2020/07/18 のログ
ご案内:「商店街」に天月九郎さんが現れました。
天月九郎 > 「休日って良いなあ……」

のほほんとした悩みを全て彼岸へと置いて来たような声で呟く。
今日は土曜日、休日の昼下がりという最高の時間帯。
ミクロな目で見れば学生にとっての天国であり、マクロな目で見ればテスト最終日を控えた鉄火場であった。

商店街の一角にある小さな公園、ベンチと自販機だけがあるその空間は商店街のお店の食べ物を買い食いするにはまさにベストな場所。
そこでコーラ片手に焼き鳥を食べれば悩みなんて吹っ飛ぶというもの。
日本史とかマジ知らねぇ。

天月九郎 > 「エピソードは面白いの多いんだけどなあ……戦国とか幕末とか」

これでもゲームに漫画に色々と手を出している男子学生、メジャーなエピソードには触れる機会も多く割りと覚えている。
だがテストとなれば年表や漢字といった細かな知識が要求されるので全く別の脳の働きを要求される事となる。
あとたまにフィクションの知識が領空侵犯してきてそっちが邪魔をする事もある。
微妙に名前をもじったキャラが出てくる漫画など天敵である。

結局は必要となるのはエピソード記憶よりもピンポイントな暗記知識。
一人で延々とやってたら脳みそも茹るというものである。

ほんのり焦げたソースとねぎの苦味を噛み締めコーラを一気飲みしてくはぁ!と息を吐く。
学生で無ければ完全にアウト奈光景であった。

天月九郎 > 「これはすなわち秘技静と動……
 穏やかな休日を過ごし激しい勉学に目覚めるための布石
 明日の俺はきっと上手くやってくれる事でしょう」

もうやだ何も考えたくない。
徳川さんちの名前をひたすら詰め込みたくなんてない。
たぶん今の自分の脳は冷却装置起動したら蒸気がぶしゃあってなるくらいに熱い気がする。

目の前の苦しい事よりも楽しい事を想像しよう。
夏休みの事とか。
水族館とか行きたいな。
ほんのり暗い館内ではぐれないように手を繋いで、お土産コーナーでぬぐるみプレゼントしたりして。
きっと楽しいぞ。

「相手居ないけど」
願望があまりにも強すぎて導入パートすっ飛ばしてイベントシーンに入ってしまった。
月曜登校したら下駄箱にラブレターとか入ってないだろうか。
フィクションだと定番アイテムだけど現実に存在するのだろうかラブレター。
想像上の物体なら俺が貰えないのも辻褄が合う。

天月九郎 > 「……洗脳とか記憶操作系異能って一夏の想い出とか植えつけられないのかな」

夏休み前に告白されて付き合う事になって。
海に行ったり夏祭りを楽しんだり。
花火を見上げながら手を握ってそして二人は……
でも夏休み終わり、私転校するんだ…と言われて想い出をありがとうみたいな。
そんな記憶を捏造とかしてくれないだろうか。

「いや、さすがにむなし過ぎる……」

リアルでモヤシ炒めで腹を膨らせてからVRゲームで肉を食いまくって記憶の上書きを狙った事があるが、たぶんそれの五倍くらいむなしくなるわこれ。

天月九郎 > 「帰って勉強するか」

夢を見て、夢に破れて、そして少年は現実を知る。
とりあえず赤点とったら夏休みもくそもねーわと。

ご案内:「商店街」から天月九郎さんが去りました。