2020/09/24 のログ
園刃 華霧 >  
「なルほど、そいつは話が早い。」

風紀の報告で上がっていることを把握している。
普通であれば異常な話であり、なんなら真面目な風紀委員なら問題とするかもしれない。
けれど――
そんなこと、今は些細だ。

「あァ、クズやろートは……ひひ、なルほど正当な評価ダな。
 あのクズ、本当、人の話を聞いテるようデ聞かナいかンな…… っと。
 さておイて。」

危うく脱線しそうになる。
とりあえず、クズやろーの話は本筋とは少しずれるからほうりなげておく。


「うン。なラ、わかッテるト思うケど。
 相手は"怪力の異能"の持ち主。サラが力で敵うハずないノニ、ぶん回シて大怪我さセたわけダ。」

普段の彼女を知っていれば、明らかに異常なことは分かるだろう。

「デ。その当の被害者ノ話カラ聞いたのハ。戦ったのは"椿"って名乗ル別の人格だったッテ。
 ンでもッテ……アタシが、会ったのも"そっち"のアイツ。
 といウより……正体隠しテたアイツが自分かラ、サラじゃナいって話を振ってキた。」

ツバキが正確に何を考えて教えてきたのかは分からない。
けれど、なんとなく分かるのは自分を信じて正体を明かしたのだと思う。
逆に言えば、ソレを言わざるを得ない状況にある、とも言えるのかもしれない。

神樹椎苗 >  
 話を聞いて眉をしかめる。
 クズやろーに関して同意を得られたのは気分がいいが。
 それはとりあえず横に置いておこう。

「――はあ。
 また出てきた、と言うよりは。
 ほとんど入れ替わっちまってる、そんなところですね」

 娘が別の人格に頼らなければならないほど、精神的に追い詰められている。
 つまりはそう言う状態と言う事だ。

「手っ取り早く解決するなら、原因を取り除いちまう事ですが。
 あのクズやろーがアレな限り簡単ではねーですね」

 おそらくもっとも大きなストレスがあの少年に関わるものだろう。
 そしてその次点、となってくると。

「先日の件が引き金となったとすれば、おそらくしいの関係者が被害に遭ったのも一つの原因でしょう。
 他にも前線に出れていない事や、自分が周囲の人間に置いていかれるかもしれないという恐怖心。
 幾つもの不安が、クズやろーが死にかけた事で噴き出した、そんなところでしょうか」

 自分の知る情報から、そう推測して仮定を話す。
 そして、その『椿』という人格は『沙羅』の生活を壊そうというつもりはない。
 壊すつもりならとっくに大事になってるはずだ、と。

「娘がどうしたいのかは、わかりませんが。
 わざわざ正体をお前に打ち明けたって事は、何らかの解決を求めてるのは間違いないですね。
 お前に要求してきたのもさしずめ、ストレスや精神的障害の解消ってところじゃねーですか?」

 

園刃 華霧 >  
「ご名答、ダな。
 『偶に表に浮いてくるときもあるけど、基本的には閉じこもっているもの。』
 ツバキは、そう言ってタ。
 『いつまでも閉じこもっているわけにも行かないってわかってるはず』とモ、ね。
 見てみぬふりしてるのかも……ってちょっと疑ってたな。」

とすれば、今、自分たちが接しているのはサラのふりしたツバキってわけだよな。
……同情、なんてされたくないだろうけれど。
つい、自分としては可愛がってしまいたくなる。

