2022/07/28 のログ
ご案内:「学生通り」に崩志埜 朔月さんが現れました。
■崩志埜 朔月 >
(洗剤、ボールペン……それから――)
学生街の片隅のコンビニエンスストア。
日中とは曲調の違うBGMが流れて、ちょっとだけ静かな時間がそこにはあります。
期末の時期も終わり、学生たちは思い思いに夏休みを過ごすのでしょうか?
島外への里帰りや部活に精を出す子。
友達との泊まりでお出かけなんかも、折角ですし経験して欲しいですね。
あとは……あまり考えたくはありませんが、補習の予定もたんまりと。
リストに載っていた子達はちゃんと来てくれるでしょうか。
「あら……」
レジの下、値札の上張りされたわらび餅が目に入ります。
それを見てくぅ、と鳴るのは他ならぬ夕食を後回しにされ続けた私のお腹。
……いえ、空腹を埋めるのにわらび餅は不要でしょう。
不要、なのです。鋼の意思で目を逸らしましょう。
■崩志埜 朔月 >
「ん、新発売ですか」
ほう。
いえ、違います違います。ほうではなくて。
逃げるように視線を逸らした先には手書きのポップの山。
ひと際目を引くのはラムネとレモンのゼリーの涼し気な色味のあるフルーツポンチ。
透明感があって、綺麗で可愛らしい。
そんなデザインなのですが、見た目だけでなくてちゃんと美味しそうなのも素敵です。
あぁ……。
右を見ても左を見ても誘惑が立ち並んでいました。
下を見たらホットスナックお値引きのお知らせ。
お買い物に出る際にはお腹を満たしてから。
いつか聴かされた教えを守らないからこうなるのです。
夜更けも夜更け、深夜です。
こんな時間に何かお腹に入れるだなんて言語道断。
■崩志埜 朔月 >
ありゃーとぉざっしたー。
ありがとうございました。それを砕きに砕いた響きを背に受けながら。
入口の自動ドアをくぐります。
手の中にはビニール袋。
中には予定に無かったノートが数冊。
いえ、いずれにせよ後から買う事になる物ですから、良いのです。
底の方にあるフルーツポンチの煌めきからは眼を背け。
沢山買った中に混ぜてしまえば罪悪感のような物も薄れようという物で。
いえ、何も今日頂く訳ではないのですから。
何もやましい事なんてありませんとも。
えぇ、えぇ。
そうして歩む帰り道、どんよりとした日が続いたここ暫くの中、
乾き切らない湿り気の残るアスファルトの白線の上を歩いて帰りましょう。
ご案内:「学生通り」から崩志埜 朔月さんが去りました。