2020/09/08 のログ
雨見風菜 > 商店街にふと通りがかった風菜。
そこで自分以上の巨乳の女性が美味しそうにコロッケを食べている。

「……すごく美味しそうに食べてますねぇ」

無意識のうちに口からその言葉が出てしまう。

織機セラフィナ >  
むしゃむしゃと食べていれば、何やら視線を感じる。
そちらを見れば、女生徒がこちらを見ていた。
彼女を見て、コロッケを見て、もう一度彼女を見る。

「――たべまひゅ?」

コロッケを咥えたまま紙袋をガサガサとまさぐり、新しいコロッケを一個差し出す。
美味しいものはみんなで食べれば美味しい。
その間も咥えたコロッケはもふもふと口の中に潜り込んでいく。

雨見風菜 > 勧められて。
遠慮しようかなと思った次の瞬間に。

きゅるるぅ

とお腹の音が鳴る。
結構大きく、彼女にも聞こえたはずだ。

「……頂きます」

この期に及んで遠慮できない風菜。
顔を少し赤らめて誘いを受けるのであった。

織機セラフィナ >  
こちらにも聞こえたきゅるる、と言う音。
それが彼女のお腹の音だと気付くまでに一瞬間があった。

「――ふふ、遠慮しないで。沢山ありますから」

なんせ紙袋にいっぱいあるのだ。
一つや二つ減ったところで何の問題もない。
恥ずかしそうに手を伸ばす彼女へコロッケを一つ渡す。

雨見風菜 > 「ありがとうございます」

コロッケを受け取って一口。

「んー……なるほど、美味しいですね」

悲しいかな風菜には美味しい以外の語彙がない。
グルメ番組のレポーターのような豊富な語彙は、風菜には無縁である。

さて、コロッケをもらってそれだけでは風菜の気は済まない。
そんな訳で、魔力を集中させて『物体収納』しておいた、冷えた他人用の麦茶を亜空間から取り出して。

「コロッケのお礼とでも言いましょうか、麦茶、如何ですか?」

と、差し出す。

織機セラフィナ >  
「お肉屋さんのコロッケって美味しいですよねぇ」

もしゃもしゃとコロッケを頬張りながら。
彼女がコロッケを受け取って食べている間に、新しいコロッケを八割がた食べている。
もしゃもしゃもしゃ。

「――ん、ありあとうございまふ」

何もないところから出てきた麦茶。
けれどこんな島だ、特に疑問に感じることなく受け取って。
一口飲めば火照った身体に冷たい液体が流れ込み、気持ちいい。

雨見風菜 > 「ですよねぇ」

風菜は自分のペースでコロッケを味わう。
彼女のペースは早いなと思いつつも特に口を出さない。

もぐもぐ。

彼女に渡した麦茶とは別の、自分用の麦茶も出して、飲む。

ごくごく。

巨乳美女と巨乳美少女が、コロッケを食べて麦茶を飲む風景。
平和な、日常の一幕。

織機セラフィナ >  
「なんでこんなに美味しいんですかね、お肉屋さんのコロッケ。使ってるお肉が違うのかなぁ」

もぐもぐもぐ。
やはりお肉屋さんだけにいいお肉を使っているのだろうか。

「おうちで揚げ物すると片付けが大変だし、助かりますねぇ」

もっしゃもっしゃ。
いつの間にか紙袋の中身は半分まで減っている。
しかしまだまだ入るようで、速度を緩めずムシャムシャとコロッケを胃に流し込んでいく。

雨見風菜 > 「油も違うんじゃないでしょうか」

コロッケやミンチカツやトンカツなんかも同じ油で揚げている訳だし。
それらの旨味が油に入り込み、そして揚げ物にも入り込んでいたりするのかも、なんて考えてみたり。

「そうですね、特に油の処理が大変ですよね」

なお風菜、自分が揚げ物をするときは凝固剤をきちんと使っている。
とは言え、揚げるのに使った調理器具にも油は付くわけで。
それを落とすのが手間である以上、揚げ物惣菜の需要は無くならないだろう。

織機セラフィナ >  
「あー、なるほどねぇ」

油自体も美味しい油を使っているのだろう。
納得したようにしゃくしゃくしゃく。

「油も跳ねるし、網とか受け皿とか洗い物が多いんですよねぇ」

とにかく色々と手間がかかるし、火事の危険もある。
揚げ物はお手軽、なんていう人もいるらしいが、一回揚げ物をやってみればいいと思う。
もぐもぐもぐもぐ。

雨見風菜 > 「他にもプロですから、温度管理がしっかりしているとか。
 揚げ物は温度が大事ですしね」

風菜はレシピ通りにしか作らない。
レシピ通りに、火の大きさや温度調節をする。
料理は何でも強火でやれば良いものではない、というのは理由は理解していないが実行している。
とは言え理由を知らないだけであり、理由を知ればきちんと覚えるだろうが。