「うン? クズやろー以外にモ、なンかあっタのか……
 そりゃストレスもたまルな……」

やれやれ、とため息をつく。
そして、ああ。『貴方達』か。

「うん。ツバキと会話したことは、あんまり人に言うな、とは言われたんだ。
 けれど、しぃ。多分、おまえさんは知っていたほうがいいな。」

これだけ賢くて、サラのこともよく分かっている相手だ。
自分の知るすべてを共有する必要があるのは間違いない。
それに、お互いに協力をしたほうがいい。

「ツバキは――『ディープブルー』、と、その黒幕を探してる……そういった。
 そして。正体を明かしてから、アタシに解決法を提案してきた。」

それは

「――私がそうして自分の『殺意』をごまかしていられる間に、『あの子』を安心させてあげてほしい。ってな。」

自分を律しての、願い。
戦うものの、妥協策。

「あの子にとって大事なのはそこなのよ。
 『貴方達』が居なくなるのが怖いだけなの。」

一言一句、言われたことを復唱する。
薄々分かってはいたけれど、改めて突きつけられた事実。

「そういうことだそうだ。」

神樹椎苗 >  
 『椿』の目的を聞いて、額を押さえた。
 思った通り、あの件が娘にとっては致命的だったのだろう。

「なんとも、難しい提案ですね。
 娘が失いたくねーのは、風紀委員のお前たちの事もそうです。
 ですが、風紀の仕事をしていれば危険はいつまでもつき纏うでしょう」

 解決法はある。
 娘にとって大切な人間たちを、一人残らず鉄火場から蹴りだせばいいのだ。
 もしくは――二度と鉄火場に立てないような体にしてやればいい。

「求めてるのは『安心』で、恐れてるのは『失う』事。
 そうなると、出来る事なんて限られてきちまいますね」

 少し悩んで、茶を啜る。

「しいに出来るのは、これまで通り娘の帰りを待っていてやる事くらいです。
 食事を作って、弁当を持たせて、帰ってきたら迎えてやる。
 しいが『娘たち』に与えてやれる安心は、それだけですから」

 ――言葉にすると、やはり無力感を覚えてしまう。
 けれど、自分に求められているのは、『帰る場所』だ。

「ん――何とかするなら、どこから動くべきでしょうね。
 しいの立場からだと、どうにも難しいところですが」

 あんみつを頬張りながら、眉をしかめる。
 具体的な案が思いつかない。
 椎苗が干渉するには、娘の言う『貴方たち』は風紀に偏っているのだ。

園刃 華霧 >  
「そこ、なんだよな……
 それこそ、『ディープブルー』なんて……
 アタシのよく知ってる男が、絶対に探り当ててカチコミに行くだろうし……」

その時、神代理央は一緒にいくだろうか。
そうでなくても、山本英治がどうかなってしまえば……やはりサラはショックを受けるだろうか。

「そう……アタシも、そうなんだよな……
 風紀に属しているとはいっても、別にコントロールできるわけでもないし。
 サラが甘える場になるしか、ないんだよなぁ」

ため息
それだけで済むのなら、いつでも何度でも。
デートでもなんでもして、甘やかし倒すんだけれど。

「アタシも、ねえ……
 それこそ、クズやろーにはさんざ説教くれてるんだけどさ。
 あと、どうしたもんかな……」

再びため息
改善がないわけではないが、どうもあの石頭。
簡単に治るものでもないらしい。よもやまた退院早々に落第街に行ってたりしないだろうか。

とっくに来ていたクリームあんみつを頬張り……
2つある揚げ饅頭を食べる?と、しぃに勧めたりしつつ。
顔は難しい表情をしていた。

神樹椎苗 >  
「悩みどころですね。
 どいつもこいつも、自分の信念とやらがあるみてーですし。
 人に言われて「はい、わかりました」と大人しくなる連中ではねーでしょう」

 そういう連中だから、わが身を省みずに他人のために動けるのだ。
 勧められた揚げ饅頭に食いついて、ゆっくり咀嚼しつつ。

「あむ――――クズやろーをどうにかするには、そろそろ力づくしかねーんじゃねえですか。
 まあアレはもう、最悪の場合拘束して監禁でもするとして」

 言葉でどれだけ言われても、容易に変われるとは思えない。
 自分の命にどれだけの価値があるのか――そこをわかっていない。
 だから椎苗は根本的に、あの少年を嫌悪しているのだ。

「娘の周囲に働きかけるよりは、娘を納得させる方が多少、現実味がありますかね。
 とはいえ、それが思い浮かばねーんですが」

 今回の件は、過度のストレスが原因とは言え――娘にも問題がある。
 怖いものから目をそらして、殻の中に逃げ込んでいる。
 ただ『安心』を与えて甘やかすだけでは、また同じことになるだろう。

