2020/10/20 のログ
雨見風菜 > 「それは怒ります。
 特に、喋りだそうとした時にそういうことをすれば尚更ですね」

知らずしらずに正鵠を射る。
ただ、少女にその自覚があったのかどうかだが。

「ふふ、それじゃあ……」

ポップコーンを持っていない手から、『物体収納』していた未使用のナイロン袋を出して。
片手で器用に開き、裏返してポップコーンをある程度掬い。
そうして元に戻し、袋にある程度入ったポップコーンを少女の手に握らせる。

「せっかくですし、もうちょっとどうぞ。
 あちらの方にポップダディーという店がありまして、これ以外にも色んな味が有るんですよ」

言って、ポップコーンを買った店を宣伝。
店の回し者ではない。

幣美奈穂 >  
たじっ。
それは委員会の会議室でも叱られた事なのです。けど・・。

「ほ、ほら!。
 じっくり聞きます時とか、お菓子とお飲み物が必要だって!。
 わたくしは見たことありませんけど、映画やドラマを見る時は必要だって!」

わたわた、言い訳なのです。
一度やってみたくて、やっちゃっただけなのです。

「――」

お口の中の余韻をかみしめながら、何をするのかしら?、と。
袋が出てきて、中に幸せのポップコーンを入れられるのを見るのですけど。
それを渡され握らせられまして。

「えっ、よろしいのですか?
 他にも・・?」

どきどきと、示された方角を見るのです。
なんとなく贅沢品と匂いを我慢して通り過ぎていたお店の1つでしょうか?
ぽっぷこーんだんて・・小さく口に呟きます。
なんか、渋格好いい男性が、地獄の門のようになってますけど。

雨見風菜 > 「映画やドラマと、人の話を聞くときとは違いますよ。
 お菓子と飲み物が必要な時もあれば、そうでないときもあるんです。
 少なくとも、一方的にやっちゃ駄目ですよ」

朧車相手なら、そうなっていただろうと予想を付けて。

「ええ、甘い味だけじゃなくて醤油バター味やたこ焼き味なんていうのもありますよ。
 ポップダディー、ポップコーン専門店です」

まるで店員のような宣伝。
信じてください店の回し者じゃないんです。

幣美奈穂 >  
「はい・・お煎餅の音が煩くてよく聞こえませんでした・・」

しょんもりです。しょんもり案件なのです。
黒い瞳がついつい、うるっとなってしまうのです。
見た目にも肩を落として、叱られた子犬が如くです。
頭の中で、スアマにしといたら・・とか思うのです。

