2020/12/18 のログ
照月奏詩 > 「ハハハ、だったらもう鍋マスターって感じだな。なんかおすすめの鍋の素とかあったりしないか。できれば混ぜるだけで良い奴でお願いしたい。調味料足さないとダメなタイプだと途端にゲテモノになっちまうから」

 ずっと鍋をしていたのなら教えてくれと少しだけ笑ってそう聞く。
 本当に料理は慣れていないのでこういう機会に聞いておきたかった。

「うっはぁそりゃキツいな。俺も正直寒さは苦手だからなんとなく気持ちはわかるわ。でも魔術でなんとかなるなら一安心ではあるな……てか、ラミアの子たちって。あんたラミアじゃないのか? てっきりそうだと思ってたんだが」

 なんとなく会話の中からラミアとは別というニュアンスを受けてつい聞いてしまう。まぁ蛇の姿をした種族など色々といるし、なんなら獣人で蛇ということもあるだろうし。
 
「って、そういえば名前も言ってなかったな。たぶん同年代だろ俺達。ということで……常世の1年。照月奏詩だ。好きに呼んで構わないぜ」

 としばらく話してからの自己紹介であった。

藤巳陽菜 > 「一人なら固形の鍋の素とかが量、調整しやすくて良い感じだと思うわ。水に溶かすだけでいいし。パックのやつも美味しいんだけど……どうしても一人だと多くなっちゃうから……。
 出汁の素だけいれて水炊きもいいし、とりあえず何でも試してみれば?」

複数人で鍋をしたのはいつの事だろう?
この学園に入る前なので2年以上は前の事。
少し寂しい気持ちになってくる。

「私はそう、ラミアじゃなくてこれでも人間で……。
 ……その……異能でこんな感じになっちゃって……。」

人間。身体の構造はこんな事になってても人間。
検査の結果が人と離れていたとしてもそれでも人間。

「私は藤巳陽菜、二年生、よろしくね照月君。
 ……最初、凄い普通に話しかけてきたから私が忘れちゃってるだけでどこかであった事あったかな?
 って思ったけどちゃんと初対面で……ちょっと安心してるわ。」

照月奏詩 >  
「固形の……なるほどなんとかブロックとかああいうのか。了解、せっかくおすすめされたし今日はとりあえずその固形の買って帰ってみる。見つからなかったら出汁だけいれて水炊きで」

 二つも教えてもらえたのはすごくありがたい。もし見つからなかったらという手段が取れる。
 重要な出汁の量を聞き忘れたのは料理スキル0たるゆえんである。
 その後の事を聞けばあぁと声を出すと少しだけ罰の悪そうな顔。

「そういうことか。それなら悪い。結構失礼な事言ってたな。悪かった」

 最初に話しかけて驚かせたと言って誤った時より真剣に謝罪をしてから。
 安心しているという言葉には少しだけ笑ってしまって。

「あぁ、それはホントにな。少しだけ距離感とか考えるの苦手でさ、とりあえず話しかけちゃうかもしくは話しかけないかって感じなんだよ。てか先輩だったのか、それじゃあよろしく藤巳先輩?」

 先輩の方がいいのかそのまま名前の方がいいのか。悩んだ結果こういう呼び方になったが。最後の先輩は少しだけ?マークが浮いているような話し方になっていただろう。

「あれだ、失礼な事いったお詫びってのも変だが。少しだけ奢るよ。まぁ特売の野菜で何言ってんだって話かもしれないけどさ」

藤巳陽菜 > 「ええ、まだ冬も長いし色々試してみたらいいと思うわ。
 多分、常世マートなら売ってると思うのだけど……。」

この時期なら鍋に関するものはまずあるだろう。
……売り切れてるという事も多分ないだろうし。

「いえ、全然もう慣れてるし……。
 ……むしろ、良く気が付いたなあって思ったくらいで……。
 この見た目の時点で異邦人って広い括りで纏められちゃってそれ以上あまり気にされないし……。」