「――とりあえず、今の一時的なストレスを取り除きつつ。
 『娘たち』にもしっかり、向き合えるように尻を叩く必要がありますか。
 『安心』なんて、いつも与えてもらえるもんじゃねーんですから」

 いつの間にか、手元のあんみつはなくなっている。
 結局、正解と言えるような結論には至れそうにない。
 対症療法か、荒療治といくか、なんにせよ――心の問題は簡単ではないだろう。

園刃 華霧 >  
「信念なんて持ってないようなアタシが言うのもなんだけど、
 そうなんだよなー。頑固モンばっかで困るんだよな。
 そんで入院する連中の多いこと多いこと」

チェルとかエイジとか……マジでさ。
もうちょっとなんとかならないのか……

「いや、ほんと……縛り付けて牢にでもつないでおきたいよな……
 自分を大事にしないのもムカつくけど、ソレが何を招くのか分かってるようで分かってないのが最悪だ」

何度かその辺の話をして確認しているんだけど……どこまで響いているのかいまいちわからない。
まあ、そういう生き方をずっとしてきて曲げられないってことなんだろうけどさ。
少しは融通を……いや、一応利かせてはいるんだが。
その傾け方をもうちょっと、なあ……


「納得させる、か……確かに、なあ……」

ずきり、と何処かが痛んだ。
――『安心』なんて、いつも与えてもらえるもんじゃねー
ああ、本当に、そう……なんだよ、な……

ああ ほんとうに わかっては いるんだけど

「サラの心配も最も、なところもあるしなあ……
 でも、何処かで折り合いをつけないといけなのも、確か……か……
 向き合う……か。
 サラも、多分、わかっちゃいるんだよな……」

だからこそ、殻にこもっているところもある気がする。
絶対の『安心』がほしいが、それが無理なこともわかっている。

いや。わからないふりをしていたい、ということだろうか……

最悪……じっくり話し合うことも必要かもしれない、けれど……

思考している間に、食べ物は食べ尽くしてしまった。

神樹椎苗 >  
「まあ、簡単に結論が出る話じゃねーですね。
 今日明日で円満解決、なんていくような問題じゃねーですから。
 本来長く付き合っていくような事でしょうからね」

 そうやって解決するのなら、世の中、心を病むような人間はもっと少ないだろう。

「さて、とりあえずですが、スタンスをはっきりさせときましょう。
 しいはこの件に関しては、助力はしても直接手を出すつもりはねえです。
 正直なところを言えば、どうなってもしいのやる事はかわんねーので」

 そう、受け取り方によっては冷たくも聞こえる言い方をする。
 椎苗にとっては、結果はあまり重要じゃないのだ。

「しいにとっては、どちらも大切な『娘』です。
 その『娘たち』が選んだにせよ、逃げたにせよ、しいはそれを受け入れるだけですから」

 娘が助けを求めてくるのなら、尻を叩く事も叱る事もあるだろうが。
 そうでない限りは――どうなろうと受け入れるのが椎苗の役目だ。
 あらゆる面で、椎苗は『娘たち』を肯定して味方で居続ける。

「甘やかして、与えるだけが『母』ってもんじゃねーでしょうからね。
 正解に導いてやるのも『母』なら、一緒に間違ってやるのもまた『母』でしょう。
 だから、しいは静観します」

 それは、話こそ聞くが、それ以上はしないという明確な線引き。
 今、おそらく誰よりも近くにいるからこそ、何もしないという意思表明だ。

「悪いですね、たいした役に立てなくて」

 わざわざ探しにまで来た相手に、申し訳なさそうに苦笑を浮かべた。
 

園刃 華霧 >  
「……そこは、まったくもって同感だな。
 簡単に結論出るんなら、世話はない。」

それは、そう。
だって そのこたえが かんたんに でるのなら
だれも くろうは しなかった

「……」

結論をじっと聞く。
それはある意味、予想をしていたとも言える解答で。

「いや、それでいいと思う。
 アタシだって、こうして駆けずり回って考えちゃいるけど。
 やれることなんて、『優しくしてやって欲しい』って程度の話を振りまくくらいだ。
 あとは……もう、最初から最後まで、受け入れてやる、くらいしか思いつかない。」

