2019/02/03 のログ
ご案内:「商店街」に縹さんが現れました。
■縹 > 夕方でも賑わう商店街。
日が落ちるのが早く少し寒くても、買い物の時間になると人はそれなりに多くなる。商店街を入って少し歩いた先、右手にある焼き鳥屋は美味しくてお気に入りだ。
「えっとじゃあ、今日はつくね! つくねにします」
ここの焼き鳥屋のつくねは、スタンダードなタレつくねと、しそを練り込んだしそつくねがある。
少女は暫くメニューをじっと眺めて、どちらにしようか悩んでいるようだ。
「……決めました。しそつくねにします!」
数秒悩んで、今日はしそにした。100円玉ワンコインで食べられるリーズナブルなつくねは、学生にはとてもありがたい。
■縹 > 放課後は大体図書館か、商店街でぷらぷらと食べ歩きをするのが日課のこの少女。焼き鳥屋の看板娘でもある、このおばあちゃんともすっかり顔馴染みだ。
「えへへ、ありがとうございます。では、おばあちゃん。また来ますね」
焼鳥を渡す前にもう一度軽く炙ってくれるので、香ばしい匂いと煙が立ち込める。
幸せな香りに表情を緩ませて、あったかい焼き鳥……ではなくつくねを片手に商店街を歩く。
今日は何を食べよう。
豚肉が安かったらカレーにしようかな。
呑気に夕飯のことを考えながら、つくねを一囓り。お店自慢の秘伝のタレはかかっていないが、ほんのり塩味がきいて紫蘇のすっきりとした味わい。そこにつくねのやわらかさと香ばしさが広がっていく。
これは間違いなく絶品だ。
思わず「おいしいですー」と人通りも多いのに、頬っぺたをおさえてにっこり。
ご案内:「商店街」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
■縹 > 試験ももうすぐ始まるというのに、今日は勉強する気にもなれず。
夕暮れ時の商店街をぷらぷらしていた。
たまにはこういう息抜きも大事、とっても大事。
そう言い聞かせてつくねを頬張る。
「あっ! ぶちおさん!」
路地裏で毛繕いをしていた牛猫を見つけて駆け出す。
白と黒の牛猫で、鼻にぶちがあるから『ぶちおさん』……恐らく、この少女が勝手に付けた名前だろう。
「こんにちは。今日も素敵な毛並みと、渋い顔立ちですね」
まるで顔馴染みに会ったかのような挨拶。猫相手にお辞儀をして、路地裏にちょこんと座り込む。牛猫は目を閉じたまま、石のように動かない。恐らく縹の声も聞いてないようにも見える。
■水無月 斬鬼丸 > 授業も終わり小腹がすいたとなれば、商店街や歓楽街をうろつくのが学生の常。
少年もまたその学生の一人。
友人や彼女がいない…そこさえ目をつぶれば一般的な学生の放課後の、あるべき姿と言えよう。
肉屋で買った揚げ物の袋を下げて、適当にプラプラ。
「…うめぇ」
カリカリと骨付き鶏肉をかじる少年は、のどかな商店街をみてまわるのだが…
なんか一人で騒がしい女の子がいる。
「賑やかなやつだなぁ」
あれくらいひとり上手であれば、自分ももう少し楽しいだろうに。
■縹 > 路地裏にしゃがみ込んだ少女は、今日あった出来事を地蔵のように動かない牛猫に話している。
当然猫は猫である故に、返事もしなければ、相槌もしない。人間ではないのだから。
「でも、もうすぐ試験ですからね。明日からは本気を出します……うん。フライドチキンですねこの匂いは!」
勢い良く立ち上がって、匂いのする方向を探す。
こんな腹の空く時間に、こんないい匂いがするものを食べるとはまったくもってけしからん。けしからんが、この匂いはとても幸せになれるのだ。
「あ」
思わず声が出る。
匂いの主は今まさに、骨付き鶏肉を美味しそうに頬張っていた。
■水無月 斬鬼丸 > 猫と話す少女の姿。
そういう異能なのか、割とゆるい娘なのか。
はたから見てると少し不安になってくる。
そばを通り過ぎようとしたその時…なんか、こっち見た。
「え?」
こちらも思わず声が出た。
骨だけカリカリしつつ、次の揚げ物…肉屋の絶品コロッケに手を伸ばそうとしていたから。
これは…まずいのではないだろうか?