ちょっとした言い回しでラミアじゃないって気が付いてくれる人はあまりいない。
顔を見て声をかけてきたのもそうだけど良く人を見てる。

「それは良いと思うわ。
 私は話しかけようと思っても遠慮しちゃってそれで話しかけられずに終わってばかりだもの……。
 ……先輩は先輩でも学校にもあんまり行ってない先輩だから気にしなくていいわよ。」

それで後で話しかけなかったことを後悔する。
……昔はこうじゃなかったと思うのだけど。

「えー本当?でも、後輩に奢らせるなんてなんだか悪いわ。」

照月奏詩 >  
「いやぁ、こう……他に買い物があるならともかくさ。鍋の素だけ買うためにマートってなんかすごく入りくくないか?」

 マートをオススメされると少しだけ明後日の方を見ながらそんなこと言っている。
 コンビニならともかくスーパーにいって元だけというのは中々にやりにくい。
 だからといって他の材料まで買うとたぶんタイミングを間違えて生煮えで食べる事になる。無念なり料理オンチ。

「あぁ、まぁそういうタイプはいるけど。俺は逆に異邦人がいるからこそ相手の種族とかって大事にしないとって思っててさ。ほら、それこそ……寒さが苦手とかわかってれば何かあった時に気使いやすいじゃん?」
 
 例えばの話だけどさと少し肩をすくめて言った。
 それこそ種族というのは大きなくくりだが世界が違えば宗教や生活も変わってくるわけで。だからこそ猶更相手がどんな種族でどんな生態なのかを知っておくのはこの街では大事な事だと個人的には思っていた。

「良いことか。でもさっきみたいにビックリさせるといけないからその辺は気を付けないとだけどな……ん、たしかに少し奢られにくいか」
 
 言われてみればたしかにとなんとなく納得した。逆の立場で考えると絶対に拒否しそうだし。

「まぁ、じゃあ今度何かの形でってことで」

藤巳陽菜 > 「うーん、そうかしら?店員さんもそこまで気にしてないと思うけど……。」

でも、そういうならもう諦めてもらうしかない。
買い物できない者には料理することは出来ないのだ……。

「その考え方、凄い良いと思う。
 なんていうか……この島っぽい?っていうのそんな感じがして好きよ。
 照月君もしかしてこの学園に来る前から異邦人の知り合いとかいたの?」

この島に来て一年も経ってないとは思えない常世島っぽい考え方。
本土で暮らしていた、異能にも魔術にも異邦人にも怪異にも触れて来なかった陽菜とは違う考え方。
……皆、彼みたいな人だったら良いのに。
 
「知らない男子から声かけられるとまあビックリするし……難しいわよね。」

驚かせないように行っても、女子相手だとナンパか何かと間違えられかねない。
善い人も大変だ。

「そうね。今度、会った時に何してくれるのか楽しみにしてるわ。」

そんな事を楽しそうに言う。

照月奏詩 >  
「まぁそうなんだけどな。とりあえず今日はコンビニに顔だしてなかったらもう一つのおすすめを試してみるよ」

 そっちもおいしいんだろと少しだけ笑って。鍋マスターを信頼している様子である。
 その後の発言を聞けば肩をすくめる。

「まぁ、それなりにはって感じだな。世話になった人がやってたことなんだけどそのまま大事だなとおもって俺も実践してるだけだし」

 違法組織からスラムを影から守る組織へ渡った人物。結果としてスラム等には知り合いも多いわけで。そしてスラムにはどうしても異邦人も多い事だろう。だから結果こうした考えも生まれた。
 