あとは、できることがあるとすれば……
今まで、触れてさえ居なかったこと。
じっくりと、話をする。その一点かもしれない。

「むしろ、な。しぃはそれでいい、とアタシは思った。
 そういう奴が、一人でもいないと……な。」

へらっと笑う。
あのこには きっと ささえが ひつようだから

「ま、正直な。この結果は予想通りだったところはあるんだ。
 だから、これは……そうだな。
 多分、確認。"家族"くらい、真実をちゃんと知っておいてやったほうがいいってな。
 うん、だから悪く思う必要もない」

"分かち合う"
それが多分、家族、というものなんだろうから。
それだけで十分だ。

神樹椎苗 >  
「――お前は、いい『姉』になれるんじゃねえですかね」

 その返答に、嬉しくなり自然と笑みが浮かんだ。

「それなら、後はお前に任せます。
 お前も、お前の思うようにやると良いのですよ。
 しいは、それを応援しますし、肯定します」

 彼女が娘の『姉』というのなら、それは椎苗にとっても意味を持つ。

「お前が『姉』なら、お前もしいの娘です。
 どんな結果になっても、しいが一緒に背負いますよ。
 抱えきれない事があったら、また甘えに来るといいです」

 そして、突然端末に着信があるだろう。
 その内容は、椎苗への連絡先と寮の部屋番号。

「だから、そうですね、こういうのも本当は妙なもんなんですが。
 ――『妹』の事、頼みます」

 静かに、頭を下げた。

園刃 華霧 >  
「いい『姉』、か……さて、どうかねえ。
 上手く出来てりゃいいけどさ。」

妹どころか、家族すら持ったことがない。
そんなやつが、いい『姉』になれるか……
ちょっとどころではなく、自信はないが。
保証されるんなら嬉しい。

「あぁ、そりゃありがたい。
 新米の『姉』としちゃね。ま……どこまでやれるかわからないけれど。
 やれるだけはやってみるさ。」

肩をすくめる。
実際、本当にどこまで何をできるかはわからない。
わからないけれど、必要だと思ったこと、やれることはやっておきたい。
ソレは確かだ。

「あー……確かに、しぃがサラの『母』ってんなら……『姉』のアタシは、確かに『娘』か。
 ははは、そうだそうだ。そりゃそうだ。」

からからと快活に笑った。

「ああ、それはさ。こっちこそ、だ。
 『妹』のことを、頼む」

お互いがお互い、できる領域は違う。
けれど、どちらが欠けても多分ダメだと思うから……
だから、頭を下げた

神樹椎苗 >  
「ふふ、お前が娘の姉でよかったですよ、『悪食娘』」

 頭を上げれば、可笑しそうに笑って。

「さて、それじゃあしいは買い物に戻ります。
 ああそうだ――お前、好きな料理はありますか」

 と、椅子から立ち上がりながらたずねる。

園刃 華霧 >  
「それはよかった……と」

今日のところはお別れかな、と思って……
おや……好きな料理、か

「うーん、いやな。それこそ『悪食』なんでね。
 好みってほど好みはないんだな。だいたい何でも食べるよ。」

ご期待に添えずにごめんね、とそんな感じのポーズをとる。

神樹椎苗 >  
「それは困りましたね。
 献立の参考にでもと思いましたが」

 ふむ、と顎に手を当てて。
 それならそれでいいか、と。

「よかったら、今度はうちに遊びに来ると良いです。
 その時は美味い料理でも作って迎えてやりますよ。
 好き嫌いはなくても、味が分からないってわけでもねーでしょう?」

 そう笑いかけつつ、支払いを済ませて店を出ようとするだろう。

園刃 華霧 >  
「そんな辺だろうと思った。
 うん、そうだね。今度はせっかくだからお邪魔するよ。
 なんなら三人で食事とかもいいんじゃないかな。」

にしし、と笑って後について出るだろう。
祖してその後は……

互いに別れてそれぞれの家路につくだろうか。

ご案内:「商店街」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「商店街」から園刃 華霧さんが去りました。
ご案内:「商店街」に表秤こころさんが現れました。
表秤こころ > ──夕方の商店街。