「お、お祭りの味です・・!
 ぽっぷこーん、お祭り屋さんです!」

少しおののきます。
頂いたポップコーンの入った袋を握りしめまして、ちょっと興奮です。
修学旅行に持っていくおやつにしてもいいかもしれません!。

雨見風菜 > 「じゃあ駄目ですね。
 それは怒られます、間違いなく。
 最初から用意されてもらっていたり、勧められたりしたなら兎も角、自分からはやめましょうね」

言い過ぎたかな、とは思うものの。
同じ失敗をしても意味がない。
心を鬼にして諭してみよう。

「ふふ、選ぶだけで楽しいですよ」

なにせ普通なら塩・バター・キャラメルくらい。
だがポップダディーはとりどりの色と味のポップコーンで迎えてくれる。
ポップコーン好きにはたまらない店だ。

幣美奈穂 >  
お顔がちょっと伏せてしまいます。
それでも、潤んだお目めでちらっ、ちらっ、とお顔を見るのです。

「で、でも。
 熱いお茶をかけちゃったのは、猫伯爵様です・・」

もごもごっと、当時一緒にいた猫伯爵様にも叱られ案件お裾分けです。
美奈穂は褒められ案件の方が好きなのです。

「わぁ・・あの、500円でどれぐらい買えますかしら?」

旅行のおやつ代です。
500円分の材料を買って自分で作ろうと思っていたのですけど、
お口の中が既にぽっぷこーんです。

雨見風菜 > 少女の伏せた顔、潤んだ目に、良心がチクチクと痛む。

「だとしても、ですよ。
 話をしようとした時に邪魔されるのは、貴女も嫌でしょう?」

言い訳無用とばかりに。
まあ、事情は知らない以上信じるほかないけども。

「500円だと、一種類だけですね。
 この袋いっぱいですけども」

ひょいと、抱えていたポップコーンの袋を見せる。
三種類あるサイズの一番少ないサイズだが、残っているだけでもかなりの量だ。

幣美奈穂 >  
「はい・・次からはスアマにしますの・・」

反省している風情・・ぽろり、考えてたことが漏れちゃいます。
もっちもっちとなっちゃうかもしれません。

「1種類だけ・・。
 むむむっ・・」

お悩み案件発生です。
結構たくさんなのですけど・・それだけで修学旅行中は厳しいのです。
お菓子交換も大事な要件ですし・・。

「むむむー、むむむなのです・・」

眉をぎゅっと寄せて真剣に悩みます。
このポップコーン事件、修学旅行ではなく、委員会でのおやつにした方がいいのかもしれません。

雨見風菜 > 駄目だこれ。
全く理解できていない。

「駄目ですよ、言ったでしょう?
 準備されているか、勧められるかしたときだけって」

呆れた顔がもしかしたら出ているかも知れない。
声を荒げる事なく諭してはいるつもりだが。

「実際に悩ましいものなんですよね。
 色々と目移りしてしまいますし」

ポップコーンはポップコーンで……確か20種類はあったはず。
いずれにしろ悩むのは間違いないだろう。

幣美奈穂 >  
がーん、スアマもダメだなんて・・!

「あの、わたくしがご用意しておきますから・・。
 美味しいのですよ?」

おやつの時間に我慢するのは大変なのです。
お腹がくぅ~ってなるのですよ?
だめ?、と小首を小さく傾げさせて目で訴えるのです。

「・・お姉様はどうやって決めたのですか?
 わたくしだと、ずっと悩んじゃいそうです・・」

こういう時は、人に尋ねて助言を頂くのです。
美奈穂は判らないことを素直に聞くことができる子なのです。

雨見風菜 > 「一緒に食べるのならいいと思います、今みたいに。
 何にせよ、相手の話を妨げないのが一番ですよ」

自分が相手の分も準備するなら、それでいいだろう。
兎にも角にも重要な部分は言った。

「私はその時の気分ですね。
 まあ、これ一つだけ買ったわけじゃないんですけども。
 決まらないなら、目を瞑って選んでみるとかもいいですね」

残りは『物体収納』しているため、傍から見ればこのポップコーン以外に持っているようには見えない。
それはそれとして、いつもの自分の選び方を教えるのであった。

幣美奈穂 >  
――そういえばよかったのですね、とぴーんとひらめいたお顔です。

「わたくし、きちんと朧車さんにも差し上げましたの!
 ・・気を付けます・・」

袋を開ける音から食べる音、お茶を零したり猫伯爵様の携帯電話が鳴ったり。
おっきな朧車さんのお話するのを悉く邪魔してしまったのです。
目をすぅ~っとついつい逸らしてしまいます。

「目を瞑って・・!
 人生を、賭けるというやつですわね・・」

ほうほうと、感心しましたように頷きます。
今日の委員会のおやつは、とそうやるといいかもしれません。
できれば、買った中身も開けるまで自分が分からないとよさそうです。

・・こうして、新たな犠牲者を生み出すのです。

雨見風菜 > 朧車が、果たして食べることができたのだろうか。

「ええ、次からは気をつけましょうね」

この様子から、どうやら図星だったよう。
まあ、これでよく分かってくれたと思いたい。

「まあ、そんなものですね。
 どうしても嫌いなものならもう一度やり直せばいいですし」

わざわざ嫌いなものを買う必要はない。
どうせ自分で食べるものなんだし、と風菜は呑気だ。
少女が何を考えてるかは知る由もない。

幣美奈穂 >  
次に出会えることがありましたら、隙を見てまずはお口にスアマを突っ込みましょう。
そう決意して、真面目なお顔でこくりと頷きます。

「はい、次から機をみつけますわ」

ばればれなのに気づかない幸せな子なのです。

「ありがとうございます・・今度、試してみますわ。
 そういう時は・・上司の方に全部差し上げます」

頭をぺこりと下げるのです。
嫌いなものは仕方がないので、係長さんに差し上げることで解決です。

「修学旅行に持っていきます分は・・やっぱり、手作りにしておきます。
 その方が沢山持っていけてお裾分けとか交換とかできますから・・」

500円全部がポップコーンは残念ながら諦めるのです。

雨見風菜 > なにかずれたような答えが聞こえた。
だがまあ気のせいだろう、と看過したのは果たして吉か凶か。

「いや、別にそれを買わなきゃいけないわけじゃないですよ。
 そんな罰ゲームでもないんですし。
 手作り……まあそうですね、制限があるならそっちのほうがいいでしょう」

