2020/07/26 のログ
ご案内:「商店街」に小桜 白さんが現れました。
小桜 白 > 斯くして。

『真理』に挑んだ者たちの話が、ひとまずの区切りに向かおうとしていた頃。

小桜白は、普段どおりの学生生活を送っていた。

小桜 白 > 元二級。

そうしたハンディを埋めるために、勉強をして。
とりあえず近い境遇から友達をつくって。
最近は、色眼鏡で見られることも少なくなってて。

委員会とか部活とか。
そういうことを考える余裕もでてきた。

小桜 白 >  
 
――――――あんなことがあったのに。
 
 

小桜 白 > 彼らに言われている気がする。
お前には願いがあるだろう。
お前には欠損があるだろう。

なのに何故真理に挑むことをしなかった。
噛み付く者たちの門戸を叩かなかった。
牙があるくせにどうしてないふりをした。

『見て見ぬ振り』をした。
 

小桜 白 > (しょうがないじゃん)

ガチ勢にはなれない。
そういう奴もいる。

(しょうがないんだよ)

真理に手を伸ばすよりも先に。
現状への疲れが出ていた者もいる。

小桜 白 >  
 
傷は癒えるのだ。
 
 
かさぶたとなって。


剥がれ落ちる頃には、もう。

小桜 白 > 常世学園の福利厚生はいたれりつくせりといえるほどだった。
風紀委員会との連絡や審査も、なんの滞りもなかったと思う。
特に審査に付き合ってくれた西九寺という人は特に親身になってくれた。
学生がお金を稼いで学費を捻出することもそこまで難しいことではないとか。

「あの、これください」

衣食住にも困らない。
卒業すれば、異能に寛容な企業に就職しに行ったり、外の大学にも行けるとか。
楽園じゃないかここは。すごい。やった。うれしい。

小桜 白 >  
 
 
 
 
ない。
 
 
 
 
 

小桜 白 >  
ない。
ない。
ない。
ない。
ない。
ない。

どこにも―――――

小桜 白 > 「ありがとう」

今日はちょっとつかれたから、お惣菜で楽しちゃおう。

ご飯は部屋で炊こうかな。

暮れなずむ商店街を、小桜白は静かに歩き去る。

ご案内:「商店街」から小桜 白さんが去りました。