陽が煌めく。
日差し弱いけど。
ダスクスレイを追っていたのは、私にとって分不相応だった。
だから、今の私にできることを。
交通誘導をする人がいなかったら、混む時間帯なんか大変だ。
だからこれでいい。今はこれがいい。
■桃田舞子 >
通信機に連絡が入る。
「はーい、ミーちゃん? って本部からですか失礼しました」
「はい………はい?」
通信機に縋るように両手を添える。
「えええええええええこっちに暴走族の車両が一台来てるぅぅぅぅぅ!?」
そ、そんな!!
日常を守るって決めたのに!!
私モブなのに!! こんなことがあっていいはずがない!!
「それじゃ私は避難誘導をしますね……」
「ほ、捕縛ぅぅぅぅぅぅぅぅ!? 無理ですよ、バイクを止める装備もないのに!!」
お、おかしい……話の流れがおかしすぎる………
■桃田舞子 >
夕方に走ってる暴走族かぁ。
なんだろう、最近勢力を伸ばしてきた無礼怒(ブレイド)かなぁ。
それともやりたい放題で有名な殺火輪(サッカリン)かなぁ。
怖いね。ははは。
「可及的速やかに増援を寄越してくださいッ!!」
通信機を揺さぶりながら叫ぶ。
ちょっと待って、本当無理だから!!
「間に合わない? そんなぁ!!」
「無理ですって本当無理だから無理無理無理です無理なんですぅぅぅぅ」
なんか遠くからバイクの音が聞こえてくる!!
ご案内:「学生通り」に白銀 隼人さんが現れました。
■白銀 隼人 > 「ふわァ…ねむ…」
ギザ歯を見せ、目尻から雫を零しながら大きくあくび。
今日もつまらない学校をサボって、ウロチョロと楽しいことが無いかと歩き回っているわけだが
当然、そんな簡単に面白い出来事に遭遇するはずもなく、退屈そうに通りを歩いていた
…ら、風紀委員の腕章を付けた女の子が騒がしく通信機に向かって吠えている。
暴走車両?捕縛?
何だか、自分好みの単語が沢山出てきているような…
「何が無理なんだ?」
少女の方にぽんっと手を置いて、ニヤニヤしながらそう問いかける。
耳を澄ませば遠くからバイクの音。
なるほど、つまりはそういう事か。ちょっとばかし、暇が潰せそうだ。
■桃田舞子 >
「ひゃああ!」
急に肩に手を置かれ声をかけられて驚く。
振り返ると、なんとも背の高い男性。
白銀の長髪、煌めいて………
青い瞳は好奇心旺盛という感じに私を見ている。
ってそれどころじゃない!?
「こ、ここに来るんですよッ! 暴走族の車両が!! バイクが一台!!」
「だから危ないんです、避難してください、本委員はこれより迎撃と捕縛の……」
「無理だー!!」
叫んでるうちに音が近づいてきた。
やばいやばいやばい!!
■暴走族『殺火輪』 速攻のヤス >
速度超過も甚だしいスピードで突っ込んでくる!!
■白銀 隼人 > 「うおォッ!?こっちまでビックリするじゃねェかバカ!」
少女の驚いた声に合わせてこちらもビクッと肩を跳ねさせる。
この驚きようは…自分の存在が目に入らないくらい切迫していたという事だ。
風紀委員でも手に余る事件。これは期待できる。
少女の説明を聞いて、なるほどなるほど、と嬉しそうに頷く。
そして、音が鳴る方を見れば、スピードを出して突っ込んでくる暴走バイクが一台。
このコースは自分もろとも少女を轢こうとしている、と悟れば―――――――――――
―――――――――――――――――――――――‥‥
――――――――――――――‥‥
――――――――…
全ての動きがスローになる。
焦った少女の顔の動きも、暴走バイクの走行も。
鳴り響くエンジン音も、何もかも。
「あー…暴走車両ってコレかァ~」
スローの世界で彼だけが普通に歩いていて、暴走バイクの運転手の顔を覗き込む。
その後、少女とバイクを交互に見て、ため息を吐けば、まずはバイクから運転手を引きずり下ろす。
運転手をこれまた見つけたロープでぐるぐる巻きにして、拘束し、少女の足元に。
そして、バイクの方はキーを回してエンジンを切り、ハンドルを持って主導権を握る。
慣性をこちらで制御して、少女の真横にバイクを停めれば、頭をポリポリ掻いて自分が元居た場所へ
そして―――――――――――
――――――――…
――――――――――――――‥‥
―――――――――――――――――――――――‥‥
世界の動きが元に戻る。
突如少女の近くに現れる拘束された犯人と暴走してたであろうバイク。
なんだ、この程度だったかと言いたげな顔で大きくあくびをして。
■桃田舞子 >
「ごめんなさーい、バカじゃないですぅー!!」
謝罪と抗弁をしながら腰の刀に咄嗟に手をのばす。
ええい、ままよ。
後は野となれ神話となれ!!
振り返りながら迎撃に姿勢を低くする。
と。
終わっていた。
えっ!? なんで!?