そもそも守る必要があるのだろうかとちょっと思ってしまうが。
風菜自身、金額制限を守るのは小学校で卒業している。
とはいえポップダディのポップコーンではすぐバレてしまうだろうが。

「……でも、今貴女に渡したみたいに小分けにすればいいのでは?」

幣美奈穂 >  
え~?、と目を大きくさせてしまいます。
お手てを広げて説得です。

「そんな、判らない方が楽しそうですもの!
 ほら、皆さんの前で開けていっしょにわくわくしましたり・・。
 お泊りって楽しみです!」

本島みたいに他の地域に出かけるような修学旅行ではない、島内での合宿な常世学園の修学旅行。
でも、旅行なんてほぼしたことがない身では楽しみなのです。

「小分け・・きちんと500円分に小分けできますでしょうか・・」

お手てに持った袋を見るのです。
この袋の中の出、お幾らぐらい分になるのでしょうか。
と、変なとこで真面目なのです。

雨見風菜 > 「まあ、それでいいならいいのでしょうが」

実際問題そのあたりは個人の自由だ。
無理に押し付けるものでもない。

「別に厳密に見ているわけではないですし、少しくらいオーバーしても大丈夫でしょう」

心配なら量を測ればいい、とは言わない。
だがこれは、真面目な彼女にとっては悪魔のささやきかも知れない。
実際風菜の清楚さの裏にもう一つの顔があるのは違いないのだが。

幣美奈穂 >  
「皆さんできゃぁ~となるのとか、楽しそうです!」

・・そうなったら、また委員会で叱られ案件になるかもしれませんけど。
そこまで考えてないのです。

「一人だけたくさん持っていったらダメなのです」

きりっ。真面目な風紀委員さんのお顔なのです。
でも、半分ずつとか、1/3ずつとかなら・・。
そわそわと、手に持った袋をちらちら見ながら考えます。
袋を少し開けて中を見て、ぎゅっと目を瞑って袋を閉じます。
甘未に悩むお年頃なのです。

雨見風菜 > 「少しですし、大丈夫とは思いますけども。
 まあ、そこは個人の自由です」

無理強いはしない。
あくまで、提案でしか無く、決めるべきは本人だ。
果たして、少女はどうするのだろうか。

「あら、もうこんな時間」

気づけば話し込んでいた以上、結構時間が経っている。
そこで帰ろうとしかけて、ふと気付く。

「そう言えば、名乗っていませんでしたね。
 雨見風菜といいます」

果たして、風紀の一部で話題に上がった痴女の名と同じだが。
この少女は結びつくだろうか。

幣美奈穂 >  
「う、うぅぅ・・」

また眉を寄せて悩んじゃいます。
ちょっと身体がくねくねっとして、心の中の良心が戦っているのです。

「――あっ、お店が・・」

急がないと、夕方のタイムセールスの時間になってしまいます。
そう、タイムセールスの戦場となる時間、
その時になると歴戦の勇者(奥様)たちに太刀打ちできなくなります。
その前にお買い物を済ませませんと・・!

「あっ、はい。
 わたくし、幣美奈穂ともうします・・!」

悩んでいた眉がぱっと腫れまして、ぺこりんっ。
反射的に丁寧に頭を下げるのです。
美奈穂は委員会でもお子様扱いされていますので、そういう風な話は聞かされないのです・・。

雨見風菜 > くねくねともどかしいだろう少女が微笑ましい。

そして風菜が時間を気にするのならば、少女もまた時間を気にしていたようだ。
店……と聞いて思いつくのは夕方の値引き時間。
小さな体で果たして買うものにありつけるかはわからないが、とりあえず健闘を祈るだけはしておこう。

実際問題、痴女の名前を知っていたとしても、結びつかない可能性は高い。
問われれば肯定はするのだが。
それはそれとして、名乗り返された名前をしっかりと覚えて。

「美奈穂ちゃん。
 では、また縁があれば会いましょう」

言って、風菜は女子寮へと帰っていくのであった。

幣美奈穂 >  
急ぎませんと、買い終える途中で戦士な奥様方に遭遇しそうな時間です。
それに気づきますと、それはそれでそわそわしてしまいます。

「はいっ、風菜お姉様、教えて頂いてありがとうございます」

ぺこり、とまた頭を下げるのです。
胸の前で小さく手をふり見送れましたら。
急いでお買い物するお店にとぱたぱたっと、大人の早足程度の駆けっこで
お店に急ぐのでした

ご案内:「商店街」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「商店街」から幣美奈穂さんが去りました。