「エプロンがなければ、服がドロドロになるのは間違いないですし。
 キッチンにも油汚れが蓄積しますしね。
 油がしっかり切れてないと皿もぎとぎとになっちゃいますし」

そもそもお手軽な料理なんて、きちんと調理をするのであれば存在するわけがない。
お茶漬けや卵かけご飯と言ったワンアクションでできる程度のものしかあるまい。
調理器具や食器の後片付けを考えない、短絡的な寝言でしか無いだろう。

織機セラフィナ >  
「温度が十度違うだけでかなり変わりますからねぇ」

温度が低いとべしゃっとするし、高いと焦げる。
特に自分は食べる量が多いし、お店で買えるのは本当に助かる。
もぐもぐもぐ。

「そんな大変な料理を毎日たくさん作るの、大変ですよねぇ。ありがたいんですけど」

こうしていつでも、という訳ではないが、営業時間中ならば大体いつでも買える。
本当にありがたい。
そして美味しい。
もふもふもふもふ。

雨見風菜 > 「あとは食材管理もきちんと、家の比じゃないほどに徹底してそうですね。
 売り物ですし、間違いがあれば大ダメージなんじゃないでしょうか」

人によってみっちり入っていたり、適度に入っていたり、はたまたスカスカだったりする冷蔵庫。
そもそも知識がない人が冷蔵庫に入れれば適切な場所に入れないこともよくある話。
そこを考えれば売り物としてきちんと管理するのもプロの腕の見せ所ではないだろうか。

「毎日たくさん作るからこそ成り立ってるんだと思います。
 それこそ、家でそんなに作り続けるものでもないですし」

一般家庭で一つの調理器具を一つの料理専門に使う、というのは大変だ。
それこそいくつ調理器具が必要になるか分かったものではない。
況して同じ料理が何日も続けば飽きる。
比して店舗ならば、同じ料理を何日続けても毎日違う顔ぶれが買っていくのだから成り立つ話。

なお、風菜はカレーやシチュー、おでんなんかは数日分まとめて仕込むタイプだ。
そしてそれを毎日食う。
飽きないらしい。

織機セラフィナ >  
「解凍とか、ちゃんとやらないと味が変わるって言いますからね」

何がどう変わるのかわからないが。
きっと色々変わるのだろう。

「あー、一気に沢山作ると味も安定しますからね」

家庭料理では作るたびに味が変わるのはよくあることだ。
出来るだけ手順を縮めて差が出ないようにしているのだろう。
レシピ自体もマニュアル化してあって、作る人によって味が変わらないようにもしているだろうし。

「企業努力、ですねぇ。――さて、私はそろそろ帰りますね。もう一個いります?」

紙袋の中の最後の二つの内一つを彼女にもう一度差し出して。
受け取らなければそのまま自分の口に入れるだけだ。

雨見風菜 > 「解凍もまた温度管理の一つですしね。
 中の温度が低いまま調理して生焼け、とかもあるでしょうし」

冷凍や解凍にも種類がある。
これらの違いで、食材の質が大きく変わってきたりもするが。
そこら辺も風菜はあまり知らない。

「そうですね、私も作りだめするときはその美味しさを何度も味わってます」

そして、時間が経って美味しくなることもあるものだし。
調味料に浸け置きして味を馴染ませるのもまた調理法のひとつなのだから。

「では、いただきます」

遠慮がちに貰うが、実際ほぼ全てを彼女が食べきっている。
それを考えれば遠慮する必要はないかも知れないが。

「あ、そうだ。
 私、一年生の雨見風菜と言います」

織機セラフィナ >  
「はいどうぞどうぞ。美味しいものはおすそ分けです」

にっこり笑ってコロッケを差し出す。
前かがみになって腕を前に出しているので、ドでかいばるるんがさらにドでかく強調される感じになる。

「私は事務員の織機セラフィナです。何か御用があれば、事務室までいらしてくださいね」

人懐っこい笑みで最後のコロッケを齧る。
生徒からの認知度は割と高いので、名前ぐらいは彼女も聞いたことがあるかもしれない。

「それじゃあ気を付けて帰ってくださいね。楽しかったです、ありがとう」

そう言い残して手を振って、商店街を歩いていく。
途中で振り返り、彼女がこちらを見ていれば、満面の笑みでもう一度大きくぶんぶんと手を振ってから今度こそ帰るだろう――

ご案内:「商店街」から織機セラフィナさんが去りました。
ご案内:「商店街」から雨見風菜さんが去りました。