状況が終わってるー!?
「へ……?」
交通整理用の黄色と黒のカラーリングのロープでぐるぐる巻きにされた犯人?
いかにもな長く尖ったマフラーをした、ビビッドなカラーリングのバイクが停車されてる?
え? え?
「……えっ?」
わからない!! 理解を超えている!!
この人が異能を使ったのかなぁ!?
■暴走族『殺火輪』 速攻のヤス >
「はい?」
こっちも理解できてなかった。
■白銀 隼人 > あくびをした後に大きく伸びをする。
やっぱり退屈だったとつまらなそうなカオをしていたら
少女と犯人が何が起こったかわからないといった表情を受けべている。
自分がやった、と言ったら色々面倒だし、ここは一つ花を持たせてやるか…
「コホン、俺は見えてたぜ!風紀委員の嬢ちゃんが超スピードで犯人をひっ捕らえて、捕縛している瞬間をよ!!」
咳ばらいをした後に、早口で困惑している犯人と周りの人、そして少女に説明をする。
犯人、バイク、そして少女の順に指さして、周りの人々に少女が活躍したという体で何が起こったか説明する。
そして、説得力を持たせるため周囲の目線が自分から外れた瞬間に異能を発動。
目にも留まらぬスピードでバイクのキーを抜いて少女の手に握らせる。
「ほら!ここに犯人が使ってたバイクのキーもある!
嬢ちゃんが止めてくれたんだよな!?」
少女の手を取って、試合に勝ったボクサーのように手を挙げさせる。
周りから「ありがとうー!」「助かったよ!」という声が少女に集まるだろうか。
■桃田舞子 >
あっという間の早業で。
私の功績になってしまう。
あ、この人だ!! やったのこの人だ!!
「そ…………」
「そげんこっがあるとや!?」
思わず方言で『そんなことがあるの!?』と言ってしまう。
でも引っ込みがつかないので死んだ目で感謝の言葉を受け取る。
「あ、あの……」
小声、かつ半泣きで制服の男性に声をかける。
「犯人逮捕、ご協力感謝いたします……」
ひょっとしたら私と同じ異能かも知れない。
けど規模が半端無い!!
■白銀 隼人 > 少女の功績に無事なったようで満足そうにして
パッと手を離して、クレープでも食べに行こうかと考えて歩き出そうとすれば
「そげ…?」
方言で驚いた声を出した少女に目を丸くする。
聞いたことのない言葉に驚いていれば、気付けば少女が半泣きになっている。
何で称賛されているのに泣きそうなんだコイツ?
「…ま、アンタは気付いてるか、流石に。
別にいーよ。退屈だったしなァ~」
自身も小声で、そのように返答する。
犯人を確保する瞬間もつまらなかったが、少女をヒーローとして祭り上げている瞬間。
その瞬間だけは楽しかったと三日月の笑顔を作り出して
■桃田舞子 >
「いや退屈紛れでやったんですか……」
べそべそ。
私みたいなモブには人から称賛されるのは心的ストレスが大きすぎる。
まして、自分がやったことでもないことでッ。
「なんか妙にいい笑顔ですね……」
地面に流れてる汚水などを濯ぐために用意されている
洗剤の入ったペットボトルを取り出す。
「違ってたらごめんなさい」
液体の洗剤を真上にぶちまけて。
落ちてくる洗剤を加速異能を使うことで
認知を加速、全部ペットボトルに戻した。
「同じ異能ですよね」
へへ……とちょっとした芸を見せて笑った。
■白銀 隼人 > 「クク、まァな、今日は一日中つまらなかったからな
ちょっとだけ面白かったわ」
べそべそする少女の泣き顔がなんだか滑稽で、笑いながらそう答える。
やっぱりこういう女性を揶揄うのは楽しい。
「クハハ、そうかァ?」
人によっては不気味と感じるであろう笑顔。
サメのようなギザ歯を見せながら笑っていたら、洗剤の入ったペットボトルを取り出されて
その中身が真上に舞い上がった後に、自由落下する液体を全てペットボトルに戻す様子を披露される。
「へーちょっと速いじゃんか」
パチパチと拍手しながら、感心したように声を上げる。
久しぶりに同系統の異能を持つ人に出会えたと興味深そうに彼女を見つめる。
これは、磨けば自分と同じくらい速くなるのでは…?と顔をどんどん少女に近づけて
■桃田舞子 >
「ちょっとだけ……」
視線を暴走族のなんか誰かに向ける。
ちょっとだけの楽しみで捕縛されたひと……哀れ。
歯が尖そうだなぁ。
とか思っていると顔を近づけられる。
「あ、ちょ、近いです、近……」
慌てて後方に逃れて。
「ただの身体加速α型異能の類型ですよ」
「異能の名前もただの身体加速(アクセラレイター)だし…」
本当はもっとかっこいい異能の名前が良かった。
けど、お父さんとお母さんが私の異能が判明した時点で届け出を出したのだから仕方ない。
当時、4歳だった私になんの抗弁ができよう。