■縹 > やや細身の少年を見て、そんなに油っこいものばかり食べて大丈夫だろうか――と思いつつも、次の言葉は違っていた。
「そこの少年くん! その骨、食べ終わった骨でいいので、縹にいただけませんか?」
跳ねるように路地裏から飛び出し、少年に近付く。
少年がまさに取り出そうとしたコロッケではなく、何故か食べ終わった骨を欲しがる。もしかしたら骨マニアなのかもしれない……が、眼鏡を掛けた少女は「捨てるのでしたら、ぜひ!」と人懐っこい笑顔を見せた。
■水無月 斬鬼丸 > 「はぁ?」
え?なんで骨?
しかも食べ終わったやつでいいとかどういうことだ?
当然のように混乱する。何を言っているんだこの少女は。
骨マニアとかそういう問題ではない。
無論当然、こう返す。誰だってそうする。
「え?なんで…?」
しかもめっちゃ笑顔だし。そんなに骨が好きなのだろうか?
■縹 > 当然のように困惑する少年に、きょとんとした顔をする。
「何でって……大好きだからですよ」
頬をほんのり赤く染めて、それはそれは嬉しそうに笑う。端から見たら変質者極まりない発言だが、少女は気にした風はなく。
「これがあるとないとでは全然違うんですよ。何てったって大好物ですからね、ぶちおさんの――あぁあ! ずるいですよ少年くん!」
少年の足元にふわっとした温かい何かが、すりすりと擦りついているだろう。白と黒の牛柄。鼻のぶちの大きい目付きの悪い猫が、少年を見上げて「のぅわん」と低く鳴いた。
甘えているのかすりすり、すりすり。
少年の足をくるくると回って、太いしっぽを立ててこちらもすりすり。
■水無月 斬鬼丸 > 「えぇぇ…」
大好きって何が?骨が?何この子怖い。
よくよくみれば元気があって可愛い少女なのかもしれないが
流石に言動があまりにもあまりで困惑しかない。
のだが、話を聞けば変な名詞が出てくる。ぶちおさんとな?
「ぶちおさんって…こいつ?」
脚にまとわりつく目付きの悪い猫。
しゃがみこんで撫でようと手を伸ばしつつ、咥えている骨をぴこぴことさせて。
大好物って、こいつのだろうか?
■縹 > 少年が咥えている骨をぴこぴこと動かせば、この牛猫も「ぬわぁん、ごわぁん」まるで雄叫びのよう。
目付きも悪くて鳴き声も可愛くないが、少年が手を伸ばせばおとなしく撫でられている。ごろごろと喉を鳴らして、掌や手首まですりすりとやわらかな体を擦り付けた。
「…………ひ、ひどいですぶちおさん。通い詰めている縹よりも、初対面の、この少年がいいだなんて」
しゃがみ込んだ少年の背後から、少女の震え声。
昼ドラの安い台詞さながらの言葉を吐いて、少女はがっくりとうなだれた。
■水無月 斬鬼丸 > え、なになんなの?オレが悪いの?
ちょっとブサい猫をなでつつも、うなだれる少女を見れば少し気の毒にもなってしまう。
撫でるのをやめて少女に骨を差し出す。
何だこの絵面。
「えー、その、なんだ。ぶちおがこっち来たのってのはあれ、骨のせいだろ?
やるから変なこと言うなよ」
少しずつ困惑状態から脱していく。
いい加減次の揚げ物に手を出したいところだったし
このままというのもよろしくない。
■縹 > 差し出された骨と少年を見て。
さっきまで項垂れて死人のような顔をしていた少女が目を輝かせた。骨を受け取ると「ありがとうございます、少年くんは縹の恩人です!」と大袈裟なことを言い出す。
絵面的にはとんでもないし、道行く人々も不審そうな顔をしているが少女は全く気にしない。
少年から受け取った骨をエサに、牛猫を呼び寄せる。
「ほらほら、ぶちおさん。少年くんが骨をくれましたよ~ぶちおさんの大好物ですよ~」
にこにこと少年から貰った骨を、今度は猫に差し出す。満面の笑顔。よっぽど嬉しかったのだろう。
しかし猫は……猫はやはり気まぐれだった。
少年の手に鶏肉の匂いがついているからか、はたまた少年が気に入っただけなのか。
少年から離れず、嬉しそうに喉を鳴らしてそばにいる。
「……やっぱり、その少年の方がいいんですね」
変なことを言うなと少年に釘を刺されたばかりだが、この少女は聞いていなかったらしい。すっかり笑顔が消えて、今にも泣きそうな表情で少年を見ている。
■水無月 斬鬼丸 > 「恩人って、何の恩だよ」
正直人通りも少なくないせいで
受ける視線の痛いこと痛いこと。
羞恥でやや挙動不審になっているかもしれないが、少女の方はお構いなし。
ハート強すぎではなかろうか?