そこにいるのは一人の占い師。
彼女の前のテーブルにはタロットカードが並べられている。

『あなたの運勢を占います。一回〇〇〇〇円』

そんな風に書かれた看板。興味を持った学業帰りの学生たちが立ち寄っては占いの結果に一喜一憂している。

比較的、繁盛しているようにも見える。

表秤こころ > 「──貴方の運勢は現在上昇傾向。概ね大吉といったところです。
 でも、しばらくは調子に乗らない事。調子にのって失敗するそういう傾向がでています。」

当たってる!だの、気をつけなよ!だのきゃいきゃいしながら客である学生たちは離れていく。
……並んでいて最後の一人の占いを終えれば行列は止んで。

「…今日は当たり。」

懐の袋に重みを感じる。
今日はたくさんの人を占った。

表秤こころ > 毎日この調子なら…なんて小さくため息を吐いてカードを混ぜる。
明日のそして今日の自分についての占い。
いい日になる事を願った願掛けのようなもの。

シャシャシャとカードをかき混ぜてそこからカードを一枚引く。

表秤こころ > [2d22→2+8=10]
表秤こころ > 「魔術師の逆位置……。」

意味は混迷、スランプ、裏切り、消極性など…。
今の状況を指すのは間違いなく消極性…。

「もっと、自分から営業をかけないと駄目って事です。」

待っているだけでは客が増えることはない。
占い師として成功するのに必要なのはつまりそういう事なのだろう…。

ご案内:「商店街」に火光雷鳥さんが現れました。
ご案内:「商店街」に宇津篠 照さんが現れました。
表秤こころ > 「……看板を増やす?或いは光らせる?とりあえず目立たせないと…。」

単純にこの看板が見にくいという事もある。
まず宣伝は看板から、歓楽街でみかけた看板のようにネオンの光で光らせれば
光に集る虫のようにお客がゲットできる筈。

──そう、魔術師のカードの逆位置が意味するものには混迷というのもある。
まさに、今それに陥ってしまっていた。

ご案内:「商店街」から宇津篠 照さんが去りました。
火光雷鳥 > 今日も何時もの肉体労働のバイトが終わった。疲れた体を引き摺りつつ商店街を歩く。
何か商店街で惣菜でも買って帰ろうかなぁ、と思いながらブラブラと歩いていたのだけど。

「……ん?何だあれ…占い師??」

占い師、というのは本土でも見かけたが縁が無いので占って貰った事は無い。
自然と足を止めて、赤い瞳でじーっとその占い師の方を見ている。見料とかどのくらいだろう?

(うーーむ、このぶっとんだ島の占い師なら”本物”っぽいけど…どうするか)

折角だから占って貰うか?うーんうーん、と悩みながら占い師の方を眺めていたけれど。

(…よ、よし。男は度胸!女も度胸!!どちらでも無い人は分からん!)

と、アホな気合を入れながら占い師の方へと歩み寄る。若干緊張して及び腰なのはしょうがない。

表秤こころ > 看板を加工しようとしていた手を止めて人の気配の方を見る。
赤い目に赤い髪の男子生徒…割と筋肉は付いている。
…恐らく、部活動かアルバイトの終わった後だろうか?

「……いらっしゃいませ。ここは占いの店。
 ここに来たという事は何か悩んでますか?それともただの好奇心?
 
