2019/03/12 のログ
玖美・E・A > 「おいしいでしょー?甘いものは、『おいしく食べよう』って思いながら食べるのが一番なんです。何事も楽しもうという気持ちが大切、ね?」

『ね?』の部分に合わせるように、にっこり微笑みながら首をかしげて見せる。ちょっと……あるいはかなりあざとい仕草である。クリームまみれの口でなければ。

「私なんか、もう何もかも楽しんでる自信がありますよー。中でも、誰かと一緒に甘いものを食べるっていうのは格別ですけどね!」

全く笑顔を絶やさないまま、また一口。そろそろ流石に気になってきたのか、ようやく福引きでもらったティッシュを手にとって口の周りを拭き始めた。

白鈴秋 > 「美味しく食べようとしながら……ね、あんまり考えてやったことねぇな。貰ったものとかは味わってるが」

 思い返すように上を眺めながらそんな事を。栄養摂取とか周りに合わせるとかそんな程度でしかやっていなかった。
 ティアのクリームまみれあざとい微笑みには思わず少し笑ってしまう。

「それは見りゃわかるって。すげぇ楽しんでる風だもんなお前」

 と笑うと自分も口元を拭く。こちらはハンカチである。
 さて、甘味はあまり食べないし栄養摂取と周りに合わせるといえど年頃男子。つまり食う速度はかなり速いわけで。

「……少しコーヒー買ってくる。口の中が甘い」

 近くに自販機があるのを良いことに買ってきてコーヒーを飲む。

「そういえばあの異能って効果時間とかあるのか?」

 ふと気になって聞いてみた。永続は永続で困るし短いともう終わっている。

玖美・E・A > 「それはもったいないですー、幸せはちゃんと捕まえておかないと、簡単にすり抜けちゃいますから、えへへ」

言いながら食べ進めるクレープはようやく半分を過ぎたくらい。かなりスローペースだが、これでも普段よりは早いくらいである。

「あ、『うたかた』ですか?ええっと……多めにフーってしたから、たぶんあと二十分くらいはもつんじゃないかな……?」

と、言いながら、確かめるように扇風機の箱を触ってみる。それはまだ間違いなく軽いまま……というか、重さはほぼゼロで、目を離していると風船のようにふわふわ浮いて風に流されてしまいそうだ。

白鈴秋 > 「…………そうだな、たしかに簡単にすり抜けちまう」

 子供っぽく食べたせいか少し思い出していたところに言われ、どうにも思い出してしまい。少しだけフッと遠い所を見るような顔に変わる。
 だがすぐに元に戻し。

「うたかた? ああ、能力の名前か。20分もあるなら家まで十分戻れそうだな」

 フワフワと飛びそうになるたびに手で手繰り寄せたりとしている。

「簡単に飛んでくなこれ。紐かなにかで結びつけたら風船になりそうだ」

 凄まじくメルヘンの欠片もない風船である。

玖美・E・A > 「…………」

遠くを見るような彼の視線を、何か意味深に感じないでもなかったけれど、それに何か口を挟もうとは思わなかった。多分、彼は自分で納得していて、なにも知らないこちらが踏み入ることはしなくてもいいのだろう……と、半ば無意識に察したからだった。

「はい、うっかりしたらなくしちゃうかもしれないので、気を付けてくださいね。あ、あと、効果が切れる時は急に切れるので、ガタッてならないように、地面にくっつけといたほうがいいと思いますー」

両の手のひらを地面の方に押し出すようなジェスチャーをすると、腕が胸の膨らみを挟み込んで、少し強調するようなポーズにも見える…かもしれない。

白鈴秋 > 「急に重くなるのは本気で落としそうだな、気をつけさせてもらうとする」

 軽くなるのですらあれなのだ。逆に重くなれば落とす可能性は大きい。

「まぁだからといって地面に擦ってくわけにはいかねぇけどな。穴が空いたら地獄だ」

 もしそうなれは本当にアウトだ。間違いなくどれかを捨てていくことになるだろう。
 まぁその場合能力を使うかもしれないが。
 さて、彼女ももうすぐ食べ終わる様子であるならば荷物を持ち立ち上がる。

「じゃあ、俺は軽い内に帰らせてもらう。折角軽くしてもらって重くなったとか笑い話にもならねぇしな。良い気分転換にもなった。ありがとな」

 そう礼を言うと歩き出す。今回は軽いため軽く片手を上げる様子を見せながら。

玖美・E・A > 「勝手に軽くしておいてなんですが、本当にお気をつけて~」

相変わらずのニコニコ笑顔で彼を見送って、クレープの最後の一口を食べ……る前に、

「また一緒にクレープ食べましょうねー!あ、お鍋でもお寿司でも、豚カツでもラーメンでも!さよならー」

ややオーバーに手を振りながら、歩いていく彼を見送った。

ご案内:「商店街」から白鈴秋さんが去りました。
ご案内:「商店街」から玖美・E・Aさんが去りました。