2022/05/09 のログ
ご案内:「学生通り」にセレネさんが現れました。
セレネ > 青い日傘を差し、通りに面している店の一つの前で立ち止まる。
甘い花の香りが漂う、様々な色の花が咲き誇っている花屋。
…そういえば、昨日は母の日だったか。

『…今年の贈り物はなんだったのかしらね。』

昨日の名残りか、まだカーネーションは置かれたままだ。
悲しそうな、寂しそうな。何とも言えない感情を蒼に湛え、花達に蒼を向ける。
この花達の傍に居れば、己の纏う香りも紛れて分からなくなるのかしら。
カーネーションだけではなく、赤や白、オレンジのローズもある。
色鮮やかなそれらは、どれを取ってもプレゼントとして適しているのだろう。

セレネ > 己は花にはあまり詳しくはないから、有名どころの花以外の名前を見てもあまりピンとはこないものの。
色素の薄い蒼でもどの花も綺麗に映る。
きっと大切に育てられたのだろうという事は十二分に分かるくらい。

『大切に育てられた子が綺麗になるのは、花も動物も人も同じなのね…。』

花の一つをそっと片手で撫でる。
品物である花に触れるのはあまり良くない事だろうが、綺麗なものはついつい触りたくなってしまうから。
折角寄ったのだし、何か一輪でも花を買おうか。
贈る相手は居ないから、自分用になるけど。

セレネ > 色んな花に目移りしてしまう。けれど、やはり己に合うのはローズだろう。
白い色のローズを一輪、手に取る。
月の女神の名を冠したホワイトローズの品種があるのは知っている。
それもあってか、白いローズも好みだ。

「――すみません、これを一つ頂けますか?」

ローズを手に、店の中に入って代金を支払い包んでもらう。
さて、どこに飾ろうか。考えながら花を一つ持って寮へと帰るとしよう。

ご案内:「学生通り」からセレネさんが去りました。