2021/01/31 のログ
ご案内:「商店街」にジャムさんが現れました。
■ジャム > 当たり前の話だが、商店街には商店街っぽいお店が並んでいる。
そしてそこに古めかしい銭湯があったとしても不思議ではなかった。
スーパー銭湯どころじゃない、玄関入っておじいさんにお金を渡すぐらい古いやつ。
お風呂上がりに冷たいいちごミルク飲めるとこ。
女湯のガラス戸がガラララっと勢いよく開くなり、湿り気帯びた黒髪と尻尾をふるるるっ。濡れた犬みたいに震わせて水気を盛大に払い。
「ふあーー!気持ちよかった!
足も尻尾も伸ばせるお風呂ってすてきー!」
ご機嫌な様子で乾ききっていない頭にバスタオルを巻きつけてラウンジに出てくる。
膝まで覆う大きな白いシャツだけの姿で紙パックのコーヒー牛乳買い求めると、差したストローから思いっきり啜って。
なんとも言えない充実感に満たされ。尻尾ゆらゆらと目元綻ばせ。近くの長椅子に座って、扇風機から送られる風に髪なびかせ。火照った頬を冷やし。
■ジャム > 壁の隅っこの天井付近に置いてある、平べったくない古いテレビでやってるリアリティショー見ながら寛ぐひととき。
それ自体は何てことないけれど、人間らしい生活をしているみたいでちょっと気分が良いのだ。
故郷の世界じゃ、日が暮れたらすぐに寝て朝日と一緒に目を覚ましていた。
最初こちらの世界に来た時には、夜なお眩しい街が物珍しくてたまらなかったものだ。
とか思っているうちに髪も尻尾も獣耳もすっかり乾いた。
いそいそと厚手のダッフルコート羽織って、ちゃんと獣耳の形にあつらえてもらったフードを被って襟元を締める。
番台さんに、また来るねー!と元気よく声をなげかけると身体が冷えないように小走りにて、そう遠くない自室を目指して学園島の夜に紛れて――。
ご案内:「商店街」からジャムさんが去りました。