「とはいっても……ホントに知り合いレベルでしかいなかったけど」

 とそこは苦笑いをして認めていた。
 実際友人レベルではいなかった。

「そうそう、ナンパに間違われると男としては困るんだよ……というか、実際これだってはたから見れば立派なナンパになってるしな。訴えられなくてありがたい限りだ」

 そう冗談のように言い放つが。
 話しかけてこうして会話しているというのは立派なナンパになってしまっていることだろう。

「それをこっちに投げられるのは辛いもんだな。センスが悪くても笑わないでくれよ先輩」

 そういうの苦手だからよと肩をすくめて言っていた。
 そして手に持った白菜を会計に通して。

「じゃ、俺はそろそろ行くわ。鍋の素も買わないとだし。先輩は、戻るなら途中までになりそうだけど案内するぜ?」

藤巳陽菜 > 「水炊きは普通に作れば失敗はしないから大丈夫よ。」

水炊きを失敗するのはまず不可能。
てきとうに出汁を入れて水を張って炊けばそれだけで成功と言えるのだから!

「良い人にお世話になったのね。
 同じくらいの年なのにそういう風な考え方持てるの本当に凄いと思うもの。」

陽菜はそんな考え方はこの身体になっても未だに持てていない。
すぐに人を見かけで判断する。大きな枠組みで判断する。
……良くない。

「確かにこの時期にそんな風に話しかけに行くの完全にナンパよね。
 八百屋でナンパってフフッ……。」

このクリスマスと常世祭を前にしたこの時期に落ち込んでる女子に声をかけに行くのは完全にナンパだ。
八百屋でナンパというそのシチュエーションがツボに入ったのか噴き出してしまう。

「気持ちでいいのよ?私そこまで気にしてないし。」

特にやらなくてもいいとは思ってるけども折角の好意。

「そう?でも、私の方が学生歴長いのだけど……
 ……でも、折角だからお願いしようかしら?案内してくれる?」

会計を終えれば白菜3玉、人参一袋、両手と尻尾の先にそれぞれ袋を吊り下げて。

照月奏詩 >  
「出汁を入れるってのがすごーく不安だがって……そうだ、出汁の量聞いてない。後で教えてくれ!」

 ギリギリで思い出せた。これで出汁を入れず義て激辛鍋になることだけは回避できたかもしれない。
 そう、出汁を入れる一つでも料理スキル0には難所なのであった。

「ああ、ホント良い人に世話になれた……って、でも事実だろ。はたから見りゃ立派なナンパだぜこれ。場所が最悪すぎるシチュエーションだが」

 余計なお世話だとばかりの冷ややかな八百屋のおやじの視線に肩をすくめていた。
 だが事実は事実だから仕方がない。

「了解、気持ち程度な。後あれだ、案内というか送ってくだけだ。それこそ……ナンパとかに絡まれると面倒だろ?」

 少なくとも能力無しには負けない自信があるし。ただのナンパくらいなら追い返す事は可能だろう。
 それ以上ならば……彼女にも手伝ってもらう事にしよう。

 そうしてこちらも白菜を手に歩き始める。
 鍋が成功したかどうかは……彼だけが知るが。曰く白菜って液体になるんだなと言っていたらしい。

藤巳陽菜 > 「そんなに入れなくても大き目のスプーン一杯で十分だと思うわ。
 ……このスプーンちいさいかもしれないって思っても一杯でいいからね。」

そこまで濃くなくても大丈夫。
なんせ水炊き、ポン酢が全て。

「本当、こんな所で声かけられて付いていく女の子なんてまずいないでしょうね。」

こんなシチュエーションでナンパされてついていくような女子はまずいないだろう。
いるとすればあまりにもチョロすぎる……。
多分どこで誰に誘われてもついていくのではないだろうか?

「それなら大丈夫よ……私ナンパとかされないし。」

蛇の下半身を見れば普通の男は声をかけてこない。
話しかけてくるのは相当の物好きくらいだろう。

そうして、連れ立って行く様子を傍から見れば八百屋でナンパされたように見えるのかもしれなかった。

ご案内:「商店街」から照月奏詩さんが去りました。
ご案内:「商店街」から藤巳陽菜さんが去りました。