2021/03/26 のログ
ご案内:「商店街」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
春休み中の商店街。
何時もは其処まで人通りの多くない時間、お昼時。
とはいえ、春休みともなれば相応の人出と賑わう声が聞こえてくる。
ショッピングを楽しむ者。料理の材料を買いに来た者。運営する店舗の開店準備に勤しむ部活生など。
そんな通りをすり抜ける様に通りを歩く少年の姿。

「……ネットで売っていない、というのは不便なものだよなぁ」

久し振りの休暇。着慣れた風紀委員の制服から、着慣れぬ私服へ。
抱えた紙袋には、生産数を絶賛絞られている缶コーヒーやらお菓子の類。
カロリー過多。糖分過多。甘過ぎ。砂糖食べてれば良いんじゃないか。
等といった理由で人気を失いつつある商品をこよなく愛する少年は
そういう珍品(?)を取り扱う店舗での買い物を終えたところであった。

神代理央 >  
基本的に余り外で買い物をしない己にとっては、風紀委員の仕事以外で此処を訪れる事も余り無い。
生活必需品はネットで注文しているし、そもそも仕事で自宅にいる機会が少ないというのもある。
何なら、自宅より本庁の執務室の方が過ごしている時間が長いとすら言えるかもしれない。

「……あ、この歌手。新曲出してたのか。最後に聞いたの、去年くらいだったかな」

だから、自由な時間にこうして商店街をぶらつけば、日頃目にしない発見があったりなかったり。
気付けば、色とりどりのポップや、客引きの店員に捕まったりしながら春の陽気に包まれた商店街をのんびりと散策していた。

神代理央 >  
物資の統制を行っている落第街とは違い、此処は本当に平和なものだ。
物に溢れ、人が溢れ、穏やかな陽光と活気に満ちている。
…此れが正しい世界であり、此れが正しい在り方。
落第街やスラムなど、断じて認める訳にはいかない。

「…この陽光が合わぬというのは構わんが、だからといって、それを遮って良い理由にはならないからな」

綺麗に包装された果物の並ぶ八百屋を眺めながら、ポツリと呟いた言葉は、誰にも届かない。