2020/09/10 のログ
ご案内:「商店街」に葉山翔一さんが現れました。
葉山翔一 > 正規の学生になっても時折に授業をサボっては露店を出す。
勿論そんな時にはほとんど物は売れないのだが今日は不思議なものが飛ぶように売れている。

「醤油に辛子味噌、梅肉って……変なもんが売れるよな」

今もどう見ての主婦という年上の女性に商品を売って見送る。
そして客が去った息抜きに周囲を見回せば何でか練り物が大セールで売られている。
しかもかなり安いので今日の売り上げで買い込んでいけばしばらく食料に困らないかも…そんな事も考え。

「あ。いらっしゃい。何でもあるよって…また醤油?」

偶には変わった物という事で練り物をと考えていると新しい客。
求められたのがまた醤油で本当になんでだと思いつつ引き渡して。

葉山翔一 > 「毎度あり―。またよろしくな」

そうして商品を引き渡して代金を受け取る。
そのついでに少々話を聞けば何やらサメが飛んできたとかなんとか。
最初こそその話を疑いはしたが直ぐに「この島なら何でもあるか」と納得してしまうほどには過ごしているのでそれで納得する事にして。

「まあ……稼ぎのネタになるならそれで良いか」

その飛ぶサメのお陰で予定外とはいえ売れるものがあるのだから自分としては文句はない。
それどころか商売繁盛するなら何でも大歓迎だと笑みをこぼし。
後どれぐらい売れるものが残っているかとクーラーボックスを開けて中身を確認をして。

葉山翔一 > 「ま…大丈夫か」

余程な買い占めがない限りは後数人相手に商売が出来そうと確認すれば蓋を閉じる。
今までならば風紀委員に警戒をしないといけない事もあったが正規な学生になった以上はある程度風紀の行動頻度も解るようになり。
お陰で想定外がなければ見回り前に逃げればいいという考え。

「お、いらっしゃい。何がいるのかな?」

そうしてまたやってきた客に明るく声をかけて告げられた商品を用意を始める。

葉山翔一 > 「え?学生がこんな時間にいていいのかって?
今日はちょっとね」

しかしながら学生服での商売は目を引く訳で訪ねてくる客もいる。
そう言う客には笑って大丈夫と誤魔化しておく。
勿論怪しまれもするがそこはサービスを付けて口止めを忘れない。

一人ならば商品のオマケ、子供を連れていればお菓子やジュースなどをオマケする。
そんな姑息な手段で追及や学園にへの連絡をさせないようにして販売を続け。
残りも本当に少なくなればいつでも引き揚げれる準備を始める。

葉山翔一 > 「あー……そろそろか」

次の客を待つ間に古びた懐中時計を取り出し時間の確認。
そろそろ風紀の見回りが来るかと思えば店じまいを始める。

そんな時に新たなお客が来れば申し訳ないと謝り作業を再開し、こっそりと引き上げていく。

ご案内:「商店街」から葉山翔一さんが去りました。
ご案内:「商店街」に白い少女さんが現れました。
白い少女 > 商店街に、少女がぽつんと立っている。
街にある商店たちを見ては、てこてこと歩いて、商品を見て、てこてこ。
街にいる人は、少女の事に気が付いていないのか、少女を見る人はいない。
お店の中に入って、「触らないでください」と書かれた商品を指で触れても、誰も気づいてないのか、何も、言わない。

白い少女 > 「―――」

周りを見て、少女は少しだけ残念そうにする。
誰も自分が見えていないのが、少し悲しそうで。

でもすぐに、歩き始める。てこてこと。

白い少女 > ひとりでいるのは、少しさみしいけど。
でも、もうなれました。

昨日はおいしゃさんのおねえさんに会えたし、もしかしたら、また、だれかに会えるかもしれないし。

いつかは、おとうとにも、ちゃんと会いたいけれど。
いっしょにまちを、歩いてみたいけれど。
でも、それはできないのは、しっているので。
がまんします。

それに、わたしと―――は、いっしょだから。
だいじょうぶ。

白い少女 > 近くにあったベンチに、少女は座る。
少女の背だと、ちょこんと足が浮いてしまうので、浮いた足がぷらぷらと振り子のように揺れた。

落ち葉が、落ちてくる。
赤い落ち葉に、白い少女。
もう、紅葉の季節が近づいている。

白い少女 > 「ち――――い―――、―――さ――あき
 ――いさ―――き、――つけた」

ベンチに座って、落ちてくる落ち葉を見て、少女は歌を口ずさんだ。
ぷつぷつとすぐにはずれるレコードのように、歌は途切れ途切れ。

白い少女 > ぷつぷつ、と、外れる歌声が、誰に聞こえるでもなく、響く。
それを耳にする人は、いるのだろうか。

白い少女 > ―――その声は、誰にも届かなかった。

届かなくても、歌をうたう。

「だ―――んが、――れか―――が
 ―――かさん――、み―――」

しだいにその声の音切れは大きくなっていって

「―――」

最後には、何も聞こえなくなった。
そして、そこにいた少女も、いつの間にかいなくなっていた。

ご案内:「商店街」から白い少女さんが去りました。