 どちらにせよ。占って欲しいのですよね?……まあ、とりあえずお掛けください。」

そういって椅子を勧める。
…簡単に畳める、アウトドアなどで使われるタイプの椅子。

占い師の顔は無表情。

火光雷鳥 > 「へ?…あ、あーー…えぇと、まぁ好奇心、というか何と言うか…ハイ」

自分から恐る恐る向かって行った癖に、いざ声を掛けられるとややビビる小心者。
とはいえ、ここで回れ右!をするのは失礼というか普通に情けないだろう。

なので、勧められた折り畳み式の椅子へと腰を下ろす。占い師の表情は――無表情だ。美人だけど怖い。

「えーと、占いって初めてなんすけど何か質問とかに答えたりした方がいいんすかね?
それとも、このまま黙ってじっとしてればいいんでしょうか?」

占い初心者なので、恐る恐るそう尋ねる。それ以前に具体的に占ってもらいたい事が思い浮かばないのが問題だ。どうしよう。

表秤こころ > 「好奇心で来る方も多いです。そんなに緊張しなくても大丈夫。」

好奇心で来る人がやはり多い、そして、残りは悩みの相談。
大きく分けて2種類の理由。

「私の占いはカードを使うものなのでとりあえずは質問等に答えてもらわなくても大丈夫…。
 
 それよりも何か占って欲しい事とかあります?
 友達について、恋愛について、将来について不安に思ってる事、気になることがあるならそれを占いますよ?
 漠然とした運勢みたいなものでも占える……。」

学生である以上多くはそれらについて悩んでいる。
目の前でタロットのカードを混ぜながら尋ねる。

火光雷鳥 > 「そ、そうっすか……良かった」

言葉でも顔でもほっとしたのが丸分かりだ。その程度には分かり易い少年である。
まぁ、つい最近まで本土に居たので、この島の生活はまだまだ慣れていない。
占い師にちゃんと占って貰うのも初めてだし、緊張ガチガチだけど…。

「カード占い…あ、タロット、でしたっけ?…んーーそれが中々思いつかないんすよね。
……そうっすね。俺、この島に来てまだ1ヶ月も経過してないんで、色々と先行きが不安なんですよね。
…なんで、運勢というか或る程度将来の展望?みたいなのを占って欲しいかなって。」

占いは占い、当たるも八卦当たらぬも八卦。だけど少しでも先の展望が見えるなら知りたい。

(――まぁ、これでやべぇ結果が出たらちょっとショックだが、まぁ、その時はその時だな!)

そんな訳で、将来、というか今後の自分の大まかな運勢を占って貰いたいと占い師に告げて。

表秤こころ > 「一か月……夏季休暇が明けて入学したんですね。
 後から入ってくるとどうしても四月から入ってた人たちと比べるとどうしても人と知り合う機会とかも減っちゃいますよね。
 少しでも、いい結果が出ると良いですね。……占い師があまりこういうの言っちゃダメなんですけど。」

占い師が結果に対して希望を持つのは良くない。
占い師が見た占いの観測にその希望が混ざって正確さが薄れるから。
 
「──それでは。」

カードをかき混ぜて、合わせて…。
シャシャシャとカードをかき混ぜてそこからカードを一枚引く。
[2d22→1+4=5]
表秤こころ > 「愚者のカード…。」
火光雷鳥 > 「あ…いやいや!むしろありがたいっすよ。占い師の人はこういうの公平、というか肩入れ変にしないものだと思ってたので。
そりゃ、占い師としては言っちゃだめなのかもしれませんが、俺としては有り難いっす」

まぁ、占い師の彼女からすれば、多分占いに雑念とかが混じって駄目なのかもしれないが。
まぁ、ともあれ占いの結果を待つのみである。じーっと、カードをかき混ぜる彼女の手元を眺めている。

(――待てよ?タロットのカードの意味ってどういうのがったっけ?確か22種類だっけ?)

昔、興味本位で調べた気がするが、今はすっかり忘れてしまっている。
ともあれ、彼女がシャッフルしたカードから一枚引いた。ごくり、と息を呑みながらそのカードを見る。

「――え?愚者?」

何だろう、愚者って確か一番最初だったっけ?うろ覚えだが確かそうだった気が。

表秤こころ > 「愚者ってなんかあまりいい響きには聞こえませんよね……でも、これは決して悪いカードではないです。」

カードの絵柄を見せながら説明する。
崖の近くになんとなく希望に満ち溢れた感じの青年が立っているそんな感じのイラスト。

「このカードの意味は自由、可能性、始まり、出発…そういう風に物事の始まりを表すカード。
 貴方のこれからの新しい生活にはまさにピッタリのカードですよね。
 
 でも、同時に逃避、無計画、衝動的って悪い意味もある。
  
 ……新しい生活で浮足だってるみたいなところあるんじゃないですか? 
 この学園での4年間長いようで割と短い……やりたい事を見つけて計画的にやっていかないと後悔する事になる。」