だと言うのに…この猫は離れない。
離れないどころかスリつく勢い。どうすりゃいいんだこれ。
「まて、まて!えーっとだな…あれだ!
もう一本あるから、フライドチキン!お前も食え!それで多分イケるから!」
袋をゴソゴソと漁れば揚げたてホカホカのチキン。
正直おしいが、少女に泣かれるよりマシだ。
■縹 > 「う、うぅ。いいんです……ぶちおさんにとって縹は所詮、遊びだったんです。やっぱりピチピチの若い男の子が一番ということですよね……」
恥ずかしがる少年を全く気にせず、昼ドラ真っ青の台詞を平気で吐き続ける。
わざとではないが、少年の思った通り――この少女、ハートが強い。というより、周りを気にしないのだろう。
どこまでもマイペースなのだ。
「へ……?」
揚げたてほかほかのフライドチキンを差し出されて、どういうことだろう? と少年とフライドチキンを交互に見る。
「だ、大丈夫ですよ! 縹、さっきしそつくね食べましたからこれ以上は太……ゴホン。き、今日のところは諦めてやります……うう、ぶちおさんともっふり仲良くするといいのですよ少年くんー!」
首をぶんぶんと横に振って後退り。
そのまま電信柱まで走ると、振り返って少年に向けて負け惜しみたっぷりの言葉を向けた。
■水無月 斬鬼丸 > 「こいつメスなの?ぶちおって名前なのにメスなの?
オスならオスでそれ困るんだけど」
しかも逃げるし。
なんか言ってるし。
もっふり仲良くってなんだ。
「そうじゃなくて!とにかくこいつで気を引きゃいいんじゃねぇかって…
つか、オレも別にこの猫構いたいってわけじゃねーし!!」
と言うか、おいて逃げるな。この状況で。
あくまで騒いでるのはこの女子であって自分は被害者であることを周囲にわかってもらっておかねば
商店街をあるけなくなる。
■縹 > 「性別は分かりませんけど、でもぶちおさんはぶちおさんなので、メスでもオスでも構わないのです。ぶちおさんは天使ですからね!」
電信柱から何故かどや顔で、かなり大きい声でぶちお愛を叫ぶ。牛猫は相変わらず呑気に少年にまとわりつき、すりすりと甘えていた。猫は自由。
「ふふふ……精々一時のぶちおさんとの逢瀬を楽しむといいのです。今日のところは勝ちを少年くんに譲ってあげます! しかし次に会った時は、縹負けませんから! とっておきの骨を用意しておきます」
びしっと少年を指差して宣戦布告。
何の戦いを挑んでいるのやら。完全に被害者の少年をそのままに、商店街のメインロードに向けて走り出した。
……が、相当足が遅いので、すぐに追い付くかもしれない。少年が追い付いた場合は、また逃げようとするだろう。夕暮れ時の鬼ごっこのような、そんな感覚になったかもしれない。
■水無月 斬鬼丸 > 「天使」
見下ろす猫は、かわいいと言うよりはブサカワでお世辞にもエンジェルみを感じる外見はしていない。
訝しげな視線を猫から少女へと向ける。
まぁ、美醜の感覚は人それぞれだけども。
「え?あ?えぇぇ…まて!まてって!!」
走り出す少女、ここで残されるとなんかこう、すごくモヤっとする!
急いで少女を追う少年。
放課後だと言うのに何をやっているのやら…
ご案内:「商店街」から縹さんが去りました。
ご案内:「商店街」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。