2022/01/10 のログ
白銀 隼人 > 「あァ、ちょっとだけな?」

自分も少女と同じように視線を向ける。
しょうがない。捕縛されたくなければ暴走しなければよかったのだ。

「クク、悪い悪い」

慌てて下がる少女に、初心だな、なんて思いつつ口に手をやって笑う。
こういう少女は個人的に好みだ。何故なら一緒に居て退屈しないから

「アー、そのアルファ型なんとかっつーのは知らねェけどよ
 ようはアンタも速くなれんだろ?今見せたのが最高速か?」

異能の類型とか、ステージ論とか、まともに授業に出ているわけないから知る由もなく
単刀直入に今見せたスピードが限界かどうか聞く。
もっと速いスピードが出せるならば競争したい、とちょっとだけ闘争心が燃えて

桃田舞子 >  
悪いとあんまり思ってなさそうな『悪い悪い』だったなぁ。
そんなことを考えながら咳払い。

「まだ先はありますけど……」
「でもあんまり使ったことなくて」

「交通部、ですし……荒事するタイプでもないので…」

そんなことを告げる。
自分の異能にもセカンドステージがあるのかも知れないけど。
少なくとも私には無縁の話だろう。

「不慣れなので足回りを保護してないと危なくて使えない感じです」

脚甲を撫でて、曖昧に笑った。

白銀 隼人 > 「はァ?異能を使わねェだァ??」

少女の言葉を聞いて、またも顔を近づける。
今度は笑顔ではなく、眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔。
やっと自分と同系の異能に会えたのに、あまり使わないと来た。

その発言に落胆したようにため息を吐いて

「足回りねェ…足技の訓練とかしてりゃ、異能を使ってるときに転ぶなんて事あり得ねェんだけどな…」

脚甲を撫でる少女に頭を抱えてそのように返す。
なんだろう、いや、自分が可笑しいのだろうか。
もしかして、加速する異能を使って転ぶことを危惧しているのか、この少女は?

「よォーし決めた。
 お前、異能のセカンドステージ?って奴になれ」

ビシッと少女を指さして、そんな勝手なことを言い出す。
自分と張り合えるかもしれない逸材。それを逃すなんてことは絶対にせずなんなら育てよう。そんなことを考えていて

桃田舞子 >  
不機嫌そうな顔を近づけられるとピャッと小さくなる。
あれ、なんか地雷踏んだ?
ど、どういう心の機微?

「足技………」

足技ってなんだろう。
落ちてる靴下を足の指で拾うことだろうか。
はしたないからやめろとお母さんにはよく言われた。

「ええええええぇ!? セカンドステージぃ!?」
「むむむ、無理ですよ! 私ほんとう、モブなんで!!」

人に言われたら怒るのに都合のいい時だけモブを主張する。
そんなことだってある。

白銀 隼人 > 「そ、足技。蹴ったり、走ったり、跳んだりの訓練は風紀じゃしねェ感じ?」

ピャッと小動物のように小さくなる様子にため息を吐いて
とりあえずは圧を掛けないように顔を離す。
この様子…どうやらこの少女は、所謂、『宝の持ち腐れ』をしているようだ

「うっせーバカ!やろうとしてないのに無理って言うんじゃねェ!」

こんなナヨナヨした風紀委員は初めて見た。
自分と同系の異能を持っているだけに他人事では片付けられず
その態度にちょっとイラっとして、少し大きな声で怒鳴りつけてしまい

「ってかお前、自分で自分の事モブって言ってんじゃねェよ
 お前の人生の主役はお前だろーが、最高の異能持ってんのにガタガタ抜かすな」

腕を組んで、イライラした様子で説教。
一応、成人済みという事もあって、言葉そのものには重みが少しあるだろうか。
ちょっといい方は荒っぽいけど。

桃田舞子 >  
「歩法と跳躍は戦闘向きの異能者の訓練で少し」
「蹴ったりは……風紀式近接格闘術の教練で少し…?」

少ししかやってない!
そしてこの人、またバカって言ったー!!

「バカじゃないですぅー!! や、やろうとって…」
「進化させようとしたら異能って進化するんですか!?」

怒鳴られるといよいよもって泣きそうだ。
でも、その次の言葉は。
不思議と自分の心を打った。

私は自分がモブだからって色んなことを諦める理由にしてきたように思う。
でも、そういうのはもう……脱却しないといけないのかもしれない。

「わ、わかりましたよ……」
「それじゃよろしくお願いしますね、師匠?」

勝手に師匠認定。
それくらいはいいでしょ、こんなにズケズケとした物言いされたんだから。

白銀 隼人 > 「少ししかやってねェんじゃん
 お前何のために風紀委員やってんの?」

初対面で名前も知らない相手にズケズケと無神経に色々言う男。
常識的に考えれば普通の事ではないが、そもそも彼自身、学校をサボるわ、異能は使いまくるわで
所謂、不良に分類される輩だ。常識を求めてはいけない。

「うるさいバカ!
 異能は筋肉と同じで使えば使うほど強くなるんだよ!多分!!」

正直、異能の進化論なんて良くは知らない。だから自分が強くなった方法を彼女に試そうと考えている。
まぁ、それが少女に適用できるかは分からないから、多分を付けておこう。

「シショー…あァ、そういう事になんのか…
 言っとくけど、俺の指導はめちゃくちゃ厳しいぜ?」

急に師匠呼ばわりされて、目を丸くする。
頭を掻いて、一瞬間を空ければニヤリと笑って、少女を見据える。

これは……面白いことになってきた。

「あァー、そうだ
 ハヤトだ。白銀 隼人。3年だ。
 よろしくなーモブ子ちゃんよ?」

手を差し出して、自己紹介。
更に煽るように少女をモブ子呼ばわりしてみる

桃田舞子 >  
「交通整理のためです!!」

決して戦闘のためではなく!!
そして交通部としてやるべきことはやっています!!

「そんな無茶な………!」

日常でも使い所がない異能をトレーニングでステージを上げようと!?
そして異能を使いすぎると筋肉痛が出るので実質ダメージは筋肉……!

「厳しいなら、厳しいなりに頑張りますとも」

相手の手を取って、握手。
べー、と舌を出して。

「私には桃田舞子って名前がありますぅー」
「二年生です、よろしくお願いします」

そうこう言ってる間に風紀のガチンコな人たちが来て。
暴走族の人はあっという間に風紀車両にブチ込まれていった。

……私にもできるのかなぁ。異能の進化。

白銀 隼人 > 「交通整理……はァ…そうかァ、偉いねェ…」

何をコイツ自信満々気に言ってんだ、と
眉間に皺を寄せて微妙な表情をする。

「クク、無茶じゃねェよ。
 俺が成功してんだ。優等生の風紀委員チャンならヨユーだろう?」

胸に手を当てて、怪しく笑いながら言い放つ。
理論的な異能の授業や訓練も受けずとも、我流で異能を伸ばすことは出来る。
現に自分は、異能を使っていたら、少しずつ、少しずつだが…周囲がだんだん遅くなっていったのだ。

「クフフ、期待しているぜ」

べーっと舌を出す様子に
自分も握手をしながらあっかんべーをする。

「オウよ、よろしくなモブ田モブ子」

ニヤニヤしながら更にいじって、突如風紀のガチンコの人が現れればビックリしながら目を開く。
自分も完全に白い人間ではないからこういう手合いはヒヤヒヤする。

その後は自分の弟子とアドレス交換でもして、嬉しそうにその場を後にした。
トレーニングメニュー、考えよ。

ご案内:「学生通り」から桃田舞子さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から白銀 隼人さんが去りました。