愚者の逆位置そのカードが意味するのは。逃避、無計画、無責任、衝動的。

「気を付けて生活すれば全然悪い事にはならないから安心してください。」

火光雷鳥 > 愚者――愚か者。単語だけ聞くとあまり良い意味には聞こえないそれ。彼女の言う通りだ。けれど、彼女が続けて言うには悪いカードではない、という。
そのカードの絵柄をまじまじと見る。崖の近く、希望に溢れた青年が立っている。

「…自由、可能性、始まり、出発…確かに、俺はこの島に来たばかりだしイメージは合うかも。

…って、そんな意味も!?…いや、まぁ初めての環境だからつい逃げたくなったり、あんまり計画無しに衝動的に動いたりはある…かもしれない」

浮き足立っている、というより自分の気質が或る程度愚者の側面に当て嵌まっている。
偶然、とはどうにも言い切れないものを感じてしまう。そういえば、正しい位置と逆さの位置で全く別の意味になるんだったか。

「気を付けて…あーーはい、まぁやばそうな所には行かないつもりなので。そもそもまだ地理を把握しきれてないっすけど」

苦笑気味に笑いつつも頷いて。この占いの結果は自分には少し響くものがあった。

表秤こころ > 「この島は今までの環境にない物があまりにもありすぎますからね。
 ひと月前に入学してきたって事は…多分、異能もまだ慣れてないんでしょう?
 分からない事ばっかりでは計画建てられないのもしかたない。」

強い魔力も感じないし、おそらく異世界の住人でもなさそうであればこの時期に入学してくるのは異能に関する事。
恐らく、最近異能に目覚めたとかそういうパターンだろう。

「どこ行くかその場所の情報を聞いて色んな場所に行くのは楽しいし世界が広がる。
 ……歓楽街の奥の方とか転移荒野あたりが危ないっていうのも分かってそうですね。」

常世で命が保証されていない2か所。
転移荒野と落第街。それらの知識は持っているのかもしれない。

「他に何か、占って欲しい事とか聞きたい事とかある?代金はサービスする。」

サービス、半額の事。2回目以降の占いは半額。

火光雷鳥 > 「あー…俺が本土に居た頃は、周りに能力や魔術を扱う人が殆ど居なかったんで。勿論皆無じゃないすけど。
だから、そういうのが当たり前に身近にあるこの島の環境は、すげぇなぁと思う反面『怖い』んすよね。
まぁ、俺がびびり、というか慣れてないだけかもしれないっすけど」

魔力は無い…あってもおそらく人並みで質も平凡。異能もそんなに強い力は無い。
彼女の推測は間違っておらず、異能に目覚めて苦労しているからこの島に来た、という面白みも無い理由だ。

「あーー転移荒野の事は聞きましたね。あと、歓楽街の奥…も、よく分かんないっすけど物騒だとか」

あくまで異能に目覚めたとはいえ、メンタルなどは普通の男子に近い。
進んで物騒な場所には行きたくないし、出来るだけ荒事は避けたいものだ。
勿論、能力などを鍛える訓練などは頑張ってしていこうとは思っているが。

「えーー…あ、じゃあ俺の能力の今後、というかそういうの分かります?
まぁ、ありふれた発火能力なんすけど…タロットで大まかに分からないかな?って」

サービス?無料…は、流石に無いだろう。割引が妥当だろうか?もう一つくらいなら財布的にも大丈夫な筈。
なので、あともう一つ能力に付いてだけ占って貰えれば、って。

表秤こころ > 「『怖い』ですか…その感覚は間違ってない。
 逆にその感覚を無くすと良くないと思う。
 異能や魔術なんてものは人に扱いきれる力じゃないから……。」

この島に長くいると失う正常な感覚。
人一人が簡単にそこらで大量殺人を起こしうる可能性すらある異能や魔術の力。

「能力の今後?あんまり占ったことないけどやってみる。」

珍しい依頼。能力との向き合い方について相談されたことはあるけど……
能力自体への占いの経験は初めてで……。

カードをかき混ぜて、合わせて…。
シャシャシャとカードをかき混ぜてそこからカードを一枚引く。
[2d22→12+20=32]
表秤こころ > 「正義の逆位置…。」